お天気がいい日は、子どもを連れて思い切り自然を体験できるスポットに行きたい! そんなファミリーにおすすめなのが、神戸から六甲山を越えた先に広がる「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢(おおぞう)」です。
道の駅っておでかけ途中の立ち寄りスポットじゃないかって? いえいえ、この「神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」は、堂々と旅の目的地になるようなスペシャルな道の駅です。しかも、神戸の中心部や六甲山、有馬温泉からも車で約30分、六甲北有料道路「大沢IC」を降りてすぐとアクセスも良好。さっそく、ファミリーで楽しめるスポットをご紹介していきます!
マーケット、果樹園、ホテルを備えた道の駅
総面積約100ha(東京ドーム約21個分)にもなる広い敷地には季節の花々や果物が息づき、地元食材が購入できるマーケット、果物狩りができる果樹園、大型遊具のある広場など、魅力的な施設が点在する「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」。こんなに充実していて入園料・駐車料無料なのは道の駅ならでは。
さらには、オランダ国立美術館を模した美しい建物が目をひくホテル「神戸 ホテル フルーツ・フラワー」では、宿泊はもちろん日帰り温泉まで楽しめます。
地元名産品の量り売りカウンターが充実のマーケット
まずはその名のとおり、サーカスのようなかわいい3つのテント風の小屋が並んだ「FARM CIRCUS」。駐車場からすぐの便利な場所にあります。それぞれの小屋には、新鮮地元食材を買えるマーケットや食堂、食文化を発信する情報カウンターなど、さまざまな角度から地産地消を楽しめる施設が入っています。まずは、新鮮な食材や地元ならではの加工品が買える「ファームサーカス・マーケット」へ。
一歩足を踏み入れると、地元の農家さんから届くとれたての野菜や果物が所狭しと並んでいます。秋の一押しは、梨とぶどうです。こちらなんと、パーク内の果樹園で収穫されたもの。とれたてほやほやのこれ以上にない新鮮果実です。
神戸と言えばお肉! 地元で長く愛されている「肉のマルセ」の精肉カウンターでは、「三田マルセ牛」のお肉を購入することができます。但馬系統牛の仔牛を三田近隣でマルセ独自の餌を与えて、28カ月以上かけて大切に育てたブランド牛。最高品質の新鮮なお肉を好きな量だけリーズナブルに手に入れることができるとあって、自宅に帰る前にぜひ立ち寄りたい場所です。特にすき焼き肉は大人気なのだとか。
日本を代表する酒どころのひとつ神戸・灘の酒も見逃せません。目玉は酒蔵「日本酒心館」から届く「福寿」。ノーベル賞の晩餐会でも振る舞われたこの名酒を量り売りの生酒で販売しています。新鮮なうちにいただく必要がある蔵直採り生酒の取り扱いは、蔵元とこちらのマーケットだけ。貴重な生酒ならではのフレッシュな味わいを堪能できます。ただし、ドライバーの方は自宅につくまで我慢してくださいね。
このカウンターでは、神戸市北区産精米の量り売りも。地元の米の恵みが主役のコーナーです。
その他にも、新鮮な「朝いち卵」や「卵黄で作ったこだわりのマヨネーズ」、甘みたっぷりの「北神くり南瓜」、見た目にもオシャレな加工品の数々など、迷ってしまうほどたくさんの名産品がずらりと並んでいます。子どももスーパーの食料品売り場とは違うラインナップに興味津々で、店をぐるりと回るだけでも、家族みんなで楽しめましたよ。
こちらのマーケット棟とお隣の食堂棟の間には、無料の足湯スポットもあります。大沢温泉のお湯でドライブの疲れを癒やしてくださいね。
花と緑あふれるパーク内で果物狩り!
マーケットを楽しんだあとは、パーク内へ繰り出します。西洋風の建物に囲まれて花々が咲き誇る美しい広場は、まるで外国のような雰囲気。ゆったりした敷地を散歩するだけでも、とても気持ちいい時間を過ごせます。
メインストリートの脇の小道を抜けると、先ほどとはまた違う壮大な風景が。この広がる緑が、パーク自慢の果樹園です。こちらでは、季節によって桃、ぶどう、梨、りんごといった果物狩りの体験が可能です。私たちが訪れた時期は梨狩りが開催中だったので、チャレンジしてみました。
受付では、梨を狩るときのコツや、おいしい梨の見分け方などのアドバイスを聞くことができ、プラスチック製のナイフとカゴ、手洗い用のバケツも貸し出してもらえます。また、レジャーシートはその場で購入することもできます。自宅からは、虫除けスプレーや汚れてもよい靴を準備していくといいですね。
いざ果樹園に足を踏み入れると、あちらにもこちらにもおいしそうな梨が。教えてもらったとおりにおいしそうな梨を選んで、手でもぎとります。子どもでも簡単にとることができて大喜び。その場でむいて、梨の木の下ですぐにいただきます。甘くてジューシー! 自分たちでとった梨は一層おいしく感じました。
梨狩り料金:大人1,400円・小人(4歳~小学生)1,000円
※果物の種類によって料金が変わります。
※フルーツガーデンの開園時期は7月下旬頃~10月下旬頃。天候及び果実の成熟状況により前後します。開園中も中止・一時休園する場合がありますので施設に問い合わせください。
果樹園をゴーカートで走りぬけよう!
