カメラマンが教える絶景&撮影テクニック~冬の知床と野付半島で、自然と野生動物を撮る~

野付半島

一度は行ってみたい!冬の知床

手つかずの大自然と希少な野生動物の生息地であることなどが評価され、世界自然遺産に登録されている知床。北海道の北東部に位置し、年間を通して観光客に人気の知床で冬に見逃せない絶景といえば、なんといっても流氷です。同じ北海道・美瑛在住の写真家・中西敏貴さんが、冬の知床や野付半島で流氷や野生動物などを撮影。絶景を捉えた写真とともに、おすすめのフォトスポットをご紹介します。

 

写真家
中西 敏貴(なかにし としき)さん

1971年、大阪生まれ。独学で写真を学びながら、1990年頃より北海道へ通い続け、2012年に美瑛町に移住。以来、住んでいなければ出合うことができない風景を撮り続けている。光を強く意識した風景作品を主軸に、自然の中に日本の伝統的な造形美を見出す表現にも取り組み、BS朝日「The Photographers3」やNHKの番組などでも取り上げられた。写真展や写真集のほか、カメラメーカーの広告、各種雑誌、企業カレンダーなどでも精力的に作品を発表している。

中西敏貴さん

 

おすすめの絶景スポット【1】プユニ岬

プユニ岬

厳冬期の北海道で楽しめる流氷。条件が整えば、オホーツク沿岸から根室半島に至るまで観察できますが、流氷と夕日を一緒に撮影できるスポットといえばプユニ岬です。知床の旅は、まずウトロ側(西側)のプユニ岬からスタートしましょう。

ウトロの市街地から、国道334号を知床自然センター方面へしばらく車で走ると、見晴橋(みはらしばし)がかかっており、その上から流氷を撮影するのがおすすめ。流氷の接岸する冬はちょうど正面に夕日が沈むため、ゴールドに輝く時間帯はもちろん、沈んだ後のブルーモーメントまで、たっぷりと撮影を楽しめます。駐車スペースもあるので安心です。

 

プユニ岬

ウトロ市街地周辺の海岸には流氷が打ち寄せていることが多いので、安全な場所に車を停めて、撮影してみるのもいいでしょう。ここでは広角レンズを使い、空を広く取り入れて広大な流氷の海を表現してみました。

流氷は海流によって動いているので、たとえ接岸していても上に乗るのは厳禁。風向きによっては翌朝にはなくなっていることもあり、まるで生きているようです。

 

プユニ岬

住所
北海道斜里郡斜里町遠音別村
アクセス
【電車】JR「知床斜里」駅よりバス「知床自然センター」下車、徒歩約15分

 

おすすめの絶景スポット【2】オシンコシンの滝

オシンコシンの滝
オシンコシンの滝

斜里町からウトロへ向かう国道334号沿いにあるオシンコシンの滝もおすすめ。厳冬期には一部凍結することもありますが、冬でも水の流れを楽しめることも多い滝です。夏期は観光客でごった返しますが、冬は比較的静か。NDフィルターなどを使ってスローシャッターによる表現にトライしてみるのもいいでしょう。

 

オシンコシンの滝

住所
北海道斜里郡斜里町ウトロ西
アクセス
【電車】JR「知床斜里」駅よりバス「オシンコシンの滝」下車、徒歩すぐ

 

おすすめの絶景スポット【3】流氷クルーズ

流氷クルーズ

ウトロの反対側、東側の羅臼からは朝日が望めます。流氷が知床半島を回り込んでいることも多いため、条件によっては流氷の海から日の出が昇ってくることも。特におすすめしたいのが、流氷クルーズに乗船しての撮影です。

 

流氷クルーズ

日の出の1時間ほど前に出港し、流氷帯まで進んで日の出を撮影することができます。流氷に覆われた海は凪のことが多く、船が揺れることもほとんどありません。

 

流氷クルーズ

この船にエサを求めて近づいてくるのがオオワシやオジロワシ。突き出た流氷の先端に止まったり、戦いを繰り広げたりと、ダイナミックなシーンを楽しめます。

流氷クルーズ

そうしたシーンを望遠レンズで狙いつつ、条件が合えば朝日と絡めてみるのもいいでしょう。ワシはシルエットになりますが、とても迫力のある写真を撮ることができるはずです。

 

流氷クルーズ

運が良ければ、シャチにも出会えるかもしれません。根室海峡はこうした野生動物の宝庫ですから、港へ帰港する途中もシャッターチャンスは多いので、見逃さないように!

 

 

おすすめの絶景スポット【4】野付半島

野付半島
野付半島

羅臼を望む場所にあるのが野付半島(のつけはんとう)。知床から少し根室方面に行ったところにある細長い半島です。

ここはエゾシカなどが多く生息しており、夕日や朝日と絡めた撮影が楽しめます。望遠レンズを使っての撮影はもちろん、標準レンズで近づいて撮るチャンスもあり、さまざまなバリエーションが狙える魅力的なスポットです。

 

野付半島

流氷が接岸している時は、流氷の背後に知床連山が浮かび上がる絶景ポイントでもあります。

 

野付半島

住所
北海道野付郡別海町野付
アクセス
野付半島ネイチャーセンター 
【車】中標津空港より約50分
詳細
野付半島ネイチャーセンター

 

 

野付に行ったらランチは「福住総本店」で!

福住総本店

野付半島を訪ねたなら、ランチは標津町(しべつちょう)の「そば処 福住総本店」がおすすめ。北海道内に複数店舗を構える福住ですが、中でもここ総本店の味は格別。特産のホタテがたっぷり入ったお蕎麦は、ボリュームたっぷりの一品です。

 

そば処 福住総本店

住所
北海道標津郡標津町北1条東1-1-2
営業時間
11:00~19:30
定休日
月曜日
アクセス
【バス】釧路駅前バスターミナルよりバス「病院入口」下車、徒歩すぐ

 

 

おすすめの絶景スポット【番外編】知床横断道路

知床横断道路

知床半島には、ウトロ側と羅臼側を結ぶ知床横断道路が走っています。ここを通れるのは雪のない時期だけで、厳冬期は通行止め。冬の知床旅の番外編とはなってしまいますが、この道を紹介しないわけにはいきません。

ここは雲海の名所で、羅臼側の根室海峡から湧き上がる海霧が流れ込むポイントとなっています。特に秋頃は太陽が正面近くから昇ってくるので、運が良ければ黄金色に染まる雲海を撮影できるかもしれません。

 

知床横断道路

まだ薄暗いうちからの撮影になるので、三脚は必須。スローシャッターで幻想的な朝景を。

 

流氷と野生動物

世界遺産・知床と野付半島の旅では、流氷と野生動物を心ゆくまで撮影できるでしょう。風景から動物まで、さまざまなものを撮影するためには、広角ズームから望遠ズームまで幅広いレンズを用意することをおすすめします。

クルーズ船の上では三脚は使えませんが、陸から流氷を狙う場合はしっかりした三脚を使ってブレのない撮影を心がけましょう。そして、しっかりとした防寒対策もお忘れなく。バッテリーの予備なども余裕をもって準備しておくと安心です。

 

写真・文/中西 敏貴
 

 

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