目の前の鴨川を渡れば祇園という観光に絶好の立地の「四条河原町温泉 空庭テラス京都 別邸」。一歩中に入ると自家源泉の温泉や、足湯に浸かりながら京都・東山を一望できるルーフトップ・ラウンジを備えるなど、京都随一の繁華街にありながら、非日常感たっぷりの雰囲気を味わえる宿として注目が集まっています。全室露天風呂付きのラグジュアリーな宿、「空庭テラス京都 別邸」滞在記をお伝えします。
京都最大の繁華街・河原町に立地
2022年6月、阪急・京都河原町駅からすぐの場所にオープンした「空庭テラス京都 別邸」。周辺は京都最大の繁華街が広がり、錦市場や新京極商店街も近く、鴨川を渡れば南座があり、それを抜ければ祇園という京都観光の定番スポットが徒歩圏内にあります。滞在中、観光の合間に「ちょっと宿に戻って休憩しよう」という使い方ができるのもうれしいところです。
「空庭テラス京都 別邸」は、コンパクトで使い勝手のよい客室の「四条河原町温泉 空庭テラス京都」と同じ建物内にあり、河原町通に面した正面玄関は両宿共通の入り口。宿前では笑顔の素敵なドアマンがお出迎えしてくれます。
玄関を抜けて宿に一歩入ると、繁華街のにぎやかさとは打って変わり、落ち着いた雰囲気に変わります。
「空庭テラス京都 別邸」専用ラウンジでチェックイン
早速、1階のデスクで案内された9階ロビーへ。「空庭テラス京都 別邸」の宿泊者は、フロア奥にある専用ラウンジでチェックインします。
専用ラウンジの正面は大きな一面のガラス窓になっており、東山の景色が広がります。見晴らしのよいソファ席に案内いただき、ゆったりと景色を楽しみます。
チェックインの手続きをしながら、宇治玉露と京菓子をいただきます。「京都の真ん中で唯一無二の時間を過ごしていただきたいです」と宿に込めた思いを語る、総女将の八重田かおりさん。
「高台寺や清水寺、鴨川など世界に誇る京都の観光遺産をこんな感じで眺めることができる宿は、京都でも本当に珍しいのです。天然温泉に浸かりながら、和のおもてなしを存分に体感していただきたいですね」。
お話を聞きながら、滞在への期待がさらに高まりました。
「空庭テラス京都 別邸」ではチェックイン後、客室に向かう前にスタッフが施設案内をしてくれます。まず案内されたのは、広々とした屋上のルーフトップ・ラウンジ「空庭テラス」。東山を見渡せる絶景とその開放感に、思わず「わあ!」と声が出ます。
「空庭テラス」は宿泊者専用の特別な空間。16:00~19:00(L.O.18:30)は無料のウェルカムドリンクサービスを、夜はバータイムを楽しむことができます。
空庭テラスにはゆったりとしたソファ席のほか、足湯に浸かりながら景色を堪能できるカウンター席も。昼間はさわやかな風を感じ、暗くなれば夜景を楽しむことも可能です。目の前には鴨川、奥には清水寺や高台寺、八坂神社など京都の名所が見渡せます。この絶景を見るために、宿泊を決める人が多いというのも納得です。
空庭テラスは「空庭テラス京都 別邸」「空庭テラス京都」の宿泊者が共通で利用できますが、「空庭テラス京都 別邸」のゲストには専用のエレベーターと専用の入り口が用意されています。
テラスに続いて案内してもらったのは、「空庭テラス京都 別邸」宿泊者専用の出入り口。風格ある数寄屋門は、正面玄関とは違い裏通りにあるため、人目を気にせず宿に出入りできるのがポイント。飲食店をはじめ、お店がたくさんある木屋町(きやまち)や先斗町(ぽんとちょう)、祇園方面へさっと向かいたい時には、こちらを利用すると便利です。
客室は全室露天風呂を備えた優雅な造り
「空庭テラス京都 別邸」の客室は、全室露天風呂付き。宿泊したのは6~8階にある「鴨川プレミアムツイン」で約42平米。動線が良く、広々とした印象です。ベッドはシモンズ社製、シーツなどはシルク素材で、快眠にもこだわっています。
ソファのほか、西陣織のクッションカバーなどインテリアも洗練され、ラグジュアリーな雰囲気。
客室は靴を脱いで上がる造りで、玄関の床板には独特の削り跡を残す名栗(なぐり)加工が施されています。また、リビングには桜の木のフローリングと琉球畳を採用。足裏からも心地よさを感じられます。
東山方面に面してテラスがあり、ソファも置かれています。その奥にはテラスともつながった露天風呂が。心地よい風を感じながら、好きな時に温泉に入ることができる贅沢な空間です。
客室の冷蔵庫に入ったアルコールはすべて飲み放題。京都のクラフトビール、梅酒などのほかにシャンパンも発見。早速グラスに注ぎ、テラスで乾杯! 優雅な旅の始まりです。
ちなみにお酒が苦手な場合は、申し出れば冷蔵庫のドリンク類はノンアルコールに変更してもらうことも可能です。
お茶や南部鉄器の急須の用意も。祇園辻利のお茶のティーバッグやお茶請けもあり、ゆったり一服することができます。
アメニティには、古くからイタリアでサステナブルなプロセスを守ってきたオーガニックブランド「Millennium organics(ミレニアムオーガニックス)」を採用。防腐剤を使っていない自然派で、しっとりと潤いが残ります。
ドライヤーは、超遠赤外線で短時間で乾かしつつ髪にツヤを与える「KINUJO」。ヘアアイロンも置いてあるのは、女性にとってはうれしいですね。
