東京から約3時間半、温泉めぐりで有名な長野県「渋温泉」は、1泊2日の女子旅にぴったり!美肌の湯をはじめ、源泉が多く様々な効能を期待できます。さらに渋温泉街を浴衣で歩いて、地元グルメやスイーツに舌鼓。今回はそんな魅力いっぱいの渋温泉についてご紹介します。
渋温泉ってどんなところ?
9つの温泉からなる湯田中・渋温泉郷。渋温泉はそのうちのひとつで、昔から湯治場として栄えてきました。「地面を掘ればすぐお湯が出る」と言われるほど湯量が豊富で、渋温泉街のすべての旅館と外湯は100%源泉かけ流しの温泉。温泉街には町の人が守ってきた9つの公共浴場があり、渋温泉の宿泊客は無料で温泉に浸かれます。
レトロな温泉街には昔ながらの温泉饅頭から、入浴後に食べたいジェラート、地元長野のグルメまで外せない立ち寄りスポットも満載です。
渋温泉へのアクセス
東京駅から行く場合、北陸新幹線で長野駅まで約1時間30分。そこで長野電鉄の湯田中駅行きに乗り換え約45分、終点の湯田中駅を目指します。湯田中駅からはバス、またはタクシーで渋温泉まで約10分。乗り継ぎも合わせて所要約3時間半の行程です。
自動車の場合、東京からは関越自動車道を北上します。藤岡JCTで上信越自動車道に入り、信州中野ICで高速道路を降ります。志賀中野有料道路と292号線、342号線を経由して渋温泉に到着。所要約3時間半です。
渋温泉を満喫!九湯めぐりを楽しもう
渋温泉街には、歩いてまわれる範囲に9つの共同浴場があります。それぞれ泉質が異なるので、入り比べるのもおすすめ。 渋温泉の宿泊客は無料で浸かれる温泉ですが、宿泊先の旅館から渡されるスペアキーが必要です。
渋温泉街についたら、まずはチェックインして荷物を部屋に置き、鍵を持って温泉めぐりへ。 共同浴場には貸しタオルなどのサービスがないため、タオルや髪留めなどの入浴セットも忘れず持っていきましょう。
利用する際は、旅館から借りた大きな鍵をまわして中へ。9ヶ所の公共浴場はどこも同じ鍵で入ることができます。鍵はいくつもあり、貸切ではなく共同です。それほど大きな浴場ではないため、譲り合って利用しましょう。
中に入ると脱衣所と、その奥に温泉があります。脱衣所には、鍵付きロッカーはなく棚のみのシンプルなつくり。シャワーやドライヤーもないので、体や髪を洗うのは旅館にし、貴重品は宿に置いていきましょう。
九湯をめぐる時間がないときは、「美人の湯」と言われる六番湯がおすすめです。無色透明のやわらかいお湯は、肌に潤いを与えてくれます。他にも、一番湯は胃腸病に、二番湯は湿疹、病気回復に効能が期待できるなど、各湯によって効能が違うので、自分に合ったものに浸かってみて。
湯めぐりがより楽しくなる祈願手ぬぐい(350円)は、各旅館で販売されています。各共同浴場の外に置かれたスタンプを押しながら九湯をめぐります。九湯のスタンプが押されたタオルを持って、最後に「渋高薬師」に祈願すれば満願成就。旅の良い思い出になります。
九湯めぐり
- 利用時間
- 6:00~22:00(清掃時など利用できない場合あり)
- 利用料金
- 無料、渋温泉にご宿泊いただいた方のみ利用可能。各旅館で鍵を貸出し
- 日帰り利用
- 不可。ただし九番大湯のみ10:00~16:00の間500円で利用可能。入浴券は渋温泉旅館組合事務所もしくは、渋温泉駐車場で購入
外湯だけじゃない、気軽に足湯に浸かることも!
