美人の湯として知られる兵庫県の「湯村温泉」が、2023年温泉総選挙で審査員特別賞を受賞しました。地元産業として有名なレコード針を生かし、レコードを体験できる施設見学や複数の宿泊施設で音楽を楽しめるなど地域に音楽を根付かせる取り組みをご紹介します。
あなたも投票できる?!温泉総選挙とは?
内閣府、環境省、総務省、経済産業省、観光庁の5省庁から後援を受け開催している官民一体型の地方活性化プロジェクト「温泉総選挙」。
「温泉で元気に!温泉を元気に!」をテーマに全国の温泉地の活性化をめざす本イベントでは、エントリーした各温泉地の魅力や取り組みについて、オンラインでの応援投票を実施。投票結果を反映した「部門賞」に加え、選考委員会が「省庁賞」「特別賞」を決定します。
2023年版の投票期間は2023年7月26日~2023年10月26日の3カ月間。2016年より開催しており、お気に入りの温泉地を応援できる・旅行先を決める情報のひとつとして注目を集めています。
- 公式サイト
- 温泉総選挙
レコード×温泉!「湯村温泉」のユニークな一面
「温泉総選挙2023」で審査員特別賞を受賞した温泉地のひとつ、兵庫県美方郡新温泉町の「湯村温泉」。無色透明な温泉は摂氏98度と日本有数の高熱温泉で、湯上がりに肌がしっとりすることから美人の湯として知られています。また、豊富な湯量を活かし、旅館や温泉施設だけでなく各家庭にも配湯するなど、温泉が地域住民の生活に欠かせないものになっているのも特徴です。
「湯村温泉」のユニークな取り組みが「レコードと温泉の街」。江戸時代に長崎から職人を連れ帰り、縫い針産業が始まったことをきっかけに、新温泉町はレコード針の生産で有名に。世界的にも希少なメーカーである日本精機宝石工業(JICO)は、国内だけではなく、欧米を中心に海外からの支持も厚く、高い世界シェアを誇っています。
総選挙では、「湯村温泉地を訪れた観光客が、レコードが奏でる音楽に引かれるきっかけにしてほしい」という思いを込め、レコード針の作業現場(オープンファクトリー)「Feel Records」の有料見学や宿泊施設にレコードプレーヤーを設置し、自由に音楽を楽しめる場所を提供するなど、地域に音楽を根付かせることを目的としたさまざまな取り組みが評価され、受賞に至りました。
- 公式サイト
- 温泉総選挙|最終結果発表
- 詳細
- JICOオープンファクトリーFeelRecords
レコードを聴ける宿泊施設を紹介!
御宿コトブキ
「命を洗おう〜生まれ変わりの宿」をテーマに、さまざまなアプローチでゲストを快眠に導く「御宿コトブキ」。レコードに触れられるのは、フロントの目の前にある囲炉裏を配したノスタルジックなロビーラウンジ「囲 KAKOMI」。
チェックインからチェックアウトまでの時間、ジャズや昔の洋楽を中心にさまざまな音楽を楽しめます。落ち着いた雰囲気の中、レコードに耳を傾けて過ごす時間は格別。到着時には手作りの和菓子とドリンクのサービスもあり、細やかなおもてなしに癒やされます。
- レコード設置場所
- ロビーラウンジスペース
- 聞ける時間帯
- チェックイン~チェックアウト(22:00~7:00まで除く)
山陰湯村温泉 朝野家
全客室の露天風呂やユニットバスだけでなく、洗面の蛇口でもかけ流しの天然温泉を堪能できる「山陰・湯村温泉 朝野家」。オリジナルの香「夢香(ゆめこう)」の香りに癒やされるロビーラウンジでは、15:00〜18:00、8:00〜10:00までの間、レコードによる音楽を楽しめます。
ジャズがメインですが、クリスマスなど季節に応じた曲をかけることも。また、好きなレコードをかけてもらうことや、自分で実際に針を落とすこともでき、レコードを身近に感じられそうです。
- レコード設置場所
- ラウンジ
- 聞ける時間帯
- 15時~18時、8時~10時
佳泉郷 井づつや
元禄15(1702)年創業の老舗湯宿「佳泉郷 井づつや」。レコードを設置しているのは、地下2階の大浴場に併設されたお休み処。大岩に囲まれた大浴場や日本庭園内にある露天風呂と桧風呂でじっくり自家源泉を堪能した後、音楽好きのスタッフがセレクトするジャズを中心とした楽曲を聴きながら火照った身体を休められます。
実は、レコード針の原点である縫い針「浜坂みすや針」を、女将の実家が製造していたことが、レコードを設置するきっかけのひとつになったそう。世代を超えて楽しめるレコードならではの音を堪能しては。
- レコード設置場所
- 地下2階大浴場のお休み処
- 聞ける時間帯
- 終日
湯村温泉へのアクセス
兵庫県を代表する温泉「城崎温泉」から訪れることができる湯村温泉。遠方から飛行機で来る際には関西国際空港を利用しましょう。
【電車】
- 姫路駅出発
- 播但線「寺前」駅→播但線「和田山」駅→山陰線「豊岡」駅→山陰線普通「浜坂」駅→全但バス「湯村温泉」(約4時間)
- 京都駅出発
- 嵯峨野線快速「園部」駅→山陰線「豊岡」駅→山陰線普通「浜坂」駅→全但バス「湯村温泉」(約5時間)
- 城崎温泉駅
- 山陰線普通「浜坂」駅→全但バス「湯村温泉」(約1.5時間)
【バス】
「大阪梅田」駅(阪急三番街)~全但バス「湯村温泉」(約3時間)
【飛行機】
関西国際空港→JR関西空港線特急はるか号「大阪」駅→全但バス「湯村温泉」(約4時間)
【車】
- 姫路方面
- 中国自動車道「福崎」IC→播但連絡バス「和田山」IC・JCT→北近畿豊岡自動車道「八鹿氷ノ山」IC→国道9号線(約2.5時間)
- 神戸・大阪方面
- 中国自動車道「吉川」JCT→舞鶴若狭自動車道「春日」JCT→北近畿豊岡自動車道「八鹿氷ノ山」IC→国道9号線(約3時間)
- 岡山方面
- 中国自動車道「佐用」JCT→中国自動車道「鳥取」IC→国道53号・9号線(約3時間)
古くから知られる針産業を未来にもつないでいく。CDや配信音源では得られないアナログレコードの音の良さをぜひ、湯村温泉で味わってみませんか。
関連記事