親友と一生の思い出に残る贅沢な冬旅がしたい……。そんな願いを叶えてくれるのが、雪景色が広がる奥日光に佇む2020年7月にオープンしたラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン日光」。
ここはザ・リッツ・カールトンブランド初の温泉や経験豊富なセラピストによるスパトリートメントをはじめ、地元の食材を生かした新鮮で美しい食事、さらに冬にしか味わえない特別なアクティビティなど、女子心をくすぐる数々の非日常体験を心ゆくまで楽しめる場所。
「ザ・リッツ・カールトン日光」で叶える、忘れられない冬のリゾートステイを紹介します。
はらはらと雪が舞う中禅寺湖に寄り添うように建つ「ザ・リッツ・カールトン日光」は、奥日光の自然と調和した穏やかな空間。東京から車や電車でほんの約2時間半の場所にあるとは思えない風景に、これから始まる旅への期待が高まります。
冬の静謐な奥日光で味わえる、家族のような温かなおもてなし
ホテルのエントランスを入ると、やさしい冬の日差しが差し込むアライバル・ロビー、その奥には木のぬくもりが感じられる落ち着いた雰囲気のザ・ロビーラウンジが。
ロビーに座ると、どこからか懐かしく心地のよい香りがしてきます。ひのきをベースに日本のお茶やミカンをイメージしたザ・リッツ・カールトン日光オリジナルの香りだそうです。
無垢の木や暖炉の温かみのある空間や、やさしい香りを味わっていると、着物を着たゲストリレーションの方が笑顔で出迎えてくれました。そのまま部屋に移動してゆっくりとチェックインをすませます。
奥日光の自然と調和した落ち着いた趣の部屋で、目の前に広がる雪景色を
今回宿泊したのは、中禅寺湖を正面に右手に男体山を望む「中禅寺湖ビュー・ダブル」。まず驚いたのは、部屋を開けると同時に、舞台が開演するように自動でブラインドが開いたこと。そして窓一面に一枚の絵のような絶景が! 碧く輝く中禅寺湖と雪化粧をした男体山を満喫できるのは冬だけの特権。時間を忘れてその壮大な景色に見とれてしまいました。
目の前には冬の光にキラキラ光る中禅寺湖が広がります。部屋の右側には奥日光の始まりと言われる、霊峰男体山が広がる雄大な景色が。
部屋のテーブルには、季節ごとに変わるウェルカムフルーツが木箱に入って用意されていました。
この日のフルーツは地元栃木県産の「とちおとめ」。大粒で甘くジューシーないちごに大歓声!
明るい無垢の木材で統一され、居心地のいい空間です。玄関とベッドルームを分けるパーテーションは、栃木県の伝統工芸「鹿沼組子」にインスパイアされたデザイン。
バルコニーとベッドルームの間には、日本建築の縁側をイメージした外の自然と室内を繋ぐくつろぎのラウンジスペース。
ミニバーや電気ケトル、ネスプレッソマシン、TWGの紅茶、スナック類も、部屋の調和を崩さないように、すべて木製の棚の中に収納されています。
ガラス張りの窓から中禅寺湖を一望できるバスルーム。ひのきの香りのバスソルトを入れて、奥日光の景色を堪能しながらのバスタイムも極上の時間です。
部屋のアメニティはすべて英国王室御用達の「アスプレイ」。バスルームには2つのシンクとパウダールームがあり、鏡待ちをせずに2人同時にメイクも! メイク用の照明がついたミラーもあり、女子旅にうれしい配慮がそろっています。
気分が上がる! 綿菓子の霧の中からいちごづくしのアフタヌーンティー
予約をしておいたアフタヌーンティーをいただくためにザ・ロビーラウンジへ。まずは一晩かけてゆっくり抽出された水出し緑茶をいただきます。
そして季節ごとに入れ替わる6種類のお茶から1種類をセレクト。中でも人気なのは、注文が入ってからティースタンドで焙煎する香ばしい香りが漂うほうじ茶。
霧で覆われた中禅寺湖を表現した、綿菓子のヴェールをまとったアフタヌ―ンティースタンドが登場! 子どもの頃のように綿菓子を手でとって口に運ぶと、中から宝探しのように赤やピンクのかわいいスイーツが現れます。この演出とピンクと赤の彩りでテンションが上がらない女子はいません!
