良縁祈願ならここ、浅草・今戸神社！御朱印や招き猫にも注目！

東京・浅草エリアにある今戸（いまど）神社は縁結びで人気の神社。良縁に恵まれるよう丸い形をした絵馬に、恋のアドバイスが書かれた恋勝みくじなど、境内にいると「よし恋しよう！」「もう少し頑張ってみよう！」と元気をもらえます。お参りの後はそのまま浅草をそぞろ歩き。東京の賑やかな下町情緒を感じつつ、和風スイーツを味わえば身も心も幸せ気分です。

浅草駅から隅田川沿いに歩いて行くこと約15分。観光スポットから少し離れ、住宅が集まる静まったエリアに今戸神社はあります。目的地に向かう途中はオープンテラスのカフェや青空に映える東京スカイツリー®を眺めながらと、ちょっとしたお散歩も満喫できます。

バスで向かうなら、浅草エリアを周回している「北めぐりんバス」が便利。「リバーサイドスポーツセンター前」で下車すると徒歩約1分で今戸神社に到着します。

日本で最初の夫婦といわれる伊弉諾尊（いざなぎのみこと）、伊弉冉尊（いざなみのみこと）を祀っていることから縁結びにご利益があるとされ、今戸神社の住所が「今戸1-5-22（いいご夫婦）」と縁起の良い語呂合わせで人気が上昇。

さらに年に数回、『縁結び会』という出会いの場を催すことで縁結びの神社として定着しました。神社には週末だけでなく平日も女性同士やカップル、海外からの旅行客も訪れるほどです。

境内のいたるところで見かける招き猫の置物。もともとこの場所一帯は今戸焼とよばれる陶磁器の発祥地で、招き猫も生産していました。そのため今戸神社は『招き猫の発祥地』とも言われます。現在でも多くの招き猫が今戸神社に奉納され、本殿のなかには特大サイズの招き猫も。

今戸神社にいる招き猫のなかでも特に注目されているのが本殿横の2体。招き猫と浅草情緒を歌った歌碑の上にちょこんと乗っている可愛らしいカップルの猫です。

こちらの招き猫を携帯電話の待ち受け画面にしておくと願い事が叶う、といわれています。長年撫でられて光沢が増している様子からも、いかに多くの人たちがご利益をお願いしに訪れたかを物語っています。

訪れる人たちのなかには芸能人も。2019年2月にはジャニーズ事務所所属の北山宏光さん（Kis-My-Ft2）が主演映画『トラさん〜僕が猫になったワケ〜』を祈願するため参拝。その際に奉納された黄色の招き猫が展示されています。

『生きている招き猫』こと白猫の「ナミちゃん」を見かけたら、警戒されないようカメラのご準備を。今戸神社周辺に住む野良猫で、境内では日向ぼっこをしたり、招き猫さながらのポーズをしたり。

ナミちゃんの写真を携帯の待ち受け画面にしたら、恋愛だけでなく仕事のご縁にも恵まれたという嬉しいニュースが。あどけない姿を見ているだけで、こちらもほっこりです。

縁結びや招き猫関連のものが多いなか、特にこだわりを感じられるのが絵馬です。まあるく角がない珍しい形で、ご縁と円を掛けたもの。縁結びの神社らしく、柔らかな印象が伝わります。

絵馬の招き猫はオリジナルのデザイン。お願い事用とそのお願い事が叶ったら成就を感謝する用の2種類があり、ぜひ2種類とも揃えて結びたいものです。

怖いけど引いてみたくなるのが、おみくじですよね。今戸神社のおみくじは4種類。小さな招き猫が納められている招き猫おみくじや、熊手や小槌など縁起ものが納められたおみくじなどがあります。

その中でも特に当たると評判なのが「恋勝みくじ」（200円）。自分に合った相手の年齢や星座、さらには血液型など細かい点だけでなく、恋に勝つアドバイスも書かれていて思わずふむふむと読み込んでしまいます。同封された招き猫のおまもりはお財布に入れて持ち歩くと良い恋に繋がるご利益つきです。

絵馬やおみくじだけでなく、今戸神社の御朱印帳（各1,500円）も他では見かけないユニークなデザイン。ショッキングピンクにダークネイビー、ターコイズブルーという鮮やかな色あいは、持っているだけでも気持ちもウキウキしてきます。

御朱印は季節問わず、通年同じデザインです。招き猫発祥の地と書かれたスタンプと、白髪童顔で穏やかな表情をしている福禄寿のスタンプが押されます。

えんむすびのおまもり（各800円）も丸々とした形が特徴的。通常は赤と紺の2種類で、招き猫と今戸神社の文字が。期間限定でピンクのおまもりには松竹梅の模様も入り、豪華さが増したデザインに。

