札幌の奥座敷として知られる「定山渓温泉」。札幌市内にありながら、豊かな自然と本格的な温泉が楽しめる湯の里に、おこもりステイにぴったりのお宿があります。「定山渓温泉 ぬくもりの宿 ふる川」は、専用ラウンジに温泉、旬のお料理と、滞在そのものが楽しい宿です。最上階の露天風呂付客室と素敵な滞在をご紹介します!
※新型コロナウイルス感染拡大に伴い、自治体独自の緊急・非常事態宣言発出、不要不急の外出自粛を要請している場合があります。また、店舗等の営業時間が通常と異なる場合がありますので、最新情報を各公式サイトでご確認のうえ、体調や安全に十分に注意してお出かけください。
市街地からほど近い道央の温泉郷「定山渓温泉」
定山渓温泉は、北海道札幌市の中心市街地から車で約1時間という好アクセスな温泉地。開湯150年余りの歴史があり、自然豊かな渓谷沿いに温泉街が広がっています。
インバウンドの筆頭観光地となった北海道ですが、定山渓は今でも道内からの観光客が多く訪れる落ち着いた環境なので、日常から離れてのんびりしたい「おこもり旅」にぴったりのスポットです。
「定山渓温泉 ぬくもりの宿 ふる川」までのアクセス
「ぬくもりの宿 ふる川」では、札幌駅まで一日一便送迎バスを運行しています。
時間が合わない場合は、札幌駅発の定山渓温泉直行バス「かっぱライナー号」(約60分)が便利。また、新千歳空港からも直行バス「湯ったりライナー号」(約100分)が発着しています。最寄りのバス停「定山渓 湯の町」で下車すれば、宿はすぐ目の前です。
ふるさとを感じる、親しみのある和のおもてなし
大きな提灯が下がった立派な玄関をくぐると、ロビーには品の良いお香の香りが漂います。故郷をテーマにしているそうで、木の質感を生かした内装には、どこか田舎の親しみやすさを感じます。スタッフの制服も作務衣のようなデザインで、いずれも、お客さまを緊張させないようにとの思いからだそうです。
「いっぷく庵」でウェルカムドリンクの甘酒をいただく
ロビー横で、鍋が掛けられた囲炉裏をみつけました。こちら「いっぷく庵」(午後3:00〜深夜0:00)では、到着したお客さまに手づくりの甘酒が振る舞われています。夏は冷やし甘酒やレモン水などが出されるそうです。北海道のお米で作られた甘酒のほのかな甘みに、ほっとひと息。歓迎の気持ちがうれしいですね。
山小屋風の1階ラウンジ「であひ処」
ゆったりとくつろげるソファと書籍が並ぶ、1階ラウンジ「であひ処」(朝6:00~深夜0:00)。名門TANNOYのスピーカーから心地よい音楽が流れる大人の空間です。本は貸し出し自由で、宿泊者は無料でコーヒーやハーブティーなどのフリードリンクが楽しめます。
特別フロア「月星」の露天風呂付特別室
おこもり滞在におすすめしたいのが、最上階フロアの露天風呂付特別室です。大きく見晴らしの良い窓からは山の緑が眺められます。温泉宿らしく、裸足でくつろいだり座ったりが心地よい落ち着いた空間。Bluetoothスピーカーがあるので、自分のスマホからお気に入りの音楽を流すこともできます。
メゾネットタイプのお部屋なので室内にらせん階段があり、上ると露天風呂のあるテラスに出ます。好きな時間に温泉に浸かって、屋上の開放感を満喫しながら読書をしたり、星空を眺めたり……。誰にも気兼ねせず過ごせますね。
お部屋には、タオル類、部屋着と羽織。バスローブも用意されています。部屋着は上下セパレートタイプで、館内を移動する際も動きやすくて快適です。後ほど紹介する「ナイトラウンジ」へ向かう際は途中で草履を履くので、用意された足袋ソックスを履いてのお出かけをおすすめします。
お部屋の洗面台は広く、歯ブラシや綿棒などのアメニティが一通りそろっています。洗顔、化粧水、乳液のほかに、フェイスパックなどもありました。特別室は他の客室より充実しているようです。女子同士で泊まるのも楽しそうですね。
お部屋での滞在にはうれしいカプセル式のコーヒーマシーンがあります。冷蔵庫に入っているミネラルウォーターで、すぐにコーヒーやお茶を楽しめますよ。南部鉄器の急須もかわいくてテンションがあがります。
家族連れにおすすめ「和室2間」の客室
ほかの階のお部屋も見せていただきました。こちらは和室2間続き(10畳+6畳)で、囲炉裏が風情ありますね。6名まで泊まれるそうなので、親孝行を兼ねた家族旅行も良いかもしれません。
「月星」宿泊者専用ラウンジ「ひだまりテラス ここの木」
8階にある「ひだまりテラス ここの木」は、特別フロア「月星」の宿泊者だけが無料で利用できるラウンジです。利用者が限定されるため気兼ねなく部屋着のままゆったりと過ごすことも。明るい日差しが差し込む最上階、インテリアも素敵です。