渋温泉街には「信玄足湯」もあります。武田信玄の旗印である武田菱の形をしており、内側には温度の違う4つの足湯があります。外気温や季節により温度が異なり、自分の好みに合った湯温を選べます。
4つの湯の外側を四角く囲むのが歩行湯です。足つぼを刺激する大小の石が埋めこまれています。 足湯に行く際は、旅館からタオルを持参しましょう。
信玄足湯
- 住所
- 長野県下高井郡山ノ内町平穏2094
- アクセス
- 湯田中駅より長電バスで約10分「和合橋」下車、徒歩約3分
- 料金
- 無料
- 利用時間
- 8:00~22:00
ユニークな3猿に会える温泉寺
信玄足湯と合わせて立ち寄りたいのがすぐそばにある「温泉寺」。3匹の猿といえば「見ざる、言わざる、聞かざる」が有名ですが、ここには「見る、言う、聞く」という石づくりの猿がいます。住職のユーモアでつくられたという非常に珍しい3猿に会いにぜひ立ち寄ってみて下さい。
温泉寺
- 住所
- 長野県下高井郡山ノ内町平穏2032
- 電話
- 0269-33-2220
- アクセス
- 湯田中駅より長電バスで約10分「和合橋」下車、徒歩約5分
渋温泉グルメをめぐる、昼さんぽ
温泉街の楽しみといえば、外湯めぐりともうひとつは温泉街のそぞろ歩き。レトロな町並みを散策しながら、女子旅にぴったりのおいしい食べ物や、地元名物をいただきに出かけましょう。
外湯めぐり後に食べたい、若葉屋の手づくりジェラート
九湯めぐりをしていて体が温まってくると欲しくなるのが冷たいものです。そんな時におすすめなのが、若葉屋のジェラート。若葉屋は豊富な土産物類もさることながら、自家製ジェラートがおいしいと評判のお店です。
味はミルク、抹茶、クリームチーズから、巨峰、あんず、りんごなどのフルーツ系まで。旬のものを使うため、季節ごとに異なります。ミルク味は地元の奥志賀高原牛乳を使用。朝の搾りたてを使いとっても濃厚です。フルーツ味のジェラートは山ノ内町産や中野市産など地元産にこだわっているそう。シャリシャリとした食感でさっぱりしいて、まるで本物のフルーツを食べているかのようにジューシーです。
若葉屋
- 住所
- 長野県下高井郡山ノ内町平穏2184
- 電話
- 0269-33-3305
- 営業時間
- 9:00~21:00
- 定休日
- 不定休
- ジェラート
- シングル350円、ダブル400円
冬季は、カップにあらかじめ詰められたもののみ。350円
自分で選ぶ土産づくりが楽しい「いとをかし箱」
温泉街を歩きながらお土産を選ぶのも楽しみのひとつ。渋温泉街にはお土産選びをもっと楽しくしてくれる「いとをかし箱」(400円)が販売されています。
空の箱である「いとをかし箱」に好きなものを詰め合わせると、オリジナルの土産がつくれます。お饅頭や飴などのお菓子以外にもキーホルダーを入れるのもいいかもしれません。70円~200円のお菓子が10個詰められるので、総額1,200円程度で「いとをかし箱」が完成します。
いとをかし箱に合うお菓子を購入するのに訪れたいのが、ご夫婦ふたりで営む西山製菓店。土産物だけでなく、お店の奥の工房でつくられたお菓子を販売しています。
西山製菓店では、こちらの4種類がおすすめ。渋温泉の焼き印が入った温泉饅頭は、ふかふかの生地にこし餡がたっぷりつまって78円。黒糖生地につぶ餡の入ったかわいい「しぶざるくんまんぢう」は90円です。 信州名物のそば饅頭(130円)と栗饅頭(200円)は、いとをかし箱の大きいマスにぴったりです。
西山製菓店
- 住所
- 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2186
- 電話
- 0269-33-3824
- 営業時間
- 8:00~12:00、16:00~18:00
- 定休日
- 不定休
遠方からも買い物客が訪れる小古井菓子店もはずせません。奥の工房でつくられた、出来たての温かい自家製饅頭が並びます。お饅頭やお菓子の種類が豊富で、箱菓子もあるので職場や友人への土産選びにも最適です。
いとをかし箱に入れるこのお店のおすすめは黄身餡のお饅頭「老ノ松」(130円)とかわいい「モンキーあめ」(150円)。金太郎飴のような猿の飴は、とっても可愛くて食べるのがもったいないほどです。
小古井菓子店
- 住所
- 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2114
- 営業時間
- 8:00~20:00
- 電話
- 0269-33-3288
- 定休日
- 第3水曜日
「そば処やり屋」で長野名物をいただくランチ
街歩きや湯めぐりをしているとお腹がすくもの。そんなときにランチにおすすめなのがアットホームな雰囲気の「そば処やり屋」。長野県産のそば粉を使用した自家製の手打そばは、自家製の出汁との相性も良く、本格的な信州そばを堪能できます。
また、やり屋ではランチだけでなく、昼から飲むお酒も楽しめます。ビールと一緒にいただきたいおつまみは、信州サーモン(1,500円)と馬刺し(1,500円)です。信州サーモンは程よく脂が乗っていて、まろやかなサーモンの風味が広がります。一方、馬刺しは臭みもなく、とろけるような赤身の旨味を楽しめます。
そば処やり屋
- 住所
