地球上に生息するペンギンは18種類。そのうちの8種類・約170羽のかわいいペンギンたちと触れ合える、長崎県長崎市の「長崎ペンギン水族館」。飼育しているペンギンを自然の海で泳がせるという、世界初の展示もしています。
大きなガラス張りの水槽はベビーカーや幼児の目線からでもよく見えるように工夫されていて、子ども連れでも大満足。エサやり体験はペンギンたちがぶつかってくるほど間近で触れ合うことができます。親子で長時間滞在しても飽きることのない、長崎ペンギン水族館の魅力をご紹介します。
長崎ペンギン水族館ってどんなところ?
2019年8月で長崎にペンギンが来て60年を迎えた森と海が広がる長崎市宿町にある「長崎ペンギン水族館」。ペンギンへのエサやり体験をはじめ、隣接されているビーチで自由気ままに過ごすペンギンたちの姿を間近で見られるなど、ペンギンたちと触れ合えることで人気を集めています。
自由にのびのびと暮らしているペンギンたちの愛らしい姿は、子どもから大人まで何時間見ていても飽きないほど。入館料も大人520円、中学生以下310円、3歳未満は無料と、水族館としては比較的お手頃な価格に設定されています。雨の日も、風の日も快適に過ごせて子どもたちが楽しめるスポットとあって、乳幼児連れにもおすすめです。
長崎ペンギン水族館へのアクセス
長崎ペンギン水族館へは、長崎駅からだと県営バスの「長崎駅前南口」バス停より「網場・春日車庫前行き」で約30分、タクシーなら約20分(約2,500円)で到着します。
長崎空港から向かう場合は、長崎市内行きリムジンバスに乗車して約50分の「長崎駅ターミナル」で下車し、県営バスに乗り換えです。
公共の交通機関は便数も限られるため、子連れで待ち時間などが心配な場合は、空港でレンタカーを借りるのもおすすめ。長崎自動車道を通れば約40分で着くので、授乳が必要な場合や荷物が多いときなどにも便利ですよ。
水族館までのお散歩がすでに楽しい!
水族館入口までの歩道は、木の実や小さな魚、昆虫と触れ合える「自然体験ゾーン」です。長崎近郊の里山の環境を再現したというビオトープ(生物生息空間)が造られていて、通りはアカテガニがたくさん横断していました。
池には木の板で小道が敷かれ、池の中でメダカが元気に泳いでいる姿を見ることができます。子どもたちは、カニを追いかけたりシオカラトンボを捕まえたり、と水族館に入館する前から大興奮。
さらさらと流れる小川もあってビオトープ散策に夢中になり、なかなか水族館入口にたどり着きませんでした。
※生き物は観察が終わったら放してあげましょう。
さあ!ペンギンと出会える水族館を楽しもう!
ペンギンの姿が描かれた建物が見えてきたら、いよいよ入館。ベビーカーや車いすが必要な場合は受付で無料で借りることができます(数に限りあり・予約不可)。
入口を抜けるとカタクチイワシの水槽の横にある、世界でもっとも長生きしたペンギン「ぎん吉」のはく製がお出迎えしてくれます。
ぎん吉は1962年に南氷洋で捕獲され、捕鯨船に乗り旧長崎水族館にやって来ました。それから、39年9カ月15日という長い時間をここで過ごしたそう。ペンギンの平均寿命は約20年といわれているので、人間に例えれば100歳をはるかに超えていたことになります。ペンギンを大切に育ててきた、水族館の歴史と愛情を感じますね。
多くの種類のペンギンを見られる館内
少し進むと、目の前に現れるのは、水深4メートル水量200トンの国内最大級の「亜南極ぺンギンプール」。
亜南極ペンギン室では、キングペンギン、ジェンツーペンギン、ヒゲペンギン、ミナミイワトビペンギンの4種類が観察できます。ペンギンたちが飛び込み水中ですばやく泳いでエサを捕まえる姿はまるで魚のよう。
階段で2階に上がって飼育場をのぞくと、陸地でじっとしている姿をじっくり観察できますよ。
このジェンツーペンギンは、子育てが終わって生え換わりの時期を迎えた、モフモフの羽がかわいらしいお母さんペンギンです。
