札幌からほど近い距離に位置する小樽は、北海道でも有数の湾岸都市。明治から昭和初期に建てられた歴史的な建造物など、ノスタルジックな街並みが魅力的な人気観光地です。また、美しい景色が広がる小樽は、のんびりと楽しむ大人のお散歩デートにもぴったりの場所。
今回は、定番観光スポット「小樽運河」をはじめ、レトロな雰囲気のレストラン「ISO」や、素敵なお土産がみつかる「北一硝子」など、レトロ気分で楽しめるカップルにおすすめのお散歩デートコースをご紹介します。
札幌から電車で約32分!アクセス抜群の小樽
北海道の人気観光地である札幌から小樽までの距離は約40キロメートル。札幌駅から小樽駅までJRで移動する場合、所要時間は普通列車で50分程度、快速エアポートを利用すれば32分程度とアクセスも抜群です。札幌〜小樽間のJRは本数が多く、快速エアポートは日中なら1時間に2本程度運行しているため、それほど待ち時間もなく快適に利用できます。
小樽駅は1934(昭和9)年に東京・上野駅をモチーフとして設計・建築された歴史的建造物。国の有形文化財にも指定されているこのレトロな駅舎は、撮影スポットとしても人気です。
吹き抜けのホールには小樽らしいランプがまるでカーテンのように飾られており、駅舎を温かく包み込んでいます。
小樽駅から運河方面へ、旧国鉄手宮線の廃線跡に寄ってみよう
小樽駅の目の前にある中央通りを進み、小樽運河方面に向かいましょう。
3分ほど歩くと、北海道で2番目に古いアーケードのある商店街「小樽都通り商店街」があります。こちらには、外のパリッとした食感をしたパンのような皮と、あんこなどの中身がぎっしりつまった饅頭である小樽名物「ぱんじゅう」のほか、小樽で獲れた新鮮な魚介を使った海鮮丼のお店など、小樽ならではのグルメスポットも多数あるので、電車の待ち時間などに利用するのもおすすめです。
さらに5分ほど歩くと、人気観光スポットの一つでもある「旧国鉄手宮(てみや)線」の廃線跡に到着します。
1880(明治13)年に北海道初の鉄道として手宮から札幌まで開通し、昭和後期まで道民の移動手段として活躍しましたが、利用者が減少したことから1985(昭和60)年に廃線となりました。
現在は当時の線路をそのまま残し、一部を遊歩道として整備して一般公開しています。 毎年2月初旬に開催するイベント「小樽雪あかりの路(みち)」では、線路沿いにスノーキャンドルが飾られ、幻想的な風景を楽しめますよ。
そのほかにもさまざまなイベントの会場としても利用され、多くの地元民や観光客から親しまれているスポットとなっています。 線路の上を歩ける全国でも数少ないスポットなので、線路の上を2人で手をつないで歩きながら、映画のワンシーンのようなフォトジェニックな思い出の写真を撮ってみましょう。
旧国鉄手宮線
- 住所
- 北海道小樽市色内1
- 営業時間・定休日・料金
- 見学自由
- アクセス
- JR小樽駅から徒歩約8分
- 駐車場
- なし
小樽運河沿いを散策しよう
旧国鉄手宮線の廃線跡からさらに3分ほど歩くと、小樽観光にかかせないスポット「小樽運河」に到着です。
北海道開拓の玄関口として発展してきた小樽港。その小樽港への運搬作業を効率的に行うために、1923(大正12)年に海面を埋め立てて完成したのが、この小樽運河です。
さらに、1986(昭和61)年には運河の一部を埋め立てて散策路や街園が整備され、現在の姿になりました。 運河沿いには石造りの倉庫群が当時の姿のまま残され、現在ではレストランなどに再利用されています。
古き良きレトロな雰囲気の建物が建ち並ぶ小樽運河には、歴史的建造物も多くあります。
レンガ造りが美しいこちらの倉庫は、小樽市指定歴史的建造物でもある「旧篠田倉庫」。内部の柱や梁を木で組み立て、外壁にレンガを積み立てる木骨煉瓦造(もっこつれんがづくり)による、めずらしい構造。現在は内装をリノベーションし、レストランとして利用されています。
また、小樽運河ではクルージングも楽しめます。中央橋の横には運河クルーズの販売所・乗船場があり、そちらでチケットを購入して利用するシステム。ただし、連休や繁忙期などは混み合うので、早めの予約がおすすめです。