果樹園のもうひとつの楽しみ方は、ゴーカートでのドライブです! 1周1.2kmのコースの左右に広がる、果樹園からの爽やかな風を感じながら、本格ゴーカートを楽しめます(1台900円)。身長130cm以上で運転できますが、それ以下の小さな子どもは助手席に、2歳以下の乳幼児は助手席側に保護者の膝の上に乗せて乗車できます。子どもと一緒に景色を楽しみながらの爽快ドライブは最高ですよ。
この果樹園の近くには、芝生が広がる多目的広場や、長いローラー式の滑り台のあるわんぱく広場などもあり、子どもと一緒に元気いっぱい体を動かせます。春には桜、6月頃には一面のあじさいが咲き誇るそうです。
ランチは地元食材たっぷりのぜいたく農家ごはんを
たくさん遊んだ後は、おいしいご飯を食べましょう。FARM CIRCUSに戻り、はじめに訪れたマーケットのお隣のテント内「FARM CIRCUS食堂」で、この土地ならではのランチをいただきます。おすすめは、旬の食材がふんだんに使用された季節の農家ごはん(1,100円)。お子様ランチ(580円)があるのもファミリーにはうれしいポイントです。
子ども用のカラトリーも万全。電子レンジも用意されているので、離乳食期の赤ちゃんも安心です。自由に閲覧できる食に関する書籍の本棚には、子どもの食育絵本コーナーも。楽しみながら学んで、待ち時間もあっという間です。
野菜の旨みが味わえるおかず、つやつや、ふっくらとした100%神戸北区産のコシヒカリ、食品添加物不使用、天然醸造の北神みそを使用したまろやかなみそ汁…。どれも新鮮な食材はこんなにも味が違うのかと驚くほどのおいしさです。お子様ランチのおにぎりに使われている海苔までも地元の須磨海苔。すみずみまでに、「地産地消」のこだわりと味わいが感じられる食事でした。
こちらの食堂が入る棟には、他にもさまざまなコーナーがあります。そのひとつが、昭和21年創業の神戸を代表する老舗「KÖLN」(ケルン)監修の「ケルン・ファームベーカリー」。香ばしいパンの匂いに誘われてのぞいてみると、魅力的なパンばかりです。
今回お土産に購入したのは、バケットの熟成バタール(324円)、丹波黒豆パン(194円)、手炊きとろーりクリームパン(238円)。こだわりの製法や材料を採用しているだけあって、余韻が残るおいしさでした。
また、「FARM CIRCUS CAFE」も心惹かれます。ジェラートやソフトクリームのカウンターがあり、ついつい目移り。子どものリクエストで購入したのは、ミルク味のジェラート(250円)と六甲ミルクのソフトクリーム(350円)です。どちらもミルク味でしたが、ジェラートは米粉使用で優しいお味。
ソフトクリームは濃厚な食べ応えと、異なる魅力を楽しめました。天気の良い日に食べる冷たいものは最高! コーヒーやソフトドリンクなど飲み物のメニューも豊富なので、ほっと一息つくのに最適です。
道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢
- 住所
- 兵庫県神戸市北区大沢町上大沢2150
- 営業時間
- 施設により異なる
- 定休日
- 無休 ※施設により定休日あり
- 駐車場
- 1,500台・無料
- アクセス
- 六甲北有料道路「大沢IC」降りてすぐ
宿泊してゆったり。日帰り温泉利用もOK
遊び尽くした最後は、温泉で締めましょう! 「神戸 ホテル フルーツ・フラワー」内にある「バーデハウス大沢温泉」は、宿泊者はもちろん、日帰り客でも温泉に入浴することができます。湯治に訪れる人もいるほどの名湯を、露天風呂を合わせて全9種類もの浴槽で楽しめます。お湯の温度も熱すぎないので、子連れでも安心ですよ。
日帰り入浴料:大人(中学生以上)800円、小人(小学生)400円、幼児(3歳~)200円
ホテル内にはレストランや宴会場、売店もありファミリーでゆったりくつろげます。夏季にはプールも開園するので、夏休みの旅行先にも最適です。
神戸 ホテル フルーツ・フラワー
- 住所
- 兵庫県神戸市北区大沢町上大沢2150
- 総部屋数
- 129室
- 宿泊価格
- おひとり様 8,600円~(2名1室利用時・税抜)
※宿泊価格は2020年6月26日時点のおひとり様あたりの最低料金です。ご予約時と異なることがありますので予めご了承ください。
道の駅で花とフルーツに囲まれた休日を
今回ご紹介した以外にも、遊園地「神戸おとぎの国」や「神戸モンキーズ劇場」、バーベキュー場、温室見学と一日中さまざまな楽しみ方ができる「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」。わんぱく盛りのお子さんだけでなく、授乳室やおむつ替えシートなども完備していているので、乳幼児連れでも安心です。家族みんなで花とフルーツ、緑に囲まれたすてきな休日を過ごしてみませんか。
取材・写真・文/今中有紀