提供:ことりっぷ
食にまつわる道具店が800mにわたって並ぶ、浅草近くの商店街「かっぱ橋」。その始まりは古く、大正初期までさかのぼります。羽釜を商う店として明治時代に創業した「釜浅商店(かまあさしょうてん)」は、その歴史を見守ってきた老舗店です。プロだけではなく、一般の人にも目利きが選び抜いた道具を紹介しています。
かっぱ橋でひときわ目立つ老舗店
羽釜が染め抜かれた大きな暖簾が目印。パリにも支店がある
釜浅商店は道を挟んで、料理道具全般を扱うお店と、包丁だけのお店に分かれています。「良い道具には良い理(ことわり)がある」をコンセプトに、プロの目にもかなう料理道具がずらりと並びます。店内は明るく、入りやすい雰囲気。外国人の姿もちらほら。スタッフも常時いるので、初心者も詳しく説明をしてもらえます。
商品が整然と並んでいる店内。2階にはよりプロ向けの料理道具が並ぶ
お料理がランクアップ♪職人技が光る道具たち
(左)「姫野作 本手打アルミ行平鍋」1万1220円 ~、(右)「釜浅の鉄打出しフライパン」5940円~
よい道具を使うと、料理の味が変わってきます。一つは手に入れたいのがフライパン。釜浅商店オリジナルのフライパンは、日本で唯一機械で打ち出して作っています。そのため丈夫に仕上がり、厚手で蓄熱性が良く均一に火が通ります。
大阪の職人が手打ちをした行平鍋も自慢の品。丈夫で厚手のため、ゆっくり火が入り煮物などがふっくらと仕上がります。火が入りすぎて焦げる、という失敗も少なくなります。
お弁当の卵焼きもこれで上手に焼けそう
木の香り漂う調理道具で、蒸し料理を美味しくいただく
釜浅の焼印入りのせいろは鍋や中華鍋と組み合わせて使っても。下段の釜浅のミニ和せいろ15㎝~など
電子レンジでも食材は蒸すことができますが、せいろでもっと美味しくしてみませんか。国産ヒノキのせいろは、それ自体も蒸気を吸収するため、食材が水っぽくなることなくふっくらとした仕上がりに。蓋を取るとヒノキの香りがキッチンに広がって癒されます。気分も上がりそうですね。
(左)江戸びつ(さわら)15㎝8085円、(右)拭き漆江戸びつ外側のみ15㎝~1万7600円
置いておくだけでインテリアになりそうな小ぶりのおひつも。ご飯を移すだけではなく、余分な水分をおひつが吸ってくれるので一味違うおにぎりも作れます。
テーブルにあっても美しいデザイン。働き者の調理小物
左から、銅線巻湯豆腐スプーンみの(角)825円、和味お玉穴明990円、和味あく取990円
釜浅商店の調理小物は、プロが使う機能美や存在感があります。豆腐すくいや、小ぶりなあく取りなどは、食卓に置いても美しいデザイン。飲食店の薬味入れに、プラスチック製のふたをつけた保存容器は人気の品。衛生的で美しく、深さがあるので小さくても量が入ります。
サイズが豊富なステンレス深型バット00号473円~、ステンレス蓋00号 341円~、樹脂蓋00号231円~
どんな料理を作ろうか考えながら道具を選ぶ時間は、幸せなひとときです。気分も味も上げてくれる品を探しに、足を運んでみませんか。
文:金村朝実(Any place) 写真・依田佳子