小樽運河クルーズは、中央橋を出発して小樽港、北運河、南運河の浅草橋を巡る約40分のクルーズです。間近で見る倉庫群は圧巻! また、日没後はあたたかな灯りが映し出された水面の上を船で巡る、ロマンティックな雰囲気のナイトクルーズも楽しめます。
小樽運河クルーズは通年で運航しており、冬ならシートヒーター付きのクルーズ船が使われているので、寒さを感じることなくクルーズを楽しめます。白い雪に包まれたレトロな街並みを運河から眺める景色は美しく、カメラのシャッターを押したくなるシーンにたくさん出あえるはずですよ。
小樽運河クルーズ
- 住所
- 北海道小樽市港町5-4
- 出航時刻
- デイクルーズ10:00~16:00、ナイトクルーズ16:30~18:30
(季節によって出航時刻や便数は異なります。詳しくはお問い合わせください)
- 問い合わせ
- 0134-31-1733
(受付時間 10:00~最終便帰着時刻)
- 料金
- デイクルーズ 大人(中学生以上)1,500円、子ども500円
ナイトクルーズ 大人(中学生以上)1,800円、子ども500円
- アクセス
- JR小樽駅から徒歩約10分
- 公式サイト
- https://otaru.cc/
運河沿いの散策路には63基のガス灯が設置されています。
夜の小樽運河はガス灯の温かな灯りに包まれ、一層ノスタルジックな雰囲気に。日中とはまた違った美しい景色を楽しむことができます。
また、歴史ある建物が雪で包まれる冬の小樽運河も絶景です。
毎年2月中旬には、イベント「小樽雪あかりの路(みち)」が開催。運河の水面には古い漁具をモチーフにした浮き玉キャンドル、散策路には地元のボランティアによるスノーキャンドルのやわらかな光が、小樽のレトロな街並みを優しく照らします。
小樽運河
- 住所
- 北海道小樽市港町5
- ガス灯点灯時間
- 日没~24:00(6月~8月は18:00~24:00)
- アクセス
- JR小樽駅から徒歩約11分
- 駐車場
- なし
歴史的建造物にあるレトロなレストランでランチ
運河の散策を楽しんだら、小樽運河のすぐそばに建つレストラン「ISO(イソ)」でランチタイムにしましょう。レストラン「ISO」は、歴史的建造物「旧磯野支店倉庫」をリノベーションしています。
ランチは1階で楽しむことができます。築110年以上の赤レンガの壁と、アンティークの建具や窓で組まれた壁に、灯りと影が水面のようにゆらめき、心地いい雰囲気です。
料理はできるだけ小樽産や北海道産の食材を使用した、旬の味わいを提供。注目は、北海道産のコマイの卵を用いた「コマイ子醤油漬けのパスタ(サラダ・スープ・パン・ソフトドリンク付き)」(1,100円・税抜)。主に北海道で水揚げされるコマイは、北海道民にとって馴染みのある魚の一つ。そのコマイの卵を醤油タレに漬け込み、パスタの上にたっぷりのせた贅沢なひと品です。
そのほか、余市産ヒル貝(ムール貝)のカレーや北海道産牛肉のハンバーグなど、多彩なメニューが揃っています。
カフェタイムとディナータイムは広々とした2階で楽しむことができます。冬は薪暖炉に炎が灯り、空間を暖かく包みます。
カフェタイムには多彩な手作りスイーツが勢揃い!青緑色が美しい小樽焼の器で登場する「抹茶のパフェ」(750円・税抜)は、パンナコッタや黒蜜、抹茶シフォンなどが層になっており、食べ進めるごとに違った味わいを楽しめます。目の前で金粉をかけてくれるパフォーマンスもうれしいですね。 なお、一部のスイーツはランチタイムにも楽しむことができます。
ディナータイムには豊富なお酒とともに北海道産の旬素材を使用したパスタや魚介料理、肉料理などを味わえます。食事の利用はもちろん、ディナー後に立ち寄る2軒目や、バーとして利用するのもおすすめです。
ISO
- 住所
- 北海道小樽市色内2丁目2-14
- 営業時間
- ランチ11:30〜15:00(LO14:00)
カフェ15:00〜17:00(LO16:30)
ディナー17:30〜23:00(フードLO22:00・ドリンクLO22:30)
- 定休日
- 水曜日
- アクセス
- JR小樽駅から徒歩約10分
- 駐車場
- 無料(6台)
北一硝子でお土産選び&ガラス作り体験へ!
