カメラマンが教える絶景&撮影テクニック~北海道・美瑛の美しい自然~

早朝のマイルドセブンの丘

現地在住カメラマンだから知っている!北海道・美瑛の絶景

十勝岳連峰が噴火を繰り返したことで、なだらかな丘陵地帯を形成する北海道美瑛町は、その風景から「丘のまち」と呼ばれています。今回は美瑛の美しい自然を撮り続けている写真家・中西敏貴さんが、丘をはじめとする絶景スポットと撮影テクニックを紹介します。

 

写真家
中西 敏貴(なかにし としき)さん

1971年、大阪生まれ。独学で写真を学びながら、1990年頃より北海道へ通い続け、2012年に美瑛町に移住。以来、そこに住んでいなければ出合うことができない風景を撮り続けている。光を強く意識した風景作品を主軸に、自然の中に日本の伝統的な造形美を見出す表現にも取り組み、その様子はBS朝日「The Photographers3」やNHKの番組などでも取り上げられた。写真展や写真集のほか、カメラメーカーの広告、各種雑誌、企業カレンダーなどでも精力的に作品を発表している。

中西敏貴さん

 

おすすめの絶景スポット【1】瑠辺蘂の丘

早朝の丘

北海道のほぼ中央に位置する美瑛町は、東京23区とほぼ同じ大きさ。この広大なエリアにある丘の撮影を楽しむためには、いくつかコツがあります。

まずは早朝。春から秋にかけては朝霧が発生することも多く、時には雲海のような光景も見られます。こちらは、穴場の撮影スポットとして知られる「瑠辺蘂(るべしべ)の丘」で撮影。早起きをして、瑠辺蘂の丘の高台で日の出を待ちましょう。霧がオレンジ色に染まるのは、わずか5分ほど。朝だけの幻想的な光景を楽しんでください。

 

マイルドセブンの丘

高台から東を向いて朝霧を撮影したら、次は少し丘の下に降りて西側にカメラを向けてみましょう。すると、空には「白い虹」が浮かんでいるかもしれません。雨よりも粒の小さい霧が発生しているときに見られる虹は七色ではなく、白くなるのです。

 

瑠辺蘂(るべしべ)の丘

住所
北海道上川郡美瑛町瑠辺蘂
アクセス
【電車】JR「美瑛」駅より車で約12分

 

 

おすすめの絶景スポット【2】青い池

白金青い池

早朝撮影を終えたら、水面が青く見える不思議な池「青い池」に向かってみましょう。幻想的な朝の青い池も素敵ですが、青空の色が強くなる日中の方が、より水の青さが際立ちます。

撮影の際は必ずPLフィルターを使って、水面の反射をコントロールしましょう。すると、水の色がさらに強調され、より印象的な写真に仕上がります。

 

 

白金青い池

定番の構図だけではなく、ちょっと個性的な構図を撮ってみるのもいいでしょう。立ち枯れた木々の映り込みに着目し、水の青と背景の緑だけで画面構成をしてみると、まるで抽象絵画のような写真が完成します。

 

青い池

住所
北海道上川郡美瑛町白金
アクセス
【電車】JR「美瑛」駅より車で約20分、または道北バス「白金青い池入り口」下車、徒歩約5分

 

 

丘の風景だけじゃない!美瑛のおすすめスポット

那智美瑛火祭

美瑛には自然の風景以外にも、おすすめのスポットがあります。

中でも、恋愛成就のパワースポットとして有名なのが美瑛神社。境内にはいくつものハートマークが隠されているので、それを探すだけでも楽しめます。夏に開催される「那智・美瑛火祭り」も有名。たいまつを担いだ男性たちが境内を練り歩く姿は、迫力満点です。

 

美瑛神社

住所
北海道上川郡美瑛町東町4-1
アクセス
【電車】JR「美瑛」駅より徒歩約5分

 

美瑛産小麦を使ったパン
美瑛産小麦

また、美瑛は道内有数の小麦の産地。町内には美瑛産小麦を使ったパンやスイーツなどを提供するお店も多く、グルメ旅をするにも最高。早朝から動き回ってお腹が空いたら、いよいよランチの時間です。

 

中華料理「ちゃい」

美瑛のランチでおすすめなのが、JR美瑛駅からもほど近い中華料理の「ちゃい」。特に担々麺は、一度食べたら病みつきになるおいしさ! 道内食材にこだわり、北海道中華というジャンルを確立しつつある名店の担々麺は、美瑛に来たら絶対に外せない逸品です。

 

麻婆豆腐

さらに、山椒の効いた麻婆豆腐もおすすめ。ランチタイムには担々麺と麻婆丼のセットメニューもあります。

料理が提供されたら、冷める前に写真を撮ってみましょう。少し逆光で撮影すると、湯気などが写ってより臨場感を演出できます。

 

ちゃい

住所
北海道上川郡美瑛町旭町1-1-4
営業時間
ランチ/11:00~14:30 ディナー/18:00~20:30(予約制) ※日曜定休
アクセス
【電車】JR「美瑛」駅より徒歩約10分

 

 

おすすめの絶景スポット【3】森の神様

森の神様

昼食を食べたら丘を離れ、森の中に入ってみましょう。美瑛の町から旭岳方面へ車を走らせると、天人峡(てんにんきょう)という渓谷があります。その渓流に沿った森の中にある巨木が「森の神様」です。樹齢900年とも言われるカツラの木ですが、その存在感は圧倒的。

こういった木を撮る場合は、広角レンズで見上げるように迫ってみましょう。巨木の大きさをさらに強調して描くことができます。ただし、熊の棲息地帯なのでくれぐれもご注意を。

 

 

おすすめの絶景スポット【4】新栄の丘展望公園

 

新栄の丘

1日の終わりは、夕焼けで締めくくりましょう。美瑛には人気の夕焼けスポットがいくつかありますが、個人的におすすめなのが「新栄の丘展望公園」です。

夕焼けを撮影する際のポイントは、カメラの設定よりも少し暗めに撮ること。肉眼では丘や林のディテールも見えているのですが、そのままでは思ったように空が赤くなりません。そこで少し露出をアンダーにすることで、印象に近い空の色を引き出すことができます。

 

新栄の丘で食べるソフトクリーム

「新栄の丘展望公園」には駐車場やトイレも完備されている上、朝搾りの生乳を使ったソフトクリームを販売するお店もあります。真っ赤に染まる西の空を眺めながら、旅の余韻を感じる時間も素敵です。

 

新栄の丘展望公園

住所
北海道上川郡美瑛町美馬牛新栄
アクセス
【電車】JR「美瑛」駅より車で約7分

 

写真・文/中西 敏貴
 

 

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