沖縄では、1月から2月にかけて寒緋桜(かんひざくら)が見頃を迎えるため、日本で最も早くお花見を楽しむことができます。沖縄本島北部の名護市・本部町(もとぶちょう)・今帰仁村(なきじんそん)には桜の3大名所として知られるスポットがあり、沖縄ならではの個性的な桜の絶景を堪能できます。
今回は、沖縄の桜の3大名所とあわせてお花見と一緒に楽しめる絶景カフェや話題の施設、地元ならではのセレクトショップなどもご紹介します。
目次
沖縄で冬に咲く桜「寒緋桜」とは?
沖縄では亜熱帯性の「寒緋桜」という桜が見られます。本土のソメイヨシノなどとは違う種の桜で、花が鐘状に下向きについています。濃いピンク色で、花びらが舞って散るのではなく、花ごと落ちるのも特徴的です。
寒緋桜が沖縄で見頃を迎えるのは、1月上旬から2月初旬頃。名護以北の「やんばる」といわれるエリアから桜前線が南下していくため、沖縄本島の北部では日本で一番早くお花見が楽しめます。
名護さくらまつりが開催される「名護城公園」
地元ではナングスクと呼ばれている「名護城(なんぐすく)公園」は、名護岳の麓一帯に広がる広大な森林公園。敷地内は12のゾーンに分かれていて、亜熱帯の森の中に展望台や史跡などが点在しています。
毎年1月下旬には「名護さくらまつり」が開催されることでも知られており、沖縄の寒緋桜の3大名所のひとつでもあります。
桜は公園内のいたるところで見られますが、おすすめはDゾーンにある「さくらの園」。桜並木の遊歩道があり、海と桜が同居する沖縄ならではの絶景も楽しめます。ほかに、Fゾーンの「名護城跡」へと続く階段も定番の観桜スポットです。公園の頂上にあたる「天上展望台」からの絶景も素晴らしいので、ぜひ眺めてください。
名護城公園
- 住所
- 沖縄県名護市名護5511
- 営業時間
- 24時間
- 入場料
- 無料
- アクセス
- 沖縄自動車道「許田」ICより約15分
- 公式サイト
- 名護城公園
第61回 名護さくらまつり
- 開催期間
- 2024年1月27日~28日
- 開催時間
- 11:00~20:30(道路規制解除 21:00)
- 詳細
- 名護城公園公式サイト
名護城公園の穴場絶景スポット「ビジターセンター subaco」
名護城公園の山頂付近には「ビジターセンター subaco」があります。ガラス張りのビジターセンターの中にあるカフェスペースで、亜熱帯の森から名護の市街地、名護湾へと広がっていくパノラマ絶景を見渡すことができます。
おすすめは、ハイビスカスときび砂糖ベースのシロップを使ったオリジナルソーダ「イリ」(390円)。地元のお店が作っているという焼菓子は、日によって種類が変わります。ドリンクとお菓子はテイクアウトも可能です。
レジ横で販売されている「名護マサー」(1個150円)は、地元でおなじみの「ヤマカワ和洋菓子店」オリジナルの名護銘菓。お土産にもおすすめです。
1階で焼き菓子やドリンクを購入したら2階の展望フロアへ。広々とした気持ちのいい場所で、壮大な風景を眺めながらひと休み。桜の季節になると、ここでお花見も楽しめます。「subaco文庫」として自由に読める絵本も用意されているので、親子でも利用可能です。
ビジターセンター subaco
- 住所
- 沖縄県名護市名護5511
- 営業時間
- 10:00~17:00(L.O.16:30)
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 沖縄自動車道「許田」ICより約15分
もとぶ八重岳桜まつりが開催される「八重岳桜の森公園」
「もとぶ八重岳(やえだけ)桜まつり」の開催地となる「八重岳桜の森公園」がある八重岳も、沖縄の寒緋桜の3大名所のひとつです。
公園の周辺をドライブしながら桜を眺めるのが、沖縄スタイルのお花見。県道84号線から公園を目指すのが、地元の人の定番ルートです。県道84号線沿いの伊豆味駐車場のあたりでは「クメノサクラ」という白い桜も見られます。
八重岳には約7,000本の寒緋桜があり、山の中腹から頂上に向けてズラリと並ぶ姿は絶景です。車で桜のアーチを走り抜けながら、南の島のお花見を楽しめます。
