全国各地から直行便も数多く就航し、日本国内でも随一の海の青さを誇るリゾートアイランド・宮古島。そんな宮古島の南東部にある5棟限定、全室スイートヴィラの「波癒 namyu the place」は、2食付きプランにすることで、ルームサービスが無料になるという夢のようなサービスが人気です。ホテルの魅力を最大限満喫した2泊3日の旅をお届けします。
1日目・チェックイン
「波癒 namyu the place」があるのは宮古島の南東部、城辺保良（ぐすくべぼら）エリアです。宮古空港からは車で約25分、下地島空港からは車で約50分の場所に位置します。
近辺には360度海を見渡せる絶景岬の「東平安名崎（ひがしへんなざき）」や、登れる灯台として知られる「平安名埼灯台（へんなざきとうだい）」、野生のウミガメが観察できるシュノーケリングスポットの「新城（あらぐすく）海岸」などがあります。
サトウキビ畑が広がるのどかな田園風景の中に、突如として現れるシンプルかつ圧倒的な存在感を放つ建物が「波癒 namyu the place」です。宮古島の自然と文化の融合をテーマに、空間デザインされています。
エントランスでゲストを出迎えるのは、建築の際に出た琉球石灰岩を使い、海岸沿いの風景をイメージして作り上げられた景石です。空と海のブルーに映える、アースカラーの建物がシックな雰囲気です。
エントランスからヴィラへのアプローチもガジュマルやハイビスカスなど潮風に強い南国の植物たちで彩られ、訪れた瞬間から五感で宮古島を体感できます。植栽は将来を見据え、100年後に植物たちが自然へと還れるよう、宮古島の在来種をメインにセレクトしたそう。
「波癒 namyu the place」では、チェックインの手続きが客室で行われます。そのため、ほかのゲストとバッティングもしづらく、夏の繁忙期でも大型ホテルとは異なり、チェックイン手続きで待つことがほとんどありません。
チェックイン時には、旬のフルーツとオリジナルのハーブティー、揚げたての自家製黒糖サーターアンダギーで南国らしいウェルカムサービスが行われます。
訪れた際には、宮古島産のスターフルーツやドラゴンフルーツ、オレンジやメロンとともに、宮古ブルーを思わせるバタフライピーのハーブティーがふるまわれました。1日5組限定のヴィラだからこそかなう、エクスクルーシブなおもてなしです。
1日目・客室でのんびり
客室は約60平米の全室スイート仕様。一面のガラスの向こうに広がる空と海の青さを引き立てるかのように、室内はダークで落ち着いた色調で統一されています。
客室内ベッドはクイーンサイズベッドのハリウッドツインを採用。窓を向いたソファからだけでなく、ベッドからでもインフィニティプール、そして宮古ブルーの海を眺められるという贅沢な造りです。
テラスも約52平米と広々。インフィニティプールも6m×4mあり、プライベートプールでありながら十分な広さです。
海が見えるテラスやプールも自分たちのためだけの、プライベート空間。テラスにはサンベッドが2台配置されているほか、奥のひさしの下にベンチとテーブルも用意されており、ドリンクや軽食を片手にプールサイドでくつろぐこともできます。ちなみにプールは常温。予約時に希望を出せば、温水にすることもできます（別途料金）。
バスルームも黒を基調とし、直線的なデザインを取り入れたシックでミニマル、スタイリッシュな造りです。バスルームは、客室はもちろんテラスともつながっており、シームレスな動線です。
プールから上がってそのままシャワーを浴び、バスタブで体を温めることができますし、湯船に浸かりながら海を眺めることもかないます。
シャンプーやコンディショナー、ボディソープ、ボディクリームなどのバスアメニティには、茶道に魅せられ2007年フランスで誕生したスパ、スキンケアブランド「THEMAE（テマエ）」を採用。各種タオルとバスローブは「赤ちゃんが口に含んでも安全」をテーマにした愛媛県今治市のテキスタイルメーカー「IKEUCHI ORGANIC」のものが用意されています。
歯みがき粉とマウスウォッシュはイタリア・フィレンツェのデンタルケアブランド「MARVIS（マービス）」、シェービングクリームも同じくイタリア・フィレンツェで生まれた「PRORASO（ポロラーソ）」のもの。歯ブラシやヘアコーム、綿棒は日本発サステナブルブランド「MiYO Organic」の竹製です。
