【北海道】新千歳空港からの行き帰りにぴったり!サケの街・千歳市のサケスポットを楽しもう

【北海道】札幌旅行の帰りにもぴったり。千歳市サケ尽くしスポットを楽しもう!

北海道千歳市は、明治時代からサケのふ化放流が行われている「サケの街」。そのため、市内各地にはサケの生態を学ぶ施設や水族館などがあり、サケを使ったグルメスポットも満載です。

また、市街地は新千歳空港から車で約10分とアクセスが良く、札幌旅行の行き帰りに気軽に立ち寄ることができるのも魅力。そんな千歳市のサケにまつわるスポットの魅力を、余すところなく紹介します。

 

 

千歳市のサケのふ化放流とは?

千歳市のサケのふ化事業
画像提供:千歳市

千歳市の西部に位置する支笏湖(しこつこ)から流れ出した後、千歳市街を横断する千歳川(ちとせがわ)。そんな千歳川には広大なサケの天然産卵場があり、古くは石器時代から、秋になると遡上(そじょう)する多くのサケを求めて人々が集まってきました。

1888年には「千歳中央ふ化場」(現在の「千歳さけます事業所」)が建てられ、サケマスのふ化放流事業を開始。1896年には、北米から導入されたサケ捕獲装置「インディアン水車」が設置されたことで、より効率的に捕獲できるようになりました。現在も、毎年8月上旬~12月初旬にかけてこの水車が利用されています。

※遡上…流れをさかのぼること

 

千歳市へのアクセス

新千歳空港

千歳市街地へ車で行く場合、新千歳空港からは一般道を利用して約10分、札幌中心部からは道央自動車道「北郷」ICから「千歳」ICまで50分程度です。

公共交通機関を利用する場合は、JR「千歳」駅を目指します。「札幌」駅からは快速エアポートに乗って約30分。「新千歳空港」駅から向かう場合は、快速エアポートに乗って約7分です。新千歳空港から「千歳」駅へは直通バスも出ているので、「新千歳空港国内線ターミナル」停留所から北海道中央バスに乗れば、約13分で到着します。

札幌など北海道旅行を満喫したあと、空港へ行く前にサクッと立ち寄るにもぴったりのエリアです。

 

北海道最大級の淡水魚水族館「サケのふるさと 千歳水族館」

サケのふるさと 千歳水族館

新千歳空港から車で約15分の場所にある「サケのふるさと 千歳水族館」は、サケの仲間を中心に展示する淡水魚水族館。サケをはじめ稚魚から成魚まで、さまざまな淡水魚の生態を観察できるだけでなく、世界中に生息する多種多様な水生生物を観察できます。

 

サケのふるさと 千歳水族館

展示コーナーがあるのは、地下1~2階と地上1~2階の4フロア。カウンターでチケットを購入したら、まずはそのまま1階を見て回りましょう。

 

巨大水槽にサケの仲間やチョウザメ類がたくさん!「サーモンゾーン」

サケのふるさと 千歳水族館

エントランスを抜けて最初に現れるのが「サーモンゾーン」です。

 

サケのふるさと 千歳水族館

大中小に分かれた3つの水槽では、ギンザケ、サクラマス、ニジマスに加え、イトウやブラウントラウトといったサケの仲間たちが稚魚から幼魚・成魚へと成長する姿を見ることができます。

 

サケのふるさと 千歳水族館

同じサケ科でも、大きさや色、模様など見た目もまったく異なるので、見比べてそれぞれの違いを見つけてみてください。同種の稚魚と成魚を比較するのも面白いですよ。

そのほか、シロチョウザメやベステルなど、5種類のチョウザメ類も水槽内を泳いでいるので探してみましょう。

 

国立公園・支笏湖の美しさを再現した「支笏湖ゾーン」

サケのふるさと 千歳水族館

「サーモンゾーン」を出ると、支笏湖の名勝「苔の洞門(こけのどうもん)」を模したジオラマが見えてきます。この先が、支笏湖やその周辺で暮らす生き物を紹介する「支笏湖ゾーン」。中心には支笏湖の水中景観を再現した「支笏湖大水槽」があります。

 

サケのふるさと 千歳水族館

中央にある円形の水槽には、支笏湖に生息するヒメマスやアメマス、エゾウグイなどの淡水魚が展示されているほか、バイカモやリュウノヒゲモなどの水草も見られます。

 

