札幌市時計台やさっぽろテレビ塔、大通公園など、札幌市の中心部には観光客に人気のスポットがたくさんあります。その中の1つが「狸小路商店街」です。約900mの商店街の両側には200軒以上の店舗が立ち並び、北海道グルメや北海道土産など魅力がいっぱい。そんな狸小路商店街の歴史やおすすめグルメ、人気のスポットなどをご紹介します。
北海道で最大の商店街「狸小路商店街」
狸小路商店街は、札幌の大通公園と繁華街ススキノの間にある7ブロック、総延長約900mもある北海道最大の商店街。「狸小路」は正式な地名ではなく、中央区南2条と南3条の中通の西1丁目から西10丁目が、通称で「狸小路」と呼ばれています。
このうち、アーケードでつながった西1丁目から西7丁目までが狸小路商店街です。狸小路商店街振興組合にお話を伺うと、振興組合に加盟している店舗は200軒以上とのこと。
狸小路商店街は3丁目と4丁目の間の国道部分を除き、アーケードでつながっていて、雨や雪の日など天候に関係なくショッピングや飲食が楽しめます。
3丁目と4丁目の間の道路には、札幌市民の足として親しまれている路面電車(札幌市電)が走っています。現在、北海道で路面電車が運行しているのは札幌市と函館市だけで、北海道民の宝として平成13(2001)年に「北海道遺産」に選定されました。
1丁目から3丁目には、明治や大正時代から営業を続けている老舗の店舗が点在していて、狸小路商店街の長い歴史を感じることができます。
4丁目からは、映画館やパチンコ店、ゲームセンター、ホテルなどバラエティーに富んだ店舗が並んでいます。
6丁目と7丁目には、ラーメンやジンギスカン、スープカレーといった北海道のご当地グルメが味わえるお店や、地元住民が仕事帰りにふらりと立ち寄るような居酒屋や飲食店がたくさんあります。
1丁目から6丁目までのアーケードは、昭和57(1982)年に完成した2代目。しかし、7丁目だけは昭和33~35(1958~1960)年にかけて設置された当時のままで、あえてレトロな雰囲気がいいと残されたそうです。
北海道で最古の商店街の1つ
狸小路商店街の歴史は、明治政府が「北海道開拓使」を置いた明治2(1869)年までさかのぼります。現在の狸小路2丁目と3丁目付近に、飲食店や商家が建ち並び始め、明治6(1873)年にはその一角が狸小路と呼ばれるようになったそうです。
北海道に拠点を置くコンビニエンスストアチェーン「セイコーマート狸小路2丁目店」の店内の壁には、狸小路商店街のこれまでの歴史をまとめた年表や懐かしい写真が展示されています。
セイコーマート狸小路2丁目店
- 住所
- 北海道札幌市中央区南2条西2丁目4-2(狸小路商店2丁目)
- 電話番号
- 011-205-0809
- 営業時間
- 7:00~23:00
そんな歴史ある狸小路商店街で古くから営業している店舗を、狸小路商店街振興組合に教えていただきました。
最も歴史があるのは、3丁目にある「学生服の赤塚(赤塚商店)」。明治39(1906)年から狸小路商店街に出店しているそうで、創業はなんと明治20(1887)年とのこと。
学生服の赤塚
- 住所
- 北海道札幌市中央区南3条西3丁目18(狸小路3丁目)赤塚ビル2階
- 電話番号
- 011-251-2251
- 営業時間
- 10:00~19:00
- 定休日
- 木曜日・お盆休み・年末年始
- 公式サイト
- 学生服の赤塚
狸小路1丁目の「斎藤印房」は、大正元(1912)年からの出店だそうで、歴史を感じさせる店構えですね。
斎藤印房
- 所在地
- 北海道札幌市中央区南2条西1丁目(狸小路1丁目)
- 電話番号
- 011-241-8698
- 営業時間
- 10:00~19:00
- 定休日
- なし(元旦のみ休業)
狸小路2丁目にある「ビヤホールライオン 狸小路店」は、大正3(1914)年に創業した北海道で最も古いビヤホールです。現在の建物は昭和35(1960)年に建て替えられた3代目ですが、昭和レトロな雰囲気の店内で本場のサッポロビールが味わえます。
ビヤホールライオン 狸小路店
- 所在地
- 北海道札幌市中央区南2条西2丁目7 サッポロビル(狸小路2丁目)
- 電話番号
- 011-251-1573
