湧出量日本一の大分県・別府温泉郷。その玄関口となるJR別府駅から徒歩1分の場所に2023年10月、「別府八湯 御宿 野乃別府」がオープンしました。2016年に誕生したドーミーインの和風プレミアムブランド「御宿 野乃」は現在、全国に13施設あり、九州では別府が初お目見えとなります。
「御宿 野乃」ならではの全館畳敷きのくつろぎ感や、ご当地料理を楽しめる朝食に加え、「別府八湯」をイメージした8つの浴場で別府温泉郷をまるごと体感できるのが大きな魅力。1泊2日の宿泊体験を通して感じた、人気の秘密を詳しく紹介します!
目次
人気の秘密①駅からすぐの好立地
JR別府駅までのアクセスは、JR大分駅から普通列車で約12分。大分空港からは特急バス「エアライナー」で約1時間。また、県内の人気観光地・由布院温泉からも路線バスを使用して約1時間で到着します。
「御宿 野乃別府」はJR別府駅の東口から歩いて約1分という、この上なくアクセスの良い場所にあります。大きな荷物を抱えていてもラクチンな上、近隣にはたくさんの飲食店や観光スポットがあるので、徒歩で散策を楽しみたい人にも便利です。
「御宿 野乃」のコンセプトは「駅前の和風ビジネスホテル」ですが、正門の趣はまるで立派な旅館のよう。門をくぐると鯉や金魚が泳ぐ池もあり、和の情緒たっぷりに出迎えてくれます。
人気の秘密②全館畳敷きの心地よさ
玄関を入ると、木の温もりと畳の爽やかな香りに包まれたロビーが広がっていました。「御宿 野乃」では館内すべてが畳敷きとなっており、靴を脱いでリラックスして過ごせるのが大きな特長。小さなお子様連れの方にも安心・快適ですね。
ロビーの随所に、伝統的工芸品に指定されている「別府竹細工」が施されています。格子戸には職人の技を凝らした丸枠の組子があしらわれ、思わず見ほれる美しさ。
竹ひごを編み上げて作られた花瓶など作品も多く飾られていて、別府の風土を感じられる落ち着いた空間に旅の疲れもほどけていきます。
人気の秘密③ゆったり過ごせる和の客室
一人旅にもおすすめのクイーンルーム
「御宿 野乃別府」にはダブルからツイン、スイートまで全7タイプの客室があり、人数や旅のシーンに合わせて選ぶことができます。もちろん全室畳敷きで、ベッドには上質の睡眠を提供するアメリカのブランド「サータ社」製を採用。専用Wi-Fiも完備されています。
大きなローベッドを配したクイーンルーム(定員2名)は、広さ20〜23平米の余裕ある造り。畳敷きのベンチソファやシャワールームも備えており、一人でゆったりと宿泊するのにもよさそうです。
最も多いツインタイプの客室
ツインルームは広さ20~21平米、設備はクイーンルームと同様です。デラックスツインルームもあり、「御宿 野乃別府」はビジネス以外に観光での利用も多いことから、全269室のうち171室がツインタイプとなっています。
ドーミーインでは珍しいスイートルームも
プレミアム感を味わいたいなら、館内に1室のみのスイートルームはいかがでしょう。寝室が2部屋あり、4名まで宿泊可能。リビングに隣接したこちらの寝室には、クイーンサイズのベッドが置かれています。
ソファやデスクが設置されたリビングは開放感あふれ、自宅にいるかのようなリラックスした気分で過ごすことができそう。
もう一つの寝室はツインベッド。落ち着いた配色が心地よく、ここにも竹細工が飾られていました。
別府湾を眼下に入浴できる露天風呂も備わっています。42~43度の源泉かけ流しの湯を水で調整し、好みの温度で湯浴みを楽しみましょう。
そして、このスイートルーム最大の魅力はサウナ。セルフロウリュ付きで、アロマも3種類から選ぶことができます。絶景を眺めながら好きな時に好きなだけととのう…そんなぜいたくな滞在を味わってみては。
人気の秘密④「別府八湯」が楽しめる温泉
最上階は、まるごと別府温泉郷!