3ヵ月に1度ほど季節によって変わるというアフタヌーンティーですが、12月上旬~3月上旬はいちごが主役。いちごの産地栃木県ならではの複数種のいちごを使ったスイーツが並びます。
この日頂いたのは、「とちおとめ」「スカイベリー」「とちあいか」という3種類のいちごを使ったもの。いちごのムースやショートケーキなど、ひとつずつが丁寧に作られ、それぞれに異なる繊細な味わいが口いっぱいに広がって、食べるたびに新鮮な驚きがあります。
ザ・ロビーラウンジ
- 営業時間
- 11:00~17:00(16:30 ラストオーダー)
12:00~16:00(アフタヌーンティー)
※営業時間は状況により変更する可能性があります - 料金
- アフタヌーンティーセット 5,000円(税・サービス料別、要予約、外部からでも予約可)
※シーズンごとに変わるため、料金が変更になる場合があります
アートツアーで日光ゆかりの作品と出合う
ロビー正面には、かつて同じ敷地に建てられていた旧レーキサイドホテル(1894年創業)で使用されていたという日本画が飾られています。
徳川家康公の心霊を駿府久能山から日光へ改葬した当時の行列を再現した作品『百物揃千人武者行列』の一部を木製のパネルとして継承したそうです。
そのほか館内には至るところに日光とゆかりの深い作品を展示。アートを通してこの土地の魅力を再確認できるアートツアーも随時開催されています。
ライブラリーというスペースでは、日光や日本文化にゆかりのある本が並びます。
温かい光と木のぬくもりに包まれたラウンジに彩りを添える苔と花。華々しい切り花ではなく、しっとりとした苔や根を生やした自然の花々が落ちついた雰囲気のラウンジに彩りを添えています。
ザ・リッツ・カールトンブランド初の温泉大浴場で心と体の疲れを癒す
夕食前にリネン素材の着心地のいい浴衣を着て温泉大浴場へ。1200年の歴史を誇る奥日光湯元温泉の源泉を引いた、疲労回復を促し、美肌効果も高いといわれる硫黄泉です。
窓の外の庭園を眺めながら内風呂で十分に体を温めたら、露天風呂へ。目の前は火山から誕生したという、奥日光の自然を体現した大きな火山岩や高山植物が配置された庭園。そこに雪が積もり、幻想的な世界が広がっていました。
内風呂よりも湯温高めの露天風呂は、湯の花が浮く乳白色の硫黄泉。少しとろみのあるお湯は保湿効果が高いといわれ、肌はしっとり。ほてった頬にあたる冷たい風が気持ちよくて、つい長湯をしてしまいそうです。
サウナ好きなら、木のぬくもりが感じられるサウナへ。ヒノキの香りに癒されながら、気持ちよく汗をかくことができます。
脱衣所にはバスタオルやフェイスタオル、ミネラルウォーターやアメニティも充実。速乾性で話題のDyson(ダイソン)のドライヤーが用意されていました。
体が芯から温まったので、スパラウンジで中庭を見ながらひと休み。チェックイン時に貸していただいた館内用のオリジナル風呂敷バッグに必要なものを入れて、部屋に備え付けの浴衣と下駄で気軽に温泉まで移動できます。
風呂敷バッグは4色あって、お土産用に販売も。(30,000円、税・サービス料別)
頑張った自分へのごほうびに極上のスパタイム
毎日、頑張っている自分へのごほうびに、極上のスパトリートメントを。今回はプライベート温泉付きのスパルームで受ける、ボディリラクゼーション・トリートメント60分コース。スパルームでコンサルテーションをしたあと、まずはプライベート温泉で30分、もう一度じっくり体を温めます。
そして、仕上げはプロの手によるトリートメント。一人一人に合わせた適度な圧で全身をマッサージされると、日々の疲れから身も心も解放されていきます。