ペンギンの水槽の横にある大型水槽には、プラーブック(メコンオオナマズ)という世界最大級の淡水魚が5匹も泳いでいます。プラーブックは成長すると全長約3メートル、体重約300キログラムにもなり、日本の水族館で見られるのはたった2カ所だけ。タイでは、神の使いとして大切にされているそうです。
他にもカニやクラゲ、海水魚、熱帯魚などが飼育されているたくさんの水槽があり、飽きが来ないのも魅力です。
2階にある「ペンギン情報室」では、卵や羽、骨などが展示され、ペンギンの生態について詳しく知ることができます。小学校高学年くらいの子どもであれば理解できる内容なので、親子で学習してみては。
館内には「ペンギンは肺呼吸だが、20分潜れる種類もいる」「野生のペンギンは南半球にしかいない(冷たい水は栄養分が溶けこみやすくプランクトンなどが多い)」など豆知識が柱やポスターにたくさん書かれており、壁にも実物大のペンギンの生態などが詳しく解説されています。
小さい子でも楽しめる、食物連鎖の仕組みを学べるパズルなどもありますよ。
最新「バーチャルシアター」に立ち寄ってみよう
2階にある「バーチャルシアター」では、魚やカメが描かれた塗り絵をもらって色塗りをしたら、3Dメガネを受け取って中に入ります。すると、先程自分の描いた絵がシアターに映し出される仕組みになっていて、子どもたちが大喜びするゾーンです。3Dメガネをかけて楽しむ、ペンギンの冒険シアターも上映されています。
実際に触れ合って体験して楽しめる!
お待ちかねの「ペンギンのエサやり体験」
2階にある世界最小のコガタペンギンの飼育場を通り、暖かい地域に生息するマゼランペンギン、ケープペンギン、フンボルトペンギンが住む「温帯ペンギン」ゾーンへ。
温帯ペンギンゾーンでは、土日祝日の11:10からペンギンたちに直接エサをあげることができます! 料金は1組100円(9:00から先着30組でチケットを販売)。この日のエサは、ペンギンに合わせた大きさのアジが5匹。
アジの入ったバケツを見るなり、さっそくペンギンたちがついてきますよ! のどに詰まらせないよう、頭からエサをあげます。初めてでも飼育員さんが横について丁寧に教えてくれますので、小さい子でも安心です。
ペンギンたちとこんなにも近い距離で触れ合えるので、汚れてもいい服装をおすすめします。
土日祝日開催!大人気の「ふれあいペンギンビーチ」
飼育場から約100メートル先にある「ふれあいペンギンビーチ」では、飼育員の後を一生懸命ヨチヨチとついていくフンボルトペンギンたちの姿を見ることができます。
人懐っこい性格のフンボルトペンギンたちが、お客さんの間をぬって館内から砂浜へ。そして海に入っていきます。
砂浜には来館者も立ち入れるので、触れられるほどの距離でペンギンを観察できます。自然の海を自由に泳ぎ回るペンギンの姿を見られるのは、世界でもここだけです。
「ふれあいペンギンビーチ」でもエサやり体験があります。海に建てられたステージから、元気いっぱいに泳ぎ回るペンギンたちにエサを投げます。
陸地でのヨチヨチ歩きとは違い、時速20〜30キロメートル近くでえさを追う野性的なペンギンの姿に感激しますよ! 土日祝日の1日2回(11:40〜、14:10〜 ※気象条件などにより変更の場合があり)開催していて、料金は1組100円(9:00から各回先着10組にチケットを販売)。
子どもたちは生き物に触れられる「タッチプール」も大好き
1階の「ペンギン広場」の横には、生き物に触れられる「タッチプール」も。小さい子どもでも手が届くように専用の台が置いてあり、手洗い場もすぐ近く。その奥にはおむつ替えシートが設置してある広いトイレがあります。
タッチプールの中には、初めてでも触りやすいヒトデや元気いっぱいの大きなイシダタミヤドカリが。
チクチクが癖になるムラサキウニ、マナマコなどもいて、季節によって種類も変わります。
かわいいペンギンのグルメやお土産がいっぱい!
