清涼な空気に包まれて散策や買い物が楽しめる、人気の観光地といえば軽井沢。大人がゆったり楽しむリゾートのイメージが強いですが、実は子連れが楽しめるスポットも多数揃います。また軽井沢は、新幹線なら東京駅から約70分、大宮駅から約50分と、子連れでも気軽にアクセスできるのが魅力的なエリアです。
軽井沢のスポットといえば、定番のアウトレット(軽井沢・プリンスショッピングプラザ)がまず浮かびますが、それだけではありません。古くからの定番エリアに加え、新オープンのスポットも多数。
今回は軽井沢駅を拠点に、自動車なしでも巡れるおすすめスポットをご提案します。軽井沢ならではのグルメや景色、体験を親子で満喫しましょう。
歴史あるベーカリーやジャム屋が並ぶ「旧軽井沢銀座通り」でぶらり食べ歩き
洋風の街並みに老舗のベーカリーやカフェ、土産店が並ぶ「旧軽井沢銀座通り」は、軽井沢らしさが感じられる活気あふれるストリート。軽井沢駅前から歩くと30分ほどかかりますが、バスを使えばわずか4分程度。あっという間に到着します。
外国人の避暑地として発展した軽井沢は、美味しいパンの激戦区。旧軽井沢銀座商店街には、「ブランジェ浅野屋」「ベーカリー&レストラン 澤村」「フランスベーカリー」などの名店が軒を連ねています。
なかでも知名度抜群なのが、昭和26年(1951)創業の「フランスベーカリー」。万平ホテルのベーカーチーフを務めていた田村寅次郎氏が独立創業した店で、現在は3代目。今でも初代のレシピが大切に守られています。
看板メニューは、外側はずっしりと固く中身はきめ細やかなフランスパン。かつてジョン・レノンが連日買い求めていたという逸話があり、多くの著名人に愛されてきた味です。
店内にはイートインスペースがあり、焼きたてのパンをコーヒーやジュースとともに味わえます。パンロール(写真上)は、ほんのり甘くやわらかい食感で、小さな子どもにもおすすめ。チーズフランスや明太子フランスなど、フランスパンを使った惣菜パンも人気です。
フランスベーカリー
- 住所
- 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢618
- 営業時間
- 8:00〜17:00
- 定休日
- 木曜(夏季は無休)
パン屋さんと同じくらい多く見かけるのが、ジャム屋さん。国産のフルーツと砂糖のみで作られ、添加物をいっさい使っていない「沢屋」のジャムは、小さな子どもにもやさしい味。商店街には2カ所のお店がありますが、おすすめは旧軽井沢テニスコート通り沿いにある旧軽井沢店。比較的混雑していない穴場で、喫茶スペースも併設しています。
人気ナンバー1は新鮮なイチゴがゴロリと入った「ストロベリージャム」。ほかにもホットケーキやトーストによく合う「いちごミルクジャム」や、季節限定の「和栗ジャム」など種類豊富で、どれにするか迷ってしまいそう。
手作りの「ピロシキ」は、隠れた人気メニュー。創業当時(1950年代)の味を再現したもので、粗挽きの合挽き肉やゆで卵など具沢山! テイクアウトで楽しめるほか、店内ではスープやドリンクとのセットでも提供されています。
料理好きの子どもはぜひ、ジャム作りのプロが教える「ジャム作り体験教室」に参加してみましょう。作ったジャムには、名前入りのラベルを貼って持ち帰りOK。ジャム作り体験+工場見学コースなど4つのコース(1名2,800円~)があり、前日のお昼までに電話予約が必要です。(予約受付TEL:0267-46-2400 受付時間:9:00〜17:00)
沢屋 旧軽井沢店
- 住所
- 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢746-1
- 営業時間
- 9:00〜18:00(夏季延長あり)
- 定休日
- 不定休