ここで使用されているのは、英国生まれのラグジュアリースパブランド「ESPA」のオリジナルオイル。香りで癒され、やさしい圧で疲れがほぐれ、究極のリラックスタイムを満喫しました。
スパでデトックスした後は、1892年創業の渡辺酒造の酒粕から作られた甘酒をいただきます。栄養満点という甘酒のすっきりした甘さにほっこり。心まで癒されていくのを感じます。
スパトリートメント
- 営業時間
- 10:00 ~ 20:30(最終受付は最長60分のコースで19:30まで)
※営業時間は状況により変更する可能性があります - 料金
- リラクゼーション・トリートメント60分 19,000円(税・サービス料別)
温泉リトリート(プライベート露天風呂)30分 7,000円(税・サービス料別)
※料金が変更になる場合があります
夕暮れのレークハウスへ。ロマンチックな暖炉の前で素材にこだわったディナーに舌鼓
ディナーは、湖畔に佇むボートハウスをイメージしたウエスタンレストラン「レークハウス」で。中禅寺湖に生息する動植物の絵や、ロープや浮きを使ったアート、釣り竿のリールを模したインテリアや作品が飾られた、落ち着いた大人の空間です。
暖炉の前に座り、夕暮れから漆黒の夜へと移り変わる中禅寺湖を見ながら、ロマンチックなディナータイムが始まります。
「栃木県産の食材にこだわり、素材そのものの味を生かすために、できる限りシンプルで丁寧な料理を心がけています」と、話してくれたのはレークハウス料理長の傳法大輔さん。
その言葉通り、前菜の栃木県産とちおとめや栃木県丸福農園のトマトを使ったカプレーゼは、彩りも美しく、素材の魅力が最大限に引き出された一品。
メインは、足利マール牛の赤ワイン煮とグリルを一皿に。煮込みとグリルを少しずつどちらも味わいたいという人にうれしいメインです。ソムリエが季節ごとにセレクトするというワインとともに味わう極上の料理に、二人の会話も弾みます。
レークハウス
- 営業時間
- ディナータイム 17:00~21:00(20:00 ラストオーダー)
※営業時間は状況により変更する場合があります - 料金
- ディナーコース 10,000円(税・サービス料別)
※料金が変更になる場合があります
大人の時間を楽しむ。ザ・バーの日光オリジナルカクテルで夢見心地に
ここを離れるのも名残惜しくて、ラウンジの奥にあるザ・バーへ。壁一面のシェルフに並べられたアートのようなウイスキーやリキュールは見とれてしまうほどの迫力。
カウンターに座り、日光をイメ―ジしたカクテルの中からおすすめの「アルティテュード 1300」と「雨と苔のジンフィズ」で乾杯。
「アルティテュード 1300」は、奥日光の標高1,300メートルを意味するカクテル。ホテルからほど近い小田代原が黄色に染まる景色にインスパイアされたもので、ウイスキーをベースにすりおろしたわさびがアクセント。一方、朝もやの中の湖畔を歩くイメージから生まれたというのが「雨と苔のジンフィズ」。ごぼうや海藻をお酒につけ込み、朝もやの香リを表現。口に含むと雨上がりのような、爽やかで軽やかな香りが広がります。
お酒が弱い方には、ノンアルコールカクテルのリクエストも。ほのかな灯りにバーテンダーが振るシェイカーの音に耳を澄ませる、大人の時間を満喫できる空間です。
ザ・バー
- 営業時間
- 16:00 ~ 23:00(22:30 ラストオーダー)
※営業時間は状況により変更する可能性があります - 料金
- アルティテュード 1300: 2,800円(税・サービス料別)
雨と苔のジンフィズ: 2,300円(税・サービス料別)
※料金が変更になる場合があります
バルコ二ーのランプが灯された幻想的な部屋