- 営業時間
- 11:30~21:00
- 公式サイト
- ビヤホールライオン 狸小路店
ぎょうざとカレーのお店として人気の「みよしの」は、大正8(1919)年に大衆食堂「美よし野」として創業しました。新鮮な野菜と卵、たっぷりの肉を秘伝のスパイスで味付けした餡を極薄の皮で包んだ餃子。その餃子とも相性のいいカレーは、今や道産子のソウルフードです。
みよしの 狸小路店
- 所在地
- 北海道札幌市中央区南3条西2丁目16-4(狸小路2丁目)
- 電話番号
- 011-231-3440
- 営業時間
- 11:00~21:00
- 詳細
- ぎょうざとカレーの「みよしの」
狸小路商店街のおすすめグルメ
狸小路商店街には、ジンギスカンやラーメン、スープカレーなど北海道のご当地グルメをはじめ、様々な利用シーンでバラエティー豊かな味わいを楽しめるお店がたくさんあります。
ジンギスカンと言えば北海道を代表するご当地グルメですが、実は使われている羊肉のほとんどが海外から輸入されたものです。流通している国産の羊肉はわずか1%ほど。
狸小路7丁目にある「士別バーベキュー」は、貴重な北海道産サフォーク種のラム肉が味わえるお店です。
メニューには定番の肩ロースやモモ、カルビのほか、ラムカワやラムサガリ、リードアニョーなど道民でもあまり食べたことがないような希少な部位も提供しています。
ランチ営業もしていて、「味付きジンギスカンセット」(1,080円)や「サフォーク丼」(980円)などが楽しめます。
士別バーべキュー
- 住所
- 北海道札幌市中央区南3条西7丁目(狸小路7丁目)
- 電話番号
- 011-209-3210
- 営業時間
- 【平日】ランチ/12:00~15:00(L.O.14:30) ディナー/17:00~23:00(L.O.22:30)
【土・日・祝日】12:00~23:00(L.O.22:30) - 定休日
- 不定休
狸小路7丁目にある「スパイスラーメン 点と線」はピリっとスパイスが効いたラーメン店。こちらは、人気のスープカレー専門店「Rojiura Curry SAMURAI」で培ったスパイスの焙煎や調合の技術、経験から生まれました。
2階にあるお店に入ると、店内にはスパイスの芳醇な香りが漂っています。一番人気のメニューは「スパイスラーメン」(900円)。一般的な札幌ラーメンの味や見た目とは全く違う新感覚で、スープカレーとラーメンが一度に楽しめます。
スパイスラーメン 点と線
- 住所
- 北海道札幌市中央区南2条西7丁目2-1(狸小路7丁目)
- 電話番号
- 011-215-0831
- 営業時間
- ランチ/11:30〜15:30 ディナー/18:00〜21:30
- 公式サイト
- スパイスラーメン 点と線
札幌で人気となり、全国的に広まったスープカレー。登場したのは2000年代と比較的歴史は浅いですが、すっかり北海道のご当地グルメとして定着しました。そんなスープカレーの人気店が「ソウルストア(SOUL STORE)」です。
「季節の旬菜カリー」は日替わりで色とりどりの旬の野菜がたっぷりとトッピングされていて、見た目も味も食感も楽しめます。
ソウルストア (SOUL STORE)
- 住所
- 北海道札幌市中央区南3条西7丁目3-2 F-DRESS7 BLD 2F(狸小路7丁目)
- 電話番号
- 011-213-1771
- 営業時間
- ランチ/11:30~15:00 デイナー/17:30~20:30
狸小路商店街を散策して歩き疲れたとき、ちょっと休憩するのにぴったりなのが、狸小路6丁目の「札幌 新倉屋 本店」です。
「札幌 新倉屋 本店」は創業60年の老舗和菓子店。1階では団子や大福などの和菓子を購入でき、2階は落ち着いた雰囲気の喫茶スペースになっています。
こちらの名物は、黒あん、抹茶、ごまなど5種の「花園だんご」。店内で「花園だんご」(1本110円)を注文すると、サービスでお茶が付き、食べきれなかった場合はお持ち帰りも可能です。
札幌 新倉屋 本店
- 住所
- 北海道札幌市中央区南2条西6丁目3(狸小路6丁目)
- 電話番号
- 011-281-5191
- 営業時間
- 9:00~19:00
