日本三名泉の一つに数えられ、人気温泉ランキングでも常に上位に位置する草津温泉。首都圏からのアクセスも良く、週末の温泉旅行にもぴったりです。その一方で「草津温泉で一泊した後どこを観光したらいいのかわからない」という声も聞かれます。今回はそんな人に向けて、草津温泉宿泊後、ドライブ観光におすすめのモデルコースを紹介します。
宿をチェックアウトして車で下仁田方面へ
10:00ゆったりと朝の時間を過ごしたら宿泊先をチェックアウト。まずは、テレビ番組「孤独のグルメ」にも登場したお店「コロムビア」を目指しましょう。
草津温泉から国道292号線、国道146号線を南下して軽井沢を経由します。国道18号線を通り、県道43号線(下仁田軽井沢線)と交差したら下仁田方面へ。さらに国道254号線を通って下仁田へと向かいます。約73km、1時間45分ほどの道のりです。
「コロムビア」で下仁田ネギのすき焼きランチ
12:00メニューは豚すき焼きと牛すき焼きの2種類のみ。今回は下仁田ネギをたっぷり使った豚すき焼きをいただきます。ここのすき焼きのメインはお肉ではなくネギなのだそう。豚肉の下にぎっしりと下仁田ネギが敷き詰められています。
まずはお肉とネギを焼いていきましょう。香ばしいネギの香りとお肉の焼けるジューという音がたまりません。ある程度火が通ったら割り下と他の具材を加えます。具材に味がしみ込み、全体に火が通ったら完成です。
溶き卵を絡めていただきます。それぞれの具材に甘辛の割り下がしっかりしみ込んで、まろやかな卵との相性は抜群。主役の下仁田ネギはそれ自体が甘く、とろけるほどの柔らかさです。豚すき焼きは牛肉と比べてあっさりしているので、軽く食べられます。すき焼きは「牛」という概念を覆すほど絶品です。
まるで宴会場のように広々した店内で、ゆっくりランチを楽しむことができました。
#コロムビア
- 住所
- 群馬県甘楽郡下仁田町下仁田362
- 電話
- 0274-82-3128
- 定休日
- 不定休
- 営業時間
- 12:00~14:00、17:00~18:00
世界遺産「富岡製糸場」で日本の近代化の歴史を学ぶ
13:30すき焼きランチでお腹を満たしたら、次は「富岡製糸場」に向かいます。再び国道254号線に乗って富岡方面へ。「コロムビア」からは20分ほどで到着します。
1872年に明治政府によって設立され、日本の近代化を推し進めるために大きな役割を果たした「富岡製糸場」。2014年、日本の近代化遺産としてその歴史的価値が認められ、世界遺産に登録されました。
「富岡製糸場」内の建物は創業当時のまま良好な状態で保存されており、その多くが国の重要文化財に。中でも生糸の原料となる繭を保存していた「置繭所(おきまゆじょ)」や、繭から糸を取る作業が行われた「繰糸所(そうしじょ)」は国宝に指定されています。自分で施設見学するだけではわからないことも多いので、詳しいガイドの解説を聞きながらの見学がおすすめです。
こちらは「繰糸所」内にあるフランス式の自動繰糸器。創業時、全長約140mの建物内に300器が導入され、世界最大規模の器械式製糸工場になりました。平日は毎日午前(10:00~11:30)・午後(14:00~15:30)の1回ずつ、フランス式繰糸器による実演が行われており、繭から糸を取る作業を見学することができます。
見学料は大人一人1,000円。オプションとして、解説員によるガイドツアー参加(約40分)と音声ガイド機の貸し出しが、それぞれ200円で利用可能です。
#富岡製糸場
- 住所
- 群馬県富岡市富岡1-1
- 電話
- 0274-62-5439(富岡市世界遺産部 観光おもてなし課)
- 定休日
- 12月29日~31日
- 営業時間
- 9:00~17:00(最終入場 16時30分)
「こんにゃくパーク」でこんにゃく作りを見学
15:00続いて向かうのは「こんにゃくパーク」。「富岡製糸場」からは県道46号線を通って約10分の場所にあります。 「こんにゃくパーク」は株式会社ヨコオデイリーフーズが運営する日本の伝統食材「こんにゃく」のテーマパーク。こんにゃくの美味しさはもちろん、文化や歴史など、入場料無料で体験できるとあって、老若男女問わず大人気のスポットです。
こちらは工場施設内にある、しらたきの製造ラインです。 しらたきが機械で作られている様子がよく分かります。こんにゃく作りの解説映像を見ながら、実際に作られている様子を上から見学しましょう。
この工場では板こんにゃくだけでなく、しらたきやこんにゃくゼリーの生産も行われています。普段食べているものがどのように作られているのかを知る貴重な機会です。こんにゃく製造ラインで作業する人たちの様子は、時間が経つのを忘れてつい見入ってしまいます。
週末には大行列になり、1~2時間並ぶこともあるという人気のこんにゃくバイキング。こんにゃくで作られた料理が日替わりで10種類以上並びます。なんとこれが全部無料で食べ放題!
