大阪の中心地・梅田には広大な地下街が広がります。JR・地下鉄・私鉄の駅が地下で接続し、さらに複数の地下街や施設が連結しているため、その全容は、ときに「梅田ダンジョン」「梅田地下迷宮」と呼ばれるほど複雑。大阪に住んでいる人でも迷うことがあるので、観光や仕事で訪れる人が迷わないわけがありません。
それゆえに、梅田に泊まることになっても、地下街で迷うのが怖くて、ホテルを選ぶときなんとなく前回泊まったところを選んだり、ついつい適当に決めたりしていませんか?
それはもったいないです!地下街は、観光スポットまで早く行けるだけでなく、おいしいグルメ処も。
そこで、大阪・梅田エリアを理解するために、エリアを4つに分け、エリア別にマップで詳しく解説します。大阪・梅田地下街を中心とする「ダンジョン」を体系的に攻略しましょう!
目次
そもそも「大阪・梅田地下街」とは?
大阪・梅田地下街には7つの駅が
大阪・梅田地下街がややこしい理由の一つは、7つもの駅が密集しているからです。
そこで事前に、7つの駅のおおよその位置を抑えておきましょう。東西南北が理解しやすくなり、あなたがいる場所が梅田エリアのどのあたりかイメージしやすくなります。
迷った時も、例えば阪急大阪梅田駅から北新地方面へ行くなら、「とにかく南へ!」と考えれば心も軽くなります。
梅田エリアにある鉄道駅は、以下の7つです。
(1)JR大阪駅
(2)地下鉄(大阪メトロ)御堂筋線梅田駅
(3)阪急大阪梅田駅
(4)四つ橋線西梅田駅
(5)JR北新地駅
(6)阪神大阪梅田駅
(7)谷町線東梅田駅
このあと、図のA~Dエリアにわけて、詳しく解説します。
旅行者がよく使う駅をチェック
(1)JR大阪駅
・新幹線利用のタイミング
新幹線の乗り入れるJR新大阪駅からは、下り方面のどの電車に乗っても1駅で大阪駅に行くことができます。
JR大阪駅には、新大阪駅方面からのJR京都線、神戸方面に向かうJR神戸線、USJ方面へ向かうJR大阪環状線などが乗り入れています。どの路線のホームも東西方向になっています。新大阪駅から大阪駅に到着すると、進行方向が西、新大阪方面が東です。
改札口が多いので、用途に合わせて選びましょう。
- 中央口
- ディアモール大阪、大丸梅田店、
ルクア、グランフロント大阪、ヨドバシ梅田 - 御堂筋南口
- EKIMO梅田(ホワイティうめだ方面に連絡)、阪急百貨店
- 桜橋口
- ホテルグランヴィア大阪、OSAKA GARDEN CITY、エキマルシェ大阪、エキマルシェ大阪クロスト
- 西口
- THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collection、KITTE大阪、エキマルシェ大阪ウメスト
(2)地下鉄御堂筋線梅田駅
・新幹線利用のタイミング
地下鉄を使って梅田エリアに訪れるなら、御堂筋線梅田駅へ。新大阪駅から3駅目が梅田駅です。
御堂筋線梅田駅は南北にホームがあります。新大阪駅からやって来ると、進行方向が南、新大阪方面が北です。改札は、北、中央(北と南)、南の3カ所にあります。行きたいスポットに合わせて選びましょう。
- 北改札
- ヨドバシ梅田の地下1階、大阪ステーションシティの地下1階、阪急三番街の地下1階
- 中央改札
- 阪急百貨店地下1階
- 南改札
- 阪神百貨店地下1階、ホワイティうめだ
・大阪国際空港(伊丹空港)利用のタイミング
空港バスを利用して梅田エリアに来る場合、バスは大阪マルビル→新阪急ホテル→ホテル阪神→ハービスOSAKAの順に停止しますが、最も利用客が多いのが、阪急梅田駅構内のバス停(「新阪急ホテル前」)です。
阪急梅田駅の改札は地上2階と3階です。改札を出て地下に降りると、阪急三番街があり、ホワイティうめだと連絡しています。
梅田・大阪駅周辺をエリアごとに解説
複数の地下街と、百貨店やテナントビルの地下がつながる梅田地下街。
複雑ではありますが、逆にいえば、梅田エリアの主要スポットには大抵地下を通って辿り着けます。気候や天候に左右されないのは大きなメリットと言えそうです。この記事では、JR大阪駅をほぼ中心に、地図のようにエリアを4つに分けて解説します。大体の方向が頭に入れば、迷った時も安心!地下道や、主要な観光スポット・ホテルも紹介します。
Aエリア
まずは大阪駅の北西側をチェック。土地開発が進み、大阪・梅田エリアでも新しいビルが多く建てられている地域です。
中でも、大阪市内を一望できる梅田スカイビルの「空中庭園展望台」は、大阪を代表する観光名所のひとつ。
Aエリアに行くには、JR大阪駅中央口をでて、「アトリウム広場」に出るのが近道。「アトリウム広場」の階段をくだると、上写真右の「グランフロント大阪」が見えます。
「グランフロント大阪」に沿って歩き、「グラングリーン大阪」を越えると「空中庭園」へたどり着きます。「グラングリーン大阪」の中には、2024年9月に開業したばかりの「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」があります。
