北海道・ニセコの原生林に佇む、全室露天風呂付きの温泉旅館「坐忘林」

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」露天風呂

手つかずの大自然が広がり、世界屈指のリゾート地として人気を集める北海道・ニセコ。春から秋にかけてはゴルフやトレッキング、乗馬などのアウトドア体験、冬はスキーなど、一年を通してアクティビティが充実し、国内外の旅行者を惹きつけています。そんなニセコの雄大な自然に溶け込むように佇む温泉旅館「坐忘林(ざぼうりん)」。約4万平米の敷地に客室はわずか15室のみ。全室に用意された源泉かけ流しの温泉に身を浸しながら、穏やかな時間を過ごすことができます。

春から夏は青々と芽吹く新緑、秋は赤や黄に燃え上がる紅葉、冬は雪に覆われた白銀、四季折々の風景を見せる原生林に抱かれた温泉旅館「坐忘林」を詳しくご紹介します。

 

羊蹄山を望む原生林にひっそりとに佇む一軒宿「坐忘林」

ニセコ
ニセコ

圧倒的なスケールの自然を感じるニセコ積丹(しゃこたん)小樽海岸国定公園内に位置し、冬は世界屈指のパウダースノーを楽しめるリゾート地として、国内外のスキーヤー・スノーボーダーが集う北海道・ニセコ。そのニセコの自然の美しさに魅せられた親日家のイギリス人オーナー夫妻が、自分たちの理想とするホテルを建てようと、2015年6月に「坐忘林」を開業しました。

宿名の「坐忘」は、「静坐して現世を忘れ、雑念を取り除く」という意味を持つ禅語で、日々の喧騒から解き放たれ、雄大な自然に身を委ねながら、心身ともにリラックスした時間を過ごせる隠れ宿として、国内はもとより、世界各国からゲストが訪れています。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」

坐忘林までは新千歳空港から車で約2時間。空港からのプライベートハイヤーの手配、JR函館本線・倶知安(くっちゃん)駅からの無料送迎もあります。白樺やミズナラの原生林の間を車を走らせていると、突然モダンな建物が目に飛び込んできます。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」

スタイリッシュな洋風の建物は、札幌を拠点に活動する建築家・中山真琴氏の設計。外壁は、杉板の型枠にコンクリートを流し込んで木目模様を造成する杉板擁壁(すぎいたようへき)という技法で仕上げたもの。洋の中に和の要素を取り入れたモダン建築が原生林に溶け込んでいます。

この建築デザインをはじめ、周囲の景観や自然環境に配慮した取り組みも坐忘林の特徴のひとつ。エントランス前には湧水でできた池があり、夏はその湧水を循環させて館内の冷却などに、冬は敷地内に湧く温泉水を床暖房や融雪に再利用するなどの工夫が凝らされています。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」

ではさっそく、館内へ。インテリアデザインは、北海道に憧れて1994年に日本に移住し、クリエイティブディレクターや写真家として活躍するイギリス出身のショウヤ・グリッグ氏が担当。和の伝統と現代の感性が織りなすモダンな空間が広がっています。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」レセプション

レセプションには屏風が。日本の骨董品などが館内を彩っています。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」ロビー

チェックインはレセプションの横にあるロビーで。まず目を見張るのが、窓の向こうに広がる森の風景。暖炉には白樺やエゾマツなどの間伐材を活用した薪が焚かれ、揺らめく炎の温もりと香り立つ木のアロマでゲストをもてなしています。静寂に包まれた空間に薪の爆ぜる音が時折響き、日々の煩わしいあれこれもどこかへ消えゆき、時間がゆったりと流れ始めることに気づきます。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」チェックイン
ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」ウェルカムドリンク

ウェルカムドリンクは、春から夏はカエデの樹液100%のドリンク。木の香りと甘さがほんのり伝わるさっぱりとした味わいに喉が潤います。秋から冬はとうきび茶を用意しているそう。ウェルカムドリンクからも大自然の息吹をすぐそばに感じられます。

 

自然と調和した源泉かけ流しの露天風呂・内湯付きの客室

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室

坐忘林はすべての客室に、源泉かけ流しの露天風呂と内湯が付き、70~80平米のスイートルーム仕様。客室はそれぞれ独立しながらも、中庭を囲むように回廊でつながっています。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室

客室と客室の間に設けられた「棟間」と呼ばれるスペースからは、夏はこんな白樺の景色を、冬は雪に覆われたフォトジェニックな風景を楽しめます。この外壁は、製材所の端材を、石炭製造過程で出る余剰分でコーティングしたもので、日本建築の伝統技法の焼杉と同じ防水効果があるそう。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室

