景勝地「地獄谷」や「クマ牧場」で知られる北海道の登別(のぼりべつ)温泉は、豊富な湯量と何種類もの泉質があることから、「温泉のデパート」とも呼ばれる奇跡のような温泉郷です。長い間愛されてきた温泉街や自然、動物とふれあえるスポットまで、日帰りでも楽しめる登別温泉の観光モデルコースをご紹介します。
自然の力みなぎる登別温泉
開湯160年余りの長い歴史を誇る登別温泉は、豊富な湯量と多様な泉質で知られる温泉郷。硫黄泉、食塩泉、重曹泉など、登別だけで国内の泉質の半分が楽しめてしまう温泉地です。源泉の「地獄谷」からは、湧き出す温泉が湖や川となって流れ出すほど。「鬼の棲む地獄」と言われるような、荒涼とした風景が観光客に人気です。
登別温泉までのアクセス
JR札幌駅からJR登別駅までのアクセスは、特急北斗か、特急すずらんで約1時間10分。登別駅から温泉街までは、道南バス「登別温泉」行きに乗り、「登別温泉」バス停で下車します(約15分)。
「登別マリンパークニクス」のペンギンパレードにキュン!
登別駅から徒歩約5分の場所に、デンマークのお城をモチーフにした水族館「登別マリンパークニクス」があります。イルカやアシカのパフォーマンス、幻想的な「金魚万華鏡」など、フォトスポットが満載。中でもペンギンたちが屋外を散歩する「ペンギンパレード」は毎日開催され、お客さんの目の前をヨチヨチ歩く愛らしい姿は必見です。
ペンギンパレードの開催時間は、1回目11:00~と 2回目14:15~となっています。
約1万匹のイワシが輝く「イワシの銀河水槽」では、エサを与えると水槽の中を激しく泳ぎ回ります。季節ごとに色が変わるライトに反射して、キラキラと光るイワシがエサを追う光景は、まるで音楽に合わせてダンスをしているようで幻想的。こちらのパフォーマンスは1回目11:50~、2回目15:10~行われます。
登別マリンパークニクス
- 住所
- 北海道登別市登別東町1-22
- 営業時間
- 9:00~17:00(最終入園16:30)
- 定休日
- 年中無休
- 入園料
- 大人(中学生以上) 3,000円、小人(4歳~小学生) 1,500円、乳幼児(3歳以下) 無料
- 公式サイト
- 登別マリンパークニクス
- チケット
- 登別マリンパークニクス 入園Eチケットの購入はこちら【楽天ポイントが貯まる・使える】
ヒグマを間近で見られる「のぼりべつクマ牧場」
登別駅前から路線バスで温泉街へ向かうこと約15分。「登別温泉」バス停から商店街の中を歩いて約5分で、クマ牧場ロープウェイ乗り場に到着します。山頂にある「のぼりべつクマ牧場」では、80頭余りのヒグマが飼育されています。
クマの目の前で観察できる「ヒトのオリ」は迫力満点!かわいい「子グマ牧場」や「リスの杜(もり)」のほか、珍しい「ヒグマ博物館」やアイヌ文化を体感できる「ユーカラの里」も見どころです。
のぼりべつクマ牧場
- 住所
- 北海道登別市登別温泉町224
- 営業時間
- [4月21日~10月20日]9:00~17:00(最終入園16:20)
[10月21日~4月20日]9:30~16:30(最終入園15:50) - 休園日
- 不定休
※ロープウェイ法定検査、強風などによるロープウェイ運行中止の場合は休園 - 入園料
- [入園料(ロープウェイ往復運賃含む)]大人3,000円、小人(4歳~小学校6年生)1,500円、3歳以下無料
- 公式サイト
- のぼりべつクマ牧場
鬼の像がたくさんある極楽通り商店街
