京都・紫式部ゆかりの地にたたずむ「廬山寺」で、優美な源氏物語の世界と紅葉を満喫♪

京都・紫式部ゆかりの地にたたずむ「廬山寺」で、優美な源氏物語の世界と紅葉を満喫♪

提供:ことりっぷ

 

平安時代には雅な宮廷で数々のドラマが繰り広げられた京都。その頃から、1000年以上も読み継がれてきたベストセラーが源氏物語です。その作者である紫式部が暮らしたとされる地に、そっとたたずむ廬山寺は桔梗の寺として知られていますが、実はかくれ紅葉の名所。この秋は、しっとりと落ち着いた廬山寺で、静かにお庭の紅葉を愛でてみませんか。

 

藤原家ゆかりの邸宅跡に広がる境内

藤原家ゆかりの邸宅跡に広がる境内 石碑のある漢医門。大きなイチョウの木が目印

廬山寺(ろざんじ)へは、京都駅からバスで約25分の府立医大病院前で下車、京都御苑を目指しましょう。御苑手前の寺町通りを北へ行くと、やがて右手に「紫式部邸宅址」と記された石碑が見えてきます。

 

本堂入口前には、紫式部とその娘である大弐三位(賢子)の歌碑が

もともとこの地は、紫式部の曽祖父である藤原兼輔(かねすけ)の邸宅があったところで、屋敷は紫式部の親族へと受け継がれました。紫式部もこの邸宅で育ち、結婚生活を送り、一人娘の賢子(かたこ)を育て、そして『源氏物語』を執筆したと伝わります。

 

本堂には『源氏物語絵巻』(複製)など、紫式部や源氏物語に関する展示も

子供の頃からその才を発揮した紫式部。父親が兄に漢文を教えていたところ、そばで聞いていた紫式部の方が先に覚えてしまい、「この子が男なら、立派な学者になるだろうに。」と残念がったとも。

しかし、本人はとてもシャイな性格で、学があるところを周囲には見せずにいました。『源氏物語』を執筆し始めたのは、夫が亡くなった後のこと。悲しみを乗り越えようとした中から生まれた作品なのかもしれません。

 

白砂に緑の苔地、錦の紅葉が美しい「源氏の庭」

白砂に緑の苔地、錦の紅葉が美しい「源氏の庭」 土塀の外から顔をのぞかせる紅葉が庭の彩に

廬山寺の「源氏の庭」といえば、6月~9月にかけて紫の桔梗が花開くことで知られていますが、それに負けず劣らず、紅葉も見事なもの。

まずは、本堂の阿弥陀様にお参りをしてから、縁台に腰を下ろしましょう。砂紋のない静かな白砂に、ゆるやかな曲線を描く苔地、赤やオレンジの鮮やかな色に染まった木々。そんな庭園を、ゆったり眺められるなんて最高です。

 

本堂の左側は、松の緑と紅葉の赤がつややかに映り込む

また、ほとんど知られていない床もみじは、だれにも教えたくないほど素敵。長い年月、磨き抜かれた床に、木々が映りこみ幻想的な色合いを見せてくれます。曇りぎみの日に、視線を低くして見てましょう。

 

(左)源氏の庭(右上)屋根瓦に降り積もる紅葉も風情たっぷり(右下)本堂裏の散紅葉

廬山寺の紅葉は、少し早めで例年11月中旬から下旬まで。緑から赤へのグラデーションの時期はもちろん、散紅葉も見逃さずに。本堂裏の小さな庭は、とりわけ舞い落ちる紅葉が趣深い場です。見過ごしてしまいそうなところですが、ぜひ目を向けてください。

 

紫式部や源氏物語にちなんだ御朱印やグッズも

紫式部や源氏物語にちなんだ御朱印やグッズも 紅葉の期間限定の御朱印(図柄が異なる予定)

お参りの記念には秋限定のご朱印を。紅葉が舞うなかに、紫式部の姿を写した押印が印象的です。流れるような「紫式部邸宅址」の文字も見ているだけで心が休まりそう。源氏物語ゆかりのグッズもあるので、お寺を後にする前にゆっくりと選んでくださいね。

 

源氏の庭に咲く桔梗をあしらった一筆箋「花だより」400円 源氏物語五十四帖の絵巻集にもなっている「源氏物語トランプ」1600円

京都御所にそっと寄り添うようにたたずむ廬山寺。もう少し長居したくなったら、お庭に面した部屋で予約不要の写経(500円)もできます。静かにゆったり過ごせるので、ひとり旅にもよさそうです。大河ドラマ『光る君へ』の予習を兼ねて、この秋から冬にかけて、ぜひ訪ねてみませんか。

文:戸塚江里子(らくたび) 撮影:保志俊平、小川康貴

 

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