各客室には「KUMORIYUKI(曇り雪)」、「YAMAYUKI(山雪)」といった雪紋にちなんだ名前が付けられ、ルームキーにも雪紋が刻印されています。

客室タイプは、和室、洋室、次の間付きの和室、次の間付きの洋室の4タイプが揃います。15ある客室はそれぞれに趣が異なり、そのなかから一部を紹介します。

 

次の間付き洋室

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室

まず、7畳の次の間付きの洋室。玄関で靴を脱いで奥へ進むと広々としたリビングが。そして、窓いっぱいに森の風景が広がっています。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室テラス

坐忘林は、周囲の自然との一体感を味わえる空間づくりを大切にしているのが特徴。外の景色をリビングの一部のように取り込む大きな窓や広く設計されたテラスによって、手を伸ばせば届きそうなほど自然をそばに感じられます。白樺の森に差し込む明け方の淡い光、昼の力強い太陽の光、夕刻の濃縮された光、光を失った夜の闇など、部屋から望む景色が時間帯によって変化し、深い情緒を生み出します。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室

リビングの隣にはベッドルーム。ふかふかのベッドに寝転ぶと、視線の先に映画のスクリーンのように絶景が広がります。ただただ何もせず、寝転びながら景色を眺めるのも贅沢な時間です。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」露天風呂

ベッドルームのさらに奥には露天風呂が。敷地内から汲み上げた源泉かけ流しの温泉が、檜造りの大きな湯船を満たしています。泉質は、わずかに黄色みを帯びたナトリウム・炭酸水素塩・塩化物温泉で、国内トップレベルといわれるほどミネラルを豊富に含み、美肌効果が期待できるそう。

また、源泉かけ流しの内湯もあり、露天風呂とは違った趣で温泉を楽しめるのも魅力。ゆったりと温泉に浸かり、体が温まったらテラスで涼んでまた湯船へ。心の赴くままに温泉を堪能できます。

 

次の間付き和室

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室

続いては、次の間付きの和室。寝室の畳の上には、ふかふかの布団が敷かれています。牧場を望む客室もあり、空が広く感じられます。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室

寝室、リビングともう1部屋、畳敷きの7畳の次の間が。3名以上で宿泊する場合はここに布団を敷いてもらえます。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」露天風呂

この客室は露天風呂も牧場ビューで、青空の下で牛たちがのんびりと草を食む牧歌的な風景を眺めることも。 坐忘林では景観を遮らないよう、テラスには細い手すりを採用し、自然との調和を大切にデザインされているのも特徴です。

 

洋室

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室

こちらは、洋室の一例。次の間はありませんが、なかには広々としたデスクが備わるお部屋もあります。正面に森を望み、ときおり鳥のさえずりが聞こえる静かな環境で、仕事も快適に捗りそうです。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室

客室にさりげなく飾られた苔玉は、スタッフが丹精を込めて育てたもの。光と影が微妙なニュアンスで溶け合う空間によく映えます。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」露天風呂

この客室も贅沢なほど広い檜造りの露天風呂と石造りの内湯が。のんびり温泉に浸かっていると、個性豊かな鳥の鳴き声が聞こえ、森の中にさまざまな鳥たちが暮らしていることに気づかされます。

 

和室

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室
ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」客室

続いては、和室の一例。外の景色に向き合うように、窓際に掘りごたつ式のデスクが設けられたお部屋もあります。ここで景色を眺めながらお茶を飲んだり、旅の日記をしたためたりするのもよさそうです。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」露天風呂

このお部屋の露天風呂は、石をくりぬいて造られています。湯船いっぱいに満たされた温泉に体を沈めると、ざぶんとお湯が溢れ出る瞬間がなんともいえない気持ちよさ。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」露天風呂

森の向こうに牧場を望み、天気がよければ、奥に蝦夷富士とも呼ばれる羊蹄山が顔を出してくれるかもしれません。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」内湯

内湯は檜造り。隣のパウダールームもモダンなデザインで、ゆったりと使える広さがあります。

 

北海道の大自然を感じるハイセンスなアメニティ

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」アメニティ

客室に備わるアメニティやドリンクもこだわりの逸品揃い。各客室には、作家もののうつわをはじめ、大麦やゆずなどをブレンドした玄米麦茶、桑の葉や紫蘇などをブレンドした黒豆茶、大豆のかりんとうといったお茶菓子を用意。ネスプレッソマシンも揃うので香り高いコーヒーも味わえます。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」アメニティ

北海道の自然の恵みを濃縮したリンゴ、トマト、ニンジンの3種類のジュースなどもフリー。飲料水として、敷地内の湧水を汲んだボトルが用意されているのもこの宿ならでは。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」アメニティ