魚たちに触れられる「体験ゾーン」

サケのふるさと 千歳水族館

「支笏湖ゾーン」の奥にあるのは、「体験ゾーン」。全周透明アクリルの「タッチプール」が置かれており、中で泳ぐチョウザメの赤ちゃんやウグイを触ることができます。

プールで泳ぐ魚たちはいずれも歯がなく、噛まれる心配はないので安心して水槽に手を入れてみてください。ただし、「キャッチプール」ではないので、魚をにぎったり水から出したりしないように。

 

サケのふるさと 千歳水族館

隣には、古くなった角質を食べてくれるドクターフィッシュの体験水槽もあります。

 

サケのふるさと 千歳水族館

タッチプールに併設されたドーナツ型の円形水槽には、水鳥のカイツブリが展示されており、間近で観察することも可能です。

 

サケのふるさと 千歳水族館
水辺の生き物ゾーン

「体験ゾーン」の隣にある「水辺の生き物ゾーン」では、カエルやモクズガニといった水辺に生息する魚以外の生き物を展示。さらにその奥の「千歳川ロード」では、全長108kmもある千歳川を上流・中流・下流の3つの水域に水槽を分け、そこで暮らす魚たちを見ることができます。

 

「世界の淡水魚ゾーン」の多彩な展示にも注目

サケのふるさと 千歳水族館

地下1階へ降りた先は、「世界の淡水魚ゾーン」です。南米・アマゾン川に生息する肉食のピラニアなど、バラエティ豊かな淡水魚が見られます。

 

千歳川の水中がまるごと水族館に!「水中観察ゾーン」

サケのふるさと 千歳水族館

さらに地下2階へ降りると、「千歳水族館」の目玉ともいえる「水中観察ゾーン」が。

ここは、清流・千歳川の左岸に埋め込まれた長さ30mほどの部屋で、窓の向こうには本物の千歳川の水中が広がっています。

 

サケのふるさと 千歳水族館

外から見ても分かるように、餌まきや調光などは一切されていない、自然な状態の川の様子を観察できる空間です。

 

サケのふるさと 千歳水族館

千歳川は水の透明度が高いため、水中で泳ぐ魚たちの姿をはっきりと確認することができます。秋にはサケが群れになって遡上するところも見られるのだとか。屋内にいながら、まるで水中に潜っているかのような気分に浸れます。

 

サケのふるさと 千歳水族館

地上2階は「学習ゾーン」になっており、「なるほど!?サーモンルーム」では、サケとヒト、そして千歳市との関わりがパネルで分かりやすく展示されています。アイヌ文化やふ化事業を含むサケ漁の歴史などが紹介されており、千歳市や北海道への理解を深められる場所です。

 

サケのふるさと 千歳水族館

千歳水族館とゆかりのあるタレント・中川翔子さんが寄贈したカメのミニコーナーも設置されています。

 

見学後はお土産ショップと屋外散策

サケのふるさと 千歳水族館
サケのふるさと 千歳水族館

ひと通り見学が終わったら、再び地上1階へ戻り、チケットカウンター横にある「アクアショップCHUM(チャム)」へ。千歳水族館オリジナルグッズや、サケにちなんだアイテムなどが販売されています。

 

サケのふるさと 千歳水族館

また、水族館の周りには散策路が敷かれており、道中にはサケの恵みに感謝する「サケの慰霊塔」もあります。サケのルーツや食卓に並ぶまでに思いを寄せて、手を合わせてみてください。

 

サケのふるさと 千歳水族館

住所
北海道千歳市花園2-312
営業時間
夏季/9:00~17:00、冬季/10:00~16:00
定休日
年末年始、メンテナンス休館日あり(1月中旬〜下旬)
※詳細は公式サイトを要確認
入館料
大人800円、高校生500円、小・中学生300円、乳幼児以下無料
チケット
サケのふるさと 千歳水族館 入館Eチケットの予約はこちら【楽天ポイントが貯まる・使える】
アクセス
【電車】JR「千歳」駅から徒歩約15分
【車】新千歳空港から約15分
公式サイト
サケのふるさと 千歳水族館

 

サケを使ったグルメをとことん満喫!「サーモンパーク千歳」

サーモンパーク千歳
画像提供:道の駅サーモンパーク千歳

「サーモンパーク千歳」は、「サケのふるさと 千歳水族館」に隣接する道の駅。2023年夏に館内をリニューアルし、より充実した施設へと生まれ変わりました。

 

道の駅サーモンパーク千歳
道の駅サーモンパーク千歳

施設内には農産物直売所やレストラン、フードコート、お土産コーナーなどがそろっており、連日多くの観光客でにぎわっています。

 

インパクト大!「サーモンパーク千歳」のサケグルメ

道の駅サーモンパーク千歳
画像提供:道の駅サーモンパーク千歳

施設内の飲食店は7店舗。その中でサケをメインに使った、おすすめの絶品グルメをご紹介します!

