【連載#1】しきじの娘・笹野美紀恵さんが伝授!「サウナの魅力」と「おすすめの入り方」

しきじの娘・笹野美紀恵さん

今やブームが文化に定着したサウナ。旅行業界でもホテルや旅館が新たにサウナを導入したり、旅行者が“ととのい”を求めた「サウナ旅」が流行するなど、新たな旅の目的になっています。そこで、「サウナの聖地」と呼ばれる『サウナしきじ』の娘として知られる笹野美紀恵(ささの みきえ)さんに、サウナの楽しみ方や最新情報を語ってもらいます。

 

突然ですがみなさん、サウナは好きですか? 私は「サウナの聖地」と呼ばれる『サウナしきじ』の娘として、大好きなサウナの魅力を発信したり、理想とするサウナ施設をプロデュースしたり、サウナのことや日本各地にあるサウナ施設の魅力を広く伝える活動をしています。

第1回目となる今回のテーマは、「サウナの魅力とおすすめの入り方」。サウナ初心者に向けて、サウナの魅力をはじめ、初心者向け・基本の入り方、特に女性におすすめしたい「サウナ美容」、水風呂が苦手な方のための「水風呂攻略法」について詳しくご紹介します。

 

ただ“汗をかくための箱”ではない!サウナの魅力とは?

ラグジュアリーグランピング施設「dots by Dot Glamping Suite 001」(山梨県)
ラグジュアリーグランピング施設「dots by Dot Glamping Suite 001」(山梨県)

数年前から日本では空前のサウナブームが巻き起こっています。でも、サウナに対して「熱くてツラい…」「水風呂が苦痛…」などネガティブなイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

私もモデルをやっていた時期にダイエット目的で通っていた頃は、ただの“汗をかくための箱”と思っていました。でも実際は、時間に追われる生活の中でも効率的に健康でキレイになれるし、精神的にも良い状態に導いてくれるそんな場所だと気づいたのです。

サウナで“ととのう”ことの心地よさまで知ってしまった今、みなさんにサウナの魅力をたっぷり伝えていくのが使命だと考えています!

 

 

自分に合ったサウナの選び方

日本各地にサウナ施設が増えた昨今、「サウナって良さそうだけど、どこに行ったらいいかわからない…」という方も増加している印象です。「サウナに入るぞ!」とあまり気負いせず、最初はお風呂に入りに行く感覚でまずは近場の温浴施設や銭湯にふらりと行ってみてください。サウナや温泉の種類はもちろん、お風呂の後の食事(通称「サウナ飯=サ飯」)のメニューで選ぶのも楽しいですね! 

お気に入りのサウナが見つかったら、そこをあなたの“ベースサウナ”として「サウナ活動(サ活)」の旅がスタートします!

 

サウナの種類

サウナの種類

種類は大きく分けて、一般的な熱いサウナでドライサウナとも言われる「乾式サウナ(ドライサウナ)」と、スチームやミストを使った「湿式サウナ(スチームサウナ)」の2種類があります。

 

乾式サウナ(ドライサウナ)

乾式サウナ(ドライサウナ)

温度が70〜90度、湿度が10〜15%でカラカラに乾燥しているサウナのこと。上の段ほど温度が高いので、サウナ初心者は、比較的温度が低めのストーブから離れた下段がおすすめです。タオルで口を覆うと呼吸が楽になりますよ。

 

湿式サウナ(スチームサウナ)

湿式サウナ(スチームサウナ)

温度が45〜60度と低く、湿度は70〜100%と高めなサウナのこと。スチームやミストを使うため長い時間入っていても息苦しさがほとんどありません。初心者の方は、こちらからスタートするのがおすすめです。

 

サウナの種類は他にも

薬草サウナ
薬草成分を使ったスチームサウナも

遠赤外線を放出した熱であたためる「遠赤外線サウナ」や塩や泥を塗る「塩サウナ」「泥サウナ」、薬草成分をスチームで行き渡らせる「薬草サウナ」など、特徴のあるサウナも多数!

 

基本的なサウナの入り方を知ろう!