公園には休憩施設や駐車場があるので、ここを起点にしてお花見ドライブを楽しんでください。「もとぶ八重岳桜まつり」期間中は、出店などもでてにぎわっています。
八重岳桜の森公園
- 住所
- 沖縄県本部町字並里921
- 営業時間
- 24時間
- 入場料
- 無料
- アクセス
- 沖縄自動車道「許田」ICより約35分
- 公式ホームページ
- 本部町役場
第46回 もとぶ八重岳桜まつり
- 開催期間
- 2024年1月21日~2月4日
- イベント実施日
- 2024年1月20日、21日
- 出店期間
- 開催期間中の土曜、日曜
- 詳細
- 本部町観光協会公式サイト
海の向こうに伊江島が見渡せる「CAFE MOKULELE」
本部町にある、目の前に鮮やかなブルーが印象的な海が広がる「CAFE MOKULELE(モクレレ)」。雄大な水平線と伊江島が見渡せる、爽快な絶景に癒されます。
ハワイアンな雰囲気の店内でいただけるカフェ飯のおすすめは「タコライス」(1,200円)。野菜がたっぷり摂れるオリジナルのアレンジで、ボリュームにも大満足。パンケーキやスムージーなども人気があります。
朝7時からオープンしているので、朝食スポットとしても利用できます。ランチタイム終了とともに閉店するので時間に余裕をもって行きましょう。
CAFE MOKULELE
- 住所
- 沖縄県本部町大浜872-9 2階
- 営業時間
- 7:00~14:00(L.O.)
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 沖縄自動車道「許田」ICより約40分
今帰仁グスク桜まつりが開催される世界遺産「今帰仁城跡」
ユネスコの世界遺産にも登録されている「今帰仁城跡(なきじんじょうし)」も、桜の3大名所のひとつ。毎年1月下旬から2月頃になると「今帰仁グスク桜まつり」が開催されることでも知られています。
今帰仁城跡は城壁のディテールが美しい史跡ですが、ここに桜が色づくとさらに見事な景観となります。城壁と桜の向こうに海が見渡せる場所もあります。
「今帰仁グスク桜まつり」開催期間中は、夜のライトアップが行われます。桜と城壁が照らし出される様子が幻想的で、地元でも人気のイベント。夜のお花見にも、ぜひ訪れてみてください。城の本門である「平郎門」から見る桜も写真映えする景色なので、記念写真の撮影にもおすすめ。
今帰仁城跡
- 住所
- 沖縄県今帰仁村字今泊5101
- 営業時間
- 1~4月、9~12月 8:00~18:00(最終入場17:30)
5~8月 8:00~19:00(最終入場18:30) - 入場料
- 大人600円、中高生450円、小学生以下無料
- 定休日
- 無休
- アクセス
- 沖縄自動車道「許田」ICより約40分
- 公式サイト
- 今帰仁城跡
第17 今帰仁グスク桜まつり
- 開催期間
- 2024年1月20日~28日
- 開催時間
- 8:00~21:00※最終入場20:30
- 入場料
- 大人600円、中高生450円、小学生以下無料(団体料金あり)
※別途通常時の入場料の支払いは不要 - 詳細
- 今帰仁城跡公式サイト
絶景にとけ込むビーチカフェ「On the Beach CAFE」
今帰仁城跡から徒歩で20分、車で3分ほど。沖縄にある絶景カフェのなかでも、とりわけ海との距離が近い「On the Beach CAFE」があります。店内すべての席がオーシャンビューで、手を伸ばせば届きそうな距離に美しい海の風景が広がっています。
1階にも2階にも海に面したカウンター席があり、時間によって青の色が変化する海を眺めながら、贅沢な時間を過ごすことができます。時間によって青の色が変化する海を眺めながら、贅沢な時間を過ごすことができます。
沖縄の食材を使った料理も好評で、おすすめは「琉球ハンバーガーランチ」(1,200円)。沖縄の野菜がたっぷり味わえるハンバーガーに、ミニ沖縄そばや海ブドウがセットでついてきます。
食事の前後にシーサーの絵付けなどの体験プログラムも利用できます。完成後の作品はお持ち帰り可能。詳細は電話にてご確認ください。
On the Beach CAFE
