冬から春にかけてやってくる、花粉症のシーズン。症状は人によってさまざまですが、暖かくなるにつれ苦しめられる人も多いはず。しかし、全国どこでも同じように花粉が飛んでいるわけではありません。比較的花粉の少ない「避粉地(ひふんち)」と呼ばれる場所は、花粉シーズンの旅行先として人気を集めています。
避粉地の中でも沖縄県は、煩わしい花粉の時期にうれしい、のんびりと休息のできるリゾートホテルがいっぱい。ホエールウォッチングや花まつりなどこの時期ならではの観光も満載です。花粉を避けながら楽しむ沖縄をご紹介します。
「避粉」とは、花粉の飛ばない場所へ一時的に移ること
避粉とは、花粉がほとんど飛ばない土地へ赴くこと。大半の花粉症の原因と言われているスギが生育しづらい沖縄県は、国内の代表的な避粉地です。県内でスギの木が占める面積は土地全体の1%未満。30%以上を占める県もあるので、その差は一目瞭然と言えます。
さらに、沖縄県は日本屈指の観光地。花粉に苦しむことなく快適に、かつ楽しく観光もできる沖縄は避粉旅行にぴったりの場所なのです。
2~4月の沖縄には楽しみがいっぱい!
沖縄といえば、夏のビーチリゾートというイメージが強い場所ですが、スギ花粉が飛ぶ2~4月も実は見どころが満載。この季節ならではの沖縄の魅力を詳しく解説していきます。
若葉が美しい「うりずん」は1年で最も過ごしやすい季節
この時期の沖縄は、島の言葉で「うりずん」と呼ばれています。2月から梅雨前までの季節を指し、若葉が芽生え新緑が美しく映える、すがすがしい時期。夏と違って極端な暑さはない上に、台風時期と比べて気候も安定しているので、「うりずんは1年で最も過ごしやすい季節」と言われることも。
気温で言えば、20度前後と他県と比べ温暖な気候です。2~3月は夜や日によっては冷え込むこともあるので、羽織るものが必須。2月はコートも持参しましょう。沖縄の初夏にあたる4月になると、日によっては半袖で過ごせる日もあります。
国内で一足先に海開きが行われる場所
温暖な気候が手伝って、全国でいち早く沖縄で海開きが行われるのもこの時期。本土だとおおむね7月頃なのに対し、沖縄離島で3月中旬頃、本島では3月末頃から徐々に海開きしていきます。
3月の水温は低めではあるものの、7月を待てない海好きにはたまらないポイント。ピーク時ほど混まない海で、思いっきり海水浴やマリンスポーツを楽しめます。
冬~春限定、ホエールウォッチングが楽しめる
12~4月にかけて、子育てのための温暖な気候を求め、沖縄近海にやってくるザトウクジラ。専門家と海に出て間近でクジラを観察できるホエールウォッチングは、冬から春の沖縄で人気のアクティビティです。
間近に聞こえる潮吹きの音や、大迫力のアクションは圧巻。那覇市街地から気軽に参加できるものや、数時間の体験から1日乗船するものまで、各社ツアーはさまざま。水族館では味わえない迫力を、ぜひ体験してみてください!
2020年 沖縄のホエールウォッチング情報
早い開花で花まつりも続々開催!
