北海道釧路市でアイヌ文化と現代アートの祭典「阿寒アイヌアートウィーク」が開催【楽天トラベル】

公開日: 2024/10/30

北海道の阿寒（あかん）湖畔でアイヌ文化と現代アートが融合するアートの祭典「阿寒湖アイヌアートウィーク」が、2024年11月23日より約3週間にわたって開催されます。会場は、阿寒湖温泉と阿寒湖アイヌコタン周辺。アイヌ文化が根付いたこの地で、体験プログラムや体験ツアー、舞台芸術など、趣向を凝らしたプログラムが実施される予定です。

アイヌの芸術性と宗教観を体感

JR「釧路駅」から車で約1時間半、自然あふれる道東エリアには雄大な阿寒湖が広がっています。2024年11月23日から実施される「阿寒アイヌアートウィーク」は、阿寒湖畔で行われる伝統芸術とアートの交流による実験企画。創り手同士の出会いを促し、アイヌ芸術を次の100年へとつなげていくのが目的です。

会場は、阿寒湖温泉と阿寒湖アイヌコタン。120人が暮らす北海道内有数のコタン(集落)である阿寒湖アイヌコタンでは、1959年より「すべてのものに魂が宿る」という信仰のもと、「触れ合う・つくる・食べる・受け継ぐ・解き放つ・自然と生きる」を主軸に豊かな衣食住と芸術の文化が受け継がれてきました。新たな表現を求め続ける創り手の姿は、国内外のアーティストの感性を刺激し、すばらしい化学反応を起こしています。

アート企画展や体験プログラムでアイヌの歴史・文化にふれながら、阿寒湖に生息するヒメマス・ワカサギ・マリモや、周辺の山々を駆け回るエゾシカなど野生生物についても学ぶことができます。

アイヌ文化にインスピレーションを受けた作家たちによる木彫り、ガラス彫刻、刺繍、パフォーミングアートなど多彩な展示物も見どころです。阿寒湖アイヌコタンに滞在する現代アーティストの新作発表も行われます。今回、同イベントのために国内外の現代アーティストが、阿寒湖温泉・阿寒湖アイヌコタン周辺に集結し、フィールドリサーチや滞在を経て制作された作品を発表します。

そのほか、アイヌの伝統を現代の視点で解釈した演目や、自然やものづくりを体験できるツアープログラムなどが行われる予定です。

アイヌの物語を題材にしたステージプログラムとガイドツアーも

同イベントでは、アイヌ文化を歌や踊り、物語を通して理解できるステージプログラムも行われます。演目のひとつである「満月のリㇺセ」は、制作チームと阿寒湖アイヌシアター・イコㇿの踊り手が話し合って創ったこだわりの作品。多様性を受け入れる受容性や、アイヌの人々にとって大切な思想ウレシパモシが表現されます。

「阿寒ユーカラロストカムイ」は、デジタルアートやサウンドデザイン、ダンスなどのクリエイターが集結して誕生した作品。5台のプロジェクターで舞台を立体化し、古式舞踊、現代舞踊、3DCG、7.1chサラウンドを組み合わせた、先進的なステージを堪能できます。

「古式舞踊」では、先祖や神々に対する敬意や感謝を示す儀式「アイヌ古式舞踊」を鑑賞できます。アイヌとカムイをつなぐ祭具「イナウ」は、イナウそのものがカムイであると同時に、カムイに捧げる供物であり、カムイの世界に送る土産。イナウを中心にした伝統的な演舞を満喫しましょう。

アイヌの人々と対話しながらアイヌ文化を体験したい人には、ツアープログラム「Anytime, Ainutime !」がおすすめ。阿寒湖畔の散策や伝統楽器の演奏、アイヌ料理の試食を体験できるプログラムで、「森」「湖」「ものづくり」の3要素で構成されたアイヌ文化を阿寒湖アイヌコタンで暮らす住民から直接学べます。雄阿寒岳のふもとに広がる阿寒湖温泉で癒やされながら、神秘的で美しいアイヌ芸術にふれてみませんか。