観光スポットの多い沖縄県の中でも、年間入館者数が300万人を越え、屈指の人気を誇る海洋博公園内の「沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館」。近年は海外からの観光客も増え、平日でも混み合うことが多いスポットです。この記事では、水族館の見どころをカバーしつつ、効率よくまわるおすすめ見学モデルプラン、比較的入りやすい穴場スポットや、お子さん連れでも楽しめる混雑回避方法などをご紹介します。
沖縄美ら海水族館の見学モデルプラン
「沖縄美ら海水族館」は、沖縄本島の北部・本部町(もとぶちょう)にある「国営沖縄記念公園(海洋博公園)」の中の施設。有名な、ジンベエザメやナンヨウマンタの複数飼育を世界で初めて実現した大水槽では、沖縄の美しい海を魚たちと一緒に泳いでいるような神秘的な光景が広がり、多くの人を魅了し続けています。
水族館へは、那覇空港からは沖縄自動車道を経由し車で2時間ほど。連休などは、沖縄美ら海水族館に向かう車で、沖縄自動車道から渋滞ということも珍しくありません。
そこでおすすめは、朝一番に訪問すること。沖縄美ら海水族館は朝8:30から開館しており、その時間帯であれば道路も駐車場も比較的空いています。さらに、朝9:30に1回きりのマンタの餌やりが見られたり、ランチもピークを避けられたりと、嬉しいメリットもいろいろ。朝の時間も有効に使って、人気観光地を思う存分楽しみましょう。
海人門(ウミンチュゲート)前で記念撮影!
それではさっそく、沖縄美ら海水族館の見どころを押さえた、見学のモデルプランをご紹介します。
まずは入口「海人門(ウミンチュゲート)」前にある巨大なジンベエザメのモニュメントをバックに、記念撮影を。人気のスポットで日中はたくさんの人が撮影をしていますが、朝一なら客足が少なく、楽々です。
水族館に入館! 子連れにうれしいサービスをチェック
館内に入る前に、エントランスで行っている来館記念撮影を。写真は出口改札機を出た「写真受取り所」に行くと、無料で1枚プレゼントしてくれます(大判は有料)。家族旅行の思い出作りにぜひ立ち寄ってみてください。
エントランスでは、ベビーカー貸出があるので、お子さんとの見学も安心です。希望の場合は、改札機横の入口案内所で手続きを済ませましょう(予約不可、台数に限りあり)。
ベビーカーと同じくお子さん連れの場合にチェックしておきたいのは、おむつ替え用ベビーシートと授乳室。
ベビーシートは、各階の男女トイレそれぞれにあります。2階は女性用トイレのみに設置となりますが、近くの授乳室内にも用意があります。紙おむつも、出口付近のショップ「ブルーマンタ」レジで販売(はかせるタイプの紙おむつLサイズのみ)。
授乳室は、3階のエントランス、水族館内2階の「美ら海シアター」横、水族館を出た「美ら海プラザ」の案内所付近の3箇所です。
「サンゴ礁への旅」で沖縄の海の生き物に触れあう
いよいよ館内へ。3階の入口を入ると、「サンゴ礁への旅」から展示がスタート。館内は、入口から出口へ進むに従って、沖縄の海をだんだん深く潜っていくような構造です。
入口改札機を入ってすぐの「タッチプール」では、ヒトデやナマコなど、水辺にすむ生き物を展示していて、実際に水の中に手を入れて触ることができます。フニフニとして柔らかいナマコなど、生体の不思議な感触を確かめる貴重な機会! お子さんとの良い思い出にもなりそうです。
続く「サンゴの海」と「熱帯魚の海」の水槽では、約70種の造礁サンゴと、トロピカルカラーの熱帯魚たちが泳ぐ、竜宮城のような光景が楽しめます。水槽の上は屋根がないので、晴れた日には太陽光がきらめく様子が見られますよ。
「サンゴ礁への旅 個水槽」では、テーマごとに生き物を間近に見ることができます。
「サンゴ礁への旅」を見たあとは、「サメ博士の部屋」へ立ち寄ってみましょう。オオメジロザメやレモンザメなどの迫力ある水槽展示、サメの歯や皮の標本なども触ることができます。
ジンベエザメやマンタが泳ぐ「黒潮の海」を様々な角度から楽しもう!
続いて、緩やかなスロープを下り、沖縄美ら海水族館のメイン展示ともいえる「黒潮の海」大水槽へ。全長約8.7メートルにもおよぶジンベエザメや、マンタが悠々と泳ぐ様子は圧巻。せっかくなので、ここで少し時間を取って、じっくりと観察しましょう。
水槽解説プログラムは必見!
