京都よりみちこみち 八坂神社・花見小路【後編】

京都よりみちこみち 八坂神社・花見小路【後編】

提供:ことりっぷ

 

名の知られた花街である祇園ですが、昼間はいたってフレンドリー。行列のできるお食事処や和洋のスイーツショップ、現代アートのミュージアムもあり、京町家の情緒を感じながら散策を楽しめます。路地裏をめぐったり、町家カフェでほっこりしながら、伝統を守りつつ新しいことに挑戦する祇園の姿を見てみませんか。

 

古くは八坂神社を訪れる参拝者のための茶屋からはじまり、次第に、毎や踊りで客をもてなすように。そうして祇園の花街が形作られたといいます。今も京都には5つの花街があり、その中で最も規模の大きい祇園甲部がここです。

メインストリートに当たる花見小路には、お茶屋や料亭、レストラン、カフェがずらりとならび、昼はそぞろ歩きにぴったり。夕方になるとお茶屋の軒先の提灯がぽっと灯り、ひときわ風情が増し、伝統の花街ならではの雰囲気が漂います。

 

行列のできる甘味処でお餅を焼いてほっこりと「ぎおん徳屋」

行列のできる甘味処でお餅を焼いてほっこりと「ぎおん徳屋」 きな粉や甘しょうゆ、海苔などお好みの味で楽しめる「花見こもち」(1580円)。箸休めには山椒煮を

店の外には舞妓さんのお稽古の予定評が掲げられた、花街情緒たっぷりの和カフェ。名物のわらび餅で親しまれていますが、冬だけ楽しめる温かいメニューがおすすめです。

 

冬はおしるこやぜんざいが恋しい季節。焼きたてのお餅ならおいしさも倍増

「花見こもち」は、テーブルで小さな餅を炙り、寺院で使われる入れ子の器・応量器に盛られた各種トッピングやぜんざいといただく自分で作って食べるおやつ。宮中に献上されていた春日地域の丹波大納言小豆を使った餡や、サクサク、パリパリの海苔の風味を餅と一緒に味わって。

 

2階の窓際席は花見小路が見下ろせる特等席。花街の雰囲気を感じながら和甘味を味わって

 

ミシュランが認めた九条ネギたっぷりのうどん「祇をん萬屋」

ミシュランが認めた九条ネギたっぷりのうどん「祇をん萬屋」 この一杯を求めて行列ができる「ねぎうどん」(1500円)。具材はたっぷりの九条ネギとおろし生姜のみ

ミシュランのビブグルマンにも認められた名店で、名物メニューは祇園の芸舞妓さんや歌舞伎役者の間にもファンが多い「ねぎうどん」。

 

南座で公演中の歌舞伎役者や芸能人が訪れることもある

深いお鉢には通常の1.5倍はあるというたっぷりのおだし、麺と同量のネギ、上にはアクセントのおろし生姜がちょこんと乗り、まるでねぎのしゃぶしゃぶをたべているようなシャキシャキの食感を楽しめます。

 

壁には芸舞妓さんの名がびっしり。長年店を営み、花街の人々から信頼されている証

 

365日を素敵に演出するチョコレートのある暮らし「マールブランシュ加加阿 365 祇園店」

365日を素敵に演出するチョコレートのある暮らし「マールブランシュ加加阿 365 祇園店」

人気洋菓子店の京都北山マールブランシュが展開するショコラトリーには、京都の暮らしや文化に寄り添ったユニークなチョコレートが揃います。

エントランスの壁には、招き猫の姿をしたマスコットキャラクターの加加阿ちゃんのオブジェや、四季折々の京都の風物にちなんだ366種のチョコレートがずらりと並び圧巻です。

 

天井に描かれた京都の風物詩にちなんだ365日の紋にも注目 その日だけのチョコレートが366種そろう「加加阿365」(2個入り・1188円)

店名を冠した「加加阿365」は、1年365日移りゆく京の日々がテーマ。薄い氷のようなチョコレートがパリンと割れると、中からはとろりふわっとカカオ感あふれるチョコが溶け出します。

 

ふわとろ食感のシュークリーム「ショコラ」(130円)

 

元お茶屋さんが営むカフェでカラフルな白玉を「Café 冨月」

元お茶屋さんが営むカフェでカラフルな白玉を「Café 冨月」 「お豆腐白玉御前」(1200円)。6色の白玉にきな粉、、餡、豆乳ホイップ、季節の餡、黒蜜と箸休めの塩昆布を添えて

4代にわたり引き継がれた古い町家の元お茶屋を活かしたカフェ。坪庭を望むお座敷席で祇園らしいゆるりとした時間が過ごせます。

豆腐を使ったヘルシーなスイーツが人気で、なかでも注文を受けてから作る絹ごし豆腐を使ったカラフルな白玉御膳はSNSでも話題に。添えられる季節の餡も栗餡、抹茶餡、ラムネ餡などバラエティー豊かです。

 

写真左:雪がモチーフの季節のあんみつ1000円。雪だるまの形をした白玉の中には粒餡と柚子餡入り

京町家の造りになった元お茶屋のお店は、靴を脱いで上がります。入ってすぐは、夕方から営業する一見さんお断りのホームバースペース。その奥へ進むと中庭を望むカフェ席は、映画の撮影にも使われた風情あるたたずまいです。

 

京のうま味文化の神髄をお持ち帰りできる「侘家古暦堂 うま味さん」

京のうま味文化の神髄をお持ち帰りできる「侘家古暦堂 うま味さん」 調味料は実際に料理に使う形で試食できる

西花見小路にある「侘家古暦堂 うま味さん」は、京のだし文化を日々の食卓で再現できるよう、利尻昆布と本枯鰹節・鮪節をバランスよく調合した調味料・うま味さんを扱うお店。縁起ものでもある昆布と鰹節にあやかった神社風のレシピを教えてもらったり、料理に合わせた試食もできたりと、まるでだしのプチテーマパークのようです。

 

白い壁に朱色の柱。店内は神社のイメージで統一されている 写真右:遊び心いっぱいのうま味くじは、食生活の提案をしてくれる

おつまみラングドシャの「うま味さんアミューズ」(2000円)は、「野菜うま味さん」を京都産米粉と合わせサクサクに仕上げた焼き菓子。ほか、おみやげには各種スパイス、混ぜご飯の素がおすすめです。

 

前編はこちら

前編はこちら

初詣で賑わう八坂神社。その門前で江戸時代から華やぎに溢れる祇園の花街。石畳の小径には京町家が軒を連ね、夕暮れには芸舞妓さんがお座敷に向かう姿も。艶めく花見小路と、そこから広がる風情たっぷりの路地裏をそぞろ歩いてみませんか。

 

 

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