新型コロナウィルスの感染拡大を受け、2年以上海外へ渡航できない日々が続いていましたが、制限が緩和されたり、必要な検査が少なくなったりと少しずつ渡航できるようになってきました。
久しぶりの海外ということで、筆者が訪れたのは日本から約2時間で到着する「韓国」。韓国に降り立ったのは2年半ぶり! 2022年7月末に訪れたときのソウル市内の様子をお届けします。
目次
成田国際空港から仁川国際空港へ
以前は多くの旅行客で溢れていた仁川国際空港も、発着到着ともに便数を間引いていることもあり、閑散とした印象でしたが、8月から日本人もノービザ入国での観光が認められるようになったため、現在はもう少し賑わいも戻っているかもしれません。
制限エリア内にある免税店は、半分程度が営業している様子。化粧品や酒、煙草などの複数ブランドを取り扱う店は営業していましたが、ブランドショップはあまり営業していないようでした。
では、早速ソウル市内へ……空港鉄道「A’REX」に乗り「ソウル駅」に向かいました。
韓国旅行の玄関口「ソウル駅」
仁川国際空港からソウル駅まで、直通列車に乗れば最短で約43分。日本の特急列車のように座席指定もでき、荷物を置くためのスペースもあります。
ソウル駅周辺は大規模な改修工事が行われていました。
ソウル駅は「ロッテアウトレット」や「ロッテマート」とも隣接しているので、帰国前にバラマキ土産や韓国食材を買って、空港鉄道に乗り込むことも可能です。
2017年にリニューアルされた歩行者専用路「ソウル路7017」は、ソウル駅を中心に周辺のホテルや地下鉄駅など計17ヶ所と連結しています。「ソウル路7017」ができるまでは、幹線道路が走っているため、信号を渡るのにも時間がかかっていましたが、こちらを通れば人気の観光スポットまでもスムーズにアクセス可能。更に、上からソウル駅舎や線路、町並みを見下ろしながら散策できるので、ソウルの今も体感できます。
韓国旅行の定番観光地「明洞」&注目エリア「乙支路」
地下鉄4号線「明洞(ミョンドン)駅」と地下鉄2号線「乙支路入口(ウルチロイック)駅」からアクセスできる明洞。
以前は、ショッピング・グルメ・マッサージなどを楽しみに多くの観光客が訪れる、日本の原宿のような人気観光地でしたが、7月現在は80%の店舗が空室のようでした。元々明洞は韓国人が遊ぶ街ではなく、日本人や中国人などの観光客向けのお店が多いこともあり、コロナ前との差が大きかったように感じます。一方で、開業準備をしている店舗もあったので、観光客が増えてきたら活気のある街に戻るのではないでしょうか。
ソウルに到着後、まずは明洞に寄って両替をする人も多いと思いますが、両替所も臨時休業しているところが多かったので、現金派の方は一度にある程度まとまった金額を両替しておくと安心です。とはいえ、韓国は日本よりもキャッシュレス決済が浸透しているので、屋台や市場を除くほとんどのお店ではクレジットカードを利用できます。
コロナ前は、道路の両脇にズラーッと屋台が出店していていましたが、今はちらほらあるのみ。以前のイメージのまま行ってしまうと少し寂しい気がしますが、値段を尋ねたり、安くしてもらえないか?と交渉したりと、店員さんとのやり取りを楽しみに向かうのも良いですよね。
明洞通りを抜けた先にある「ロッテ百貨店」や「ロッテ免税店」は通常営業していて、品揃えも豊富なので、韓国コスメはこちらで買うのがおすすめです。
明洞エリアと東大門(トンデムン)エリアの中間に位置する「乙支路(ウルチロ)」エリアは、レトロモダンな雰囲気のお店が増えて、新たな流行発信地になっています。
乙支路は元々、印刷業や工具店などの町工場が集まる下町的な場所でしたが、都市開発に伴い、時代とともに閉店や移転を余儀なくされました。2018年頃から空室となった場所にカフェや飲食店が出店し、おしゃれなエリアに生まれ変わりました。
日本でも人気の出た韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』のロケ地「世運商店街」もこのエリアにあります。1階~2階には従来の専門店が入っていますが、3階の屋外道路沿いにはおしゃれなカフェが軒を連ねていました。夜になると電飾で彩られ、より雰囲気が出そうです。
地下鉄2・3号線「乙支路3街駅」の3・4番出口の裏路地に位置する「ノガリ横丁」は、夕方になると屋外にテーブルと椅子が設置され、飲み屋屋台街 へと姿を変えます。ノガリとは、スケトウダラの稚魚の干物のこと。ビールと合わせて楽しむのが韓国流です。
深夜までショッピングを楽しめる! 眠らない街「東大門」
地下鉄1・4号線「東大門(トンデムン)駅」または、地下鉄2・4・5号線「東大門歴史文化公園駅」よりアクセスできる東大門。問屋市場と巨大ファッションビルがあり、深夜までショッピングを楽しめます。
