提供:金沢日和
石川県の代表的な美術工芸品の一つである「九谷焼」は、大胆的な構図と鮮やかな色彩で絵付けされた色絵磁器です。長い歴史の中に様々な要素を取り入れて発展し、変貌を遂げた九谷焼は、工芸品の枠を超えて美術品として、世界中でも高い評価を得ています。今回は、その発祥地の石川県加賀市にある、日本で唯一の九谷焼専門の美術館『石川県九谷焼美術館』に行ってきました。
加賀市立中央図書館に隣接した「古九谷の杜親水公園」内にある『石川県九谷焼美術館』は、九谷焼の歴史を辿り、九谷焼を網羅的、専門的に紹介している日本で無二の研究機関です。入り口の看板、ドア横に設置している傘入れなども、「九谷五彩」と呼ばれる「緑・黄・紫・紺青・赤」の色が華やかに輝いています。館内随所に渡り、九谷焼の要素を取り入れており、磁器の形にとどまらず、美術としての魅力も伝わります。
九谷焼の誕生は、江戸時代前期に遡ると推測されています。鉱山開発を進める中、当時大聖寺藩領内にある九谷村で磁器の原料となる陶石が発見されたことが、磁器生産の始まりのきっかけになったと言われています。そこで磁器を焼く窯を築き、「九谷村」の地名にちなんで「九谷焼」と呼ばれるようになりました。館内では、常設展に加え、期間限定の企画展を通し、九谷焼の誕生から、一時的な閉窯、再興、そして現代芸術としてのあり方を詳しく紹介しています。
美術館での鑑賞が終わった後、2階にある『茶房古九谷』で、所々に設置している九谷焼作家さんの作品を眺めながら、芸術的なカフェタイムが過ごせます。併設のミュージアムショップにて、スタッフが厳選した九谷焼の器やオリジナルグッズ、書籍などの購入も可能なので、美術館での思い出を形にする素敵な記念品になりますね。
石川県九谷焼美術館
- 住所
- 石川県加賀市大聖寺地方町1-10-13
- TEL
- 0761-72-7466
- 営業日時
- 9:00〜17:00 (入館は16:30まで)
- 定休日
- 月曜 (祝日の場合は開館)
- 公式サイト
- 石川県九谷焼美術館
茶房古九谷
- TEL
- 0761-72-6366
- 営業日時
- 9:30~17:30 (L.O. 17:00)
- 定休日
- 月曜(祝日の場合は開館)、12月30日~1月1日
【ライター情報】
台湾出身の編集者kuma。台湾出身、中国大陸育ち。中国語(繁体字・簡体字)はもちろん、日本語検定は1級(満点)、英語はTOEFL106点(120点満点)というトリリンガル才女。趣味はカメラで、いろいろな場所で星を観測するのが好き。
※この記事は、2024年1月19日に「金沢日和」で公開された記事を転載したものです。