他にもご利益あるグッズがたくさん。叶（かのう）結びという縁起の良い結び方が施された紐は御朱印帳をとめたり、ブレスレットで身につけたりと幅広い使い方ができそう。恋愛に効くおまもりも付いてきます。

境内にはテーブルやガーデンチェアが置かれているのも嬉しいポイント。おみくじをじっくり読んだり、参拝後に一休みしたりと、思い思いの時間を過ごすことができます。

植え込みには招き猫や猫のオブジェ、それに猫型のじょうろも。本物の猫のようにさりげなく境内に潜んでいたりして、見つけると思いのほか嬉しい気持ちになります。

時間があれば、今戸神社が加わっている東京下町八社福参りに参加してみるのもおすすめです。東京下町八社福参りは八つのお恵みを頂きつつ、情緒ある下町の土地柄や名所を知ってもらうことがコンセプト。

強運厄除けで名高い小網（こあみ）神社や、都内最古の稲荷神社と呼ばれている下谷（したや）神社などを巡ります。

また今戸神社は七福神の一神、福禄寿も祀っていることから浅草名所（などころ）七福神にも参加しています。浅草名所七福神は浅草界隈で七福神を祀っている寺社を巡りますが、その数は9寺社。

七福神なのに9？と思いますが、これは「九は数のきわみ、一は変じて七、七変じて九と為す。九は鳩でありあつまる意味をもち、また天地の至数、易では陽を表す」という古事に由来。縁起が良いとされる九に合わせています。

運が良いとお会いできるのが『人間パワースポット』と呼ばれている今泉恵子さん。週2日間社務所に勤務していて、悩める女子にアドバイスやエールを送ってくれることも。

「黒や白だけでなく明るい色の洋服着てみて！」「辛くても今の状態を感謝したら良いご縁が巡ってくるわよ！」と初対面にも関わらず、ビシバシと指摘してくれるのも下町ならではの風情です。恵子さんの力強い言葉に押され、こちらも力が湧いてきます。

今戸神社で良縁成就のお願いをしたら、そのまま活気ある浅草中心地へ。浅草寺の本殿すぐ横にある浅草神社にも良縁、恋愛成就の願いを込めて祀られているものがあります。

その正体は仲睦まじく並んでいる夫婦狛犬（めおとこまいぬ）。狛犬は一対で置かれることが多いですが、こちらの狛犬は互いに寄り添うように並んでいます。素朴で表情豊かな様子は見ているこちら側も笑みがこぼれます。

狛犬にほっこりした後は浅草の仲見世通りへ。東京随一の観光スポットは次から次へと人が往来し、今も昔も変わらず活き活きした景色に気持ちも浮き足立ちます。

両側には浅草名物の人形焼や雷おこし、揚げまんじゅうの甘い香りが漂い、扇子やかんざしなど和雑貨が視界を彩ります。

仲見世通りの中で、一番浅草寺寄りにお店を構えるのが木村屋本店。明治元年創業の人形焼店で、初代が大切にしてきた味だけでなく五重の塔や鳩といった人形焼の型も昔から変えずに継承し続けている老舗です。

おすすめは、出来たてほかほかの人形焼4個セット。こし餡のしっとりとした歯ざわりと優しい生地の甘さが絶妙で、浅草名物をかたどった、見た目も楽しめるという一石二鳥の和菓子です。

お店横には実際に人形焼を作っている様子も見学できます。昔ながらの器具を駆使し、ひっくり返したり、手際よく人形焼を取り出したり。無駄のない一連の流れに惚れ惚れです。

人形焼は餡入りと餡なしの2種類。その他にも浅草名物の雷おこしや草加せんべいの詰め合わせなども販売していて、おみやげにもぴったりです。

『和』が似合う浅草。これを機会に自分自身も染まってみれば素敵な思い出に。着物や巾着、着付けの知識がなくとも浅草では手軽にレンタルでき、着付けまでしてくれるサービスが盛んです。周囲を見渡せば着物姿の人たちも多く、日本らしさを存分に楽しんでいる様子に自分も加わりたくなります。

かわいい猫たちが出迎えてくれる今戸神社。良縁成就で評判の神社でお願いごとをしたら、一歩前へ進んだ気持ちに。そのまま浅草寺界隈へ足を運べば、小気味良い下町の雰囲気で気分がさらに明るくなります。活力溢れる浅草で恋のエナジーをチャージしてみてはいかがでしょうか。

取材・写真・文／浅井みらの