提供:Sitakke
HBCテレビ「今日ドキッ!」より、選りすぐりの情報をお届けします。
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あたたかい家族の姿を描くコーナー「ファミリーストーリー 家族のキズナ」。
今回は、日本最古の観覧車がある遊園地を、先祖代々に渡って守り続けている家族に密着取材しました。
函館公園 68年の歴史 遊園地を家族で守る
函館山のふもとにある函館公園。
その敷地内には ちょっと懐かしい、昭和レトロな遊園地”こどものくに”があります。
咲き誇る桜の木…...この時期は美しい桜と たくさんの笑顔が撮れる写真スポットになります。
4代目の加藤健一さん。
1956年に開園した“こどものくに”は、代々、加藤家が守り続けています。
メリーゴーランドは開園当初からずっとあります。
これは1960年の様子。
昔のデザインそのままなのが分かります。
クルクルと椅子が回転するスカイチェアー。
こちらもそのまままの姿です。
ロータリーチェアーも元気に活躍しています。
長男・大地さん:「これが日本最古の観覧車で文化財にも登録されている。八角形のホイールは74年前のまま」
1950年に完成した空中観覧車。
七飯町(ななえちょう)の大沼国定公園で活躍していましたが、“こどものくに”の開業に合わせやってきました。
現役で稼働する日本最古の観覧車です。
中にはこんなお客さんも…
埼玉から来た旅行客:「前に乗ったのは、12歳小学校のとき。60年前ですよ。楽しかったです」
「最初は仕事が嫌いだった」長男・大地さんは、父の言葉をきっかけに……
加藤家の長男・大地さん。
今はマネージャーを務めていますが、実は違う夢がありました。
長男・大地さん:「小さいころからテニスのプロで食べていくのが目標だった。手首をケガしてしまってラケットを握れなくなってしまって。テニスをやめたら自分は何をしたらいいのだろうと漠然とした不安があった」
ケガで夢を断たれた大地さん。
その時、「遊園地でアルバイトをしないか」と声をかけたのが父・健一さんでした。
長男・大地さん:「掃除が嫌で…父が毎日掃除、掃除と…外なんてすごい汚れているんです。毎日やるの嫌だなと」
最初は仕事が 嫌いだった大地さん。しかし2年後、加藤家と遊園地に大きな試練が訪れます。
加藤家と遊園地に大きな試練が……
母・智美さん:「函館は観光の町なので、人が全く歩いていないという姿が本当にさみしくて」
2020年、新型コロナウイルスの拡大で函館公園は閉鎖。 年間15万人来ていたお客さんも、この年は9万人に減少しました。 人件費や機械の維持費に年間500万円以上…存続の危機となります。
長男・大地さん:「人がいない函館公園を見て、父は“こどものくに”はできなくなるかもしれない…という話を家でされたくらい、どうなるかわからなかった」
桜の季節にお客さんが1人もいない。68年の歴史の中で初めてのことでした。
2021年、先祖代々受け継がれてきた遊園地を守るため、1,000万円のクラウドファンディングを始めた大地さん。
沢山の応援メッセージと共に、目標額を大きく上回る1,600万円以上が集まったのです。
父・健一さん:「感謝の気持ちでいっぱい。ここは一生続けていかないといけないし、一生守っていかないといけない。」
お客さん:「長男が4歳の時に、桜がきれいで一緒に観覧車に乗った思い出があったので、ぜひ長女と一緒に乗りたいと来た」
弟の周さんと観覧車を点検する大地さん。
掃除も、点検も 率先して行うようになっていました。
長男・大地さん:「掃除をしているときにここが汚い。こうしたらいいのではと発見することが増えてきて…こういう小さい仕事が安全管理につながっていると思っている」
ピンチを乗り越え、家族のキズナも深めた加藤一家。
これからも遊園地を守り続けます。
函館公園こどものくに
- 住所
- 北海道函館市青柳町17-4
- 営業時間
- 平日/10:30~16:30
土・日・祝日/10:00~17:00
※GW・夏休みは祝日扱い - 休園日
- 雨天時・11月下旬~3月中旬
- 入園料
- 無料
- 乗り物
- 1回350円(1日フリーパス2,800円)
函館公園こどものくには、11月下旬まで営業しています。
雨の日は休園になりますので公式サイトなどでチェックしてください。
※掲載の内容は番組放送時(2024年5月2日)の情報に基づきます。
※この記事は、2024年5月5日にHBC北海道放送のWEBマガジン「Sitakke」で公開された記事を転載したものです。