この時期の沖縄は、温暖な気候から鮮やかな花が咲くことで有名。開花は本土より早く、ヒマワリ・桜は2月に、つつじは3月に見頃を迎えるため、この時期に花まつりも次々に開催されます。
森に咲き誇った約5万本のつつじを観賞できる「東村つつじ祭り」(例年3月開催)や、広大な敷地に植えられた約100万本のテッポウユリ・世界100品種のユリを楽しめる「伊江島ゆり祭り」(例年4~5月開催)など、全国的に有名なイベントも。いつもなら花粉症の症状に悩まされる花見や花まつりも、抗原となるスギ花粉がほとんどない沖縄なら快適に観賞できるはず。
花粉を忘れてのんびりと滞在。避粉向けプランもあるリゾートホテル
花粉時期も観光が楽しめる沖縄ですが、ゆっくりと滞在できるリゾートホテルが多いのも特徴。花粉から逃れてのんびりと過ごしたいときにぴったりの宿が揃っています。中でも、避粉用のプランがあるおすすめのホテルをご紹介します。
伝統が息づく「星のや竹富島」で特別な避粉体験を
白い砂浜、赤瓦の屋根、珊瑚の石垣といった、沖縄の原風景を残す離島・竹富島。島内の3つの集落に溶け込むようにつくられたのが、4つ目の集落とも呼ばれる「星のや竹富島」です。
1棟貸しの敷地内は、集落を徹底的に踏襲してつくられており、南に向いた客室縁側で海風を感じながらゆっくりしたり、ラウンジで民謡演奏に耳を傾けたり、1年中24時間利用可能なプールでくつろいだり。「島時間」に身を委ねながら、思い思いの贅沢なひとときが過ごせる宿泊施設です。
星のや竹富島で2~5月の間に開催されるのが、「花粉さよなら滞在」。アクティビティや食事などを通じ、身も心もリフレッシュする2泊3日のプログラムです。
部屋のお風呂は、ミントとシーショを浮かべた特別なハーブバス。スッとした香りに、日頃の花粉の煩わしさが消えていくよう。さっぱりと体を洗い流していきます。
星空や朝日の下で深呼吸とストレッチを行う「よんなー深呼吸」で澄んだ空気を思いっきり吸いこんで。集落から徒歩約5分の「アイヤル浜」で開催します。久々にマスクやメガネを外して竹富島のやさしい風を取り込めば、解放感が満ちていきます。
朝は「うりずんピクニック」からスタート。うりずんの季節に吹く穏やかな春風を感じながら、島豆腐のベーグルや紅芋のポテトサラダを使ったバケット、季節のフルーツをいただきます。島食材は体を中からリフレッシュしてくれるようで、いつもよりずっと快適な1日が始まります。
星のや竹富島
- 住所
- 沖縄県八重山郡竹富町竹富1955
- アクセス
- 石垣港よりフェリーで約10分 竹富港より送迎有
- 客室数
- 48室
- 花粉さよなら滞在
- 期間:2020年2月1日~5月31日(ゴールデンウイークを除く)
料金:1名50,000円(税・サービス料・宿泊料別)
アクティビティ満載!広大なリゾート「カヌチャベイホテル&ヴィラズ」
広大な敷地内に、9つの宿泊棟と3つのプールやゴルフ場をもつ、本島・名護市の「カヌチャベイホテル&ヴィラズ」。海に面した約80万坪のリゾートホテルでは、2~4月に「花粉症エスケープ」というプランが用意されています。2泊以上でディナー1食無料、3泊以上でアクティビティ2つが無料と、連泊するほどお得。花粉の少ない環境で、ゆっくりと羽を伸ばしてリフレッシュすることができます。
2泊以上連泊でプラン特典となるディナーは、「カジュアルダイニング パラディ」のブッフェ。ホテルの位置する沖縄県北部地域の別名「やんばる」の旬素材をメインに、洋風料理を沖縄テイストにアレンジしたオリジナルメニュー、シェフ特製のスイーツなど常時約70種類が並びます。
ガーデンプールに隣接したロケーションで、リゾートの解放感を堪能すれば、日頃の花粉疲れも癒されていくはず。
ナイトプールも楽しめる室内プール「レインフォレスト」、広い敷地内をドライブできる「レンタルカート」が滞在中無料。さらに、3泊以上の連泊で特典となるアクティビティは、6種から2つを選択することができます。海開き前でも楽しめるジェットスキー「スーパーマーブル」は迫力満点!
花粉を気にせず遊んだら、広々とした客室でゆったりと休息。全室50平米以上、さらに20平米以上のバルコニーを備えていて、新緑の美しい景色やオーシャンビューを楽しめます。オープンジェットバス付き、大人数用など、9つある宿泊棟から好きなタイプをチョイスして。
花粉症で苦しむ人もそうでない人も、満足できるアクティビティがたくさん揃っているのは、広大な敷地を有するからこそ。子連れ向けのアクティビティやサービスも充実しているので、1人での静養も、家族旅行でもおすすめです。
カヌチャベイホテル&ヴィラズ
- 住所
- 沖縄県名護市安部156-2
- アクセス
- 那覇空港より沖縄自動車道を利用し車で約80分
- 客室数
- 295室
毎日つらい花粉症。2~4月の見どころもたっぷりな沖縄で、避粉旅行に出かけてみてはいかがでしょうか。温暖な南風に吹かれながら、大自然の中できっとリフレッシュすることができますよ。
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文/齊藤颯人