部屋に戻ると、窓の外は漆黒の世界。部屋のライトを消し、ベランダとバスルームの灯りだけを灯すと、引き戸の組子細工が影絵のように浮き上がり、そこは昼間とはうって変わった幻想的な空間。しばし、おしゃべりを止めて、メディテーションのような静かな時間を過ごしました。
心地のいいキングサイズのベッドに寝転んだら、夜更かししながらおしゃべりタイム。今日の楽しかった時間を想い出して話はつきません。
ジュエリーボックスのような特製の木箱に入った朝食
夕食後、部屋に戻ると「明日の卵」と書かれた紙が置かれ、そこには地元の卵生産者の紹介、味の特徴やおすすめの食べ方が書いてありました。それを見て朝食への期待は高まるばかり。
翌朝、部屋に届けられたのは、ジュエリーボックスのような特製の木箱に入った朝食。蓋を開けると、卵料理を中心に地元産の野菜や果物がたっぷり! フレッシュジュースや食後のコーヒーも。和朝食か洋朝食のどちらかを、好みで選ぶことができます。
冬の醍醐味! スノーシュー&エアボードで雪遊びを満喫
“多くの人がまだ知らない日光の魅力を知ってほしい”という思いから、ザ・リッツ・カールトン日光では、日光の自然や、文化、スピリチュアリティを体験できるアクティビティが充実しています。
今回は冬のステイだからこそできる、都会では味わえない雪遊びを満喫するスノーシュー&エアボード体験に参加しました。
ガイドの案内ではじめてのスノーシューを履いて、エアボードができる場所まで雪の中を進みます。はじめは歩くのに苦労しても、コツをつかめば簡単。
誰も歩いていないフカフカの雪の上を歩く気持ちよさに、足がどんどん前に進みます。途中うさぎの足跡を発見! ガイドさんから教えてもらう奥日光の動植物のお話にも興味津々です。
なだらかな傾斜についたら、ガイドのレクチャーに従って、エアボードに腹ばいになり坂を滑ります。地面と顔の距離が近いのでゆるい坂でも大迫力! 途中で雪の中に埋もれて、子どものように大笑い。大人になってから思いっきり雪遊びができるなんて、とても貴重な体験です。
「アクティビティに参加したお客様から『こんな日光がキレイなところだとは知らなかった』、とお声を頂くことが多いんです」と、ゲストエクスぺリエンス マネージャーの蛭子恵さんが教えてくれました。確かに今回のアクティビティでホテルステイだけでない、日光という土地と結びついた心に深く残る思い出をつくることができました。
「私たちはご予約いただいたときから旅が始まると考えています。ですから、事前にどんな小さなことでもご相談いただければ、お客様の滞在がもっと記憶に残るような旅の情報や提案を一緒に考えたいと思っています」と蛭子さん。滞在する前から旅のプロに相談することで、旅をもっと思い出深く、楽しむことができることをはじめて知りました。
アクティビティ
- 料金
- 12,500円/1名(税・サービス料別)
※最小催行人数2名(1名での参加の場合は、2名分の料金が必要となります)
※料金が変更になる場合があります
真心のこもったお守りを胸にチェックアウト
チェックアウトの際に、ホテル特製のお守りをいただきました。ゲストの旅の無事と幸せを祈願したというスタッフの真心が込もったお守りは、仲良し2人旅の宝物。
エントランスを出ると「いってらっしゃいませ」の言葉とともに、お見送りの鐘の音が……。たくさんの想い出を胸に、来年の冬も、新緑の季節も、また新たな記憶に残る旅を味わうためにここへ戻って来ようと約束して、夢のような非日常の旅が終わりました。
ザ・リッツ・カールトン日光
- 住所
- 栃木県日光市中宮祠2482番地
- アクセス
- 「東武日光駅」「JR日光駅」から東武・湯元温泉行バスで約40分「ザ・リッツ・カールトン日光」停下車
- 総客室数
- 94室
写真/田辺エリ 取材・文/山本美和