奥には足湯もあります。夜には星空を眺めながら足湯に浸かって語らうのもいいですね。
ここで提供される飲み物やおつまみは全て無料です。昼はアサイージュースや水出しコーヒー、ビールなどが用意されています。時間によって出されるものが変わるそうで、ちょうど蒸し野菜ができあがっていました。
日没を過ぎると、キャンドルに明かりが灯り、昼とは違った雰囲気の大人の空間に変わります。
夜はアルコール類の種類が増えて、ナッツやチーズなど、お酒に合うおつまみが出ていました。
お酒はポピュラーなものからご当地らしくニッカウヰスキーまでさまざま。梅酒などの女性が好むものもあります。こちらの白ワインはふる川オリジナル。豊潤な香りが気に入って、思わずもう一杯。
翌日、朝食会場に行く前にのぞくと、冷えた牛乳やフレッシュジュースと一緒にクロワッサンが出ていました。いつ行っても何か素敵なものに出会えるラウンジです。早起きが楽しくなります。
四季折々の風景を感じる大浴場
地下1階、静かに自分と対話する露天「奥の湯 ゆ瞑み(ゆめみ)」
地下にある源泉かけ流し露天風呂「奥の湯 ゆ瞑み(ゆめみ)」は、定山渓の開祖・定山が湯守をした「壱の湯」をイメージして作られています。古木を用いて組んだ建物は、照明がしぼられた静かな佇まい。深くリラックスできるように瞑想浴をおすすめしているそうです。
大浴場1階「月地の湯」、2階「花天の湯」
複数の湯船がある大浴場。洗い場も広く快適です。定山渓の石をふんだんに使い、温泉の原風景をイメージした「月地の湯」。明るく白いタイルが印象的な「花天の湯」。露天風呂から四季折々の自然を感じられるロケーションです。明るい時間に入るのをおすすめします。
女性にぜひ入っていただきたいのが、80度の源泉から蒸気を取り入れた、よもぎの「温泉蒸し風呂」と「高濃度温泉水素風呂」。細かな気泡に包まれる水素風呂は、毛穴の汚れを落ちやすくして、美肌、抗酸化力向上など、アンチエイジング効果が期待できるそうです。
湯上がりにくつろげる「湯ともりラウンジ」
温泉棟の3階にある「湯ともりラウンジ」では、湯上がりにうれしいお酢ドリンクや水素水が無料でいただけます。スピーカーから流れるヒーリングミュージックを聴きながら、マッサージチェアやソファでリラックス。温泉の待ち合わせ場所にもおすすめです。
個室の食事処で旬の懐石料理に舌鼓
夕食は個室食事処「壺中天(こちゅうてん)」で、懐石料理をいただきます。キリッと冷えた食前酒はゆずの香り。先付の桜寄せ豆腐を口に入れたとたん、お花見をしているような明るい気持ちになりました。香りのコントロールが秀逸です。料理人の腕の良さが伝わって、次の料理が楽しみになります。
桜鱒文化蒸し、牛ザブトンは新玉ねぎと山わさびのソースをかけて。どの料理もセンスの良い組み合わせで、シンプルなようでいて奥深いおいしさを感じます。
夕食で一番のお気に入りが、甘鯛のうろこ焼きです。立ち上がったうろこのパリパリ食感がたまりません。自分でソースをかけたり、組み合わせの妙で季節を表現したり、食べることを五感で味わえる素晴らしいコースでした。
デザートは桜アイス。透き通った青いソースをかけてからレモンを搾ると、ソースの色が桜色へと変化します。とってもきれい!最後まで楽しませていただきました。
宿泊者限定「定山の森ナイトラウンジ」でくつろぐ
夕食後は温泉棟から渡り廊下を通って、敷地内にあるナイトラウンジへ行ってみましょう。足湯やラウンジを備えた「心の里 定山」。日中は一般客も利用できますが、夜間は宿泊者のみに開かれています。
山小屋風の内装にヒーリングミュージックが流れる室内。ソファやチェアが大きな窓に向かって間隔を開けて配置され、景色を眺められる居心地の良い空間です。
「自然専門書ライブラリー」には、おもに北海道の自然にまつわる書籍や写真集が多く並べられています。野生動物の写真展示もありました。
無料でいただけるホットワインや焼きリンゴ、クッキーなどのお菓子が用意されています。スタッフさんたちのお手製だと聞き、おもてなしの気持ちにほっこり。リラックスタイムを妨げないためにセルフサービスになっています。
屋外の足湯にも浸かってみました。滝の流れる音、かがり火のゆらめきを眺めながら、森の香りに包まれて自然と一体になるような心地よさ。こんなふうに頭を空っぽにする時間も大切ですね、心の疲れが浄化されたような気がしました。
一日のシメは札幌の定番「〆パフェ」で
今や札幌の新しい名物となった「〆パフェ」、食べたい方も多いのではないでしょうか?