- 住所
- 沖縄県今帰仁村今泊612-2
- 営業時間
- 11:00~18:00(L.O.17:00)
- 定休日
- 無休
- 電話
- 0980-56-4560
- アクセス
- 沖縄自動車道「許田」ICより約40分
- 公式サイト
- On the Beach CAFE
絶景を堪能しながら天然温泉を楽しめる「ジュラ紀温泉 美ら海の湯」
沖縄でお花見をするなら、立ち寄り温泉も利用してみてはいかがでしょうか? 沖縄美ら海水族館のすぐそばにある「ホテル オリオンモトブリゾート&スパ」の「ジュラ紀温泉 美ら海の湯」は、沖縄では珍しい天然温泉(加温)。地下1,500mにある約2億年以上前の地層から湧き出るお湯が、疲れた体を癒してくれます。
この温泉の最大の魅力は、海の絶景を眺めながら入浴できること。真正面に伊江島を見渡すエメラルドブルーの大海原を眺めながら温泉に入れるのは、沖縄ならでは。温泉以外にドライサウナとスチームサウナも利用できます。
ジュラ紀温泉 美ら海の湯
- 住所
- 沖縄県本部町148-1 ホテル オリオン モトブ リゾート&スパ 内
- 営業時間
- 6:00~10:00(最終受付9:30)、15:00~23:00(最終受付22:30)
- 料金
- 大人2,150円、子ども1,000円、小学生未満無料(すべて入湯税込)
- 定休日
- 無休
- アクセス
- 沖縄自動車道「許田」ICより約40分
テーマパークのようなお土産店「御菓子御殿 名護店」
沖縄のお土産として有名な「紅いもタルト」でおなじみの「御菓子御殿(おかしごてん)」。こちらの名護店はお土産店以外の施設も充実していて、まるでテーマパークのよう。今帰仁城跡、八重岳桜の森公園から車で約15分です。
なかでも恐竜をメインにした施設「DINO恐竜PARKやんばる亜熱帯の森」は、子連れに大人気。森の中にあるパーク内では、80体もの恐竜たちに出会うことができます。
赤瓦の古民家で沖縄の郷土料理が味わえる「沖縄料理 御殿(うどぅん)」も併設されています。沖縄そばやチャンプルーからスイーツまでメニューも豊富です。
御菓子御殿 名護店
DINO恐竜PARKやんばる亜熱帯の森
沖縄料理 御殿
- 住所
- 沖縄県名護市字中山1024-1
- 営業時間
- 9:00~18:00
「DINO恐竜PARKやんばる亜熱帯の森」は最終入園17:30
「沖縄料理 御殿」は11:00~18:00(L.O.17:15) - 定休日
- 無休
- 料金
- DINO恐竜PARKやんばる亜熱帯の森:大人1,000円、子ども600円
- アクセス
- 沖縄自動車道「許田IC」より約25分
- 公式サイト
- 御菓子御殿
かわいいやんばる土産が見つかる「ナゴグローサリーストア」
名護市街にある名護市営市場2階のセレクトショップ「ナゴグローサリーストア」。名護市を中心に、沖縄本島北部の「やんばる」と呼ばれるエリアの工芸品や特産品を販売しています。
沖縄の言葉で「やちむん」と呼ばれる陶器から、琉球ガラスや紅型小物のほかに、ショップのオリジナルデザインの雑貨も人気があります。シークヮーサーなどの特産品を使った加工品やお菓子も、品揃えが豊富。お土産にもおすすめです。
店内にはカフェスペースがあり、名護市内で作っている金川紅茶(イートイン330円・テイクアウト324円)などがオーダーできます。休憩もかねて、お店をのぞいてみてはいかがでしょうか。名護市内に工場があるオリオンビールのグッズも購入できます。
ナゴグローサリーストア
- 住所
- 沖縄県名護市城1-4-11 名護市営市場2階
- 営業時間
- 10:30~18:30
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 沖縄自動車道「許田IC」より約15分
沖縄本島の北部にある、名護市、本部町、今帰仁村は桜の名所として知られているだけでなく、絶景を堪能できるカフェや魅力的な観光スポットがたくさんあります。ドライブはもちろん、気になるエリアに宿泊して、時間をかけてめぐってみるのもおすすめです。
取材・文:稲嶺 恭子/撮影:仲本 潤