室内着はシルク素材のセパレートタイプ。館内にも外出にも出かけられる浴衣も用意されています。
そのほかの部屋もご紹介。こちらは「雅プレシャスコーナーツイン」で、広さは約49平米です。
こちらの部屋にも、東山方面に向かって造られたテラスと露天風呂があります。
隠れ家のような雰囲気を味わいたいなら、「水簾デラックスダブル」もおすすめです。1階にあるため景色は望めませんが、専用玄関からの出入りが楽。露天風呂の奥にはウォーターフォールが作られ、そこに優しい光が入り込むよう設計されているのも特徴です。
天然温泉の大浴場からも絶景を眺める
「空庭テラス」と並ぶ自慢は、地下1,100mから湧き出る天然温泉があること。そのお湯を9階までくみ上げた「八坂の湯」と「庭の湯」という2つの大浴場を備えています。
天空露天風呂と名付けられた「八坂の湯」は、東山の大パノラマを1.2mの深湯から眺めることができ、お湯に浸かるとまるで京都の真ん中に浮かんでいるような感覚に! 泉質はナトリウム、カルシウム、マグネシウムを含んだ塩化物温泉で保温効果抜群です。
マイクロバブルで美肌効果のあるシルキージャグジーバスも。
もう一つの「庭の湯」は、柔らかな光に包まれた落ち着いた空間。こちらにも深さ1.2メートルの深湯があり、お湯に浮かんでリラックスすることができます。2つの大浴場は、男湯・女湯が日替わりです。
「空庭テラス」で夕食前の一杯を
大浴場で温泉に浸かったら、夕食までの時間を屋上の「空庭テラス」で過ごします。16:00〜19:00(L.O.18:30)までウェルカムドリンクとして、スパークリングワインや赤ワイン・白ワイン、生ビール、ソフトドリンクなどが無料で味わえます。
「空庭テラス」カウンター席に設置された足湯も天然温泉。浸かりながら極上の時間を過ごすことができます。
「京割烹 東山」で繊細な京料理を堪能
旅の最大の楽しみは、なんといってもお食事。夕食は1階にある「京割烹 東山」で、本格割烹料理のコースをいただきます。
店内は各テーブルの間隔がしっかりと取ってあり、プライベート感が保たれています。お品書きなどとともに着物の形に折りたたまれたナプキンも配され、細やかな心遣いに期待感が高まります。
総女将の八重田さんが「楽しみにしてください」とおっしゃっていた先付八寸。運ばれて来た瞬間にその意味がわかりました。大きなお盆に季節の花などを豪華にあしらい、鴨ロースや鮑、手毬寿司などが盛られ、その演出に圧倒されます。
丹念に仕上げられた一つひとつの料理に、こだわりとクオリティの高さが垣間見えるようです。
次の御椀は、カマスとカブ、芽ネギのみぞれ仕立てです。飲んだ瞬間にお出汁のおいしさにびっくり!
お造りや口取りでは、旬の魚の新鮮さを味わいます。特に焼いた皮目が香ばしく、柔らかい食感のサワラが美味でした。
焼きものは黒毛和牛の炭火焼き。絶妙な焼き加減に、一品ごと丁寧に仕上げられていることを実感する一皿です。
続いて運ばれてきたのは、こちらもお出汁が絶品の四万十川のウナギ鍋。後に出されたのどぐろの土鍋ご飯に出汁を入れ、雑炊にしていただくと、より一層旨みが増して驚きでした。
デザートには、イチゴと餡が入ったみずみずしいちまきも。京都に古くから息づく食文化を堪能でき、大満足の夕食でした!
就寝前にインルームスパで疲れを癒す
就寝前にインルームスパを申し込んだので、その前に部屋の露天風呂に入ります。湯船に浸かりながら見る京都の夜景も趣深いものがあります。
あとは寝るだけの格好に着替え、自室で受けられるインルームスパはとてもリラックスできます。今回は、オイルトリートメントともみほぐし、ストレッチを自分の状態に合わせてカスタマイズできる「カスタマイズ・ボディケア」のコースを選択。
オイルには森林や土壌の中に存在し、ミネラル成分が豊富なフルボ酸のエキスが使われているそう。エステティシャンのハンドマッサージとの相乗効果で、特に疲れていた首と肩がすっきり! おかげでぐっすり眠ることができました。
朝も京都の旬を!湯豆腐にほっこり
すっきり目覚め、ラウンジで淹れたコーヒーを持って「空庭テラス」へ。朝日を浴びながら飲むモーニングコーヒーは格別です。
体が目覚めたら、「京割烹 東山」で朝食を。丹波産のコシヒカリと味噌汁が相性抜群。四季折々の食材が少しずつ盛られたおかずも食欲をかき立てます。
注目は京都らしい湯豆腐。大豆のしっかりした味わいを感じられる逸品で、朝の体に染み入ります。
総女将に見送られ、帰路へ
ロビーのある9階でお土産を購入し、チェックアウト。総女将・八重田さんのお見送りを受けて宿を後にしました。
繁華街にありながらも喧騒を忘れ、ゆったりと優雅な滞在を満喫できた「空庭テラス京都 別邸」。気持ちのよいおもてなしと癒しの空間に感謝する旅になりました。人気の観光地から近いうえに温泉やテラスからの絶景なども楽しめ、日頃の疲れを癒したい人にはぴったりの宿。京都を贅沢に楽しみたい方は、ぜひ宿泊してみてはいかがでしょうか。
四条河原町温泉 空庭テラス京都 別邸
- 住所
- 京都市下京区河原町通四条下る2丁目稲荷町324番地
- アクセス
- 阪急京都河原町駅より徒歩約1分
- 客室数
- 32室
- チェックイン
- 14:00
- チェックアウト
- 11:00
取材・文・写真/各務ゆか