リーズナブルなレストラン「ペンギン食堂」で休憩
たくさん遊ぶとお腹がすいてきますよね。1階のタッチプールの先には、ショップや休憩できる飲食店があります。施設併設のレストランは親泣かせのお値段のところが多いですが、「ペンギン食堂」は良心的なのがうれしい! 大人気の「ペンギンパンケーキ」(2個120円)の中身は、あんこ・カスタード・チョコクリームの3種類から選べます。
国際的な賞も受賞している熊本県にある阿部牧場の「ASO MILK」を使った「無添加牛乳ソフト」(350円)も人気。ソフトクリームにペンギンパンケーキがのった「雪どけペンギン」(380円)は、濃厚な牛乳の風味とふわふわのパンケーキでボリュームたっぷり。大人でもお腹いっぱいになる食べ応えのあるスイーツです。
長崎の波佐見(はさみ)焼の器に盛られた、長崎和牛入りの「出島バラ色カレー」(1,000円)。和牛の塊がゴロゴロと入っていて、まろやかな口どけの中にピリッとしたスパイスの後味が舌に残る、大人も大満足の一皿です。
北部九州ではよく見かける揚げたサバをパンで挟んだ「サバサンド」(600円)をテイクアウトして、外のテラス席で食べるのも気分爽快でおすすめ。ペンギンたちが悠々と泳いでいるビーチを見ながらゆっくり休憩しましょう。
旅の思い出に「ペンギンショップ」をのぞいてみよう
お土産選びも水族館の楽しみの1つ。「ペンギンショップ」には、ここだけのオリジナル商品や長崎の名産品がずらり。
「ペンギンのミニどら焼き」(980円)は賞味期限が常温で2カ月と長めで、海外からのお客さんにも人気のお土産だそう。
田﨑智館長のおすすめは、「ペンギンステッカー」(390円)。100円ショップのマグネットを裏に貼り付けると繰り返し使えるので、田﨑さんもカスタマイズして自分の車に貼っているそう。
※ペンギンショップの取扱商品は変更になる場合があります。
少し陽射しが暖かい日は、「ペンギンウォーターガン」(1,410円)を買って、ペンギンたちが帰った無料開放のビーチで楽しむ子どもたちもいます。
子どもが喜ぶコップ(550円)、ストロー付きのカップ(500円)を持ってテラスでドリンクを楽しむのもいいですね。
長崎に来たらペンギンに会いに行こう!
「ペンギンが長崎にやって来て、2019年8月で60年目になりました。ぜひ、九州以外のエリアからも、愛らしいペンギンたちに家族みんなで会いに来てくださいね」と、ペンギンと共に歩んで48年の楠田幸雄 元館長(66歳)。
1時間で回れるだろう…と思っていても、あっという間に数時間が過ぎてしまうコスパがとても良い「長崎ペンギン水族館」。ペンギンを観賞するだけでなく、エサやり体験もできるなどたくさんの楽しみ方があるので、小さい子ども連れでも安心して楽しめますよ! 間近で触れ合えるかわいいペンギンたちに癒されてください。
長崎ペンギン水族館
- 住所
- 長崎県長崎市宿町3-16
- 営業時間
- 9:00〜17:00
- 入館料
- 大人520円、幼児・小中学生310円、3歳未満無料
- 電話番号
- 095-838-3131
- アクセス
- 車の場合:JR「長崎」駅から約20分
バスの場合:JR「長崎」駅から「長崎駅前南口」バス停より県営バス「網場・春日車庫前行き」に乗車し約30分。「ペンギン水族館前」バス停下車
※県営バスは赤色です。お帰りの際は「日見公園前」バス停から乗車
※2020年6月1日(月)より営業再開
営業再開後は新型コロナウイルス感染拡大防止のため下記の変更があります。
再開時期につきましては随時HP等でお知らせします。
・全てのイベントの中止
・バーチャルシアターの中止
・多くのお客様が触れるハンズオン展示の中止
・飲食店の休業
取材・撮影・文/原 陽子