しきじの娘・笹野美紀恵さん
(左)自然豊かなキャンプ場で楽しむプライベートサウナ「自然人村」(東京都)
(右)サウナシュラン認定・歴史ある伊豆の温泉旅館「おちあいろう」(静岡県)

サウナーの合言葉「ととのう」とは、サウナ→水風呂→休憩を繰り返す「温冷交代浴」で得られる快感のこと。熱いサウナと水風呂を交互に入ることで、体はもちろん心がスッキリ! 私はリセットされた感覚です。 

 

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【男女共通の入り方】基本の「温冷交代浴」

サウナの聖地「サウナしきじ」(静岡県)
サウナの聖地「サウナしきじ」(静岡県)

おすすめのサウナ:高温でじっくりとあたためる「乾式サウナ」

① サウナの前に全身を洗う
  私はこれを“湯通し”と呼んでいます。夏場などでもし体がすでに熱を持っている場合は、サウナに入るとツラく感じてしまうことも。そんな時は、体を水で流して熱を逃がしてあげましょう。暑い日は、このような“水通し”がおすすめです!

② 約90度のサウナに8~12分
  まずはサウナで、じっくりと汗をかきましょう。

② 水風呂に1分
  一度汗を流して水風呂へ。水風呂がない施設は、水シャワーでもOK!

③ 休憩8〜12分
  ベンチや椅子に腰掛けて休憩しましょう。屋外に出られる施設なら“外気浴”も気持ちが良いですよ。

④ ①〜③を2、3回繰り返す
  2ターン目くらいから「ととのう」感覚がやってきます!心身ともに深いリラックス効果が得られて、私は「リセットされた」と感じます。

 

【女性におすすめの入り方】体も肌も心もキレイになる「サウナ美容」

サウナの聖地「サウナしきじ」(静岡県)
サウナの聖地「サウナしきじ」(静岡県)

おすすめのサウナ:長く入っていられる「湿式サウナ」

① まずはメイクを落とす

② サウナの前に全身を洗う

③ サウナ(1回目)はリラックスして1〜2分
  サウナの熱を心地よく感じながら、目を閉じてリラックスして過ごしましょう。顔のコリをほぐしたり、首のリンパマッサージをすると顔がスッキリとします。

④ 毛穴をクレンジング&洗顔
  ③で開いた状態の毛穴の汚れを丁寧に落とします。特に「鼻の周り」「頭皮」「耳の後ろ」をしっかりと。蒸しタオルを顔に巻いて蒸すのもおすすめです。

⑤ 湯船で温まる2〜3分
  水風呂&休憩は省略し、湯船でゆったりと温まります。温めることでサウナに入った時に汗が出やすくなります。毛穴も開きやすくなるため、美容の面で嬉しい効果も◎

⑥ サウナ(2回目)で髪をスチームパックしながら5〜6分
  サウナの熱は、髪にとってはダメージに。濡らしたタオルを髪に巻くと熱から守ってくれるだけでなく、トリートメント効果がアップします。

⑦ 水風呂&休憩
  一度汗を流して水風呂へ。心地よい程度に入ったら、休憩をとりましょう。氷が置いてある施設なら、顔や首に当てると開いた毛穴がキュッと引き締まります。

⑧ ⑥〜⑦をもう一回繰り返す

⑨ 湯船につかって〆る
  最後に入ることで、サウナ後の肌もしっとり。天然温泉や薬草風呂などの温泉が◎

 

水風呂が苦手な方必見!「水風呂攻略法」

水風呂が心地よく感じられるようになればサウナの楽しみ方が広がります
水風呂が心地よく感じられるようになれば、サウナの楽しみ方が広がります

① 水風呂に水風呂のおけや冷水シャワーなどで、手足の先に水をかける
  慣れないうちはこれだけでOK!

② 一気に入らず、足先からゆっくりと入る

③ バンザイの体勢で、息をふぅ〜っと吐きながら肩まで浸かる
  脇のリンパ管を冷やすと“冷たい”と感じやすいため腕を上げます。

④ 水風呂になれたら首の後ろまでゆったりと浸かってリラックス

⑤ 我慢して入るとストレスに!絶対に無理をしないことが大切

 

次のラウンドへ行く前に!「休憩」のコツ

「自然人村」(東京都)
風の音、鳥や虫の鳴き声、川のせせらぎで最高のととのいをー。「自然人村」(東京都)

① 心臓のドクドクという音を聞きながら、深呼吸を繰り返す

② 頭と目元に水に濡らしたタオルを乗せて冷却タイム
  首を楽に解放することを心がけて!

③ 心臓の音が平常に戻ったら、次のラウンドへ!

