首都圏より電車で約90分で到着する石和温泉。山梨県笛吹市にあり、湯巡り以外にもワイナリー巡りやフルーツ狩りも楽しめます。
そこで今回は、6~8月が旬のフルーツ、桃スイーツを味わえるカフェをご紹介します。桃農家直営カフェのパフェや、季節に合わせてフルーツの変わるフォトジェニックなパフェなど、石和温泉に来たらスイーツも一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
山梨県「石和温泉」ってどんなところ?
新宿駅よりJR中央線特急に乗り約90分、車では首都圏から高速道路を利用して約1時間40分の場所にある石和温泉。湯の国・山梨で最大規模を誇り、全国でも屈指の温泉郷として知られています。
さらに、石和温泉駅内にある観光案内所には、ワインの試飲サーバー(100〜500円/1杯)が設置されるなど、ワイナリー巡りを目当てに訪れる人も多くいます。
石和温泉の夏のフルーツと言えば、桃!
春はいちご、さくらんぼ、夏が訪れると桃やぶどうがたわわに実り、秋にはりんご……と、四季を通してフルーツ狩りを楽しめる山梨県。中でも桃は、全国で生産量一位を誇ります。
国道沿いには果樹園が並び、「桃狩り」や「桃販売中」といったのぼりも多く見かけます。中には軽トラックに桃を積み、道端で販売する人の姿も。果樹園の標高も300〜800mまであるため、4月〜9月末頃まで品種を変え、様々な桃を楽しむことができます。
石和温泉からすぐ! 絶品桃パフェを堪能
ご紹介するのは、石和温泉駅より車で約13分の場所にある「中西農園・ピーチカフェなかにし」。フルーツ王国山梨の中でも、日本一の桃の産地と呼ばれている一宮町で70年にわたり、親子代々おいしい桃づくりを探求してきた桃農家が運営するカフェです。
2011年よりカフェ営業を開始し、近年では多くのメディアにも取り上げられています。その人気の秘密が、桃の仕入れは一切行わず、中西農園が手塩にかけてつくった桃のみを使用したメニューを提供していること。
夏季(6月末〜9月)は、中西農園の桃畑で「その日に採れた桃」のみを使用したスイーツを出しており、桃の特性や長所を知り尽くしているからこそのメニューを味わえます。
冬季(10月~4月)は、自家加工の桃をふんだんに使ったスイーツやその他にピーチカレーやピザなどのランチも楽しめ、年間を通して中西農園の桃を堪能できるのです。 ※5月〜6月は農作業のためお休み。
「中西農園・ピーチカフェなかにし」までのアクセス
中西農園へは、石和温泉駅から車を走らせること約13分で到着します。公共交通機関での移動は難しいので車を運転して行くか、タクシーで向かうのがおすすめです。
夏季駐車場は、お店まで徒歩約2分の場所にある「ケーヨーデイツー一宮駐車場(南側寄り)」を利用できます。※お体の不自由な方や妊婦の方、お子さまをお連れの方は「ピーチカフェなかにし」敷地内駐車場も利用可能。
車を停め、南に向かうと「ピーチカフェなかにし」の看板が! 桃畑の中にあり、桃の木がズラーっと並ぶ様子は圧巻です。
のぼりを目印に到着すると、窓のデザインが印象的なかわいらしい外観が見えてきました。奥には、桃や桃の加工品を販売する直売所があります。
夏期のカフェ営業は、完全予約制で営業しています。「ピーチカフェなかにし2023年夏期営業予約サイト」にて、利用希望日3日前の12時より、席と時間を指定して予約できます。なお、各席の利用時間は50分です。
屋内外11種類の席があり、最大6名まで一緒に利用できます。屋外には、桃畑の中にある席も。天候によって席の移動はできないので、天気予報を確認しながら席を選ぶのがおすすめです。
硬い桃!? 「ピーチカフェなかにし」の桃の特徴
中西農園では、新規導入品種も含め約30品種の桃の栽培を行っています。主要品種は14品種、代表的なものでは日川白鳳(ひかわはくほう)や浅間白桃(あさまはくとう)、なつっこ、一宮白桃(いちみやはくとう)などが並びます。
一般的には、桃は手で皮がむけるような柔らかさを想像しますが、中西農園では、実がしっかりとしていて、歯ごたえを感じる桃を提供しています。品種によって柔らかさの違いはありますが、スーパーなどで目にする桃は流通の特性上、完熟前に出荷し、その後追熟して柔らかくなっているのだとか。
対して桃の産地山梨では、樹でギリギリまで熟した新鮮な完熟桃を食べられるので、昔から硬い桃を好む人も多いそうです。「ピーチカフェなかにし」でも、歯ごたえのある、その日に採れた桃の味と食感を楽しめます。
メニューには、桃を使用したスイーツがズラリ。王道のパフェにはじまり、ピーチ・ピザやピーチ・アイスティーなども提供しています。
フレッシュな桃を贅沢に味わえるスイーツを紹介