さらにうれしいのは「ReFa」のBEAUTECH DRYERと「Panasonic」のナノケアスチーマーを全室に備えていること。日差しが強く、肌や髪のダメージが気になる南国リゾートステイにおいて、ありがたい心配りです。
ナイトウェアは、愛媛県今治市にある「丸栄タオル」のもの。肌触りにこだわり極細糸で織り上げられた、寝心地の良いパジャマです。
ドリンクアメニティも充実しており、引き出しの中には富士ミネラルウォーターや、専用のマシンで楽しめるコーヒーや紅茶、煎茶のカプセルが入っています。
さらに冷蔵庫の中には「アクアパンナ」のミネラルウォーターに、「富士ミネラルウォーター」のスパークリングウォーター、そして沖縄のご当地ビール「オリオン ザ・ドラフト」と「オリオン ザ・プレミアム」の瓶ビールがラインアップ。こちらも宿泊料金に含まれているので、ゲストは自由に客室やプールサイドテラスで味わうことができます。
1日目・夕食
「波癒 namyu the place」の真髄を特に体感できるのがディナーです。宮古の大海原を一望できるゲスト専用レストラン「La namyu」では、宮古ブルーから茜色へと変化する空と海を眺めながら夕食を楽しめます。
まずはスパークリングワインで乾杯。実は2食付きプランの場合、ディナーのドリンクもメニュー表に載っているものであれば、フリーフロー。料理とともに心ゆくまでお酒を楽しめるなんて、特別感のある計らいです。
料理は宮古島の漁師や農家から直接仕入れた食材を使い、フレンチがベースでありながら、宮古島の伝統的な食文化や和食のノウハウも取り入れた現代的なプレゼンテーションで提供されます。
ディナーコースでは全8品のフルコースがいただけます。北海道産のホタテの貝柱と2種類のチーズ、グレープフルーツの酸味とほろ苦さがスプマンテとよく合うアミューズの「グレープフルーツの釜焼き」からスタート。
続く前菜では宮古島産トマトの「プチぷよ」を使ったソースを添えた、沖縄県産鮮魚のお刺身、伊良部島産の鰹のマリネ、海ぶどうなどがプレートでふるまわれました。
お口直しの島果物のソルベに続いて、この日の肉料理「沖縄県美崎牛ヒレ肉のグリル ソテードオニオンの赤ワインソース」が登場。付け合わせにはうりずん豆、島らっきょうのフライが添えられています。お好みで柚子胡椒をつけていただくことで、美崎牛のレベルの高さが実感できるはず。
シェフ手作りのデザートも、多良間島特産の黒糖を使用したエクレア、宮古島産のイチゴのジェラート、宮古島産のイチジクとクオリティの高さに驚かされるはず。
焼きたてパンからデザート、食後のドリンクに至るまで繊細なシェフの手仕事に目を見張るばかり。フレンチの満足感がありつつ、食後感は和食を食べた後のような軽やかさで、宮古島の魅力も存分に堪能できるディナーでした。
1日目・夜
夕食後の客室はターンダウンサービスが行われており、昼間よりもムーディーな雰囲気へと様変わりしています。
夜になったらホテルに戻り客室のテラスに出て、ライトアップされたプールを眺めながら、たそがれるのもいいでしょう。暖かければナイトプールを楽しむのもおすすめです。
バスタブにお湯を張って、1日の疲れを癒やしましょう。バスルームの照明を落とせば、湯船に浸かりながら星空を観賞するなんてことも可能です。プライバシーが確保された空間だからこそできる、贅沢なバスタイムです。
2日目・ブランチ
2日目はゆっくりと起きて、ルームサービスを頼みプールサイドテラスで優雅にブランチを楽しんでみました。ルームサービスの料理というと、冷凍食品や既製品を使っているホテルが多い中、ここはなんとすべて手作り！レストランの食事と遜色ないレベルの高い料理に驚くばかりでした。
今回オーダーしてみたのは「宮古焼きそば（ナポリタン）」と「島野菜の季節のサラダ」、「スパムおにぎり」。「宮古焼きそば（ナポリタン）」は、宮古島で人気の高い「古謝そば」のボイル麺を使用しており、具材にはソーセージではなくスパムとかまぼこ、そして隠し味になまり節を使った和風な仕上がり。
「スパムおにぎり」も食べやすい太巻きカットで、青菜のおひたしがアクセントになっています。「島野菜の季節のサラダ」には合鴨スモークとオレンジがトッピングされており、フレンチのエッセンスも感じられました。
