勾玉、温泉、出雲神話。島根の魅力がたくさんつまった「玉造グランドホテル長生閣」
島根県松江市玉湯町にある「玉造温泉(たまつくりおんせん)」は、古くから美肌の湯として親しまれている温泉地。出雲にほど近く、出雲神話や縁結びをモチーフとするスポット、オブジェがたくさんあります。
今回の女子旅の舞台となる「玉造グランドホテル長生閣」は、1803年創業の老舗の湯宿で、玉造温泉街の南側、玉作湯神社の近くにあります。玉造のシンボル・勾玉(まがたま)の材料となるパワーストーン、 “めのう”が贅沢にあしらわれた「めのう風呂」や、四季折々の情景が楽しめる1,000坪もの庭園、「また来たい」と思えるような創意あふれるおもてなしが魅力です。
当記事では、そんな「長生閣」で過ごす1泊2日女子旅の様子をお届けします。
JR玉造温泉駅から無料送迎車で約7分。春は美しい桜並木を見ながら宿へ
長生閣へのアクセスは、最寄りのJR玉造温泉駅から車で約7分。駅~ホテル間の無料送迎サービスがあり、行きは玉造温泉駅に到着する時間を連絡しておくと、その時間に合わせて迎えに来てもらえます。
玉造温泉街の中心を流れる玉湯川沿いは、春になると桜が咲き誇り、その時期には花見をしながら歩いて向かう人も多いのだそう。駅からは歩くと約30分の道のりです。
長生閣に到着すると、まず目に飛び込んでくるのは玄関にかかる大きなタペストリー。この印象的なタペストリーは、島根で活躍するデザインユニット「ミツトリヒトギ」の作品で、季節ごとにデザインが変わります。「次はどんなデザインだろう?」というワクワク感で、次回泊まりに来るときにも新鮮な気持ちになれます。
庭園と調和する端正な佇まいのロビーラウンジ
2018年にリニューアルした新しいロビーには、「八雲」をイメージしたシャンデリアをはじめ、玉造特産の青めのうの大きな原石や、神話を連想させるデザインが随所にみられ、洗練された雰囲気。奥には大きなガラス窓と自然豊かな庭園が広がり、ロビー全体が明るく感じられます。
庭園に臨む大きなガラス窓のそばにはホテルオリジナルのグランドピアノが。玉造温泉のそばにある花仙山(かせんざん)は、全国でも珍しい赤・青・白、3色のめのうが採掘される貴重な場所で、このグランドピアノは、そんな色とりどりのめのうをイメージしたかわいいデザインになっています。
温泉街歩きを一層楽しめる色浴衣は、かわいいものからシックなものまで豊富
長生閣では、色浴衣と帯、かごバッグ、下駄を無料で借りることができます。ロビーの棚に並ぶ中から好きな1着を選べるのですが、乙女心をくすぐるデザインやカラーが豊富で迷っていたところ、スタッフの方が「帯は浴衣の反対色にするのがおすすめ」と教えてくださいました。
かわいい浴衣を着て温泉街をそぞろ歩きするのも温泉女子旅の醍醐味。玄関先では提灯の無料貸出もあり、夕方の温泉街散歩におすすめです。
おこもりにもぴったり。温泉露天風呂付き客室「出雲-IZUMO-」
今回宿泊したお部屋は、館内で最上級の露天風呂付き客室「出雲-IZUMO-」。2020年にリニューアルしたばかりで、12.5畳の和室、8畳の和室、茶室の三間からなり、和と洋がふれあう極上のプライベート空間が魅力です。
「出雲-IZUMO-」があるのは「長玉殿」最上階6階。エレベーターを降りるとそこはもうプライベート空間。廊下の壁紙には客室の玄関と同じものが使われ、エレベーターから客室までひと続きに感じられるように演出されています。
お部屋に到着。引き戸を開けると、そこだけでひとつのお部屋のような、驚くほど広い風情ある玄関が。女子の心を掴む特別感とワクワクで、自然とテンションが高まります。
気ままなステイが楽しめる広々リビング
メインのお部屋は12.5畳。65型のテレビに、3~4人で座っても余裕のありそうなゆったりとした大きなソファーが。「出雲-IZUMO-」は最大8名まで宿泊可能で、映画やライブの鑑賞会をしたり、トークに花を咲かせたり、お泊り女子会にもぴったりの空間です。
