長野県の諏訪湖畔にたたずむ、癒しをテーマにした温泉宿「上諏訪温泉 しんゆ(親湯)」では、これまで3期にわたって館内のリニューアルを実施してきました。「人生最後の旅行」をコンセプトに、ユニバーサルツーリズムに特化した改装を行い、車いすを利用する方や高齢の方、視覚に障がいを持つ方なども快適に滞在できる設備を取りそろえています。
すべての宿泊客が安心で快適に滞在できる温泉旅館へ
2011年4月にオープンした「上諏訪温泉 しんゆ」は、2022年に開業10周年を迎えたことを記念してリニューアルを実施。今回のリニューアルでは「ユニバーサルツーリズム」に重点を置きました。もともと同館では宿泊客の平均年齢が高く、高齢の親との旅行に同館を選ぶ人が多くいました。「選んでいただいたからには不自由なく快適に過ごしてもらいたい」という思いや、SDGsの目標のひとつである「人や国の不平等をなくそう」という観点から、ユニバーサルデザインを取り入れた設備を導入しました。
リニューアルは2022年5月から現在まで3期にわたって実施。第1期のリニューアルでは、客室から諏訪湖を望める露天風呂付きユニバーサルデザインルーム8室、車いすのまま入浴できる昇降式貸切温泉、車いす・オストメイト対応の多目的トイレを完成させました。
続く第2期のリニューアルでは2カ月間の休館を経て、車いす専用のチェックインカウンター、車いすを利用しても十分なスペースを確保できる個室料亭、視覚に障がいを持つ人用の個室料亭を整備。さらなるユニバーサルデザイン仕様の施設や設備を導入し、より快適な滞在を提供できるようになりました。
ユニバーサルデザインだけではないリニューアルも実施
3期目になる今回のリニューアルでは、ロビーラウンジ、大浴場、貸切風呂、料亭、一部の客室など、ユニバーサルデザインの施設・設備以外も新しく生まれ変わりました。
新しくなったロビーラウンジでは、月の光に照らされて七色に輝く「月下の櫻」が宿泊客を迎えます。また、高級感のあるファブリックを使用した家具や、京和紙に描かれた水墨画など、こだわりのインテリアをそろえ、「上諏訪温泉 しんゆ」が表現する世界観にひたることができる空間となっています。
客室も、諏訪湖を一望できるレイクビューの部屋をリニューアル。主室と広縁(ひろえん)の間には、水墨画が描かれたオリジナルのレースカーテンを設置し、主室からカーテン越しに窓側を見ると背景にうっすらのぞく諏訪湖の景色と重なって絵画を見ているかのようです。
「上諏訪温泉 しんゆ」の自家源泉である「美翠源泉(びすいげんせん)」を堪能できる大浴場は、壁を総タイル張りにリニューアル。さらに防菌防カビ効果のある特殊素材の畳を敷きました。この畳は滑りにくいのが特徴で、安全面に配慮した造りになっています。
誰もが安心して、快適な滞在ができるようにと生まれ変わった「上諏訪温泉 しんゆ」。気兼ねなくゆっくりできる旅をしたいと考えている人は、ぜひ一度利用してみてはいかがでしょうか。
上諏訪温泉 しんゆ(親湯)
- 住所
- 長野県諏訪市湖岸通り2-6-30
- 総客室数
- 42室
- アクセス
- 【電車】JR中央本線「上諏訪」駅より徒歩約10分 ※「上諏訪」駅より無料送迎あり
【車】「諏訪」ICより約10分