ランチ後は、小樽のお土産探しに向かいましょう。ぜひ立ち寄りたいのが、老舗の硝子製造販売会社「北一硝子」です。小樽市内にはいくつか店舗がありますが、今回足を運んだのは小樽駅から徒歩約9分、レストラン「ISO」から歩いて12分ほどの場所にある「北一硝子 花園店」。
こちらの店舗は北一硝子のサテライトショップで、北一硝子各店の中で人気の製品を一同に集めています。
数ある商品の中でも人気なのが醤油差し。「波模様醤油差し・小」(1,300円)など、美しい模様が施された多彩な醤油差しをラインナップ。見た目だけではなく、どれも切れが良く使い勝手も抜群です。
真ん中の月をのぞくと万華鏡のようにうさぎの模様が浮かぶ「月見万華鏡グラス」(5,800円)。熟練の職人技が織りなす硝子製品は圧巻です。
北一硝子でストラップ作りを体験
こちらの「北一硝子 花園店」では、好きな硝子製品に絵柄を彫り込む「サンドブラスト」や、個性のあるトンボ玉をつなぎ合わせる「トンボ玉アレンジメント体験」を楽しむことができます。
「トンボ玉アレンジメント体験」は、ストラップやペンダント、ヘアゴムなどを15分ほどで製作できるお手軽なコース。限られた時間の中でも、カップルでの思い出作りにピッタリです。今回は「ストラップコース」を体験してみました。
まずは多彩に揃うトンボ玉の中から、好きなものをいくつかピックアップしていきます。なお、「ストラップコース」は体験料200円のほかに、別途トンボ玉やパーツ代金がかかります。
桜柄のトンボ玉をメインに、パーツや紐を選びました。トンボ玉は種類が豊富なので、どれを使うかつい迷ってしまいますが、それも楽しいひとときです。
作り方はスタッフの方が丁寧に教えてくれるので、手作業が少し苦手な方でも安心して体験できます。
あっという間にオリジナルストラップの完成です!自分だけのオリジナルストラップは愛着が湧くはず。もちろんお土産にもおすすめです。贈る相手をイメージしながらトンボ玉やパーツを組み合わせて、世界に一つだけのオリジナルアイテムを作ってみてくださいね。
北一硝子 花園店
- 住所
- 北海道小樽市花園1丁目6-10
- 営業時間
- 10:00〜19:00
- 定休日
- 1月1日
- アクセス
- JR小樽駅から徒歩約7分
- 駐車場
- なし
ルタオ本店で評判のスイーツを食べながらティータイム
画像提供/小樽洋菓子舗ルタオ
小樽は和菓子から洋菓子まで、さまざまなスイーツが揃っていることも魅力の一つです。小樽ならではのスイーツとともにティータイムを過ごすなら、小樽を中心に北海道に店舗を構える人気洋菓子店「ルタオ」がおすすめ。こちらは、小樽の定番観光スポットである堺町通りにある大きな洋館風の建物が印象的な「小樽洋菓子舗ルタオ本店」です。「北一硝子 花園店」から徒歩15分ほどの場所にあります。
画像提供/小樽洋菓子舗ルタオ
本店では1階はスイーツショップ、2階がカフェスペースになっています。
画像提供/小樽洋菓子舗ルタオ
こちらでぜひ味わいたいのは、本店限定の「奇跡の口どけセット」(1,300円・税抜)。ルタオの大人気商品でもある、とろけるような口どけのチーズケーキ「ドゥーブルフロマージュ」と、上質な素材にこだわったマスカルポーネ・ブリュレ「ヴェネチア・ランデヴー」の2種類がリッチに楽しめます。
画像提供/小樽洋菓子舗ルタオ
食後は1Fのスイーツショップに立ち寄って、なめらかな口どけを楽しめるチョコレート「ロイヤルモンターニュ(9個入り)」(756円)や「ドゥーブルフロマージュ」(1,728円)などをお土産に買って帰るのもいいですね。
小樽洋菓子舗ルタオ本店
- 住所
- 北海道小樽市堺町7-16
- 営業時間
- 9:00〜18:00(2F喫茶LO17:30)
- 定休日
- なし
- アクセス
- JR小樽駅から徒歩約23分、JR南小樽駅から徒歩約5分
- 駐車場
- 特約駐車場あり
明治から昭和初期にかけて建てられた歴史的な建造物などが立ち並ぶ小樽は、独特のレトロな雰囲気があふれるカップルのデート旅にぴったりな街です。小樽から車で20分ほどの場所にある朝里川温泉に宿泊すれば、ノスタルジックな灯りに包まれた小樽の夜をゆっくりと堪能できます。2人の北海道旅行の思い出作りに、ぜひ小樽に立ち寄ってみてくださいね。
取材・撮影・文/佐々木理恵