こちらは、メインストリートから少し奥まった場所にある「軽井沢のころっけやさん」。北海道富良野産のパン粉や高級キャノーラ油など素材にこだわり、注文後にひとつひとつ手作業で揚げるスタイルです。サクサクの香ばしいコロッケを求めて、いつも行列ができています。
ポテトコロッケやカレーコロッケのほかに、「フランスベーカリー」のパンで挟んだカレーコロッケパンやメンチカツバーガーもあり、小腹が空いた時に便利。店の前にあるベンチに座って、アツアツをいただきましょう。
軽井沢のころっけやさん
- 住所
- 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢634 しむらビル1階
- 営業時間
- 10:00〜18:00
- 定休日
- 不定休
授乳やオムツ替えができる場所も要チェックです。旧軽井沢商店街では、ショッピングモール「チャーチストリート」内に授乳室・オムツ替え台があるほか、軽井沢観光会館内にある有料トイレ(100円)内でもオムツ替えができます。
教会の街としても知られる軽井沢。旧軽井沢銀座通りの近くには、木造で温かみのある「聖パウロカトリック教会」、ドラマの舞台にもなった「軽井沢ユニオン教会」、軽井沢最古の教会「軽井沢ショー記念礼拝堂」があり、すべて徒歩で回ることができます。内部も見学できるので、散策ついでに立ち寄ってみましょう。
豊かな自然を生かした小さな街「ハルニレテラス」で軽井沢を満喫
続いて訪れたいのは、豊かな自然と良質の温泉に恵まれた「軽井沢星野エリア」。その玄関口にある「ハルニレテラス」には、軽井沢を代表するレストランやカフェ、雑貨店など16のショップが並び、小川のせせらぎを聞きながら食事や買い物が楽しめます。中軽井沢駅から1〜2時間に1本のペースで無料のシャトルバスが運行されているので、あらかじめ時間を調べてから出かけましょう。
今回は子連れに注目のショップをいくつかご紹介します。まずこちらは、眺めているだけで木のぬくもりが伝わってくる「木製品専門店 我蘭憧(がらんどう)」。赤ちゃん用の器やままごとセット、一枚板で作られた学習机など、子どもの成長に寄り添ってくれる手づくりの木製品が揃います。
おもちゃ作家・寺内定夫氏による名作「仲よし車」。最上級のヒノキを使って手づくりされた少量生産のおもちゃは、親から子へと永く受け継いでいきたいクオリティです。バラバラにして積み木として遊ぶこともでき、使い込むほどに味が出ます。
ヨーロッパ各地から取り寄せた木のおもちゃも品ぞろえが豊富。美しい色使いと洗練されたデザインは、部屋のインテリアにもぴったり。手頃な価格の小物もあり、プレゼントにもおすすめです。
こちらは、浅間山の麓にある永井農場直送の牛乳と季節のフルーツを使った「ハーヴェスト ナガイファーム」のジェラート。人気ナンバー1の「ピュアミルク」をはじめ、季節ごとに「巨峰」「とうもろこし」「アスパラガス」など年間40種類以上のフレーバーが楽しめます。清流沿いのテラスでいただくと、美味しさがさらに際立ちます。
店内では農場で作られたお米や餅、店先では野菜や果物などを販売。ここでしか買えないジャムやジュースもあり、お土産にも人気です。
ハルニレテラス
- 住所
- 長野県北佐久郡軽井沢町星野
- 営業時間
- 10:00〜22:00 ※季節によって変動あり。一部店舗は営業時間が異なる
- 定休日
- 無休
かけ流し温泉にネイチャーツアー…充実の「軽井沢星野エリア」
軽井沢の自然の中で、思いっきり遊びたい! そんなキッズはぜひ、「ピッキオ」のネイチャーツアーに参加しましょう。約2kmの道のりを歩きながら野鳥や植物を観察する「野鳥の森ネイチャーウォッチング」、夕暮れの森で空飛ぶムササビに歓声が上がる「ムササビウォッチング」をはじめ、さまざまなツアーが開催されています。