 

サウナに入る時のマナー&注意点

しきじの娘・笹野美紀恵さん

サウナに入る時は、他のお客さんに迷惑をかけないためのマナーと、自分の体に負担をかけないために気をつける注意点があります。

 

しきじの娘が考えるサウナのマナー

・サウナに入る前に必ずかけ湯をする&濡れた体を軽く拭く

・場所取りをしない。譲りあいの精神を持つ

・サウナ内で大股開きをしない&大声を出さない

・水風呂に入る前に汗を流す

・施設のルールに従う

 

医師に聞いたサウナの注意点

ここからは、私が医師に聞いたサウナの注意点をお伝えします。サウナ初心者の方は特に気をつけて、サウナを楽しんでくださいね!

・こまめな水分補給をする
 脱水(倦怠感やめまいなど熱中症のような症状)を防ぐために、こまめに少しずつ水分補給をしましょう。私は、サウナ前にコップ一杯の水(3回に分けてゆっくり)と、サウナ後にビタミンC入りドリンクを飲んでいます。

・飲酒や激しい運動の後のサウナは控える
 飲酒後は脱水状態になっているので、サウナに入るのは避けたほうが良いです。特に飲酒後はサウナで寝てしまい、命に関わる事故もあったそうです。

・苦しい時は無理をしない
 熱いサウナでは多少の息苦しさを感じますが、我慢の限界を超えて無理をするのは絶対NG。気分が悪くなった時は、周囲に助けを求めるか、「呼び出しボタン」を押して横になって助けを待つのが正解です。

 

しきじの娘・笹野さんへサウナQ&A 

しきじの娘・笹野美紀恵さん

Q. サウナの息苦しさが苦手です
A. 慣れるまでは多少の息苦しさも感じますが、そんな時はタオルを活用しましょう。頭から顔をおおうようにしてかけると熱さが和らぎ、水で濡らしたタオルを口元にあてると呼吸が楽になります。熱いのが苦手な方は「乾式サウナ」を避け、スチームやミストタイプの「湿式サウナ」を選ぶのもポイントです。

Q. サウナに入る効果的な時間帯は?
A. 高温サウナに短時間で入って1日の活力を引き出したい方は「朝のサウナ」、体を芯から温めて質の良い睡眠を取りたい人は「夜のサウナ」が良いと言われています。

Q. サウナには、何を持っていけば良いですか?
A. 私の場合は、歯ブラシ&歯磨き粉、スキンケア、目薬、入浴後につけるアロマをポーチに入れています。そのほか頭に巻いたり、下に敷いたり、体を隠したり、大活躍のマイタオルも忘れずに。少し慣れてくれば、周囲の音を遮りよりリラックス感を味わえる「ひも付きの耳栓」や「エクササイズバンド」を使うのもおすすめです。持ち込みが禁止の施設もあるので、必ず事前に確認してくださいね!

 

サウナをブームで終わらせない!生活の楽しみに取り入れてみて

プライベートサウナ併設の「CITABRIA BAYPARK grill & bar」(東京都)
絶景を眺めながら外気浴!プライベートサウナ併設の「CITABRIA BAYPARK grill & bar」(東京都)

私、「しきじの娘・笹野」による、サウナの魅力やおすすめの入り方のご紹介でした。気を付けるべきマナーや注意点は多少ありますが、サウナや水風呂、休憩の時間や回数、目的、みなさんそれぞれの自由です! 自分らしい「サウナの楽しみ方」を見つけて、普段の生活のルーティーンとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

第2回目のテーマは、「家族連れにおすすめのサウナ付き宿泊施設3選」です。お楽しみに!

 

 


著書紹介

『キレイをかなえる「しきじの娘」の速効サウナ美容』笹野美紀恵/主婦の友社

忙しく生きる女性がキレイで健康であるために、一番の早道は「サウナ」! サウナの聖地「しきじ」の娘・笹野美紀恵が、サウナのとっておきの入り方をご紹介。マニアも知らない全国の素敵なサウナ施設をはじめ、季節ごとの入り方のコツなど、身も心もキレイになれる「サウナ美容」のすべてが分かる一冊です。

電子書籍版はこちら

『キレイをかなえる「しきじの娘」の速効サウナ美容』笹野美紀恵/主婦の友社

 

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静岡県生まれ。サウナトータルプロデューサー。サウナの聖地と呼ばれる『サウナしきじ』の娘。アメリカの高校へ留学後、日米でモデルとして活動。2011年、飲食店や宿泊施設・温浴施設などのプロデュース業を行う。理想のサウナをプロデュースし、サウナの良さを広める活動を精力的に行っている。
お問い合わせはこちら:https://thinkgarbage.com/sauna

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