コロナ前はほとんどのお店が深夜まで営業していましたが、筆者が訪れたときは、ファッションビルの一つ「DOOTA MALL」は10:30〜24:00の短縮営業でした。今までは明け方まで営業していたと思うと少しさみしい気がしますが、日本のファッションビルと比べると充分の長い営業時間なのでゆっくり楽しめます。テナントによっては長期休業しているところや営業時間を大幅に短縮しているところもあるようです。
コロナ前と変わらずに賑わっていたのが、東大門からも歩いていける市場「広蔵市場(クァンジャンシジャン)」です。地下鉄1号線「鍾路5街(チョンノオーガ)駅」8番出口のすぐそばに入り口があります。
海外旅行客で賑わっているというよりも、現地の人やソウル旅行中の韓国人が多かったように感じます。うまいもん通りでは、朝から晩まで屋台グルメを楽しめるので、屋台のアジュンマ(おばちゃん)が、呼び込みをしているなど、活気がありました。
伝統家屋をリノベしたおしゃれエリア「鐘路・三清洞」
韓国の伝統家屋を見てみたい人におすすめなのが、鐘路(チョンノ)区にある仁寺洞(インサドン)・益善洞(イクソンドン)・三清洞(サムチョンドン)エリアです。
地下鉄1・3・5号線「鐘路3街(チョンノサムガ)駅」からアクセスできる益善洞エリアは、約100の伝統家屋が密集しており、それをリフォームしたおしゃれな飲食店やショップが立ち並んでいます。地元の人からも人気で、食事の時間帯は混雑するので余裕を持って訪れるのがおすすめです。
益善洞から北上すること約2kmのあたりに三清洞エリアがあります。歩くと30分程。益善洞エリアより伝統的な雰囲気を楽しみたい人におすすめなのが、民家が立ち並ぶ北村韓屋村(プッチョンハノッマウル)。以前と比べると観光客も少ないので、撮影もしやすいです。
名門大学のある学生街「新村・梨大・弘大」
韓国の名門大学の集まる街として知られる梨大(イデ)・新村(シンチョン)・弘大(ホンデ)エリア。3エリアとも地下鉄2号線でアクセスできます。
梨花女子大学のある梨大は、以前は女性服や靴屋さんが多かったのですが、コロナの影響で多くのお店が閉店してしまったようです。韓国コスメのお店も閉まっているところが多く、やや寂しい印象。テナントの入れ替わりもありますが、カフェや飲食店などは営業しているところが多かったです。
梨大よりも、新村の方が多くの人で賑わっていました。ファッションビルの前には路上ライブを聴く人だかりも。授業終わりの学生がたくさん遊びに来ているようでした。
学生街なので安旨グルメ店も多く、飲食店も賑わっていました。日本人観光客は久々のようで、お店に入ると「日本からも旅行できるようになったんだね〜、また観光客に来てほしいよ〜。」と、声をかけられました。
異国情緒溢れる街「梨泰院」
今回の渡韓で、最も賑わっていると感じたのが梨泰院(イテウォン)エリアです。地下鉄6号線「梨泰院駅」からアクセスできます。
龍山(ヨンサン)の米軍基地に隣接、モスクや各国の大使館もあるので、外国人向けの飲食店やショップが多く立ち並びます。居酒屋やクラブなども多く、夜になると多くの人が飲み屋街に繰り出しているようでした。
韓国ドラマ『梨泰院クラス』の舞台となったのもここ。梨泰院エリアにロケ地も点在しているため、ロケ地巡りしている人もちらほらいました。
ブランド店が軒を連ねる「狎鴎亭」
ブランドの路面店や百貨店などがあり、高級感溢れるエリアとして知られる「狎鴎亭(アックジョン)」。芸能事務所が多いエリアで、韓流スターが通うようなエステやクリニックも立ち並んでいます。地下鉄3号線「狎鴎亭駅」よりアクセス可能です。
ファッションストリート「狎鴎亭ロデオ通り」は、コロナ前後でお店の入れ替わりも激しかったようなので、お目当てのお店がある場合は事前に営業状況を確認してみましょう。数か月は店舗の入れ替わりが予想されるので、その時に出会うお店でのショッピングを楽しむ気持ちで向かうのが良いかもしれませんね。
今回は7月に7日間の滞在で、出入国のために合計3回PCR検査を受診。今までのようにふらっと行ける旅行ではなかったものの、久々の韓国旅行だったので、より思い出深いものになりました。コロナ禍で見ていた韓国ドラマのロケ地を巡ったり、本場の韓国料理をたらふく食べたりするのは、やっぱり楽しかったです!
2022年9月現在は、10月末までの入国においてノービザ入国が認められているほか、PCR検査も入国後1日以内の検査1回で済むようになったので、筆者が渡韓したときよりもだいぶ行きやすくなったのではないでしょうか。待ちに待った韓国旅行、最新情報に十分留意しながら計画してくださいね。
※ノービザで入国する際には飛行機搭乗の72時間前までに、韓国の電子渡航認証システム「K-ETA」の取得が義務付けられています。必要事項を入力し、申請料1万ウォンを支払うことで申請できます。
取材・撮影・文/加藤あやな