提供:ことりっぷ
数十年から百年以上まで、さまざまな歴史を持つ古民家。建物に宿るエピソードや想いにふれながら、食事やお茶のひとときを過ごせます。今回は東京都内各所から、古民家をすてきにリノベーションしたカフェを9つご紹介。改装や活用のスタイル、メニューもそれぞれ魅力的です。ゆっくり時間を取って日帰りの小さな旅の目的地にするのもおすすめ。
【要町】美しい庭にも癒やされる隠れ家「藤花想」
木枠の大きな窓から光がたっぷり入り、自然を感じながら食事やお茶を楽しめる
有楽町線要町駅から徒歩5分、石畳の小路を抜けた先にある「藤香想(とうかそう)」。築60年以上の古民家をリノベーションした一軒家で、手入れの行き届いた庭には、梅や椿、紫陽花に彼岸花や紅葉など、季節を感じる草木が植えられています。
食事からスイーツ、ドリンクまで揃いますが、こだわりの素材を使って丁寧に作られたものばかり。庭でとれた山桃のソースを添えた「雑穀マフィンパン」やフェアトレードの豆を自家焙煎したコーヒー(いずれも写真)、オーナーの祖父母の故郷で作られたお米や調味料を使った定食やスイーツなどがあり、ご縁やつながりを感じながら味わえます。
【谷中】青く透明なクリームソーダが人気「喫茶 ニカイ」
東京メトロ千代田線、千駄木駅から谷中霊園に向かう三崎坂を上って徒歩8分。「曹洞宗 興福山 永久寺」を越えた先、器屋「kokonn」の2階に「喫茶 ニカイ」はあります。
古民家のよさを残したノスタルジックな雰囲気に、サブカルチャー的な要素を取り入れたという店内。東欧雑貨好きというオーナーが実際に蚤の市で購入したというアンティーク品や、アーティスト・オートモアイさんの作品、谷中にあるステンドグラス店「nido」のインテリア雑貨などが華やかに飾られています。
こちらでいただけるのは、乙女心をくすぐる、写真に収めたくなるようなビジュアルのフレンチトーストやスイーツ、フードにドリンクなど。レトロモダンな雰囲気のお店で、ほっと一息つきませんか。
【千駄木】体にやさしいほっこり定食を「TAYORI」
東京メトロ千代田線千駄木駅から徒歩5分。「夕やけだんだん」で知られる谷中銀座の、メイン通りから一本小路に入ったところにあるのが「TAYORI」です。古い日本家屋を改装したという建物は情緒たっぷり。店内は手前にはテーブル席とカウンター席、奥には小上がりと中庭もあります。
さまざまな味を楽しめるのが「TAYORI定食」です。選べるメイン料理に、副菜2品、冷奴、お漬物、地方のおいしいごはんと具沢山のお味噌汁がつく充実の内容です。
【入谷】昭和の銭湯をリノベーション「レボン快哉湯」
下町風情漂う入谷で、平成の終わりまで営業していた銭湯「快哉湯」。その堂々とした建物を富士山のペンキ絵や番台も変わることなく再生させたカフェが「レボン快哉湯」です。
外観をほとんどそのまま、内部も残せる部分を残し、浴室は建築会社のオフィスに、脱衣所はカフェにリノベーション 。人々が集って憩う場所とすることで「快哉湯」を再生し、“人々の記憶を繋ぐ場所”にすることを目指しました。
この場所で楽しみたいのはアイスクリームとコーヒーのマリアージュ。コーヒーは世界各国の生産地から生豆を仕入れ、良質のものを選定後、自家焙煎し、ハンドドリップで一杯一杯淹れています。手作りのアイスクリームと一緒にどうぞ。
【武蔵五日市】秋川渓谷近くの里山にある「POUND」
都心や近隣町村から、わざわざ訪れる人も多いそう。渓谷の上流には日帰り温泉施設も
JR武蔵五日市駅からバスで10分ほどの「POUND(パウンド)」は、旅専門の編集者&フリーライターとして活躍していたオーナーご夫妻が、国内外のカフェ巡りを経てオープンした理想のお店。昭和13年築の民家を自ら改装し、日本庭園だった庭も作り替えたそうです。