ラーメンやカレー、プリンにいたるまで、すべてこんにゃくで作られているというから驚きです。知らずに食べるとこんにゃくだと気づかないくらいのクオリティ! 気に入った商品はお土産として購入することもできます。
のんびりリフレッシュするなら、足湯がおすすめです。甘楽町の名水百選に選ばれた雄川堰の地下水を汲み上げ、こんにゃくづくりの際に出る蒸気でお湯を沸かしています。「エメラルド100人風呂」や「日本のヒノキ風呂」など4種類の足湯があり、カップルでも親子でもゆっくり楽しむことができます。
他にも前日までに予約をすれば、3コースから選べるこんにゃくづくりの体験もできます(大人500円~1,000円)。体験した方には「こんにゃくバイキング優先特典」のプレゼントもあるので、要チェックです
#こんにゃくパーク
- 住所
- 群馬県甘楽郡甘楽町大字小幡204-1
- 電話
- 0274-60-4100
- 定休日
- 年中無休
- 開園時間
- 9:00~18:00(最終受付17:00)※12月31日~1月3日最終受付16:00/閉園17:00
高崎市のシンボル「高崎白衣大観音」を拝観
17:00「こんにゃくパーク」から県道197号線を北上し、鏑川を渡ったら県道200号線へ。県道171号吉井安中線に出たら高崎方面へ北上し、県道203号線金井高崎線に出たらさらに高崎方面へと向かいます。ドライブすること約25分。
高崎市内で訪れたいのが「高崎白衣(びゃくえ)大観音」です。1936年に高崎の発展を願って建立された観音像、その高さは41.8mもあります。
高崎市街を一望できる観音山の頂上に立ち、その慈愛に満ちた眼は市民を見守っているかのよう。
巨大な観音像は内部に入ることも可能です。146段ある階段を上っていくと観音様の肩にまで到達します。外を眺めると広がるのは壮大な景色。 天気が良い日は、遠く上毛三山や八ヶ岳まで見渡すことができます。
高崎白衣大観音(慈眼院)
- 住所
- 群馬県高崎市石原町2710-1
- 電話
- 027-322-2269
- 胎内拝観
- 9:00〜17:00(3月〜10月)、9:00〜16:30(11月〜2月)
- 観音山駐車場
- 普通車430円 大型車730円
- 胎内拝観費用
- 中学生以下100円 高校生以上300円
「錦山荘」で絶景温泉を堪能
17:30次は日帰り温泉に立ち寄って一休み。「高崎白衣大観音」から車で約5分ちょっとのところにある「高崎観音山温泉 錦山荘(きんざんそう)」がおすすめです。
かつて、新渡戸稲造や尾崎行雄などの著名人も利用した温泉宿なのだそう。日帰り入浴は一人650円で利用できます。
「錦山荘」の魅力は 、何と言っても絶景を眺めながら温泉に入れること。 大きなガラス張りの窓越しに、高崎市街や前橋市街、遠くは赤城山まで見渡すことができます。温泉の周囲はたくさんの木々に囲まれているので、近くの自然と遠くに見える都会の街並みという対照的な景色が面白いです。
お湯は少し緑がかった鉱泉で、疲労回復・健康増進に効果があります。のんびりと湯船に浸かりながら、壮大な景色を眺めて旅の疲れを癒しましょう。
#錦山荘
- 住所
- 群馬県高崎市石原町2892
- 電話
- 027-322-2916
- 定休日
- 年末年始定休
- 営業時間
- 12:00〜21:00※2019年5月末から長期改装・休業予定
「観音山みはらし台」で夜景観賞
19:00「旅の最後は夜景観賞で締めくくりたい!」そんなあなたにおすすめなのが「観音山みはらし台」。高崎市街を一望できる絶景ポイントです。「錦山荘」からほど近く、車で5分ほどの場所にあります。駐車場に車を停めるとすぐ目の前に広がるパノラマの夜景。その美しさには感動を覚えます。ただし、周囲は真っ暗で道幅も狭いので、車の運転には注意しましょう。
美しい夜景を堪能したらあとは帰宅するだけです。高崎ICから高速道路を使って約2時間で都内各所へ戻ってくることができます。
#観音山みはらし台
- 住所
- 群馬県高崎市石原町
今回は草津温泉に一泊した後のモデルコースを紹介しました。これで草津温泉宿泊後の観光もバッチリ!現地でどこに行こうか迷う必要もなくなります。ぜひ参考にして草津旅行を楽しんできてください。
※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご了承ください。
取材・文・写真/高橋諒馬