提供:ことりっぷ
尾張名古屋城下に代々和菓子を届けていたという、名古屋が誇る老舗「両口屋是清」。全国に50店舗以上を展開していますが、名古屋市内の直営店では店内で和菓子を楽しめるお店がいくつかあります。なかでも東山店は、建築家の隈研吾氏がデザインを手掛けたという三角屋根の建物が印象的で、新しい和菓子を提案するカフェスペースも。ここでしか食べられないメニューやこの春の注目商品と共にご紹介します。
隈研吾氏がデザインした、格子がモチーフの建物
「両口屋是清東山店」は、地下鉄東山線「東山公園駅」から徒歩2分ほどの場所にあります。外観は黒い金属格子の三角屋根がそびえ立つ、印象的な建物。そのフォルムは通りを車で走っていても目を引くようにとデザインされたもの。エントランスはガラス張りで、屋根の庇部分や天井などに格子のように檜が組まれていて、木のぬくもりとモダンなデザインが調和した空間となっています。
この檜の格子のモチーフは、この建物の設計を手掛けた隈研吾氏が両口屋是清の工房で和菓子作りを見学し、そこで使われていた蒸篭から着想したデザインなのだそう。2Fにはそんな格子のモチーフに囲まれたカフェ「喜蝸庵(きっかあん)」もあり、和菓子への思いも込められた空間でお抹茶や甘味が楽しむことができます。
さらに2Fは扉やパーテーションが可動式となっていて和菓子教室などイベントを開催することも。様々なイベントやメニューを提案し、幅広い人が和菓子と親しんでもらえるようにと作られたスペースとなっています。
建築家の技を感じる空間で、季節の和菓子を
「ぜんざい」(770円)
2階のカフェでは、大納言小豆を炊いて仕上げたあんなど、両口屋是清の和菓子にも使われている素材で仕上げた甘味をゆったりと楽しんでみてください。ぜんざいは丹波大納言小豆のほっくりとした食感が楽しめる、和菓子店のこだわりが詰まった一品。桜花の塩漬けを添えたりと、季節を表現した限定メニューも登場します。
生菓子は週替わりとなっていて職人が一つ一つ手仕事で仕上げた品々が並んでいます。両口屋是清の生菓子は小麦粉と白あんをこねて作り上げる「こなし」で細工した生菓子も多く、もっちりとした食感が特徴。季節を表現した優しい色合いの和菓子にほっこりしますよ。
和菓子店のアイデアが光るパフェやプリンは東山店限定
「抹茶パフェ」(990円)
東山店限定の新メニューとして登場したのが、抹茶づくしのパフェ。抹茶アイスのほか、抹茶プリン、抹茶シフォン、抹茶寒天などを重ねてあり、別添で抹茶シロップも付いています。抹茶のしっかりとした色、まろやかな味わいが楽しめる贅沢なパフェです。
さらにお店で手作りし、出来立てを提供している「喜蝸プリン」も東山店限定。卵を使わずに寒天だけで固めたというプリンは、ほろりとなめらかで繊細な口溶け。ミルクの優しい風味がお茶の味わいを包み込みます。カフェスペースでしか味わえない数量限定の商品です。
お土産にはこの春リニューアルした「千なり」を
1Fのショップでは、この春23年ぶりにリニューアルしたという「千なり」をぜひお土産に。生地や餡、パッケージなど全てを見直し、新たに林檎あんの「千なり」も登場しました。
元々は戦前から作られていたという歴史を持つ「千なり」は、千なり瓢箪の焼印が付いたどら焼きとして親しまれている両口屋是清を代表する銘菓。その味を守りながら、さらに美味しく、幅広い世代に楽しんでもらえるようにと改良を重ね、今回満を持してリニューアルをしたのだそう。
パッケージは幸福な時間をお届けできるようにとの想いを込めたイラスト。ワクワクを探しに出かける女の子と大きな木の近くには、幸せの象徴である青い鳥やうさぎ、白いたぬきが描かれています。新しい味、林檎あんをイメージしたリンゴ型の箱入りセットも数量限定で販売中ですよ。
老舗の味を守りながら、新しいお菓子や時代にあったお菓子になるよう改良を重ねながら進化を続けている「両口屋是清」。独創的な建物と共にその魅力を楽しめるショップ&カフェに、ぜひ足を運んでみてくださいね。
文:田口真由美