狸小路5丁目にある「抹茶CAFE&SWEETS RIQ(リキュウ)」は、北海道初のチーズティーと抹茶の和カフェ。
テイクアウトもできますが、店内にはイートインスペースがあり、お茶を楽しみながらゆっくりくつろげます。「宇治抹茶チーズラテ」(605円)などドリンクのほか、「焦がしきな粉とほうじ茶のパフェ」(1,320円)などのスイーツもおすすめです。
抹茶CAFE&SWEETS RIQ
- 住所
- 北海道札幌市中央区南2条西5丁目T5ビル1・2F(狸小路5丁目)
- 電話番号
- 011-218-2211
- 営業時間
- 平日11:30〜0:00 土日祝11:00〜0:00
- 定休日
- 年中無休
- 公式サイト
- 抹茶CAFE&SWEETS RIQ
おいしい料理と合わせてお酒も楽しみたい方におすすめなのが、狸小路5丁目の「ホテルビスタ札幌[大通]」1階にある「和食バル 和 およばれ」です。
新鮮な魚介が盛られる「本日のお造り5種盛り」(2,090円)のほか、名寄(なよろ)名物の「煮込みジンギスカン」(1,320円)や「十勝名物 豚丼」(990円)など、道内各地のご当地グルメが味わえます。また、クラフトビールなどアルコールメニューも豊富です。
和食バル 和 およばれ
- 住所
- 北海道札幌市中央区南3条西5丁目16(狸小路5丁目)
- 電話番号
- 011-212-1168
- 営業時間
- 6:30~10:00 11:00~22:00
狸小路4丁目にある「タコとハイボール狸小路本店」は店名の通り、たこ焼きとハイボールが売りの居酒屋。焼きたて熱々のたこ焼きをつまみにハイボールが楽しめます。たこ焼きは、もちろんテイクアウトも可能です。
タコとハイボール狸小路本店
- 住所
- 北海道札幌市中央区南2条西4丁目1-3札幌 ナナイロ(狸小路4丁目)
- 電話番号
- 011-223-5866
- 営業時間
- 11:00~23:00
- ホームページ
- タコとハイボール狸小路本店
狸小路商店街でお土産を購入
札幌市民だけでなく、道内外や海外からもたくさんの観光客が訪れる狸小路商店街には、北海道や札幌の特産品、名物を扱うお土産店もあります。
狸小路4丁目にある「北海道みやげ たぬきや」は、大正5(1916)年に薬局として創業。昭和54年からお土産店になったそうです。
店内には様々な商品が並んでおり、その中には狸小路商店街のマスコットキャラクター「だっこポン」のグッズも。ワクチン接種済みの缶バッチは、元ワクチン担当大臣の河野太郎氏も持っているそうです。
北海道みやげ たぬきや
- 住所
- 北海道札幌市中央区南3西4丁目(狸小路4丁目)
- 電話番号
- 011-221-0567
- 営業時間
- 9:30~21:00
- 定休日
- なし(臨時休業あり)
狸小路5丁目にある「おみやげの店しらかば」。店主さんに人気のお土産を伺ったところ、観光客の方に人気なのは石屋製菓の「白い恋人」をはじめ、ロイズ(ROYCE')やHORIなどお菓子とのこと。やっぱり、定番が人気なんですね。
おみやげの店しらかば
- 住所
- 北海道札幌市中央区南2条西5丁目(狸小路5丁目)
- 電話番号
- 011-222-7888
- 営業時間
- 9:00~21:00
- 定休日
- 年中無休
その他のおすすめスポット
狸小路商店街に来たらぜひ訪れてほしい、その他のおすすめスポットを紹介します。
まずは、「狸小路一丁目 質蔵屋」の前に置かれた2頭のヒグマの剥製。20年以上前から置かれていて、隠れた撮影スポットになっており、クマの前で自撮りしている人をよく見かけます。
狸小路一丁目 質蔵屋
- 住所
- 北海道札幌市中央区南3条1丁目12-17
- 電話番号
- 011-222-5858
- 営業時間
- 10:30~19:00
- 定休日
- 年中無休(12/31、1/1、1/2除く)
- 公式サイト
- 狸小路一丁目 質蔵屋
先ほどご紹介した「北海道みやげ たぬきや」の前には、大きなタヌキが2体。こちらも一緒に記念撮影をする人が多い人気スポットです。
さらに、「北海道みやげ たぬきや」の前の通路には、マスコットキャラクター「だっこポン」が狸小路商店街を訪れる観光客を出迎えています!