「御宿 野乃」が人気を集める理由として筆頭に挙がるのが、全国13の宿すべてにこだわりの温泉があること。
別府には主に8つの温泉郷があり、それらを総称して「別府八湯(べっぷはっとう)」と呼んでいます。その温泉郷は市内全域に点在していて、それぞれに風景や趣も異なります。「御宿 野乃別府」では、ワンフロアに男女別の大浴場と、7つの貸切風呂を完備。計8つのお風呂で「別府八湯」の湯めぐり気分を楽しめるというユニークな体験ができるのです。
チェックイン時刻の15:00から、チェックアウト1時間前の翌朝10:00(サウナのみ1:00~5:00まで利用休止)まで、いつでも何回でも利用できるので、別府の温泉地をとことん堪能しましょう。
客室に用意されている館内着に着替え、いざ最上階13Fの温泉フロアへ。タオルなどのお風呂グッズは備え付けのカゴに入れて持ち歩けるので便利です。
別府温泉の自家源泉を使用した大浴場
天然温泉の大浴場は男女別で、それぞれに内湯と露天風呂、サウナが備わっています。男湯はカードキー、女湯は暗証番号を入力して中に入りましょう。
男湯は、テラスのような露天に石風呂、釜風呂、ヒノキの樽風呂や湯冷まし用のチェアが並び、ゆったりと入浴を楽しめそう。
ヒノキの内湯は、寝湯スペースもあって広々。大きな窓からは別府湾の絶景が望めます。セルフロウリュ式のサウナに隣接した水深90cmの水風呂は、水の温度を一定に保つチラー付きというこだわりよう。
女湯も設備は男湯同様ですが、洗い場のシャワーヘッドが「ReFa(リファ)」ブランドなのは女性にとって特にうれしいポイント。また、女湯だけのアメニティとして、シャンプー&トリートメントを3種から選べる「シャンプーバー」のコーナーもあります。
脱衣場のパウダールームも十分な広さがあり、ドライヤーも「ReFa(リファ)」やパナソニック「ナノケア」といった人気製品を採用。こうした細部へのこだわりも、ゲストからの高評価につながっているのでしょう。
個性豊かな7つの貸切風呂
同フロアにある貸切風呂もすべて無料。先着順で好きなお風呂を選ぶことができます。
13Fのエレベーターを降りてすぐの場所に案内板があり、各貸切風呂の「湯浴み中」ランプが点灯していたら利用中。客室のテレビでも大浴場や貸切風呂の混雑状況がチェックできるので、参考にしてくださいね。
7つの貸切風呂はそれぞれ趣が異なるので、どこに入るか迷う人も多いはず。こちらは、藁ぶき三角屋根の「湯の花小屋」をモチーフにした内湯「明礬(みょうばん)」。立ち込める蒸気が幻想的な雰囲気を漂わせます。
海側に面した見晴らしの良い露天「観海寺(かんかいじ)」。夜になると浴槽がブルーにライトアップされ、昼間とは違った雰囲気を楽しめます。
サービス充実の「湯あがり処」
温泉と同じフロアには、風呂上りのほてった体を冷ますことができる休憩スペース「湯あがり処」も。棚には漫画が並んでいて、誰でも自由に閲覧OK。窓からは別府湾が一望でき、天気がよければ朝日も望めるそう。
「湯あがり処」の一角にはアイスコーナーがあり、15:00~翌1:00の間はミニアイスが無料でいただけます。
朝風呂派の方には5:00~10:00の間、乳酸菌飲料の無料サービスが。グビっと飲んで、朝から健康促進!
人気の秘密⑤ご当地の味覚満載の食事
80品を超える、豪華朝食バイキング
「御宿 野乃」では、地域ごとのご当地逸品料理がそろう和洋バイキングも大好評です。
朝食会場となる1Fのレストラン「季の庭」に入り、まず目に飛び込んできたのは、船に盛られた旬の海鮮たち。好みのお刺身を醤油ダレに漬け、いりゴマやネギを混ぜれば大分の郷土料理「りゅうきゅう」のできあがり! ご飯に乗せて海鮮丼にするのもおすすめですよ。
ほかにも大分グルメを代表する「とり天」や、地元産のニラを使った「にら豚」や「煮ぐい(筑前煮)」、平たい麺にきな粉と砂糖をまぶした素朴なおやつ「やせうま」など、ご当地ならではの料理がずらり。
なんと、セルフのパンケーキマシンも!食べやすい小ぶりのパンケーキが、1枚約30秒で焼き上がります。ふわふわの生地にバターやメイプルシロップをかけて、焼きたてをいただきましょう。
季節のフルーツやケーキ、プリンなどのスイーツも充実。
大分県産のお米をはじめ、地域食材をふんだんに使用した料理たち。朝から盛りだくさんのラインナップに大満足です。朝食時間は6:30~9:30(最終入店9:00)となっていますが、8:00頃は混雑しがちなので朝一の6:30頃が狙い目とのこと。とはいえ、料理はなくなったら補充してくれるのでご安心を!