「海鮮丼とと丸」の「鮭の遡上丼」(3,850円)は、サケの形をした大きなプレートにサーモン、ビントロまぐろ、キハダまぐろの赤身、ネギトロ、とびっこがぜいたくに盛られた丼です。

 

道の駅サーモンパーク千歳
画像提供:道の駅サーモンパーク千歳

重さはなんと約1.2kgとボリューム満点! 北海道の海の幸を思う存分堪能できます。

 

道の駅サーモンパーク千歳
画像提供:道の駅サーモンパーク千歳

「グリルレストラン サーモンキング」で提供されている「グリルサーモンプレート」(1,298円)。良質な切り身をじっくり焼くことで、サケ本来の旨みが引き出された一皿です。

 

道の駅サーモンパーク千歳
画像提供:道の駅サーモンパーク千歳

迫力満点の「メガばくだんおにぎりメガ鮭いくら」(3,240円)は、「なまら旨おにぎり」の一押しメニュー。お米は北海道産ななつぼし、味付けにはオホーツクの塩、具材にはほぐしたサケとイクラがふんだんに使われています。総重量約2kgもあるので、家族や友人とシェアして食べるのにぴったりですね。

 

道の駅サーモンパーク千歳
画像提供:道の駅サーモンパーク千歳

1人前サイズのおにぎりにも、「鮭ぶしねこまんま」(194円)や、「サーモンハラス 醤油バター」(302円)など、サケの街ならではのメニューが多数あるので、お見逃しなく。

 

道の駅サーモンパーク千歳

「ふるさとラーメン食堂 ちとせがわ」では、サケの切り身がぜいたくに盛られた「鮭の遡上ラーメン」(1,300円・手前)と「鮭骨ラーメン」(1,000円・奥)が楽しめます。モチモチの太麺にカルボナーラのように濃厚な塩味ベースのスープがよく絡み、サケとの相性も抜群です。

 

道の駅サーモンパーク千歳

いちごスイーツ「ボンボンベリー北海道スタンド」にも、もちろんサケにちなんだ商品が。

「いちごだんご串 鮭の遡上風」(430円)は、いちごがまるごと一粒刺さった串だんごと鮭の形をしたクッキーで、サケが遡上する様子を再現しています。

 

道の駅サーモンパーク千歳

「さけ遡上プリンソフト」(650円)にはいちごプリンの上にソフトクリーム、さらにその上にサケのクッキーをのせた、味も見た目も大満足のスイーツです。

 

道の駅サーモンパーク千歳

お土産にもぴったりなのが、「ベーカリー空とメロン」で販売されている「しゃけパン」(200円)。サケの形をしたフォカッチャ生地のパンの中には、サケフレークがぎっしり詰まっています。

 

ショッピングも充実の物産・農産品コーナー

道の駅サーモンパーク千歳
画像提供:道の駅サーモンパーク千歳

物販コーナーでは、サケやサーモンを使ったオリジナル商品をはじめ、旬の北海道産の野菜やフルーツ、加工品を中心に日本全国の絶品グルメが勢ぞろい。

 

道の駅サーモンパーク千歳

試食・試飲をできる商品もたくさんあるので、気になった商品は試してみましょう。

 

道の駅サーモンパーク千歳

店舗入り口付近にある「鮭・いくらキャッチャー」は、サケやイクラのぬいぐるみが景品のクレーンゲーム。ぬいぐるみを獲得したら、めんつゆやサケチップスなど「サーモンパーク千歳」内で販売している商品と交換してもらえます。旅の記念にぜひ挑戦を!

 

道の駅 サーモンパーク千歳

住所
北海道千歳市花園2-4-2
営業時間
9:00~17:00
※一部店舗は10:00~L.O.16:00
定休日
なし
アクセス
【電車】JR「千歳」駅から徒歩約15分
【車】新千歳空港から約15分
公式サイト
道の駅サーモンパーク千歳

 

サケやマスについて学べる「千歳さけますの森 さけます情報館」

千歳さけますの森 さけます情報館

「道の駅 サーモンパーク千歳」から車で約20分、「千歳さけますの森 さけます情報館」はサケのふ化の様子を観察したり、卵や稚魚に直接触れたりすることのできる展示施設です。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

