提供:沖縄テレビ
観光地としても有名な「今帰仁(なきじん)城跡」は、絶景が広がり澄んだ空気がとっても気持ちよい場所。でも、ただの観光地と思ってまわるのではあまりにももったいない!
今回は、「今帰仁城跡」を別の視点から楽しむ方法を伝授します。今帰仁城跡の美しい風景を見逃さないよう、要チェックです!
目次
今帰仁城跡とは
「今帰仁城跡」は、琉球統一以前に山北(北山)王の居城として建てられた城跡です。
2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のひとつとして世界遺産に登録され、今帰仁村を代表する観光地となりました。
現在、今帰仁城跡はただの観光地ではなく、県内から多くの参拝者が訪れる神聖な場所です。
今帰仁村にいると、どことなくほかと違う雰囲気を感じる人は多いのではないでしょうか。
「今帰仁上り(なきじんぬぶい)」と呼ばれる聖地旧跡の巡拝行事が、現代でも執り行われている村だからかもしれません。
古来より受け継がれてきた神聖な行事があるからこそ、美しい自然や昔ながらの沖縄らしさが残り続けるのでしょう。
今帰仁城跡は、今帰仁村を一望できる場所です。ぜひ流れる空気の違いを感じてみてくださいね。
パッとまわるだけではもったいない!今帰仁城跡の楽しみ方
今帰仁城跡は、パッと観光するだけなら30分ほどでまわれます。
しかしハンタ道や火神跡・志慶真門郭(しげまじょうかく)など、神聖な場所や美しい景色をゆっくりと感じるなら2時間は必要です。
特に注目してほしいポイントを、一つひとつ説明していきます。
①圧巻!180度広がる美しい水平線
今帰仁城跡の頂上からは、息をのむほどの絶景をのぞめます。海と水平線が視界いっぱいに広がり、自然が放つ青の美しさに心を打たれるでしょう。
天気がよければ奥には伊是名島と伊平屋島・古宇利島、そして本島最北端の辺戸岬を確認できます。
少し視線を下げると石垣が、右手にはこんもりした山があり、美しい自然と歴史を一挙に感じられる場所が、今帰仁城跡の頂上です。
特に天気がよい日の景色は、言葉にならないほど。
昼どきはもちろん、サンセット時間もおすすめです。
ベンチに座り、ゆっくりとした時間を過ごしてくださいね。今帰仁村に流れる風を思い切り感じてみましょう!
②無料ガイドで歴史を深掘りする
今帰仁城跡では、「今帰仁グスクを学ぶ会」のボランティアスタッフに無料ガイドを依頼できます。
今帰仁城跡にまつわる歴史をはじめ、神聖な場所や拝所などを1時間ほどかけてていねいに教えてくれます。
無料ガイドはチケット販売所で申込でき、空いているガイドさんがいればすぐに案内をスタートできます。
より深く今帰仁城跡の歴史を知りたい人や、神域や拝所にまつわる話を聞きたい人はもちろん、村の人と交流したい人にもおすすめです。
雑談を楽しみながら、地元情報を教えてもらいましょう!
③裏にある「志慶真門郭(しげまじょうかく)」から絶景を拝む
今帰仁城跡の平郎門から見て奥に位置するのが、「志慶真門郭」です。
城主に仕えた人々が住んでいたと考えられているエリアで、知る人ぞ知る絶景スポットです。
丘陵の上にそびえ立つ圧巻の城壁、そして上に広がる美しい空は、まるで某アニメの城のよう!
正面には森が広がり、奥には美しい海と水平線がはっきりと見える「志慶真門郭」は、どこを切り取っても美しい画になります。
この景色を見ないで帰るのは、本当にもったいない!
知らないと行かない場所だけに、ぜひ足を伸ばしてみてください。歴史と自然に囲まれた空間に、心が落ち着くのを感じられますよ。
入り口は頂上右手奥にある、写真の門構えが目印です。階段を下りる途中で振り返り、石垣を見上げてみてください。心に残る絶景が広がっています。
④御嶽(うたき)に想いを馳せる
今帰仁城跡を正面にして左手には、「今帰仁ノロ殿内火の神の祠」があります。かつて今帰仁ノロの居住地であったとされ、現在は火の神が残されています。
木々に囲まれた道を抜けた先にひっそりと佇む姿は、あまりにも神々しく簡単に近づけない雰囲気があります。木々の間からさす光が美しく神秘的で、心を動かされる人は多いでしょう。
今帰仁村には確かに神がいる、と思える瞬間かもしれません。ぜひチェックしてみてくださいね。
⑤「ハンタ道」をとおる
「今帰仁ノロ殿内火の神の祠」に向かう手前に、「ハンタ道」と呼ばれる古道があります。
現在の今泊集落から今帰仁城跡への里道で、登城道としてだけでなく、祭事の際は神道として利用されていた歴史ある道です。
下から登って今帰仁城跡に進むコースが一般的ですが、入り口近辺には駐車場がないので、今帰仁城跡から下ってみましょう!
亜熱帯の木々に囲まれた空間で、軽いトレッキングを楽しめます。
途中に今帰仁城の出城と考えられている「ミームングスク」や、とても大きなガジュマルの木があります。
特に幻想的な雰囲気を放つガジュマルは必見です。ルートを知らないと辿り着けない場所なので、気になる人はガイドさんに案内してもらえるか相談してみてくださいね。
片道740メートルほどあるので、無理のない範囲で引き返しましょう。
蚊に刺されやすい人は長袖長ズボンを着用し、雨のあとなどで土がぬかるんでいるときは滑らないように注意してください。
癒し効果抜群のハンタ道は、気持ちが疲れてしまった人に特におすすめしたいスポットです。
⑥第二駐車場前の坂から絶景を望む
第二駐車場の前の坂から海側を眺めると、頂上とはまた違った絶景が広がります。
特にカンヒザクラが咲く1月末から2月の上旬にかけては、桜のピンクと海と空の青のコントラストが、とても美しい場所です。
もちろん、桜のシーズン以外も絶景です。車でとおると一瞬なので、ぜひ歩いて海と空が抜けるような感覚を味わってみてくださいね。
今帰仁城跡は知れば知るほど魅力がわかる場所!
今帰仁城跡はかつて王の城だっただけに、今帰仁村の美しい景色と歴史・聖地が集まっています。
ただまわるだけでは「城跡」「城壁」「石垣」の印象だけで終わってしまうかもしれませんが、より深く知ると「聖地」「絶景」「歴史」「神」を思い出に付け加えられます。
一見ただの石に見える場所が拝所だったり、御嶽が向く方向に意味があったりなど、知らなければ素どおりしてしまう場所がいっぱいあります。
一つひとつの意味や歴史を知るのは時間がかかりますが、まずは気持ちのよい今帰仁城跡を、心のままに感じましょう!
世界遺産 今帰仁城跡
- 住所
- 沖縄県国頭郡今帰仁村字今泊5101
- 営業時間
- 通常期間(1~4、9~12月) 8:00~18:00(最終入場17:30)
夏期延長期間(5~8月) 8:00~19:00(最終入場18:30) - 定休日
- 年中無休(※ただし、予告無く館内燻蒸、施設管理等によって一部施設を閉館する場合もあります)
- 駐車場
- あり
※この記事は、2024年7月31日に沖縄テレビ「OKITIVE」で公開された記事を転載したものです。
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