![多くの文豪に愛されたホテルで過ごすひととき「山の上ホテル」](/mytrip/sites/mytrip/files/styles/main_image/public/cotrip-2023-03/main_image_20230221121557222.jpeg?itok=zXuQnUsw)
提供:ことりっぷ
東京お茶の水、駿河台の丘の上に建つ山の上ホテルは、アール・デコ様式の建物がシンボルのクラシックホテル。出版社がある神田・神保町に近い立地から、多くの文豪が定宿として愛したことで知られています。客室数35室の小さなホテルながら飲食施設が充実しているのも特徴で、作家・池波正太郎が好んだというてんぷら、洋食ランチやケーキが楽しめるコーヒーパーラーなど、本格的なレストランとバーが7カ所。文豪も食した伝統のメニューを味わうのも楽しみのひとつです。
伝統のホテルデザート・プリンアラモードで至福のひととき
プリンアラモード1800円
ホテルの地下1階にあるコーヒーパーラーヒルトップ。坂に面した大きな窓から心地よい光が射し込み、明るく落ち着いた雰囲気の喫茶室です。創業当時のメニューをペストリーシェフが磨きあげ復刻したプリンアラモードは、ほろ苦いカラメルソースが絶品のプリンに、バニラをさやごと使ったアイスクリーム、スワンのシュークリーム、旬のフルーツをあしらった、見た目も麗しいごちそうスイーツ。レースのランチョンマットがクラシックな気分を盛り上げてくれます。
白鳥が羽を広げたような盛り付けが美しい
低温でじっくり焼いたプリンは濃厚でなめらかな口当たり
クラシカルな店内で、ここだけの時間と空気を楽しんで
奥の壁に池波正太郎による絵画が飾られている
店内の調度品もクラシカル。ピンクのバラが愛らしいシャンデリアと壁のランプは、おそろいのデザインです。壁には、この場所で多くの時間を過ごした池波正太郎が描いた絵画が飾られています。ホテルオリジナルの自家製スイーツのほか、12時間以上かけて抽出する水出しコーヒーや、小海老のロングマカロニグラタンをはじめとする洋食もそろい、ティータイムから食事まで利用できる、使い勝手のよさも魅力です。
坂に面した門にはエレガントな鹿のモチーフ
竣工当時のデザインを復元した館内のインテリアにも注目
ライティングデスクを備えたロビー
立体的な塔をあしらったファザードが特徴の建物は、ウィリアム・メレル・ヴォーリズによる設計で、1937(昭和12)年に建設されたもの。戦後GHQに接収された時代を経て、1954(昭和29)年にホテルとしての営業を開始しました。2019年に行われた大規模リニューアルでは、竣工当時の図面をもとにデザインを復元。床・階段・天井にアール・デコの装飾をまとった、建設当初の姿に生まれ変わりました。
床や壁のタイルも見どころ
5階から螺旋階段を覗き込む
最上階まで吹き抜けになった階段室は見どころのひとつ。金、黒、赤で彩られた螺旋階段が美しく、見上げると、天井にはステンドグラスが貼られています。階段側面や壁の足元のタイルは設計図面から復元されたもの。クラシックでありながらモダンな雰囲気も併せ持つ、アール・デコ様式の美しさを堪能することができます。
吹き抜けを見上げると天井にはステンドグラス
文豪気分で滞在したい庭付きのスイートルーム
文豪もよく利用したという庭付きのスイートルーム
35室ある客室はすべて異なるレイアウト。日本庭園付きのスイートルームや畳にベッドを置いた和洋折衷の部屋は、しばしば文豪たちの執筆の場所として利用されていたそう。どの部屋にも書斎机があり、ホテルからのおもてなしの心を表現した赤いバラが一輪飾られています。
赤いバラが飾られた書斎机
部屋の鍵もレトロなデザイン
手入れが行き届いた客室でおこもりステイ
デラックスシングルの客室
デラックスシングルの客室は、グラスグリーンのカーペットとサクラの木の家具が落ち着いた雰囲気。木々の緑が見える窓からは、明るい光が射し込みます。手書きフォントとイラストがかわいい「起こさないで下さい」のサインプレートをドアにかけ、日々の喧騒を忘れて、手紙や日記を書いたり、読書を楽しんだり……。自分だけの静かな時間を過ごすことができます。
思わずにんまりしてしまうサインプレート
バスアメニティはタイの高級スパブランド「パンピューリ」
ホテルオリジナルのスイーツやグッズをおみやげに
ホテルメイドの上質なケーキがテイクアウトできる
ロビーにあるホテルショップ ヒルトップでは、ホテルオリジナルのケーキや焼き菓子、ホテルグッズを販売しています。
山の上ホテルのパティシエが手がけるケーキは、家族や友人への手みやげにおすすめ。農林水産大臣賞を受賞したレシピをさらにおいしく改良したという山の上ロール(486円)や、山の上チーズケーキ(594円)、山の上ショート(756円)など、ホテル自慢の味をテイクアウトで楽しむことができます。
インクボトルをイメージしたパールチョコ各550円
菓子ギフトのパッケージは、佐藤オオキ氏率いるデザインオフィスnendoとのコラボレーションで、「書斎」をイメージしたデザイン。インクボトルをイメージした容器に入ったチョコレートや、本の形の箱に詰め合わせた焼き菓子などがそろいます。
オリジナルの蛇腹便箋レターセット880円
ホテルの意匠があしらわれた蛇腹便箋レターセットは、日本橋の老舗和紙店・榛原とのコラボレーション。おみやげ品のデザインにも、ホテルのセンスがあふれていて、あれもこれもと欲しくなってしまいます。
文:Chiaki Senbon(Crescente) 撮影:河上真純