
京都市左京区にある世界遺産・賀茂御祖神社(通称・下鴨神社)。メイク道具で鏡絵馬にお化粧ができる河合神社や、デザインが異なる媛守(ひめまもり)など楽しみ方はさまざま。身も心も美しくなりながら、縁結びのご利益を得られるように、正しく下鴨神社を参拝しましょう!
目次
- 1.下鴨神社のご利益/アクセス
- 2.河合神社で美人祈願
- 3.糺の森で森林浴
下鴨神社のご利益は縁結び・安産、育児、学業、長寿など

京都市左京区にある世界遺産・下鴨神社。ただ、下鴨神社は通称で、本当の名前は「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」。ご祭神の賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)から来ている名前です。ご祭神は他にも上賀茂神社のご祭神を御産みになった玉依媛命(たまよりひめのみこと)がいらっしゃいます。玉依媛命には縁結びをはじめ、安産、育児、学業、長寿のご利益があるとされています。
下鴨神社へは、京阪本線「出町柳」駅(でまちやなぎ)より徒歩で約12分。バスで行く場合は、各線「京都」駅から市バスで下鴨神社に直接行くことができます。
心も身もきれいになりたい人必見!下鴨神社の摂社(せっしゃ)「河合神社」
写真左:舞殿 中央奥:「方丈記」鴨長明の方丈の庵 右:御化粧室
下鴨神社の摂社(主祭神と深い関係がある神を祀った社)「河合神社」は、最初に立ち寄りたい場所。聖なる森・糺の森(ただすのもり)に入ってからすぐ、森の入り口にあります。

河合神社のご祭神は玉のように美しいといわれている玉依媛命。河合神社でぜひ体験したいのは鏡絵馬の奉納です。

この鏡絵馬は手鏡の形をしており、普段使っているメイク道具で鏡絵馬にお化粧をするという珍しいタイプの絵馬。

メイク道具を持っていなくても色鉛筆がおいてある「御化粧室」でお化粧をすることができます。

裏面にある下鴨神社の御神紋、双葉葵。「あふひ(葵)」は神様と「会う」ということと神様の力を意味しています。


裏面に願いを書き終えたら本殿の祭壇にある鏡に自分の姿を映しましょう。鏡の前には「御白石(おしらいし)」という白い石があります。この白い石にはぜひ触れてください。白い肌になるようにと美白を願い、手を触れると、ご利益がいただけるといわれています。


最後に絵馬掛けに鏡絵馬を掛けます。絵馬掛けには、たくさんの人の願いがこめられた色とりどりの鏡絵馬が並んでいます。

祈願が終わったら、河合神社には「美人水」(450円)があるので、ぜひいただききましょう。境内で採れた花梨(かりん)と天然はちみつ、河合神社のご神水から作られるジュースは、美肌やのどにも効くといわれています。

河合神社から下鴨神社まで続く「糺の森」(ただすのもり)。甲子園球場の約3倍もの広さがあり、小川の流れる聖なる森です。この広い森の中には毎年5月15日に行われる葵祭のあとに流鏑馬神事(やぶさめしんじ)が行われる古馬場もあります。樹齢200~600年のケヤキ、エノキ、ムクノキなどの広葉樹の若葉は、暑い日差しをやわらげてくれます。

紅葉の時期には、大きな木の間から差すやさしい木漏れ日が黄色の落ち葉をキラキラと輝かせます。小川のせせらぎや、落ち葉の重なる音に耳を澄ませて散策を楽しみましょう。

そんな神聖な森の中をまっすぐに続く道を進んで行くといよいよ下鴨神社に到着です!写真の楼門の先には、干支を祀った言社(ことしゃ)と本殿があります。本殿は特別公開時にしか近くには行けません。

糺の森を抜け下鴨神社の入り口にある相生社は縁結びの神様である「神皇産霊神(かむむすびのかみ)」をお祀りしています。恋愛だけでなく、仕事や友情などさまざまなご縁を結んでいただけるうれしいパワースポット。相生社のお参りをして良いご縁をいただきましょう。
正しいお参りの仕方

相生社の隣にある授与所受付で、絵馬の初穂料(500円)をまずお納めします。次にお願い事を書き、良いご縁が結ばれるように願いを込めながら、絵馬の紅白の紐を結びます。

