何でも揃うけれど専門分野もすごい。世界にファンがいる植木鉢のお店も。
セラモール
常滑焼のオンリーワンがずらり
名古屋から南に下って、伊勢湾と三河湾に挟まれた
明るい太陽と海風の知多半島へ。目的地は常滑。
中部国際空港セントレアでおなじみになったエリアですが
実は、日本六古窯(信楽、備前、丹波、越前、瀬戸、常滑)
に数えられ、その歴史は平安時代にまでさかのぼるやきものの里です。
常滑焼の特徴は、時代やくらしの変化とともに
「得意技」を変えてきたこと。
安土桃山時代は茶の湯や生け花、江戸に入ったら暮らしの器、
明治には土管、昭和では衛生陶器に、タイル、植木鉢、
茶の湯の伝統からの急須などなど、多彩なラインアップ。
豊富で良質な陶土が産出されるからこそ、
時代にフィットしたアイテムを供給し続けることができるのでしょう。
こうした多彩な常滑焼を見て、触って、買えるスポットが
常滑焼セラモールです。
急須のことならこちらにおまかせ。手軽なものから高級品まで並びます。
23年前に市内各所に点在していた常滑焼の卸会社が集結。
14の専門店が並ぶ壮観な場所であり、
それぞれオンリーワンの強みを持つお店があり、ご主人がいます。
例えば、セラモールを運営する、
とこなめ焼卸団地協同組合の磯村理事長のお店「磯村商店」。
昭和から続く植木鉢や盆栽関係の常滑焼を扱うお店ですが、
セントレアに降り立った世界のエアラインのパイロットが
忙しい合間に立ち寄り「bonsai」の世界に浸っていきます。
副理事長を務める渡辺さんの「かねよ渡辺陶器店」は
お茶の伝統を引き継ぐ急須の名品が並びます。
「濾す部分が金属かやきものかで味が変わるんですよ」。
デザインはもちろん、機能的な説明も優しく、丁寧にしていただけます。
さらにマニアックな世界が、「花器専科 やまもと」にありました。
店頭には、普通に多彩なアイテムが並んでいますが、
花器のプロフェッショナルや生け花作家の方々にとって
宝の山がお店の裏の秘密のストレージに。
北海道からここだけを目当てに来られる花器好きが
いらっしゃるなど、まさにオンリーワンの世界です。
お店のバックヤードは「宝の山」。プロや愛好家垂涎の品揃えも。
大きな駐車場も用意された「方円館」は、
セラモールの中でもショーケース的な大型の店舗。
気軽な陶芸体験や常滑の作家展なども行われており、
常滑焼全体のアウトラインを知ることができます。
休日には地元の方が企画したマルシェがひらかれるなど、
青空の下、さまざまなイベントも行われます。
気軽なお土産から、マニアックなものまで。
生活や趣味の世界に密着し、豊かに広げてくれる常滑焼。
ただ並んでいるアイテムを見るだけではなく、
ご主人たちとおしゃべりしながら歩けば、
秘密の扉が開き、その魅力にはまっていくこと間違いなし!
とこなめ焼卸団地 セラモール
常滑市金山字上砂原99
名鉄常滑線「常滑」駅下車、車で10分
営業時間・定休日:店舗によって違います。公式の案内を参照ください。