テーマは熟成！？「温泉むすめ」の石和紅ちゃんに会おう！山梨・石和温泉モデルコース

ワインレッドの髪色と眼鏡がチャームポイントの「石和 紅（いさわ こう）」ちゃん（CV：秦佐和子）は、日本全国の温泉地をキャラクター化した「温泉むすめ」のひとり。

武田信玄のお膝元、甲斐の国で生まれ育ち、今は山梨県を代表する人気温泉地「石和温泉」で訪れた人たちをもてなします。ワインをこよなく愛する紅ちゃんの名言「ワインとアイドルも大切なのは熟成です」の通り、ワインが有名な土地柄では熟成にまつわるスポットも多く、グルメも満喫できます。

 

 

温泉むすめとは？

草津、別府、箱根など、日本全国に広がる120以上の温泉地をイラストレーターがそれぞれを「温泉むすめ」としてデザインし、さらに声優陣も加わることでCDや音楽ライブを展開。ファンである「ぽか旦那」と「ぽか女将」は好きなキャラクターの温泉地を実際に巡礼することで限定グッズを購入できたり、オリジナルパネルと一緒に記念撮影をしたり。「温泉むすめ」はアニメと地域活性化を掛け合わせたプロジェクトとして注目されているのです。

 

石和温泉のキャラクター、石和 紅ちゃんは43番目に誕生した温泉むすめ。趣味はワイナリー巡り、特技は利きワインとワイン造り、好きなものは赤ワインと、まさにワインで有名な山梨を盛り上げるために誕生したワインの申し子的存在です。

 

石和温泉駅から出発！

石和紅ちゃんを巡る旅は観光拠点となる石和温泉駅から。JR特急列車「かいじ」を利用すれば新宿駅から石和温泉駅まで90分ほどとアクセス良好なのが魅力です。

 

まずは町並みが広がる南口とは反対の山に近い北口へ。ロータリーに沿って最初の交差点に着いたら、足元にご注目を。桃やぶどうなど、たくさんのフルーツを抱えた紅ちゃんのマンホール蓋が設置され、通行人に微笑みかけています。

 

数ある温泉地の中でも、温泉むすめがデザインされたマンホール蓋を見られるのは石和温泉のみ。桃とぶどうの生産量が日本一を誇る笛吹市ならではのオリジナルデザインになっています。

 

庭園が評判の「大蔵経寺」でリラックス

幸先良いスタートを切ったら、そのまま歩くこと約7分。山のふもとに構える「大蔵経寺（だいぞうきょうじ）」が見えてきます。堅牢な山門をくぐると清純な空気が漂い、町の中にいることを忘れてしまいそうです。

 

創建は722年と奈良時代まで遡り、日本書紀が完成したのと同じ頃。庭園では春につつじ、夏は蓮、そして秋の紅葉と四季折々の情景が繰り広げられ、滝の優雅な調べが悠久の時を刻みます。

 

こちらではSDパネル（等身大よりミニサイズ）の紅ちゃんがお待ちかね。紅ちゃんのゆるい表情とのどかな雰囲気が調和し、せっかくなら自分も縁側に座ってひと休みをしましょう。

 

縁側の目の前には、水は一切使わず砂や石だけで仏教界の中心にそびえる須弥山（しゅみせん）を表現した枯山水も望むことができ、それぞれ異なる意趣を楽しめます。

 

国指定の重要文化財をはじめ、保有する文化財の中には武田信玄が川中島の合戦で戦勝祈願した地蔵菩薩像、徳川家康が寄進した三面大黒天も展示されています。焦らず、機が熟すのを待っていた徳川家康。やわらかな微笑みを浮かべる大黒様からは、「焦らず、ゆっくりと」と熟成に大切なポイントを教えてもらった気分です。

 

 

紅ちゃんがお手伝いしている「岩野精肉店」

心身ともにリフレッシュしたら、再び石和温泉駅を目指します。実は1カ所目に見つけたマンホール蓋の道路を挟んだ向かい側にある「岩野精肉店」で仕事中の紅ちゃんに会うことができます。

 

広い店内には牛肉と豚肉を中心にステーキ、すき焼き、ブロック肉など幅広い用途に合わせた商品が所狭しと並び、見ているだけでワクワクしてきます。

 

よく見てみると商品には「眠り豚はるな」の文字。こちらのオリジナルブランド豚肉で、養豚が盛んな群馬県から仕入れた榛名（はるな）ポークを氷温熟成させたもの。寒い環境の中で熟成させるとお肉の旨みが増し、やわらかくなると好評です。