北海道のニジマス養殖発祥の地「国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産資源研究所 千歳さけます事業所」の敷地内にあります。現在も、この施設でふ化された稚魚は千歳川に放流されており、その数は年間で3,000万匹にもおよぶのだとか。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

情報館は「展示棟」と「体験棟」の2つに分かれています。まずは、受付がある「展示棟」の方からのぞいてみましょう。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

館内に入り、まず目に入ってくるのは中央に置かれた水槽。中ではシロサケの大群が泳いでいます。実は一般的にサケと言われるのはシロサケのこと。秋に捕獲されることから「秋鮭」という別名を持ち、国内で一番食べられている魚です。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

水槽の上から餌をまくことも可能です。餌やり体験を希望する際は、スタッフの人に声を掛けてください。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

壁際にはカラフトマス、サクラマスなどの水槽も置かれています。

 

千歳さけますの森 さけます情報館
千歳さけますの森 さけます情報館

パネルやレプリカではサケの生態のほか、親魚捕獲から稚魚放流までの流れなどが分かりやすく紹介されています。年間3,000万匹が放流されるサケの中で、千歳川からオホーツク海、ベーリング海、アラスカ湾に渡り、再び生まれ故郷の千歳川に戻ってくる回帰率はおよそ3パーセントのみ。自然の厳しさを痛感しますね。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

過去、実際に使われていたインディアン水車のミニチュア模型も置かれています。

 

千歳さけますの森 さけます情報館
千歳さけますの森 さけます情報館

休憩コーナーには、サケマスのペーパークラフトやぬりえなどが置かれており、親子で楽しむのにぴったりです。

 

見て、触れて、楽しみながらサケマスの生態を探ってみよう

千歳さけますの森 さけます情報館
千歳さけますの森 さけます情報館

「体験棟」では、映像でより詳しくサケやマスについて知ることができます。「展示棟」で紹介されていた内容がクイズとして出題されるので、「展示棟」をまわってから行くのがおすすめです。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

施設の奥にはサケやサクラマスの稚魚に触れられるコーナーがあり、魚種によって異なる大きさや紋様などを、手に取ってまじまじと観察することができます。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

サケの稚魚は、外敵から身を守るために環境に合わせて体の色を変える性質を持っており、実際にその経過を観察することも可能です。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

白い網と黒い網の中でそれぞれ稚魚が泳いでいるので、どちらかをすくって別の網に移してみてください。みるみるうちに色を変えていく姿は見事ですよ。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

そのほか、サケのふ化のための養魚池や飼育池の様子も再現。こちらでも餌やり体験が可能です。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

「体験棟」の外で行われているのはサケやサクラマスの放流体験。数年後にまた元気に帰ってきてくれることを願って、千歳川へとつながる水路に稚魚を放ちましょう。

 

千歳さけますの森 さけます情報館

住所
北海道千歳市蘭越9 千歳さけます事業所内
営業時間
10:00~16:00
定休日
火曜日、12月27日~1月5日
入館料
無料
アクセス
【電車】JR「千歳」駅からタクシーで約15分
【車】道央自動車道「千歳」ICから約15分
公式サイト
千歳さけますの森 さけます情報館

 

あなたの願いをかなえマス?「千歳神社のひめますみくじ」

千歳神社

千歳市内には、サケに関連する興味深いおみくじもあります。「千歳」駅から車で約5分、市内中心部に位置する「千歳神社」では、2024年6月から「ちとせみくじ」として、「願い秘めます♡ひめますみくじ」(初穂料500円)が登場しました。

ヒメマスとは、千歳市にある支笏湖に生息するサケ科の淡水魚のこと。地元では「チップ」という名前で親しまれています。

 

千歳神社

おみくじは、支笏湖の形をしたジオラマの中から、専用の釣り竿を使って引くという楽しい仕掛け。

 

千歳神社

おみくじとかわいいヒメマスの縁起物(張り子)がセットになっています。この縁起物はもちろん持ち帰り可能なので、旅の記念品にするのも良いですね。

 

千歳神社

住所
北海道千歳市真町1
参拝時間
9:00~17:00
定休日
なし
アクセス
【電車】JR「千歳」駅からタクシーで約5分
【車】新千歳空港から約10分
公式サイト
千歳神社

 

北海道千歳市は、日本のサケマス人工ふ化放流事業発祥の地。各施設では、知っているようで知らないサケやマスの歴史や生態を楽しく学ぶことができます。札幌や新千歳空港からも近いので、北海道旅行のすき間時間に訪れるのもおすすめです。

 

取材・文/柏崎 直人 撮影/加藤ミチロウ

 

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