夕食付きプランも登場
朝食だけでなく夜もバイキングを楽しみたいという人のために、朝夕2食付きプランも登場しました。ディナーはさらに豪華さを増し、お刺身やにぎり寿司で味わう新鮮魚介のほか、大分県産ポーク鉄板焼き、牛肉すき煮鍋、鶏水炊きなどの肉料理も充実しています。
なかでも注目は、せいろに入った「かぼす湯けむり蒸し」。鶏肉、根菜、海鮮、地玉子などを蒸していただく、別府温泉ならではのご当地料理です。
夜食にはもちろん、名物「夜鳴きそば」を
ドーミーインと言えば欠かせないのが、無料で提供される「夜鳴きそば」(22:00~23:00)です。あっさりとした醤油ベースのラーメンで、ハーフサイズだから夜食にもぴったり。提供時間を逃して食べられなかったという人も、フロントでオリジナルカップ麺をもらえるのがありがたいですね。
人気の秘密⑥あるとうれしいサ-ビスも充実!
1Fのフロント前には、コーヒーや抹茶ラテなどのドリンクメーカーを設置。到着時や食事の後などほっと一息つきたい時に、いつでも無料で利用できます。
13Fの温泉フロアには最新式のマッサージチェアが3台並んだスペースがあり、こちらも無料で利用可能。お風呂上りの体をしっかりと揉みほぐせば、ぐっすりと深い眠りにつけそうです。
同じく13Fにはカラオケルームも。2名用、4名用の2部屋があり、1名1時間1,000円で利用できます(要フロント予約)。
リラクゼーションからエンタメまで、「あったらうれしい」と感じるプラスアルファのサービスまで、しっかり用意されている「御宿 野乃別府」。滞在をより快適に、より楽しく過ごしてほしいという思いが伝わってきます。
周辺スポットもご紹介
フォトジェニックな「竹瓦温泉」
「御宿 野乃別府」から歩いて行ける周辺エリアには、ぜひ立ち寄りたい観光スポットも点在しています。
徒歩10分ほどの場所にある「竹瓦(たけがわら)温泉」は、1879(明治12)年に創設された共同浴場。何度か改築され、現在の建物は1938(昭和13)年に建てられたものだそう。レトロな外観には歴史の温もりが感じられ、ノスタルジックな気分に浸りながら、湯浴みを楽しむことができます。
日本夜景遺産にも認定された「別府タワー」
夜の散策なら、こちらも「御宿 野乃別府」から徒歩約10分で到着する「別府タワー」がおすすめ。
1957年、日本で3番目に建てられた高さ100mのテレビ塔で、別府のシンボルとして親しまれています。日没から23:00まで、タワー全体が季節やイベントに合わせてライトアップされ、幻想的な姿を見せてくれます。
16F・17Fの展望台(大人800円ほか)からは360度の夜景を望め、別府湾や鶴見岳、別府市街地の夜景を楽しめます。
このほか、JR別府駅からは、大分マリーンパレス水族館「うみたまご」や、野生のサルの餌付けを間近で見ることができる「高崎山自然動物園」、「別府地獄めぐり」の各施設へのバスが発着しているので、駅からすぐの「御宿 野乃別府」は別府観光の拠点としてもうってつけです。
畳敷きで快適な客室、趣向を凝らした温泉、郷土料理が味わえる食事、さらに至れり尽くせりのサービスまで。人気の理由が満載の「御宿 野乃別府」は、ビジネスホテルの利便性と温泉宿のくつろぎ感を兼ね備えた、進化系ホテルと言えるでしょう。別府を訪れる際は、ぜひその魅力を体感してみてください。
別府八湯 御宿 野乃別府
- 住所
- 大分県別府市駅前本町2-6
- アクセス
- 【電車】JR「別府」駅より徒歩約1分
【車】大分自動車道「別府」ICより車で約15分 - チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 11:00
- 客室数
- 269室
- 駐車場
- あり/102台(先着順1泊800円※機械式立体駐車場)
撮影/大林博之 取材・文/吉野友紀