「狸小路商店街」100周年を記念して建立された「本陣狸大明神社(通称:狸神社)」。狸が持っている大福帳に触ると商売繁盛、お腹に触ると安産など、八つの徳(ハ徳)があると言われ、たくさんの参拝者が訪れます。
以前は狸小路4丁目にありましたが、現在は建物の工事のため仮設置されています。まだ正式な移転先が決まっていないそうなので、ぜひ探して参拝してください。
狸小路からはちょっと離れますが、札幌市民の台所・二条市場もおすすめ。狸小路1丁目から創成川通を渡ってすぐの場所にあり、100年以上の歴史を誇ります。道内各地から届く旬の魚介をはじめ、新鮮な野菜、フルーツなどがお手頃価格で購入できます。
二条市場
- 住所
- 北海道札幌市中央区南3条東1~2丁目
- 電話
- 011-222-5308(札幌二条魚町商業協同組合)
- 営業時間
- 7:00~18:00(店舗により異なる)
- 定休日
- 店舗により異なる
さらに、狸小路商店街から3分ほど南に歩くと、北海道最大の歓楽街・すすきのです。「すすきの交差点」からは、有名なニッカウヰスキーひげのおじさんの看板を見ることができます。
狸小路商店街までのアクセス
狸小路商店街へは、地下鉄「大通」駅から徒歩約5分、「すすきの」駅から徒歩約3分、市電「狸小路」からは歩いてすぐです。また、JR札幌駅からも徒歩15分ほど。天気の良い日は札幌市内の観光と合わせて、ゆっくり散策してみてはいかがでしょうか。
JR札幌駅から札幌駅前通を南に5分ほど歩くと、右手に赤レンガ庁舎(北海道庁旧本庁舎)が見えてきます。館内は無料開放されてていて、北海道の歴史に関する資料が展示されています。
さらに5分ほど歩くと、東西に伸びる大通公園にぶつかります。左手には、さっぽろテレビ塔も見えます。さっぽろテレビ塔の展望台に上ると、地上約90mの高さから大通公園と札幌市全域の景色を見渡すことができます。
雨降りなど天気が良くない日には、札幌駅前通地下広場(地下歩行空間「チ・カ・ホ」)を歩くのが良いでしょう。JR札幌駅から狸小路商店街まで、地上に出ることなく移動できます。
地下歩行空間は、地下街の「ポールタウン」や「オーロラタウン」につながっていて、いろいろなお店で買い物が楽しめます。また、通路ではその時々で様々なイベントも開催されています。
北海道で最大級、かつ最古の商店街の1つである「狸小路商店街」をご紹介しました。狸小路1丁目から7丁目までの約900mには、200軒以上の店舗が並んでいます。また、2022年7月には狸小路2丁目に北海道各地の食文化を発信する横丁「狸COMICHI」も登場予定で、さらに魅力がアップすること間違いなし!
JR札幌駅からも歩いて行ける場所にあるので、ビジネスや観光で札幌を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
札幌狸小路商店街
- 住所
- 北海道札幌市中央区南2・3条西1~7丁目
- 電話番号
- 011-241-5125(札幌狸小路商店街振興組合)
- 公式サイト
- ようこそ札幌狸小路商店街へ