願い事を見られないように、絵馬に目隠しシールをしたら、相生社の正面へ。相生社の周りを女性は反時計回り、男性は時計回りに2周し、 3周目の途中、絵馬掛けに紐をかけて奉納します。

そしてお社の正面に戻ったら二礼二拍手一礼してお参りします。最後に縁結びの象徴である二本の樹が一本になっている連理の賢木(れんりのさかき)へ。 「連理の賢木」の正面からでている綱「御生卑(みあれびき)」を2回引きます。 カップルの方は両側からひいてください。
「連理の賢木」にあるお賽銭箱「お幸千(おさいせん)」もお賽銭も納めましょう。

授与所ではひとつずつデザインの違うかわいいちりめん生地の媛守(1,000円)や 源氏物語にちなんだ「縁結び おみくじ」(300円)もあります。

井戸の上に建つことから井上社の別名を持つ「御手洗社(みたらししゃ)」。土用の丑の日の足つけ神事(御手洗祭り)のころになると、不思議と川や池からひざがつかるほどの清水が湧き出てくるため「鴨の七不思議」のひとつに数えられています。

また毎年5月15日に行われる下鴨神社と上賀茂神社のお祭り、葵祭の主役・斎王代が祭りの前日に禊をする場所はこの「みたらしの池」です。この御手洗社は「みたらしの池」に浸すとおみくじの結果を見ることができる「水みくじ」(300円)が人気!
水みくじの方法

みたらしの池に水がないときは手水舎で水みくじをします。

何が書かれているか期待しながら文字が浮き出てくるのを待ちましょう。

みたらしの池には水みくじ以外に、もうひとつおすすめがあります。それは「みたらし団子」です。 「みたらしの池」の水泡をかたどったというのが「みたらし団子」。下鴨神社の西側にある「京名物 加茂みたらし茶屋」は「みたらし団子」発祥の地です。

下鴨神社に縁があるこの「みたらし団子」(3本452円、持ち帰り5本700円)はいまでは京都の名物のひとつに数えられています。5つのお団子が五体を意味し、頭部を表すひとつ目が少し離れた位置に。夏越しの行事に使用する人形紙(ひな形)を模しています。

持ち帰る場合は、下鴨神社のイラストが入った包装紙で包んでくれるので、参拝のお土産にもよいですね。
京名物 加茂みたらし茶屋
- 住所
- 京都市左京区下鴨松ノ木町53
- 営業時間
- [平日]9:30~18:30(L.O.17:30)
[土日祝]9:30~20:00(L.O.18:00)
- 定休日
- 水曜日

広い下鴨神社を参拝したあとは境内にある休憩所「さるや」もおすすめ。京都らしい趣のあるスイーツをいただけます。

こちらは「身体を清めて無病息災に過ごせるように」と140年ぶりに復活した申餅(さるもち)。「葵祭の申餅」(ほうじ茶付き450円)は小豆のゆで汁でついた「はねず色」のお餅。「はねず色」とは明け方の薄あかね色に染まった空の色で、命が生まれる瞬間を表しています。
また、最高級の丹波大納言小豆に、香ばしく焼いた紅白のお餅をあしらった「良縁ぜんざい」(850円)もぜひ食べてみてくださいね。
休憩処さるや

京都の三大祭のひとつ「葵祭」は、下鴨神社と上賀茂神社のお祭りで、下鴨神社の見どころのひとつ。京都御所から下鴨神社、上賀茂神社まで華やかな装束をまとった参加者が舞う「葵祭御所行列」が有名です。
澄んだ空気をたっぷり吸いながら参拝するだけで運気も上昇しそう。京都旅行で素敵なご縁と出会えますように!
下鴨神社(賀茂御祖神社)
- 住所
- 京都市左京区下鴨泉川町59
- アクセス
- 【電車】京阪本線「出町柳」駅より徒歩約12分
【バス】「京都」駅より市バス4番で「下鴨神社前」停下車すぐ
- 開閉門時間
- 6:00~17:00
写真・文 佐々木美佳/楽天トラベルガイド編集部
モデル・ヘアメイク・着付け 魅朱(MIAKA)
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