築120年の時を紡ぐ京都府庁旧本館に、京都の老舗が手がけるカフェ「salon de 1904」がオープン

築120年の時を紡ぐ京都府庁旧本館に、京都の老舗が手がけるカフェ「salon de 1904」がオープン

提供:ことりっぷ

 

1904(明治37)年から67年間にわたって京都府庁の中枢として活用された「京都府庁旧本館」。創建時の姿をとどめる現役の官公庁建築として日本でもっとも古く、現在は国の重要文化財に指定されています。2023年7月、この旧本館内に京都の老舗珈琲店・前田珈琲が手がける新店「salon de 1904」がオープンし、話題を集めています。欧州の邸宅を思わせるクラシカルな空間で、香り高い珈琲や、ここだけの限定メニューが楽しめますよ。

ルネサンス様式の重厚なたたずまい

ルネサンス様式の重厚なたたずまい 設計は、京都府技師として社寺建築の修復にも尽力した松室重光

地下鉄烏丸線の丸太町駅から京都御苑の西側を8分ほど歩くと、釜座通の突き当りに旧本館の建物が現れます。正面玄関をくぐると、優美な大理石の手すりを備えた白亜の大階段が目の前に!まるで映画のワンシーンのようで、胸が高鳴ります。

レトロガラスの大きな窓の向こうに枝を広げる木は、京都の「桜守」こと16代佐野藤右衛門が植えたしだれ桜で、春にはあでやかな薄紅色に染まります。名桜と誉れ高い祇園のしだれ桜の孫にあたることから、こちらも「祇園しだれ桜」と呼ばれているそうです。

 

大階段では細部に施されたデコラティブな彫刻も見逃せない 「salon de 1904」の入り口はこちら

大階段に向かって廊下の右手、かつて人事委員会室だったという2部屋が喫茶室となっています。真紅のじゅうたんや、白い壁、飴色の腰板、格調高い紋様入りのチェアやソファは元のままに、新たに設えたアンティークの調度品がぴったり合っていて、思わずため息がこぼれるほど素敵です。

 

窓枠や腰板の飴色と壁の白が基調 テーブルや椅子の意匠がそれぞれ異なり、訪れるたびに新鮮な気分に

前田珈琲といえば、元呉服店(室町本店)、旧明倫小学校教室跡(明倫店)、世界遺産二条城の茶室(茶房 前田)、旧日本銀行京都支店の金庫室(文博店)など貴重な歴史遺産を生かした店舗を展開していることで知られますが、そのなかでも「salon de 1904」は、満を持して開かれた特別な場所といえそう。

 

明治時代のゼンマイ式振り子時計などアンティークの調度品がよく似合う

 

「salon de 1904」限定モーニング

「salon de 1904」限定モーニング 珈琲の香りを漂わせるキッチン

サンドウィッチだけでも10種以上というフードメニューや、コーヒーをはじめとしたドリンクが充実していることが前田珈琲の魅力。

店舗限定のモーニングメニュー(8:00~11:00)は、全4種。府庁の職員も利用するため、ドリンク付きで580円~というリーズナブルさ。トースト&みずほ産のゆで卵、ツナ玉子サンド、ポテトチーズのクロックムッシュ、そして「1904 SPモーニングセット」です。

 

「1904 SPモーニングセット」1100円(ドリンク付き)

京都の老舗ベーカリー・進々堂のイギリスパンにバターをたっぷり染み込ませた、サクッと軽やかな食感のトースト、シーザーサラダ、ポテトサラダ、粗挽きウインナー、京丹波みずほファームの卵料理をのせたプレートで、目玉焼きかスクランブルエッグの好きな方を選べます。

 

店舗限定、「本日の焼菓子」

店舗限定、「本日の焼菓子」 「本日の焼き菓子」250円、創業以来のスペシャルブレンド珈琲「龍之助」580円

「salon de 1904」限定メニューの「本日の焼菓子」は、室町本店内の菓子工房でパティシエが作る焼菓子が日替わりでお目見えします。清水焼のカップ&ソーサーも絵になります。

 

「ぷるぷる抹茶パフェ」1350円。ドリンクセットは+250円

前田珈琲の各店で人気を集める「ぷるぷる抹茶パフェ」も。独自ブレンドした宇治産抹茶を贅沢に使った抹茶味のゼリー、シフォンケーキ、ビスコッティ、アイスのほか、白玉やあずきなどが層になった、抹茶スイーツ好きにうれしいひと品です。ドーム型の抹茶ゼリーは、その名のとおりぷるぷるの食感。中の黒蜜と一緒に食べると味の変化が楽しめます。

 

カフェタイムのあとは館内さんぽを

カフェタイムのあとは館内さんぽを ベンチに座ってのんびり中庭の眺めを楽しんで

「祇園しだれ桜」がシンボルの中庭をぐるりと囲むように建てられた館内を、ぜひ一周してみて。120年の時を経ていまもなお静かな時を刻みつづける空間に、やわらかな光が差し込んで刻一刻と表情を変えていく光景は、ハッとするほど印象的です。

気品あふれるクラシカルな洋館で、とびきりの時間を過ごしてみませんか。

 

大階段を上がって2階へ。館内はフォトジェニックなスポットがたくさん

 

 

文:佐藤理菜子 撮影:マツダナオキ

 

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