- 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2165-2
- 電話
- 0269-33-2619
- 営業時間
- 11:00~16:00/18:00~23:00
- 定休日
- 不定休
静かな夜の渋温泉を歩く、夜さんぽ
夜の渋温泉は、昼間とは違った風情があります。旅館で夕食をすませたら、夜の散歩に出かけてみましょう。
きれいなライトアップスポットを見に行こう
夜の渋温泉街で見逃せないのが歴史の宿「金具屋」です。国の登録有形文化財に指定された木造の建物がライトアップされ、幻想的に浮かび上がります。
渋温泉 歴史の宿 金具屋
- 住所
- 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2202
- ライトアップ
- 19:30~22:00
静かな夜の温泉街で優しい光を放つのは、いくつも並んだ苔ランプ。トトロや電車、お寺など、ミニチュアフィギュアが入っていてほっこりするようなかわいいオブジェです。松屋旅館の前に飾られています。
信州渋温泉 洗心館 松屋
- 住所
- 長野県下高井郡山ノ内町渋温泉大湯前
夜の女子会におすすめ!地元の味が楽しめるちょい飲みスポット
夜も盛り上がりたい女子にぴったりなのが、小石屋旅館1階にあるカフェバー。冬はこたつ席が設けられ、こたつに入りながらの女子トークがはずみそうです。地元の食材を使った料理やスイーツ、志賀高原のクラフトビールやワインを味わえます。
こちらでは、地元のクラフトビール「志賀高原ビール」をサーバーから淹れたてで提供しています。通常は瓶ビールで売られているので、貴重です。作り手たちが「自分たちが飲みたいビール」にこだわった地元の味。値段は一杯700円(税抜)。東京で飲むよりお値打ちにいただけます。さらに日本酒やウィスキー、カクテルなどアルコールの種類も豊富です。
おつまみには、「4種の信州きのこの志賀高原ビールフリット」(600円・税抜)を。長野の名産きのこ4種類(えりんぎ、白しめじ、黒あわび茸、平茸)を、志賀高原ビールを使った衣でさくっとあげた、こだわりの一品です。
甘いものがお好きな方は「小布施栗のガトーショコラ」(600円・税抜)や「キャラメルりんごチーズケーキ」(500円・税抜)はいかが。小布施の大きな栗がやわらかく、ナッツの入ったガトーショコラはとても濃厚。一方信州産のりんごを利用したチーズケーキは、甘すぎずさっぱりとした大人の味です。
コーヒーは、エスプレッソやカフェモカ、カフェラテ、ホットチョコレートまで種類も豊富。渋温泉街ではエスプレッソマシーンを使ったドリンクを提供しているのがこのお店だけ。コーヒーを飲みたくなったらここに訪れてみてください。
小石屋旅館
- 住所
- 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2277
- 電話
- 0269-38-0311
- 営業時間
- モーニング7:30~10:00(L.O.9:30) / ランチ12:00~14:00(土日祝のみ)/カフェ14:00~17:00(土日祝のみ)/ディナー18:00~23:00(L.O.22:30)
- 定休日
- 火曜日のディナー(祝日の場合は営業)
少し足を伸ばして地獄谷野猿公苑に行くのもおすすめ
温泉街だけでも十分楽しめますが、少し足を伸ばすと、野生の猿出会えます。世界的に有名なスポット「地獄谷野猿公苑」です。
地獄谷の猿は、雪景色を背景に温泉に浸かる姿が愛らしいという理由から「スノーモンキー」と呼ばれています。スノーモンキーをひと目見たいと世界中から観光客が集まるのです。とは言え、猿たちは1年中ここに暮らしており、4~5月の出産時期に見られる子猿たちはとってもキュート。冬よりもアクセス容易な春はおすすめの季節です。
地獄谷野猿公苑は、山の上にあります。渋温泉街からバスで約10分、さらに歩いて約30分の山登り。冬場は雪山を歩くため、装備や時間などさらに注意が必要です。タクシーで行く場合は、下車後歩いて約15分。冬季閉鎖のため、冬はバス降車場を利用します。
地獄谷野猿公苑の猿たちはとても穏やか。猿たちが人に無関心なのは訪れた人が「食べ物を与えない」「近づきすぎない」「触らない」というルールをしっかりと守っているから。猿たちが山奥に行っていて不在の場合もあるため、事前に公式サイトをご確認下さい。
地獄谷野猿公苑
- 住所
- 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏6845
- 電話
- 0269-33-4379
- 営業時間
- (夏季4月~10月頃)8:30~17:00頃、(冬季11月~3月頃)9:00~16:00頃
※夏季・冬季、営業時間は目安です。天候や季節、猿の行動によって予告なく変動します。
- 定休日
- 無休
- 料金
- 一般800円
- 公式サイト
- 地獄谷野猿公苑Webページ
渋温泉で女子旅を満喫!
渋温泉には登録有形文化財の金具屋をはじめとして歴史ある旅館が多くあります。湯めぐりを楽しんだり、地元グルメを食べながらお喋りしたり、女子旅にぴったりの渋温泉へ、一泊二日の温泉旅行にでかけてみませんか。
取材・撮影・文/まのあつこ