スピーカーや映画のDVD・Blu-ray、雑誌なども用意されていて、好きな音楽を流したり雑誌をペラペラめくったり、まるで自宅のようにゆっくりくつろげます。
庭園とのコントラストが美しいめのうの露天風呂を独り占め
お庭の一角には、色鮮やかな3色のめのうが敷き詰められた露天風呂が。玉造温泉の泉質はまるで化粧水のような、美肌の湯として知られます。そんなお湯を、開放感にあふれ、風光明媚な庭園とフォトジェニックなめのうが調和した贅沢な空間で独り占めできるなんて、日ごろの疲れが一気に癒やされます。
ちなみに、夜の露天風呂も風情が。トークが盛り上がり過ぎて、大浴場の利用時間を逃してしまっても、24時間温泉が注ぐこの露天風呂なら気兼ねなくいつでも温泉を堪能できます。西暦733年編纂の『出雲国風土記』によると、「一度入ると美しくなり、再び入ると万病が治る」という記述が残るほどの名湯、滞在中は何度も浸かりたいですよね。
客室の専用庭園で人目を気にせず写真撮影
先ほど選んだ色浴衣を着て、客室に備わる庭園へ。完全にプライベートな空間なので、写真を撮り合ったりして非日常感を楽しめます。
和と洋の要素が溶け込むベッドルーム
8畳和室のベッドルーム。ローベッドと畳が調和して、シックで落ち着いた空間となっています。
ベッドルームの窓からは、およそ1,000坪あるホテル自慢の庭園が一望できます。最上階ということもあって、朝は朝日が差し込み、開放的な気分に浸れます。
女子旅にうれしい豪華なアメニティや設備
パウダールームはダブルシンクで、3~4人で使っても余裕がありそうなぐらい広々。ここから露天風呂や内湯につながっています。
お手洗いは2つ。パウダールームからは独立しているので、大人数で泊まるときも、譲り合う必要がないのもうれしいポイント。
アメニティは、「出雲-IZUMO-」のみ特別に、パリの老舗ブランド「Detaille(デタイユ)」とのコラボで生まれた伝統の品質と貴婦人の香りが楽しめる「Detaille la maison(デタイユ・ラ・メゾン)」のスキンケアセットを用意。シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、スキンソープ、ボディローション、バスジェルと豪華な6点セットです。
コーヒーメーカーもあり、お部屋でゆっくり淹れたてのコーヒーや煎茶をいただくことができます。
ほかにも魅力たっぷり! 大人数で利用できる充実の客室
客室内には、広々とした玄関スペースと12.5畳のリビング、8畳のベッドルーム、お庭のほか、本格的な茶室と茶道具があり、多目的に利用することができます。(2021年5月現在、感染症対策のため、お茶を点てることはできません。)
大容量の冷蔵庫とミニキッチンも。特に冷蔵庫は大容量なので、温泉街や館内の売店で購入したスイーツやお酒を冷やしておいたり、2Lのペットボトルなども余裕で入り、複数人で泊まるときにも便利です。
ほかにも女子旅におすすめの客室あり! かわいい和モダンなレディースルーム
館内にはほかにも女子旅にぴったりの客室が。こちらの女性専用のレディースルームは、12.5畳の和室にローベッドが置かれた和モダンな雰囲気。窓辺にはピンクのかわいいソファーが置かれ、庭園の季節ごとの情景を楽しめるくつろぎの空間になっています。
また、レディースルームには、美顔器やパナソニックの「ナノイー」ドライヤーなど、女性にうれしいアメニティが充実。美肌の湯で癒やされたあとに美容家電でケアをすれば、ますますキレイになれそうです。
もうひとつのレディースルームは、10畳の和室にシモンズ社製のベッドが設置された趣のあるお部屋。ヘッドボードやベッドスローなど、インテリアは花ことばをテーマにコーディネートされていて、華やかな気分を味わえます。
