南三陸町観光協会の「未来を育む学びのツーリズム」が特別賞。震災の記憶から防災減災を考える旅を提供

第8回「ジャパン・ツーリズム・アワード」授賞式の様子

宮城県・南三陸町観光協会の取り組み「未来を育む学びのツーリズム事業」が、第8回「ジャパン・ツーリズム・アワード」で特別賞を受賞しました。ジャパン・ツーリズム・アワードとは、「旅のチカラ」の再生と持続可能性の確保につながる組織や企業の取り組みを表彰する賞のこと。2024年度は国内・訪日領域105件と海外領域14件もの応募があり、狭き門をくぐり抜けて同事業が特別賞に輝きました。

 

震災から学ぶ防災減災プログラムなど教育旅行を実施

台湾の学生を南三陸町内の民家で受け入れる民泊交流の様子

南三陸町観光協会では、学生の修学旅行や企業の研修旅行などを受け入れるワンストップ窓口を設置して、旅行団体のニーズに合わせて学び・体験・宿泊などのコンテンツを組み合わせた教育旅行を提供しています。

なかでも「楽しさの中に学びが、体験の中に未来が、自然の脅威・恵み・不思議を伝え、自然とともに生きる力を育む」をテーマにした中学高校・大学向けの教育旅行は、年間100校以上が体験。地方ならではの暮らしを体験したり、産業を学んだり、防災減災プログラムや専門機関と共同する「アクティブラーニング」「SDGsプログラム」で学ぶこともできます。

この取り組みを可能にしたのは、一次産業従事者や、震災の語り部ガイド、宿泊施設やホームステイの受け皿となる一般家庭、行政や産業団体といった地域連携。相互にコミュニケーションを取りながら、トレンドやニーズに沿ったプログラムを提供しています。

 

新聞やテレビではわからないリアルな南三陸町にふれる

町民と散策しながら今の南三陸を感じられる「まちあるき語り部プログラム」

同協会では、震災の風化防止を目的とした「防災・震災学習プログラム」を実施しています。町の人と一緒に歩きながら震災や今の南三陸町を感じられる個人向けの「まちあるき語り部」や、団体向けのバスツアーなどを含めた「語り部による学びのプログラム」を行っており、新聞やテレビではわからない被災当時の様子や現在の姿、被災者の想いにふれることができます。

今回の受賞は、公益事業と収益事業の両輪という持続可能な方法で、被災地域が主体となって取り組みを継続している点が評価されました。被災地への訪問によって、旅行者はより深く学ぶことができ、地域は旅行者とともに持続的な観光地域づくりが可能。震災を風化させず、防災減災について考える機会を提供しています。

なお、2022年10月には東日本大震災伝承施設「南三陸311メモリアル」を開館しました。ここでは被災者の証言映像を通して、災害を自分ごととして捉えるラーニングプログラムを実施しており、年間300団体以上が体験しています。活動費を生みながら震災を語り続ける仕組みを創り出した同事業で、前向きに未来へと歩む南三陸町の人々とふれあってみませんか。
 

南三陸311メモリアル

住所
宮城県本吉郡南三陸町志津川字五日町200-1
営業時間
9:00〜17:00
定休日
火曜、12月29日~1月3日
料金
入館無料 ※一部有料エリアあり(一般・大学生200円/小学生・中学生・高校生100円)
アクセス
JR「志津川」駅から徒歩約4分
詳細
「南三陸311メモリアル」公式サイト

 

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