ぜひ食べて欲しいのが、「中西農園」が収穫した朝採りの新鮮桃と、桃の自家加工品をふんだんに使用した「麗しの夏パフェ」(1,980円)。訪れた日には、山梨県一宮町発祥の桃「一宮白桃」を使用していました。甘みが強く、酸味は少ない硬めの桃です。
前日には「なつっこ」を提供していたそうなので、その日に一番おいしい桃をスイーツにしているというのも納得がいきますね。
目の前に置かれた瞬間から、ワーッと声が出るほど圧巻の桃・桃・桃……といったところですが、上にはなんと8切れも乗っていました。いくつか、皮がついている桃がある……と、思っていると「皮のまま食べられるので、ぜひ」と。
産地では、桃は皮ごと食べるのが一番おいしいと言われていて、実にはない栄養素が摂れるメリットもあるそうです。
皮のまま一口食べてみると……りんごを皮のまま食べている印象に近く、シャキシャキ食感を楽しめます。皮があるけれど、苦味を感じずに、甘みがジュワ~っと口の中に広がります。硬いのに、甘いっていうのが最初は不思議でしたが、食べすすめていくうちにこの食べごたえにハマっていきます。
フレッシュな桃の下には、アイスやクリームチーズ、ホイップに加え、自家製のコンポートやゼリーなどが層になっています。これ一つでお腹いっぱいになるほどのボリュームです。
もう少し手軽に桃を味わいたい方におすすめなのが、「桃の生ジュース」(770円)です。朝採れの完熟桃をまるごと1つ贅沢に搾ったジュースです。本物の桃を飲んでいるような、濃厚な味を楽しめます。
朝採れ桃をギュッと加工したお土産も
お土産には、パフェでも使用している桃の加工品がおすすめです。「桃のコンポート」「桃のジャム」「桃のジュース」は、朝採れの厳選桃をその日のうちに加工し、新鮮な風味をそのままビンに閉じ込めた一品。
フレッシュな桃のお土産ももちろん良いですが、ここでしか買えない味をお持ち帰りするのも旅の醍醐味ですよね。
中西農園・ピーチカフェ中西
- 住所
- 山梨県笛吹市一宮町末木544-1
- 営業時間
- 夏季営業(7月上旬~9月下旬)10:00~17:00、不定休
冬季営業(10月~4月)11:00~17:00、月・金・土・日曜営業 - アクセス
- 【車】八王子ICより約50分
【電車】JR中央線「山梨市駅」より、タクシーで約20分 - 詳細
- 中西農園 公式サイト
桃以外も味わえる! 季節のフルーツを提供するカフェ
フルーツパーク富士屋ホテル「カフェ ベラヴィスタ」
フルーツパーク富士屋ホテルは、山梨県笛吹川フルーツ公園内にあるホテルです。
ホテルからは、昼間はのどかな甲府盆地、夜は新日本三大夜景に選出されたきらびやかな夜景を鑑賞できます。観光シーズンには、ここを拠点にワイナリー巡りやフルーツ狩りを楽しむ観光客の姿を多く見かけます。
ホテル1階に位置する「カフェ ベラヴィスタ」は、眺めの良い場所という名前のカフェです。テラスに面しており、四季折々の美しい景色と心地よい風の中でリゾート気分を満喫できます。
ぜひ食べていただきたいのが「フルーツパフェ」です。旬の桃をふんだんに使用した桃パフェ(2,400円)は、夏だけの限定のパフェ。
皮付きの桃、桃コンポート、桃シャーベット、桃ソース、ホイップクリームなどが11層になった桃づくしの贅沢なパフェ。甲府盆地を眺めながら、味わってみてはいかがでしょうか。
桃パフェが終了すると、葡萄、シャインマスカット、マロンと変わっていきます。
カフェ ベラヴィスタ
- 住所
- 山梨県山梨市江曽原1388 フルーツパーク富士屋ホテル 1F
- 営業時間
- 9:00~17:00(パフェ提供時間10:30~16:30)
- 定休日
- なし
CAFE LA PAIX
山梨県笛吹市にある「CAFÉ LA PAIX(カフェ ラペ)」。石和温泉駅より、車で約6分の位置にあります。
写真映えする季節のパフェやフルーツプレートが人気の同店では、7月〜8月中頃まで、山梨産の桃を使用したスイーツを味わえます。「桃のクリームチーズパフェ」(写真右 2,000円)は、マスカルポーネクリームと桃を重ね、クリームチーズのジェラートが入っています。こだわり尽くされたパフェは、桃の上品な甘さを最大限楽しめると、話題です。
季節に合わせて提供するフルーツが変わり、桃以外にもいちごやマンゴー、さくらんぼ、シャインマスカットと、バラエティ豊富に楽しめます。
CAFE LA PAIX
- 住所
- 山梨県笛吹市石和町四日市場1728-1 国道20号沿い
- 営業時間
- 10:00~18:00 (ティータイム 14:00〜18:00)
- 定休日
- なし
取材・撮影・文:加藤あやな
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