提供:ことりっぷ
2023年にオープンした、中軽井沢の森に包まれた複合施設「軽井沢コモングラウンズ」。カルチュア・コンビニエンス・クラブが運営する「軽井沢書店 中軽井沢店」を中心に、カフェやダイナー、セレクトショップなど、木立の中に上質な7つのショップが点在しています。
今回はシンボル的存在の「軽井沢書店 中軽井沢店」、コーヒーとスコーンが評判の「SHOZO COFFEE KARUIZAWA」、彩りも豊かな朝食が人気の「PUBLIC食堂」をご紹介。鳥のさえずりをBGMに本を読みながら、1日過ごしてみませんか。
ゆるやかな時間が流れる森の複合施設
「軽井沢コモングラウンズ」の入口付近。ゆっくりおさんぽができる
中軽井沢の鳥井原交差点の北側、約3500坪の敷地をもつ「軽井沢コモングラウンズ」は2023年に開業した複合施設で、かつて学校の寄宿舎だった場所を活用しています。
駐車場側から一歩入ればすぐに、緑の木々の木漏れ日が美しい森の中へ。もともとあった植栽のモミジや栗、シラカバ、アカマツなどが森を作っています。ふかふかの森の小径の横には7つのショップとインターナショナルスクールがあり、木々の間に点在してます。森林浴気分でショップをめぐれるのが魅力です。
ところどころに木製のベンチが置かれている
地域コミュニティの中核になる「軽井沢書店 中軽井沢店」
ひときわ目を引く「軽井沢書店 中軽井沢店」は心地いい空間
施設の中心にあるのが、カルチュア・コンビニエンス・クラブが手がける「軽井沢書店 中軽井沢店」。一時書店がなくなった軽井沢町に、「軽井沢書店」を2018年に立ち上げ、2023年にカフェや飲食店とともに町内2店舗目となる中軽井沢店を開業しました。地域のコミュニティハブになる施設として、各店舗も地元とつながりのあるお店が入っています。
施設内にあるインターナショナルスクールの子どもたちとのプログラムで畑やコンポストを作ったり、それぞれの建物に太陽光パネルを設置してエネルギーを発電し、EVカーを蓄電池としたりするなど、循環にも取り組んでいます。
児童書からデザイン関係、プロユースの書籍までそろう
「SHOZO COFFEE KARUIZAWA」のカウンターの向こうには食にまつわる本が並ぶ
シンボル的存在の「軽井沢書店 中軽井沢店」の建物はガラス張りで、外に広がる緑の木々との一体感が感じられる造り。ゆるやかなカーブのデザインも美しい、木の温もりあふれる書店です。書店中央部分は当時の寄宿舎の柱や梁を残しており、2階のコワーキングスペースへあがる階段も当時のものだそう。
書棚には自然科学やデザイン、建築、アート、児童書、食などの本が並んでいます。軽井沢で暮らすファミリーに向けた児童書や子どもの教育になる書籍も多く、子どもたちが座って読めるコーナーも。食に関しては軽井沢らしく、プロの料理人にも来てもらえるような国内外の稀有な書籍もそろいます。時間を忘れて本選びに夢中になってしまいそうです。
昔の建物の木材が使われているスペース。デザイン系の本と一緒にアートを展示(取材当時の展示。定期的に入れ替わる) 書店の奥には児童書と座って読めるかわいらしいスペースも
書店では厳選した雑貨や食品も販売
光を通してキラキラ輝くガラスペンのコーナーも常設
書籍以外に食品や雑貨も扱っています。食の本が並ぶ書棚のそばには、スタッフが厳選したここでしか買えないおやきやカヌレなどが置いてあり、人気を集めています。また、個性豊かな作家手作りのガラスペンも展示販売。さまざまな作家の色とりどりのガラスペンがたくさんそろっているので、お気に入りの1本が見つかるかも。
外には自由に座れるカラフルなチェアもあります。鳥のさえずりや木々が風で揺れる音を楽しみながら、外のチェアで本を読んだり、コーヒーを楽しんだりするのもいいですよ。
森を眺めながらゆっくりできるカラフルなチェア
「SHOZO COFFEE KARUIZAWA」のコーヒーとスイーツで読書タイム
書店と一体になったカフェ。店内やテラスにイートインスペースがある
「軽井沢書店 中軽井沢店」内の一角には、カフェ「SHOZO COFFEE KARUIZAWA」があります。こちらは黒磯に本店を構え、多くの人々から愛されているカフェの名店「SHOZO COFFEE」の軽井沢店。書店内はコーヒーのいい香りに包まれています。
書店内にあることから、本を読みながらコーヒーを楽しんでもらうのがコンセプト。オーナーが那須で焙煎したコーヒー豆は、深煎りと浅煎りの2種類を用意。後味がすっきりしたコーヒーです。エスプレッソマシンで淹れたカフェラテは浅煎りがおすすめだそう。本日のホットコーヒーはフィルターで淹れたコーヒー。コーヒー豆も販売していますよ。