事前に予約すればナイトラウンジでいただくことができます(別途 1,000円)。隣接するスイーツ店「ジェイ・グラッセ」のパティシエが材料からこだわった手づくりで、この日はバニラアイスに白玉やマカロンが乗った抹茶パフェでした!
東洋の芸術品を鑑賞できる「東洋古美術 中島文庫」
「心の里 定山」の隣には、東洋の古美術品を展示する「東洋古美術 中島文庫」(開館時間は10:00~17:30)があります。日本の古九谷や中国明清時代の皿などを間近で鑑賞できる施設です。おこもり滞在をしながら芸術が生まれた時代に思いを馳せてみては。
一日25名限定の「料理長特製の朝食膳」
朝食は、特別フロア限定の「料理長特製の朝食膳」をいただくことにしました。 朝食も御膳というのは贅沢ですね。朝食バイキングとどちらにするか、夕食時に指定できます。席につくとスタッフが料理を用意してくれます。オレンジジュースや牛乳もお好みで選べますよ。
滋味あふれる朝食です。おこげが香ばしい蟹の釜飯、鯛の味噌汁。定山渓の温泉水で蒸し上げるホタテと野菜。はじめは多いなと思ったのですが、たまご焼き、よもぎの湯豆腐、どれも体に染み入るような優しさで、疲れを癒やす温泉と相性がいいなと感じます。朝から完食!
うれしいことに、朝食でも食後のスイーツとフルーツがでてきました。表面がカリッと香ばしい焼きプリンは、卵の風味が感じられる優しい甘さ。カラメルソースをかけていただきます。
隣接する「おもひで屋」で、人気のお土産をチェック
お土産店「おもひで屋」で、人気の商品を教えていただきました。定番人気は、朝5時からお店で手づくりしている「湯の里 温泉まんじゅう」。黒糖とよもぎの2種類あり、もちもちした皮が特徴です。よもぎは常連さんに好評ですぐ売り切れてしまうとか。
こちらは定山渓温泉のPR隊長「かっぽん」のグッズ。定山渓のカッパ淵に住むゆるキャラで、若い女性に人気です。ソックスやラバーマグネットなど充実のラインナップ。かっぽんのかわいい表情に、思わず連れて帰りたくなります。
特別フロアのお部屋とラウンジで最上級の「何もしない」を楽しむ
特別フロアは宿泊客しか出入りしないのでとっても静か。まるでセレブのような気分です。温泉で温まったら、ラウンジでドリンク片手に日向ぼっこ、そのままうたた寝。宿を楽しむって、いいですね!
翌日には身も心も軽くなっていて、何もしないという癒やしの力を実感した滞在でした。ぜひみなさんも「定山渓温泉 ぬくもりの宿 ふる川」で、素敵なおこもり時間を過ごしてみませんか?
定山渓温泉 ぬくもりの宿 ふる川
- 住所
- 北海道札幌市南区定山渓温泉西4-353
- アクセス
- じょうてつバス定山渓線定山渓湯の町下車すぐ。
無料送迎バス毎日1便運行/大通西1丁目NHK前出発。事前予約制。先着順 - チェックイン
- 15:00 (最終チェックイン:19:00)
- チェックアウト
- 10:30
- 総部屋数
- 55室
取材・撮影・文/Junko Saito