メニューは、エスプレッソ系ドリンクや、ハンドドリップで淹れるオリジナルブレンドコーヒー、軽食、自家製スイーツなど。お隣・日の出町の「パン工房ダンデリオン」のパンを使った「ふわふわ玉子の極厚サンド」(写真)など、地元の食材や庭で育てたハーブなどを味わえるものが揃います。窓から望む山々の眺めとともにゆったり楽しみましょう。
【竹ノ塚】おうちに招かれた気分で過ごせる「縁側カフェ」
あちこちに残る当時の手仕事を眺めるのも楽しい
東武スカイツリーライン竹ノ塚駅から徒歩15分、同駅からの東武バス「西保木間二丁目」停留所からもすぐの「昭和の家」。昭和14年(1939年)に建てられた洋館付き和住宅で、国の登録有形文化財にもなっています。現在はハウススタジオ兼カフェとして営業。誰かの家にお邪魔させてもらったような感覚で、庭を望みながらゆったり過ごすことができます。
お店になっているのは広い縁側部分で、その名も「縁側カフェ」。コーヒーや紅茶、緑茶などのドリンクから、ケーキや和スイーツ、トーストまで揃います。店内には優雅なクラシック音楽が流れ、どの席からも桜や椿、紅葉など四季折々の風景とともに楽しめます。
【池上】老舗そば屋さんがカフェに♪「古民家カフェ 蓮月」
2階は旅籠や宴会場としても使われ、池上本門寺の参拝客にも親しまれてきた
東急池上駅から徒歩10分、池上本門寺のほど近くにある「古民家カフェ 蓮月(れんげつ)」。昭和8年(1933年)築の古民家を改装したカフェ&レンタルスペースです。前身は「蓮月庵」というおそば屋さん。大将の引退で惜しまれつつ閉店しましたが、ここを残したいという地域の人々の想いが形になり、カフェとして蘇りました。
家具や建具などは当時のままに店舗スペースを広げ、おしゃれな雰囲気も加わった店内。メニューは紅茶やコーヒー、ソーダなどのドリンクから、チーズケーキなどのスイーツまで。カフェらしいメニューもお酒も楽しめます。ランチタイムにはセットメニューも。
【麻布十番】シックな黒豆スイーツ専門店「しろいくろ」
一番人気のロールケーキ「しろ」「くろ」
東京メトロ・都営地下鉄麻布十番駅から徒歩3分、上品さも下町情緒もある麻布十番商店街から1本入った通りにある「しろいくろ」。デザイナーと建築家のコンビが古民家をリノベーションして開いたお店です。外観も店内もお皿も食器も、白と黒で統一されています。
お菓子も白と黒でスタリッシュ。人気のロールケーキ(写真)やもう1つの看板商品「黒豆塩大福」「黒豆ガトーショコラ」など、兵庫県・丹波地方産の黒豆をふんだんに使ったスイーツが揃います。それぞれ、栗のような優しい甘さが生クリームやチーズクリーム、カカオなどとよく合う大人の味わい。店内でいただくなら「黒豆茶」も一緒にどうぞ。
【八王子】大正時代の古民家でカレー♪「カキノキテラス」
温かな雰囲気が漂う店内。窓の外にはお店の名前にもなった柿の木がある
JR八王子駅から徒歩15分の「カキノキテラス」は、大正時代からの歴史を持つ古民家をリノベーションしたカフェ。高い天井には立派な梁があり、アンティーク風の家具が配された空間は開放感たっぷりです。テラス席では大型犬などのペットも一緒に過ごせます。
メニューの主役は欧風カレーとスイーツ。20種類以上のスパイスを使ってじっくり煮込む「山形米澤豚のカツカレー」や「12品目の旬の野菜カレー」などのカレーは、おいしさもボリュームも満点です。スイーツはわらび餅やティラミスなど、ランチにプラスできるものも豊富。遠くからわざわざ食べに来る人がいるというのも納得のお店です。
いかがでしたか?
今回は、過去に「ことりっぷWEB」で紹介したお店の中から、東京都内の古民家カフェをまとめてご紹介しました。メニューや営業時間、定休日、感染対策などは最新の情報をご確認のうえ、おでかけくださいね。