 

そして商品棚の一角に紅ちゃんを発見！「岩野精肉店」バージョンで、かわいらしい子豚との2ショットは、こちらまで思わず笑顔になります。

 

店内にはハムカツ、とんかつなどのお惣菜が並び、お店奥にはイートインスペースも設けられています。コロッケとメンチカツには自慢の眠り豚はるなを使用。

サクサクな衣をまとったコロッケは、じゃがいもとお肉のバランスが絶妙で、お互いの旨みが引き立ちます。メンチカツは、よりお肉のジューシーさが味わえ、噛めば噛むほど玉ねぎのシャキシャキ感も加わり、豊かな味わいが広がります。

 

 

「石和温泉駅 観光案内所」で情報収集＆ワイン試飲

小腹を満たしたら、いよいよワインの名産地に訪れた醍醐味を味わいましょう！石和温泉駅の北口から南口に移動し、エスカレーター降りたすぐの場所に「石和温泉駅 観光案内所」があります。

 

ここで話題となっているのが、観光案内所としては全国初となるワインの試飲ができること。一列に並んでいる16本ものワインは、どれも市内にあるワイナリーから。100円から試せて、金額によって飲む量を調節できます。

 

一つひとつに香り、味わい、特徴が明記され、ワインへの愛が感じられます。ワイン造りの雰囲気も味わってほしいため、ワインの購入はワイナリーでお願いしており、こちらで自転車を借りることも可能。ワインサーバーにはソムリエ姿の紅ちゃんがいて、ワインを傾かせる仕草も様になっています。

 

そして念願の紅ちゃんグッズも入手できます！SNSに紅ちゃんの写真とともにハッシュタグを付けて投稿すると、オリジナルステッカーをいただけます。さらに紅ちゃんのマフラータオル（2,500円）も販売しています。

 

「石和温泉駅 観光案内所」では周辺の観光スポットに加え、新たなソウルフードとして盛り上がっているほうとう麺を使用したラーメン「ラーほー」の店舗情報や、宿泊施設のパンフレットなどの資料も充実。当日、石和温泉旅館協同組合に加盟している宿＊に泊まる際は、荷物を無料で運んでくれるサービスもあるので、ぜひご活用ください（受付時間 9:00～13:00）。
＊ホテル君佳は除く

 

 

ふるさと王国山梨のグルメが味わえる「石わ しらと屋」

石和温泉駅を後にしたら、徒歩5分ほどの場所にある「石わ しらと屋」へ。おまんじゅうやお団子といった和菓子だけでなく、クレープやソフトクリームなどの洋菓子といった幅広いスイーツを味わえるのが魅力で、お店の前にはイートインスペースもあります。

 

こちらでは、おいしいを笑顔のきっかけにというコンセプトで、オリジナルブランドのクレープ「Crepe Smile Shot」を開発。もちもちの生地が特徴で、スイーツ系と食事系合わせて25種類もあります。

 

特に豊潤特濃巨峰クレープソフト（1,380円）は、5種のぶどうから作る特製ムースとゼリーが入った贅沢な一品。ぶどうの爽やかな甘みを存分に堪能でき、薄焼きクッキーのサクサク感がアクセントになっています。

 

観光中のちょっとしたおやつになるのが、もっちり焼きという名前で親しまれている甲州都まんじゅう（390円）。1パックに2種類の味が入っていて、定番のしろあん＆こしあん、カスタード＆チョコのほか、つぶあん＆季節のあん（秋は栗）、チーズ＆生地のみという組み合わせも。

 

「石わ しらと屋」では、紅ちゃんの缶バッチ2種類を販売。大小の2種類（各300円）で、トレードマークの眼鏡を直している仕草がかわいらしいです。同じポーズですが、背景が異なるので、2種類とも購入する方も多いと聞きます。

 

 

「石和源泉足湯ひろば」でひと休み

モデルコースも終盤に差し掛かり、そろそろ脚も疲れてきたはず。春には1キロメートルにもわたって桜並木が見もののさくら温泉通りを歩くこと約13分、「石和源泉足湯ひろば」に到着します。

 

「石和源泉足湯ひろば」は、3カ所の足湯と全国で珍しい手湯が設けられている憩いの場で、石和温泉の歴史も当時の写真とともに紹介されています。

 

昭和36（1961）年にぶどう畑から温泉が噴出。お湯が川に流れ出た場所を「青空温泉」と全国区に紹介されたことから、一気に山梨県を代表する温泉街へと変貌を遂げたのです。

 