「黒潮の海」では、1日5回、水槽についての解説があります。なかでも、マンタとジンベエザメの給餌解説のプログラムは見逃せません。
写真は、後方回転をしながらエサを食べる、スピード感あふれるマンタの様子です。日本では沖縄美ら海水族館でだけ展示されている、通称「ブラックマンタ」。「ナンヨウマンタ」という種類ですが、全身が黒い珍しい個体です。マンタの後方回転が見られる給餌解説は朝の9:30から1回のみのプログラムなので、見逃さないよう注意しましょう。
こちらは、水面にあるエサを立ち泳ぎで食べるジンベエザメ。あたりの水も吸い込みながらの食事は大迫力です。他のお魚たちもご飯を食べにジンベエザメの周りを取り囲みます。
マンタやジンベエザメの給餌の様子は、水槽の目の前1階部分で立ち見をすると良く見えます。早めに前列の場所をキープしておくのがポイントです。
「黒潮の海」水槽前プログラム
- 水槽解説
- 11:30/13:30
- 給餌解説
- 9:30(ナンヨウマンタ)/15:00(ジンベエザメ)/17:00(ジンベエザメ)
水槽を下から!「アクアルーム」
「黒潮の海」をさらに進んだ「アクアルーム」は、半ドーム状で水槽の下に潜り込む構造になっています。頭上を泳ぐジンベエザメやマンタを見上げてみましょう。
予約不要!人気の「黒潮探検」でジンベエザメを上から観察
「黒潮の海」大水槽を上から見学できる「黒潮探検」は、観覧可能時間は限られていますが、人気のエリア。ジンベエザメを上のアングルから見られる貴重な体験を存分に堪能することができます。
予約は不要ですので、大水槽を左に沿って進んだところにある「ジンベエ・マンタコーナー」のエレベーターを利用し、見学時間内に4階へ向かいましょう。
水槽の上にはスリル満点の透明なデッキも。1日4~6回、水槽の解説も開催されており、ジンベエザメやマンタの生態について学ぶことができます。
黒潮探検
- 観覧時間
- 8:30~11:00(入場締切 10:45)/17:30~閉館まで(入場締切 閉館の15分前)
- 水槽解説
- 9:30/10:00/10:30/18:00/18:30/19:00 (18:30、19:00は3~9月のみ)
上映時間外はジンベエザメが見られる「美ら海シアター」
先ほどご紹介をした「サンゴ礁への旅 個水槽」の近くで、「黒潮の海」大水槽と同じ2階のフロア内にある「美ら海シアター」では、沖縄の海に関する映像プログラムが上映されます。ハイビジョンの美しい映像ももちろん感動的ですが、上映時間外にはスクリーン向こう側に「黒潮の海」の水槽がお目見え! 着席しながら大水槽を見学できる穴場スポットです。
ジンベエザメが目の前に! カフェ「オーシャンブルー」
その他にも、ジンベエザメをじっくり間近に眺めながら軽食を楽しめるカフェも併設。混み合うイメージですが、窓際の指定席は先着順で制限時間もあるため、ランチタイムを外して受付で待ち時間をチェックしてみてください。
カフェ「オーシャンブルー」
- 営業時間
- [3~9月]8:30~19:30・L.O.19:00、[10~2月]8:30~18:00・L.O.17:30
「深海への旅」で神秘的な世界を探検
大水槽を様々な角度から満喫したら、残る1階の展示「深海への旅」で、ぐっと海の深い場所にすむ生き物たちを観察しましょう。暗がりで光る魚やサンゴなど、神秘的な世界を探検気分で味わうことができます。話題になった巨大なダイオウイカの標本もここで展示されています。
再入場スタンプを押して、水族館の外も楽しもう
水族館の見学はここまで。このあとは、水族館のある海洋博公園を楽しむべく、出口改札機へ向かいましょう。当日中であれば再入館は何度でも可能なので、出口では再入館スタンプを必ずもらってくださいね。目には見えないですが、特別なライトを当てるとジンベエザメが光ります。
早めが得策! オーシャンビューを望むランチ
水族館の見学を楽しんだら、早めのランチへ。おすすめは、水族館と同じ建物の4階にあるレストラン「イノー」です。
東シナ海を望むオーシャンビューのレストランで、ランチはビュッフェ形式です。
ゴーヤーチャンプルーやラフテー、沖縄そばなど、ご当地メニューも揃います。デザートメニューも豊富で、ケーキやアイスなどをお子さんとも楽しめそうです。
お昼は並ぶほど混み合いますので、ビュッフェが始まる11:00に海の見える席を押さえておきましょう。
レストラン「イノー」
- 営業時間
- [3~9月]11:00~16:00(L.O.15:30)、[10~2月]11:00~15:00(L.O.14:30)
※ランチ以外にも、モーニングメニュー・アラカルトタイムの営業もあり
- ランチビュッフェ
- 大人(中学生以上)2,200円
小学生 1,100円
小人(3~5歳)500円
シルバー(65歳~)1,650円 ※いずれも税込
もし、レストランが混んでいたら「オキちゃん劇場」前の「オキちゃんパーラー」で沖縄そばやハンバーガーなどの軽食を手軽に楽しむのもおすすめです。
ショーのあとは混み合いますので、時間をずらして立ち寄ってみてください。
もう一つの目玉!「オキちゃん劇場」のイルカショー