めのうを敷き詰めたおしゃれな温泉大浴場
長生閣には、「神話の湯」「女神の湯」2つの大浴場があり、どちらもめのうがふんだんに敷き詰められた「めのう風呂」を楽しむことができます。朝と夕で男女入れ替え制なので、両方の大浴場を満喫できるのがうれしいですね。
ヤマタノオロチ伝説がモチーフの「神話の湯」
「神話の湯」は、大蛇から姫を守ったスサノオノミコトの活躍が描かれた出雲神話、「ヤマタノオロチ」がモチーフ。浴槽の中央部にある個性的なオブジェは三種の神器のひとつ、退治した大蛇から出た剣をイメージしていて、空間全体を引き立てています。
内湯の浴槽全体に贅沢に敷き詰められためのうが水面に反射してキラキラと美しく、浪漫あふれる時間を堪能できます。
露天風呂は石造りで、明るい時間帯は木々の隙間から光が差し込む神秘的な雰囲気に包まれます。
天岩戸の明るい世界観を表現した「女神の湯」
「女神の湯」は、暗闇に包まれた世界に再び太陽の光が戻ってきた出雲神話、「天岩戸(あまのいわと)」がモチーフ。中2階のある立体的な構造で、めのう風呂、岩風呂、露天風呂が楽しめ、サウナ(2021年5月現在、休止中)も併設されています。
自家源泉から引くさらさらとした美肌の湯がたっぷり注ぎ、お風呂上がりはお肌がスベスベになるのを実感できるので、何度も入りたくなります。
ちなみに、パワーストーンとして扱われるめのう。青めのうは健康長寿の石、赤めのうは情熱の石、白めのうは家内安全の石とされています。
- 入浴時間
- 15:00~24:00、5:00~10:00
朝と夜で男女入れ替え - アメニティ
- ボディーソープ、シャンプー、コンディショナー、洗顔石鹸、化粧水、ドライヤー、綿棒、フェイスタオル ほか
夕食は山陰地方の豊かな食材が活きる料理に舌鼓
温泉旅行のお楽しみといえば夕食もはずせません! 夕食は「食事処 八雲」にて。大小13の個室があり、個室食プランで予約すれば、周囲を気にせずゆっくりと地産食材の料理を堪能できます。
内容は季節や日によって異なりますが、旬の食材を中心に、地魚の盛り合わせ、島根和牛の焼きしゃぶしゃぶ、宍道湖(しんじこ)産しじみの佃煮など、地元の素材をおいしく活かすアイデア盛りだくさんのメニューが楽しめます。そして、長生閣ではなんとミシュラン星付きシェフらが監修したお料理をいただけるんです!(監修料理が含まれないプランもあります。)
「ミシュランガイド東京」で3年連続二つ星を獲得しているフレンチレストラン「ナベノイズム」の渡辺雄一郎シェフが監修した一皿は、「近隣漁港で水揚げされた地物鮮魚をパン粉とエゴマを付けて焼き かるく泡立てたアンチョビ風クリームソース仕立て」。魚は日によって変わり、この日の地魚は鱸(スズキ)。サクサクと食感よく焼き上げられ、クリームソースとの相性が抜群でした。
また、のどぐろの塩焼きをオプション(要予約)として注文することができます。島根県の名物、高級魚としても知られるのどぐろは、その名のとおり「喉が黒い」ことが由来で、脂がのった濃厚な味わいが魅力。こんなに大きく肉厚なのどぐろにお目にかかるのは初めてで感動! 食べごたえがあり、長生閣に宿泊したらぜひいただきたい一品です。
アルコールメニューはかなり充実していて、お料理に合わせてさまざまに楽しむことができます。今回は、出雲市のおとなり、大田(おおだ)市にある一宮酒造のスパークリング清酒「雪香(ゆきか)」をチョイス。『古事記』や『出雲風土記』に記述が残り、日本酒発祥の地と伝えられる島根は、米と水に恵まれ、地酒、焼酎をはじめ、地ビール、ワインなど、隠れた酒どころなんです。
写真左のピンク色がきれいなドリンクは、コラーゲン入りのピーチのノンアルコールドリンク。ヒアルロン酸やコラーゲン、ビタミンC入りなど、美肌の湯との相乗効果が期待できるノンアルコール美肌ドリンクも豊富にそろいます。