自動販売機ではタオルやおみやげが販売され、商品の中には紅ちゃんの温泉タオル（300円）も！何を隠そう、紅ちゃんは足湯に浸かりながら落ち着いてワインを飲むのが好き。紅ちゃんにならって、ここは足湯に浸かりながら癒やされましょう。

 

ぶどうの名産地だからと言って、有名なのはワインだけとは限りません。酸味が強い未成熟の果汁はマスタードに必須の材料。ふえふきマスタード（450円）はメディアでも紹介され、自動販売でも購入できます。おみやげにもピッタリなコンパクトサイズなのもうれしいポイントです。

 

 

ワインと紅ちゃんに酔いしれる「モンデ酒造」

石和温泉にとってワインは切っても切り離せない関係。そのワインと温泉むすめがマリアージュされ、新たな世界を切り拓こうとしているのが、足湯から徒歩約16分の場所にある「モンデ酒造」です。

 

工場とショップが隣接していて、ショップに向かう途中ではワイン造りの様子を紹介。そこには紅ちゃんグッズを展示したスペースもあり、「モンデ酒造」バージョンと通常パージョン2種類のパネルが訪れた人たちを出迎えます。

 

さらに紅ちゃんがラベルになっている限定ワイン（各2,200円）も販売。甲州の白ワインとマスカットベーリーAの赤ワインは、どちらも日本固有のブドウ品種で、口に含む前からフルーティーな香りが広がります。最初の口当たりは爽やかに、中盤から味の深まりが感じられますが、後味も波のように引いていくので、繊細な和食とも相性抜群です。

 

ワインをもっと身近に感じてほしい想いから、ショップ前のスペースでは無料で試飲ができたり、気軽に味わえるようボトルより小さい缶入りでワインを販売したり。ワイン好きはもちろん、ワインに興味がある人たちも楽しめる空間です。

 

ワインの奥深い世界を覗きたいなら、甲州のワイン4本がおすすめ。共通の畑で収穫した同品種ですが、熟成方法がすべて異なります。グリーン（2,860円）はぶどうに袋をかぶせ、渋みを極力おさえたもの。

ストーンタンクはコンクリート製タンク、バレルズはフレンチオーク樽でそれぞれ発酵（各1,848円）され、オレンジワイン（1,848円）は粒を丸ごと使うため、果皮からの色素でオレンジ色を帯びています。見た目と同様、味もそれぞれ異なるのでぜひ飲み比べてみてください。

 

 

せっかくなら「石和温泉 ホテル花いさわ」で温泉三昧

一日の締めくくりは、徒歩9分ほどにある「石和温泉 ホテル花いさわ」にて。駅からも徒歩約5分とロケーションが良く、お部屋からは石和温泉の町並みと富士山や南アルプスなど日本有数の名峰を一望できます。

 

お部屋は趣のある和室が中心で、大浴場は内風呂と露天風呂の両方を完備。周辺には送迎車が巡回している姉妹館が2カ所あり、各施設の大浴場も無料で利用できます。

 

ショップには山梨関連のおみやげが販売されていますが、そこで紅ちゃんの等身大パネル（しかも声優の秦佐和子さんのサイン付き！）が看板娘として活躍しているのです。その隣には「石和温泉 ホテル花いさわ」バージョンもあり、湯上がり後のリラックスした様子にこちらも微笑んでしまうはず。

 

アクリルキーホルダー2種（各700円）と武田信玄の姿をした御泉印（500円）も販売していて、一気に紅ちゃんグッズが潤います。姉妹館の「石和びゅーほてる」では、等身大パネルと同じポーズをしたアクリルスタンド（1,000円）も販売しているのでお見逃しなく。

 

ショップの一角には紅ちゃんコーナーが設けられ、そこには既に巡礼を終えたぽか旦那、ぽか女将が提供した温泉むすめのグッズが飾られ、さながらコレクション展のよう。温泉むすめの世界にどっぷり浸かった一日はまるで長湯から上がったような夢心地です。

 

 

紅ちゃんのいる石和温泉でじっくり、ゆっくりと

アルカリ性単純温泉の泉質を持つ、石和温泉。刺激も少なく、しっとりとした優しい肌ざわりは幅広い人たちに愛されています。紅ちゃんが語る「温泉にゆっくり浸かって川中島の戦いに想いを馳せる。これぞ至福のひとときなのです」にならって、温泉と紅ちゃんに浸る至福のひとときを味わう旅に出てみてはいかがでしょうか？

 

 

 

取材・撮影・文／浅井みら野

 

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