※「オキちゃん劇場」は2023年9月1日から2025年春頃まで施設修繕のため閉鎖中です。イルカショーは「イルカラグーン」で開催となります。
ランチや休憩を取ったら、水族館の建物から歩いて約5分の「オキちゃん劇場」へ。人気のイルカショーを観賞できるスポットです。満席になると、客席に入ることができず立ち見となるため、あらかじめ時間を確認し、開始20~30分前には席を確保しましょう。
高い位置のボールに向かって勢いよくジャンプ!成功すると、大きな歓声が上がります。スタッフの方との息もぴったりで、漫才のような掛け合いシーンも会場を沸かせます。イルカショーは1日5回の開催です。
オキちゃん劇場 イルカショー
- 時間
- 10:30 / 11:30 / 13:00 / 15:00 /17:00
「ウミガメ館」でカメと記念撮影を
「オキちゃん劇場」の近くにある「ウミガメ館」では、たくさんのウミガメが水中で泳ぐ様子を見学できるだけでなく、水槽を上から観察することもできる場所です。間近に泳ぐウミガメに、お子さんもきっと喜ぶはず。水槽越しにウミガメと一緒に写真を撮れば、記念にもなりますね。
徒歩で行ける「エメラルドビーチ」
水族館から歩いて行ける距離の「エメラルドビーチ」は、波打ち際でも泳ぐ魚を見ることができるほどきれいな場所。美しいビーチで、ちょっとした水遊びはいかがですか?遊泳期間は4~10月、それ以外の期間は入水不可ですが、散策は可能です。
本格的なプラネタリウムを体験
海洋博公園の中央ゲート近くにある「海洋文化館」には、ドームスクリーンを使った本格的なプラネタリウムが。
上映プログラムはいくつもあり、1回ごとの入れ替え制で、入館料190円だけで何度でも見放題。しかも中学生以下は無料とあって、ぜひとも訪れたい穴場スポットです。
海洋文化館
- 開館時間
- 夏期(3~9月):8:30~19:00(入館締切 18:30)
通常期(10~2月):8:30~17:30(入館締切 17:00)
- 休館日
- 毎年12月第一水曜日とその翌日
- 料金
- 大人(高校生以上)190円
小人 無料
沖縄美ら海水族館 混雑回避のポイント
ここまで、沖縄美ら海水族館と海洋博公園のモデルルートをご紹介してきましたが、まわり方以外にも混雑を回避するためのポイントがあります。ここを押さえて、ぜひ快適に過ごしてみてください。
朝一の次は、夕方が狙い目
開館すぐ8:30の入館をおすすめしましたが、もし日程の都合で到着がお昼以降になるという方は、夕方の16時以降も狙い目。団体客が帰りだす時間帯なので、ゆったりと見学することができます。
もしくは、混雑状況は沖縄美ら海水族館のWEBサイトで常にチェックできるので、先に海洋博公園の他の施設をめぐり、入館者率が落ち着いてから水族館へ向かうとは1回300 円・1日周遊券は500円いうのも一つの手です。
駐車場は水族館の最寄りに確保
海洋博公園には、9つの駐車場がありますが、水族館の最寄りは「P7」、その次は「P5」です。なるべく近い駐車場を確保して、効率よく入館しましょう。
遠い駐車場に停めることになった場合は、園内を走る遊覧車を使うと、楽に移動できます。
料金は1回100円・1日周遊券は200円。1日周遊券を買っておくと、水族館から海洋博公園の他の施設への移動にも活用することができます(約6~30分間隔で運行。運行時間はコースによって異なります)。
「園外販売券」を事前に入手
混み合う日は水族館券売所も並ぶため、事前に県内各所のコンビニエンスストアや道の駅、ホテルなどで「園外販売券」を購入しておくとスムーズに入場できます。チケット購入の混雑を回避できる上、一般料金よりも安く購入することができます。
なお、16:00以降の入館になった場合には、水族館券売所にて「4時からチケット」と園外販売券の差額を払い戻してもらえるので、当日に急きょ夕方の見学に予定変更した場合でも、安心です。
沖縄に来たら欠かすことのできない観光スポット「沖縄美ら海水族館」そして「海洋博公園」は見どころがたくさん。せっかくなので、混雑をうまく回避して楽しみましょう! また、水族館から車でおよそ30分の距離には、沖縄本島から車で渡れると人気の絶景離島「古宇利島」も。時間があればこちらもドライブルートに組み込んで、よりたくさんの旅の思い出を作ってみてくださいね。
沖縄美ら海水族館
- 住所
- 沖縄県国頭郡本部町字石川424
- 入館料
- 大人2,180円、高校生1,440円、小・中学生710円、6歳未満無料
- 開館時間
- 通常期:8:30~18:30(最終入館17:30)
※繁忙期は時間変更あり、公式サイトを要確認
- 休館日
- 公式サイトを要確認
- 公式サイト
- 沖縄美ら海水族館
海洋博公園
- 住所
- 沖縄県国頭郡本部町字石川424
- 入園料
- 無料(各施設ごとの入館料は別途、公式サイトを確認)
- 開園時間
- [3月~9月]夏期:8:00~19:30
[10月~2月]通常期:8:00~18:00
- 休園日
- 毎年12月第1水曜日とその翌日
- 公式サイト
- 海洋博公園
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取材・撮影・文/Churako