バスルームにセットされたシャンプー、コンディショナー、ボディソープは、坐忘林オリジナルのもので、北海道産トドマツの香り。温泉との相性を考えて作られた、すがすがしい森のアロマに癒されます。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」アメニティ

パウダールームの引き出しには、バスアメニティと同じ北海道産トドマツの香りのボディローションも用意され、湯上りの肌をしっとりと整えてくれます。歯ブラシやレザー、ブラシなどを和紙で包んだアメニティセットのほか、アクセサリートレイとして使える陶器の小箱も。デザイン性の高いヘアドライヤーなど、アイテム一つひとつからセンスの良さがうかがえます。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」アメニティ

女性ゲストには、北海道・大沼国定公園の1500万年前の地層から湧き出す非加熱のフレッシュな天然水を使用した「Plusui(プラスイ)」のスキンケアセットも用意。クレンジング、洗顔料、化粧水、ジェルと、一式揃うのはうれしい心配り。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」アメニティ

クローゼットには、肌触りのいいコットン製のパジャマ、館内着に利用できるオリジナルの作務衣や、館内の移動に便利なトートバッグも用意されています。

 

非日常の時間を演出するパブリックスペースも

骨董品に彩られたライブラリー

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」ライブラリー

坐忘林には客室のほかにも、ライブラリーやリビングルーム、バー、中庭など、思い思いの時間を過ごせるスペースが揃っています。ライブラリーには、北海道の歴史や文化にちなんだ本をはじめ、美術書や写真集、小説などが並びます。

 

暖炉のある居心地のよいリビングルーム

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」リビングルーム

暖炉のあるリビングルームからは、晴れた日には羊蹄山を望み、目の前には、カモの親子やエゾサンショウウオが暮らす池も。棚に展示されている作品を鑑賞したり、ライブラリーで気になる一冊を選び、ここでページをめくったり、のんびり過ごしたくなる空間です。

 

抹茶をいただける「茶の坐」

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」茶の坐
ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」茶の坐

リビングルームの隣に設けられた「茶の坐」では、10:00~17:00の間、抹茶の無料サービスが。客室名の雪紋をモチーフにした干菓子とともに味わえます。

 

散歩が楽しい中庭

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」
ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」
ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」

白樺が木陰を作る中庭を散歩するのもおすすめ。草花のほか、キノコを発見することも! 中庭には温泉が注ぐ足湯もあり、夏は蝉時雨をBGMに足湯を楽しめます。

 

ショッピングやうつわ鑑賞を楽しめるギャラリーショップ

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」ギャラリーショップ

ロビーの一角にはギャラリーショップが。夕食・朝食に登場するうつわの作家の作品が並ぶほか、坐忘林オリジナルのバスアメニティや、「茶の坐」でいただいた雪紋の干菓子などを購入できます。

 

羊蹄山を望むバー

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」バー

約11mの一枚板のカウンターを備えたバーも、日中はPCを開いたり読書をしたり、自由に使うことができます。カウンターの向こうには雄大な羊蹄山。夕方、バーがオープンすると、地元のニッカウイスキー蒸溜所の受賞歴のあるウイスキーやオリジナルカクテルなどをいただけます。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」バー

ハスカップ、ラベンダーシロップ、余市産の黒ぶどうなどをブレンドしたカクテル(右)、ニセコの発酵ジンジャービア、白ぶどう、グレープフルーツをブレンドしたさっぱりとした味わいのカクテル(左)など、北海道ならではのオリジナルのモクテルも揃います。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」ワインセラー

また、ワインセラーにはイタリア、フランス産をはじめ、北海道限定のワインや、坐忘林コレクションの特別なワインなどが貯蔵されているので、夕食と一緒に楽しむのもおすすめです。

バー営業時間
17:30~22:00(21:45L.O.)

 

夕食は自由な発想と感性が光る「北懐石」

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」個室食事処

今回の滞在で楽しみにしていたことのひとつが、食事。夕食は、個室や半個室に区切られた食事処でいただきます。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」夕食

テーブルには、料理長・瀬野嘉寛さん手書きの味のある献立が。北海道生まれの瀬野料理長は、エンジニアから日本料理の道に入り、ニューヨークや東京の日本料理店で研鑽を積んだという異色の経歴を持ち主です。自ら生産者を訪ね、食材を厳選。北の大地で育まれた素材そのものの魅力を活かし、自由な発想と感性で創造したオリジナルの「北懐石」を提供しています。

この日の献立は、前菜から甘味まで11品。スタッフの中には山菜採りの名人もいて、敷地内で収穫した山菜が加わることもあるそう。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」夕食