温泉が湧く地獄谷に由来して、登別のあちこちに鬼をモチーフにした像があります。温泉街の中心部、土産物店や飲食店が建ち並ぶ「極楽通り商店街」には、商売繁盛の鬼、合格祈願の鬼、恋愛成就の鬼などが。温泉街を散策しながら、願いをかけてみてはいかがでしょうか。
さらに、鬼だけでなく閻魔(えんま)様もいます。「閻魔堂」はカラクリ仕掛けになっていて、1日に数回、「地獄の審判」の時間になると閻魔大王の表情が変わり、悪事に裁きを下します。
極楽通り商店街
- 住所
- 北海道登別市登別温泉町80 極楽通り商店街
地場食材を使ったハンバーガー「IRENKA(イレンカ)」
ランチは、商店街の中ほどにある手づくりハンバーガーの店「IRENKA(イレンカ)」へ。写真の「白老和牛バーガー」(950円)や「ジビエ鹿ザンギバーガー」(800円)など、ご当地食材をふんだんに使ったハンバーガーが食べられます。
IRENKA(イレンカ)
- 住所
- 北海道登別市登別温泉町60-5
- 営業時間
- 10:00~16:00
- 定休日
- 木曜日、ほか不定休
新鮮な海鮮が味わえる「温泉市場」
「IRENKA」から徒歩約3分の場所に立地する「温泉市場」では、登別漁港やその周辺で獲れた鮮度抜群の海鮮が味わえます。店内には生け簀がずらりと並び、活カニ、活エビなどをお刺身や炭火焼きで提供しています。
旨味たっぷりの焼き牡蠣や、海鮮丼もおすすめ。料理に合う日本酒などお酒の種類も豊富です。
温泉市場
- 住所
- 北海道登別市登別温泉町50
- 営業時間
- お買い物/10:30~20:00
お食事処/11:30~20:00 (L.O.19:30) - 定休日
- 不定休
- 公式サイト
- 北海道をたべよう! 温泉市場
「泉源公園」から吹き出す、迫力の間欠泉
「温泉市場」から徒歩約1分。温泉街の北側の入り口にある「泉源公園」の一角には、温泉の蒸気が噴き出す間欠泉があります。源泉の湧く地獄谷から流れ出る「温泉の川」の一部で、間欠泉の噴き出す勢いを間近に体験できるスポットです。
泉源公園
- 住所
- 北海道登別市登別温泉町無番地
温泉が流れる川を目指して「大湯沼川天然足湯」
地獄谷から続く「大湯沼散策路」へ向かいます。地獄谷から大湯沼周辺は歩道が整備され、自然を満喫できる散策コースになっています。さらにその先には、流れ出る温泉の川に足を浸す「大湯沼川天然足湯」があります。
泉源公園から地獄谷までは徒歩約5分。地獄谷の遊歩道から足湯までは見どころが多いので、片道およそ40〜60分くらいと、余裕をみておきましょう。軽登山の服装と飲み水を用意しておくと安心です。森林浴の先に癒やしの足湯が待っていますよ。
大湯沼川天然足湯
- 住所
- 北海道登別市登別温泉町無番地
夜の地獄谷を歩く「鬼火の路 幻想と神秘の谷」
登別温泉の源泉であり、観光名所でもある地獄谷では、日没頃から21時半まで「鬼火の路」と題して夜間のライトアップが行われています。立ちのぼる蒸気やゴツゴツとした岩肌が照らし出される荘厳な世界は、昼間とはまた違う迫力。歩きやすい服装がおすすめです。
鬼火の路 幻想と神秘の谷
- 住所
- 北海道登別市登別温泉町 地獄谷遊歩道・地獄谷展望台
- 時間
- 日没~21:30(通年)
癒やしと元気をもらえる、登別温泉の街歩き
のんびりとした温泉街ですが、目にするたくさんの鬼の像や触れ合う人の姿に、旅人を楽しませようという気持ちがあふれています。街の人たち自身が登別温泉を愛していることが伝わってきます。
登別温泉に出かけたら、ぜひ商店街や自然の中へも足をのばしてみてください。きっと温泉と同じくらい癒やしと元気をもらえるはずですよ。
写真・取材・文/Junko Saito