京都よりみちこみち 錦小路通【後編】

京都よりみちこみち 錦小路通【後編】

提供:ことりっぷ

 

国内外から「京のおいしいもの」を求めて訪れる人が絶えない錦市場。平安時代には、既に錦小路に市が立っていたといわれます。付近は良質な地下水に恵まれ、その水を使って魚や鳥を保存していたそう。さらに平安京の中心に位置していたので、人の集まる場として賑わったのだとか。

 

前編では、「錦の天神さん」として、多くの人々から厚い信仰が寄せられ、親しまれている「錦天満宮」や、珍味屋さんのふりかけ、食に関する道具を扱う店などをご紹介しました。
後編では、京漬物や生麩といった京都ならではのおみやげや、この秋に誕生した話題のカフェなどをご案内します。

 

卵のおいしさが堪能できるだし巻きサンドとスイーツ

卵のおいしさが堪能できるだし巻きサンドとスイーツ 「三木」をデザインした梅のロゴマークがかわいい

錦市場のだし巻卵専門店が手がけるパンとお菓子の店「三木鶏卵堂」。卵を知り尽くしたプロが作るとあって、メニューによって卵の種類を変えるというこだわりを見せます。たとえば、プリンには濃厚な「静原の平飼い卵」の黄身のみを、だし巻きサンドにはだしの風味が引き立つ「さくら玉子」などと使い分けているそう。
濃厚卵を味わうなら「プリン」1個380円がおすすめ。ほろ苦キャラメルソースも美味しいです。

 

「だし巻きサンド」1180 円。一口食べるとだしの香りがふわり

スイーツと合わせて、「錦の水」で淹れるコーヒーもぜひ。店内にはイートインスペースもありますよ。

 

外はカリッと、中はもっちり「カヌレ」1個320円。卵の風味 とバニラの香りが、懐かしさをかきたてる焼き菓子

 

パパが娘のために愛情込めて手作りした餃子が原点

パパが娘のために愛情込めて手作りした餃子が原点 おしゃれカフェのようにも見えるたたずまい。ランチからディナーまで通し営業なのも◎

フレンチMOTOÏの前田シェフによる新展開のお店「モトイギョーザ」。仕事で会えない娘さんのために作った餃子をきっかけに、コロナ禍を経て、料理人が世間から求められていることを考えた結果がこのレストランだったそう。

 

カウンターにはドリンクに使う自家製のフルーツシロップがずらり。実はドレッシングやラー油も自家製なんです。

 

サラダ(鶏胸肉のコンフィよだれ鶏ソース)、ご飯、みそ汁などが付く「プレミアムパパ餃子ランチ」1200円(11:00 ~ 14:00)

ニンニクを使わずに、豚肉、エビ、パクチーを加えたパパ餃子は、添加物を使わないので安心して口にすることができ、みそ汁やサラダに使われる大原野菜も新鮮そのもの。パパ餃子はオリーブオイルと塩で味わうのがおすすめです。

 

MOTOÏの鶏ガラのブイヨンを使ったスープでセロリ餃子を煮込んだ「野菜たっぷり 水餃子」1450円。余ったスープでチーズリゾットも

 

職人たちが作り上げる食卓を飾る彩り豊かな京漬物

職人たちが作り上げる食卓を飾る彩り豊かな京漬物

1940(昭和15)年に京都の島原で創業した打田漬物は、戦後間もなく錦店を開店。今も、工場では重石を調整したり塩加減をしたりと職人の手仕事が見られるそう。

 

漬物樽が並ぶ店先

店内には、常時50種類以上の京漬物が揃い、これからの年末年始には、京野菜の聖護院かぶらを薄くスライスして昆布と漬ける「千枚漬」756円や、淡いピンクの「緋の菜漬」594円が旬を迎えます。

 

独特の酸味がある「丸すぐき」1080円(左奥)や、あっさり塩味の「みぶな漬」496円(右奥)も伝統ある京野菜を漬けたものです。

 

天皇が愛したスイーツにも精進料理にもなる生麩

天皇が愛したスイーツにも精進料理にもなる生麩

古くは京都御所に麩を納めていた「麩嘉」に並ぶのは、小麦粉のグルテンと餅粉を合わせ蒸した生麩。60%以上が水分である生麩の味を左右するのは水。店では地下水を使っています。

 

もともとは魚や肉を禁じられた僧侶のタンパク源として重宝されていましたが、やがて京料理の食材に。それ自体に味はなく、味噌をつけて田楽にしたり、鍋物に入れたりして味わいます。

 

「麩饅頭」1個240円

また、明治天皇のアイデアで作られたという「麩饅頭」は京みやげとしても喜ばれそう。自家製こし餡を青のり風味の生麩で包んでおり、冬には「黒豆餡入り麩饅頭」などの限定品も登場します。

 

「鯛焼き麩」1個260円

餡を生麩で包み、注文してから焼き上げてくれる「鯛焼き麩」1個260円もおすすめ。イートインスペースで焼きたてをいただきましょう。

 

老舗和菓子店のとろ〜りできたてわらび餅を錦市場で

老舗和菓子店のとろ〜りできたてわらび餅を錦市場で

抹茶のムースがSNSで話題の雲ノ茶と、わらび餅で知られる和菓子の笹屋昌園がコラボしたカフェ「雲ノ茶 KUMONOCHA 錦市場店」がこの秋に誕生。木のぬくもりが感じられる和モダンのインテリアになっており、木村英輝氏の絵画や、和紙を使った雲をイメージした照明、店奥の緑がアクセントになる癒やしの空間です。

 

最中とドリンクが付く「極み・本わらび餅セット」1480円。ドリンクは抹茶ラテ、ほうじ茶ラテなどから選べる

高品質な国産本わらび粉を使ったわらび餅は注文をしてからひとつひとつ練り上げてくれます。3分で食感が変わるというわらび餅は、まずできたての温かなものを何もつけずに、プルプルとした弾力が出てきたらきな粉や黒蜜と合わせて味変を。

 

笹屋昌園のどら焼きがモダン和菓子に進化「雲ノどら焼き(あずき抹茶クリーム)」420円

 

もっとよりみち

いかがでしたか?もっとよりみちしたい時、食にこだわるのであれば、「京都八百一本館」がおすすめ。スーパーマーケットや和洋のレストラン、屋上農場までを備える食の殿堂です。ホテル内の複合施設「GOOD NATURE STATION」にも体と地球にやさしい味が揃い、どちらも錦市場から徒歩で10分以内の距離です。京都のまち歩きを楽しんでくださいね。

 

 

文:戸塚江里子 写真:小川康貴 編集:ことりっぷ編集部

 

ことりっぷの最新記事

Article survey

お客様のご意見をお聞かせください
このページは気に入っていただけましたか?

旅行ガイドブック「ことりっぷ」編集部がお届け。旅と日常をつなぐ、旅好きな女性のためのメディアです。

※当ページのランキングデータ及び記事内容の無断転載は禁止とさせていただきます。
※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご了承ください。
※(税抜)表示以外の価格はすべて税込価格です。場合によって税率が異なりますので、別価格になることがあります。

 
 

TOP