夕食を締めくくるのは、「ミシュランガイド北陸 2021 特別版」で一つ星を獲得した金沢のフレンチレストラン「PREEMINENCE(プレミナンス)」川本紀男シェフ監修のスイーツプレート。「因幡(いなば)の白兎」を思わせるかわいいウサギのフィナンシェ、濃厚なフルーツグラタンなど、こだわりのデザートで至福のひとときを満喫できます。(このスイーツは、現在準備中のレディースプランとして提供予定です。)
- 夕食
- 18:00~19:30
大迫力スクリーンで楽しむ山陰の絶景とスタッフによるあたたかな演奏会
ロビーでは毎晩20:40から15分程度、上映会イベントが行われています。夕食後、ワクワクしながらロビーへ。
照明が落とされると、庭園側の大きな窓がそのまま巨大スクリーンとなって、音と光が織りなす迫力あふれる上映会がスタート。窓ガラスに「KALEIDO SCREENRR(カレイドスクリーン)」という特殊フィルムが導入されていて、大きなスクリーンとなった窓全体に花火やアクアリウムの映像、島根県の観光スポットや絶景が映し出されます。
そして、先ほどまでお料理をサーブしてくれていたスタッフの方が、なんと楽器を持って登場! 楽器経験のあるスタッフ有志4名(クラリネット、フルート、サックス、ピアノ)による演奏会も不定期で行われています。この日はクラリネットとサックスの二重奏。誰もが耳にしたことのあるジブリ作品の名曲など3曲が披露されました。また、この4名がアニメになる予定なのだとか……。今後の展開をお楽しみに!
赤てん、あご野焼きなど地元の名物が並ぶ朝食
翌朝の朝食は、昨晩と同じ会場「食事処 八雲」で。地元の名物がたくさん並ぶ和定食で、島根が誇るブランド米、仁多(にた)米のごはんと宍道湖産のしじみ汁はおかわり可能です。
のどぐろの開きをはじめ、島根西部・浜田市の名物でピリっと辛いさつまあげ「赤てん」、あご(トビウオ)をすりつぶして焼いた「あご野焼」や、あごのつくね「あご団子」、大山(だいせん)地鶏の筑前煮、出雲発祥とされるぜんざいなど、山陰の名物を堪能できます。
感染症対策の一環で、取材時は和定食でしたが、普段は和洋食のバイキングが楽しめます。
- 朝食
- 7:00~9:00
コーヒーの無料サービスがあるラウンジで朝食後の一杯を
ロビーラウンジの「卑弥呼」には、宿泊中、自由に利用できる無料のコーヒーサービスが。コーヒーのほか、カフェラテ、カプチーノ、カフェマキアートなど豊富なカフェメニューが楽しめます。朝食後、ラウンジでコーヒーを飲みながら、この日の観光のプランニングを。ラウンジではフリーWi-Fiが利用できるので、スマホでのリサーチもはかどります。
- 提供時間
- 7:00~10:00、14:00~21:00
チェックアウトの前に、ロビー横にある売店でお土産探し。子どもも大人もワクワクするような駄菓子やホテルオリジナルスイーツ、旅の思い出になるようなお土産や雑貨が豊富です。
3色のめのうのお風呂や庭園では非日常感を、そしてとっておきの客室「出雲-IZUMO-」では自分たちだけの贅沢な時間を味わえる「長生閣」。玉造温泉の美肌の湯、山陰の絶品グルメ、ほっと落ち着くおもてなしとしつらえも堪能でき、極上の休日を求める女子旅におすすめの宿です。
- 住所
- 島根県松江市玉湯町玉造331
- アクセス
- 【車】山陰自動車道「松江玉造」ICより約10分、「出雲空港」より約30分
【電車】JR「玉造温泉」駅より無料送迎あり - 駐車場
- 無料(100台・先着順)
- チェックイン
- 15:00(最終チェックイン18:00)
- チェックアウト
- 10:00
- 宿泊予約
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取材・撮影・文:アンドウミク