ツアーの集合場所となるのが、ハルニレテラスから徒歩約5分のところにある「ピッキオ野鳥の森ビジターセンター」。併設の「イカルカフェ」では水辺と緑に癒されながら、コーヒーやジュースが楽しめます。池が凍る秋〜冬には、目の前の池がスケートリンクに変身! そり付きの椅子もあるので、小さな子どもも一緒に楽しめますよ。
小学校4年生〜6年生には、不定期で開催されている「お仕事体験こどもインターンシップ」もおすすめ。軽井沢で暮らす動物と人間、自然との共存について体験しながら学ぶプログラムです。
ピッキオ
- 住所
- 長野県北佐久郡軽井沢町星野
- 営業時間
- 9:00〜17:00
- 定休日
- 無休
- 料金
- ツアーによって異なる
たっぷり遊んだ1日の最後に訪れたいのが、「星野温泉 トンボの湯」。北原白秋与謝野晶子や著名人に愛されてきた「星野温泉」の歴史を汲む、由緒正しい温泉です。源泉かけ流しの湯は肌当たりがやわらかく、「美肌の湯」と呼ばれています。
湯上りには、すぐ隣にある「カフェ ハングリースポット」でひと休み。モダンな店内では、軽井沢高原ビールやソフトクリームなど喉を潤すメニューが充実しています。家族の待ち合わせスポットとしても便利です。
星野温泉 トンボの湯
- 住所
- 長野県北佐久郡軽井沢町星野
- 営業時間
- 10:00〜23:00(最終受付22:00)
- 休館日
- 無休
- 料金
- 料金:大人1,300円、子ども(3歳〜小学生)750円 ※GW、8月は特別料金
カフェ ハングリースポット
- 住所
- 長野県北佐久郡軽井沢町星野
- 営業時間
- 9:00〜22:30
- 定休日
- 無休
まだまだある!子どもと行きたい軽井沢のおすすめスポット
エルツおもちゃ博物館 軽井沢
ドイツ・エルツ地方で300年以上受け継がれた伝統の木のおもちゃを展示。熟練の職人によって作られたおもちゃは繊細で見応えがあり、大人も一緒に楽しめます。すぐ近くには名作の原画が展示された「軽井沢 絵本の美術館」もあるので、あわせて訪れるのもおすすめ。
- 住所
- 長野県北佐久郡軽井沢町長倉182(塩沢・風越公園)
- 開館時間
- 9:30〜17:00(3月〜11月)、10:00〜16:00(12・1月)
- 定休日
- 不定休
- 料金
- 大人900円、中高生600円、小学生450円
- アクセス
- 北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢」駅より軽井沢町内循環バスで約30分、またはタクシーで約10分
軽井沢タリアセン
塩沢湖を中心に、「自然」「美術」「文学」「遊ぶ」を融合させたレジャー施設。自然豊かな高原には、ボートやゴーカート、ボルダリング、ちびっこ広場など遊びの選択肢が多彩。フランスの画家、レイモン・ペンネの作品を展示する美術館や作家・有島武郎の別荘などもあり、大人の好奇心も満たされます。
- 住所
- 長野県北佐久郡軽井沢町長倉217
- 開館時間
- 9:00〜17:00(3月〜11月)、10:00〜16:00(12・1月)
- 定休日
- 不定休
- 入館料
- 大人800円、小・中学生400円
- アクセス
- 北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢」駅より軽井沢町内循環バスで約30分、またはタクシーで約10分
ゆったりとした雰囲気の中、四季それぞれの楽しみ方ができる軽井沢。その魅力は、ぜひ宿泊して体感したいところ。軽井沢には、リゾートホテルに温泉旅館、ペンションやコテージなど、ファミリーで利用しやすい宿泊施設がバラエティ豊かに集まっています。赤ちゃん・子どもたちを連れて、家族の素敵な思い出を作りに出かけてみませんか。
取材・写真・文/渡辺裕希子
写真提供/星野リゾート(一部)