食後のデザートとしてサンゴをイメージしたチュイールがトッピングされたキュートな「冬メロンのパフェ」もオーダー。ホワイトチョコクランチや砕いた雪塩ちんすこう、冬メロンのジェラートに杏仁豆腐、そしてビデンス・ピローサという南国に咲く花のはちみつをまわしかけてあります。
客室に設置されたコーヒーマシンでホットコーヒーをドリップし、パフェとともにゆったり食後のティータイムを楽しみました。
2日目・日中
日中は車を走らせ、ビーチや観光地へ。定番の観光スポットである伊良部大橋をドライブするのもいいでしょう。無料で渡れる橋としては日本で最長の3,540メートルで、まるで海の上を走っているような浮遊感と爽快感が味わえます。
伊良部大橋を渡って伊良部島を散策するのもいいですし、伊良部大橋のふもと近くにある宮古サンセットビーチやパイナガマビーチでのんびり過ごすのもいいでしょう。平良（ひらら）タウンという島の繁華街には、飲食店やお土産屋さんが多く並ぶので、ショッピングや食事を楽しむのもいいかもしれません。
2日目・夜
空気がきれいな宮古島の中でも、周りに人工物がない「波癒 namyu the place」は絶好の星空観賞スポットでもあります。天気がよければ天の川をはじめ、本州では見ることができない南十字星や流れ星も頻繁に見ることができます。特に新月の夜は星空が美しく瞬きます。
そんな星空観賞のおともに、おつまみとお酒があれば完璧。客室内のビールを飲んでもいいですし、ルームサービスを頼むのもいいでしょう。今回私たちは宮古島地ビールの「とぅりばエール」と、宮古島限定の泡盛「豊見親（トゥユミヤ）」のロック、ゴーヤチップスとミミガージャーキーをオーダーしてみました。
ルームサービスは客室に備え付けられたタッチパネルから行えます。ルームサービスの営業時間はドリンク7:00〜24:00（各種カクテル・グラスワインは15:00〜22:00）、フード11:00〜22:00、貸出備品は7:00〜25:00。そのほか施設情報などのホテルインフォメーションも、すべてタッチパネルから確認できます。
3日目・朝食＆チェックアウト
朝になると、東平安名崎の向こうから朝日が昇ってきます。テラスからも美しい朝焼けが拝めるので、ぜひ日の出の前の時間に起きておきたいところです。
朝食をとりに「La namyu」へ。ディナータイムとは打って変わり、朝焼けを思わすやわらかな光が差し込む明るい雰囲気が漂っています。
朝食では選べるドリンクサービスに続き、昔ながらの宮古島料理と和食を折り合わせた「琉球和朝食」が美濃焼の器に盛られてふるまわれます。青パパイヤの浅漬けや大根の山葡萄漬け、島人参のシリシリ、島南瓜の煮物、島野菜のおひたしなど島野菜がたっぷりです。
宮古島産のもずく酢や、アーサの出汁巻き玉子、ソーキのお味噌汁、多良間島の黒糖で煮込んだラフテーと大根、ジーマミー豆腐の揚げ出汁など温かい料理も充実しています。
メインのお皿には、沖縄県産マーマチ（ヒメダイ）の幽庵焼き、ちりめんじゃこと大葉のクロケットの宮古味噌ソース、島野菜の天麩羅がのっており、どれも土鍋で炊いたごはんとよく合います。
デザートは杏仁豆腐とライチのジュレ、そして島のフルーツ。食後にはコーヒーや紅茶、ハーブティーのサービスもあり、朝から大満足でした。
5棟限定だからこそ実現した、一人ひとりのゲストに寄り添うエクスクルーシブなサービスが魅力の「波癒 namyu the place」。大型リゾートホテルでバケーションを楽しむのもいいですが、一流シェフによる美食とともに、別荘地のようなプライベートなひとときを過ごせば、より一層思い出に深く刻まれるはず。海の青さと美食に癒やされる、ラグジュアリーな大人のリゾート旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
波癒 namyu the place
- 住所
- 沖縄県宮古島市城辺字保良1145-10
- アクセス
- 宮古空港より車で約25分 下地島空港より車で約50分
- 駐車場
- 有り（無料・予約不要）
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 11:00
- 総部屋数
- 5室
撮影／川畑 公平 取材・文／中森りほ