Bエリア
大阪駅北東のBエリアは、地下道「ホワイティうめだ」が通るエリア。
ホワイティうめだの東端「泉の広場」の奥・東通りの最寄りの出口を出ると、元気でコスパが良い店が多くそろう「東通り商店街」へ。
ホワイティうめだの北側、ノースモールに向かうと、「HEP FIVE」に出ます。観光におすすめなのは「HEP FIVE」の観覧車。空調完備なので、真夏や真冬でも快適です。赤い看板の入り口が目印です。
今度は、より北側へ。待ち合わせ場所にもよく選ばれる、大阪の老舗デパート「阪急百貨店」の地下にある「阪急三番街」には、北館地下2階に「UMEDA FOOD HALL」が。都会にできた「大人のフードコート」的スポットです。
地下の巨大な空間に約1,000の座席が用意されており、厳選された18店舗のメニューを自由に選んで楽しめます。さくっとランチにも、がっつり晩ご飯にも、さまざまなシーンに合わせて活用できます。
Cエリア
Cエリアは、「KITTE大阪」、「大阪四季劇場」など駅からすぐに行けるスポットから、「OSAKA GARDEN CITY」の地下道「ガーデンアベニュー」で直結するスポットなど、盛りだくさんです。
まずは、JR大阪駅西口直結の「KITTE大阪」。さまざまなグルメを堪能できるレストランや、北海道から沖縄まで地域の食文化に触れられるアンテナショップなど、全114店舗が集まります。大阪の名物グルメや関西のお土産がそろうので、旅行の合間に訪れるのにおすすめ。同ビルの7階、29階~38階には、ホテル「THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph collection」も入っています。
全国からファンの訪れる劇団四季のミュージカルが観られる大阪四季劇場(「HERBIS PLAZA ENT」7階)は、阪神大阪梅田駅から徒歩すぐ。西口改札を出ると目の前にあります。
その他、大阪駅桜橋口から地下に降りて、西梅田駅に行くまでのところにある「ガーデンアベニュー」を通っていくことも可能です。「ガーデンアベニュー」は、空港バスが停車する「ハービス大阪」にも、「billboard live osaka」にもアクセス可能です。
さらに、「ハービス大阪」を過ぎてさらにまっすぐ進むと「ザ・リッツ・カールトン大阪」に直結します。
Dエリア
Dエリアは、四つ橋線西梅田駅を中心に、北へ行くと「阪神百貨店」、南に行くと中之島エリアに続く「ドーチカ」、大阪駅前ビル一帯をつなぐ「ディアモール大阪」が位置するエリアです。
まずは四つ橋線西梅田駅を北に進みます。すると、「阪急百貨店」と並んで大阪の老舗デパートのひとつである「阪神百貨店」が。阪神大阪梅田駅からは「百貨店口」改札で直結なので、迷わず行けるでしょう。
「阪神百貨店」で食べるべき名物グルメといえば、地下1階「スナックパーク」の「阪神名物いか焼き」。
大阪のいか焼きは、イカの姿焼きではなく、小麦粉にイカの切り身を入れてプレスして焼いた「コナモン」です。
スナックパークでは平日は15時以降、土日祝は開店時から、ビールやハイボールも注文することができる店舗も。ぜひ大阪の味を楽しんでください。
四つ橋線西梅田駅の南改札を出ると、「大阪駅前第1ビル」の入り口が。「大阪駅前ビル」は、大阪で飲みたい!という人に訪れてほしいスポットです。第1ビルから第4ビルまであり、地上はオフィスやさまざまな店舗が入居し、地下1階と地下2階に飲食店が多くそろっています。大勢でわいわい飲むのはもちろん、1人飲みに適したお店や大阪名物のお店もあるので、ぜひ立ち寄ってみて。
ビルはすべて地下1階・2階でつながっているので、雨でもぬれずにぶらぶらと好きなお店を探せますよ。
大阪を代表する高級飲食店がそろう北新地。日本料理屋やバー、クラブなどが軒を連ねる大人の街です。
北新地へ向かう時は、ディアモール大阪を経由して、梅田エリアでも南東に位置するそねちか(曽根崎地下歩道)を目指しましょう。そねちかには店がありません。北新地駅と、自治体のPRブースがあるだけの、連絡通路です。
フェスティバルタワー(中之島エリア)
コンサートなどが催される「フェスティバルホール」や、「コンラッド大阪」などが入る、「フェスティバルタワー」へ向かうなら、四つ橋線西梅田駅南口を出て、ドーチカ(ドージマ地下センター)を南の端まで進みましょう。
ドーチカは四つ橋筋の地下にあり、梅田地下街で最も南に向かう地下街です。北新地へ行くときにも便利な地下街です。
梅田地下街を攻略するポイントを、梅田エリアの主な目的地への行き方と合わせて紹介しました。
これで、梅田地下街も怖くない!
魅力的な顔を持ち合わせている梅田地下街を攻略して、大阪の滞在を思いきり楽しんでくださいね。
取材・写真・文/地亜貴、楽天トラベルガイド編集部
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