人気のスコーンや焼きたてクロワッサンを一緒に
スコーンプレート450円
コーヒーと一緒に味わいたいのが、店内で焼き上げるクロワッサンやスコーン、軽井沢店限定のチーズケーキなどのスイーツ。ファンが多い「SHOZO」の「スコーン」は、外はサクッと、中はしっとりでやさしい味わい。酸味のあるラズベリージャムと甘すぎない生クリームとの相性もぴったりです。カフェラテをディップにいただくのもおすすめですよ。
「クロワッサン」360円と「ホットコーヒー」500円
もう1つの人気メニューはお店で焼き上げる「クロワッサン」。お昼ごろに登場します。パリッサクッの食感で、バターの香りもふんわり。大きくて食べ応えもあります。
軽井沢店限定メニューの「ニューヨークチーズケーキ」は、しっとりなめらかな味わいです。昼ごろにはフランス菓子「ピュイ・ダムール」も並びます。クロワッサン生地の中にカスタードと生クリームを入れ、表面をキャラメリゼした人気スイーツです。
窓際にイートイン席が用意されているので、書店で購入した本を読みながら、コーヒーやスイーツをゆっくり味わってはいかがでしょう。
バラエティ豊かなトーストメニューがそろう「PUBLIC食堂」
おしゃれな雰囲気の「PUBLIC食堂」店内
木々を眺めるテラス席も設けられている「PUBLIC食堂」。中軽井沢にある「PUBLIC BAR」が運営しているおしゃれなダイナーです。バーは営業が夜ということから、夜以外にも「地域の交流の場にしたい。朝ごはんのお店があればいいよね」という思いで、朝食とランチが味わえる食堂を始めました。夏は朝7時30分から地元の方や観光客が訪れるそう。
店内はカウンター席のみ。スタッフとお客さんの会話がはずむように、交流しやすいようにとの思いが込められています。「PUBLIC」の名前も、いろいろな人が行き交う場所という意味も含んでいます。
手前にあるのが「PUBLIC食堂」。テラス席は1席のみ
朝から元気をもらえるボリュームたっぷりのトースト
アメリカンブレックファスト1,300円
朝食のメインメニューは数種類あるトーストです。食パンは以前から交流のあった徳島県神山町にある「かまパン」の天然酵母パンを使用。おいしさから選んだ食パンはごはん代わりにもなるパンで、よく焼くのがおいしいとか。外はカリッと、中はモチっとした食感です。
人気のトーストは王道の「アメリカンブレックファスト」。カリカリのベーコンの上に目玉焼きを乗せ、トマトやブロッコリー、じゃがいもなどをグリルした野菜に、夏は農家さんから直接届けてもらったサラダをたっぷり添えています。グリル野菜は野菜の旨みが引き出されておいしいですよ。
クイーンアボカドトースト1,300円
まるで花を散らしたような「クイーンアボカドトースト」も人気の一品。トーストの上に乗っているアボカドとマスカルポーネはまるでアイスのようなルックス。塩味も効いています。赤玉ねぎとトマトで作るサルサソースは酸味があって、パンとの相性も抜群です。
ほかにはアリゴチーズを乗せた「ヨーロピアンチーズトースト」やスープ付きが人気。朝食は1日を通して提供しているのもうれしいサービス。ランチは季節のおすすめランチプレートやマイルドキーマカレーなど、ごはん系メニューがそろいます。
旬のフルーツのおいしさがぎゅっと詰まったかき氷
「自家製ソースのかき氷」、ブルーベリー1,400円
夏にぜひ味わいたいのが、7~9月ごろに提供される「自家製ソースのかき氷」。ソースにこだわり、地元のフルーツをなるべく使って作っています。軽井沢・遠山農園の有機栽培のブルーベリーを使ったかき氷は、マスカルポーネホイップと練乳をかけたもの。3層に分けてソースを入れているため、どこを食べてもフレッシュで濃厚なブルーベリーソースの味がします。甘酸っぱさがたまらないかき氷です。店頭で削る氷もふわふわで、口どけもいいですよ。かき氷は14時から17時までの限定提供です。
ほかには時期により、軽井沢・柳沢農園の甘いトマトや信州産あんず、とうもろこしなども使ったかき氷が味わえますよ。朝食やかき氷をいただきながら、食材のおいしさを楽しんでみませんか。
お気に入りの本を見つけて、おいしいコーヒーやごはんをいただきながら、「軽井沢コモングラウンズ」でのんびり1日過ごしてみるのも素敵な休日の過ごし方ですよ。
文:細江まゆみ、写真:加藤熊三