一品目は、花咲蟹と白老(しらおい)産のきくらげの和えもの、山ウドの揚げもの、たらば蟹のつみ草田楽、新じゃがいもととうもろこしのグリルなどが、白樺の樹皮に美しく盛り付けられています。うつわも瀬野料理長がセレクトしているそうで、このお皿は佐賀・有田を拠点に活動するにしだゆか氏の作品。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」夕食

一杯ずつ利尻昆布で一番だしをとった贅沢な御椀に続いては、お刺身が登場。本まぐろや活毛蟹洗いなど、天然の地ものの鮮魚が並び、山わさびや自家製土佐醤油、藻塩で楽しみます。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」夕食

ひときわ感激したのがきんきの炭火焼き。水深100m以上の深海で獲れた北海道産のきんきを、炭火でじっくり焼くことで、うろこのサクサクとした食感と、ふっくらジューシーな身のハーモニーを味わえます。500g以上のきんきを使用しているため、食べ応えも十分。あらも余すことなく柔らかくなるまで炊き、新生姜の黒酢漬けと一緒に添えられています。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」夕食

こちらは有機姫きゅうりをすり下ろした緑酢と味わう北海カンロ(アジウリ)と間引きメロンのサラダ。うつわは瀬野料理長が作家と1年かけて制作したもので、羊蹄山の残雪と敷地内の池の風景が表現されています。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」夕食

強肴(しいざかな)は、希少なラム肉、北海道テクセルラムのロースト。ラム特有のクセを一切感じさせない、上質な味わいに感動します。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」夕食

北懐石を締めくくる甘味も独創的。北海道苺のすり流しをはじめ、ルバーブのくず豆腐、雪の中でおよそ2年寝かせたじゃがいもを使用したブリュレが。北海道の旬が詰まった坐忘林ならではの料理を満喫し、舌にも感動の記憶が刻まれました。

 

テラスやバーで夜のひとときを

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」星空

夕食後、部屋に戻る前に立ち寄りたいのがロビー前の「羊蹄テラス」。心地よい夜風に当たりながら、星空観察を楽しめます。星があふれんばかりに瞬く夜空を見上げ、季節の星座を見つけては。耳をすますと、森の向こうからフクロウの鳴き声が聞こえてくるかもしれません。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」バー

また、バーでもう少しお酒を楽しむのもおすすめ。カウンター席に座ると、ライトアップされた白樺の森が窓に映し出され、昼間とはまた違うしっとりとした時間を過ごせます。

 

北海道の恵みと旬を味わう朝食

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」朝食

翌朝は、朝もやに包まれた幻想的な風景を眺めつつ露天風呂で湯浴みを楽しんでから、朝食をいただきに食事処へ。

目覚めの一杯は自家製しそジュース。ごはんは、隣町の仁木町(にきちょう)の棚田米に昆布を入れ、各ゲストの朝食時間に合わせて土鍋で炊き上げています。朝食メニューのなかでもファンが多いのが、わかめの吉野鍋。吉野葛を加えただしがやさしく香り、肉厚の利尻産わかめと抜群の相性です。

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」朝食

さらに、もぎたての野菜も。キュウリは表面に新鮮さを証明するトゲがあり、金山寺味噌をつけてひと口食べると、みずみずしい味わいに笑顔がこぼれます。

そのほか、ふっくらと焼き上げた北海道近海産の鮭の大助(おおすけ)、倶知安産の玉子で作るだし巻き、北海道産チーズととうもろこしの茶碗蒸しなど、朝食にも北の大地が育んだ豊かな食材が並び、北海道の旬のおいしさをじっくり堪能しました。

 

ニセコ「坐忘林(ざぼうりん)」

大自然の中で大きく深呼吸し、心ゆくまで上質な温泉に浸かり、オリジナリティあふれる料理で北海道の旬を味わい、日々の疲れを癒す――。宿名に込められた思いの通り、頭の中を空っぽにして、気の向くままに過ごすことに意味を感じられた「坐忘林」での時間。今回はグリーンシーズンを満喫し、次は雪景色に包まれる冬にまた帰って来ようと心に誓いました。四季折々の美しい風景を彩る原生林に抱かれた温泉宿で、心を満たす休日を過ごしてみませんか?

 

坐忘林

住所
北海道虻田郡倶知安町花園76-4
アクセス
「新千歳空港」より車で約2時間
JR「倶知安(くっちゃん)駅」より車で約15分
駐車場
無料
チェックイン
14:00(最終チェックイン19:00)
チェックアウト
11:00

※マスクは撮影時のみ外しています

撮影:岡村智明 取材・文:室田美々

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