【京都・東山の紅葉さんぽ】絶景と町家カフェをめぐって東福寺から泉涌寺へ♪

【京都・東山の紅葉さんぽ】絶景と町家カフェをめぐって東福寺から泉涌寺へ♪

提供:ことりっぷ

 

秋が深まる京都。大勢の人で賑わう東福寺は京都きっての紅葉の名所です。ダイナミックな風景が楽しめるとあって人気のスポットですが、塔頭の光明院、勝林寺、そして近くの泉涌寺でも魅力あふれる秋景色が迎えてくれます。4寺院は歩いてめぐれる距離。風情ある町家カフェでひと息つきながら紅葉さんぽを楽しんでみませんか。

 

 

重森三玲のモダン庭園が朱に染まる虹の苔寺「光明院」

重森三玲のモダン庭園が朱に染まる虹の苔寺「光明院」 額縁におさめられた絵画のように映る波心の庭

東山紅葉さんぽは、東福寺塔頭の光明院からスタート。京阪鳥羽街道駅から東へ歩くこと約6分で到着します。

「波心の庭」と呼ばれる方丈前の枯山水庭園は、寺名の光明がテーマ。斬新な作風で知られる昭和の名作庭家・重森三玲が手掛けました。白砂の大海に優美なカーブを描く苔が広がり、点在する石は仏様から放たれた光が広がっている様子を、庭を取り囲むサツキやツツジは雲を象徴しているそう。

 

丸窓は本堂と書院の間にあるので見逃さずに

光明院の特徴のひとつは、本堂、書院、観庭楼という3つの建築が庭を取り囲み、さまざまなアングルから鑑賞できるという点。とくに丸窓からの眺めは格別です。朱が差した秋だからこその風情ある表情が楽しめます。

 

 

紅の雲海が眼下に広がる京都随一の絶景紅葉「東福寺」

紅の雲海が眼下に広がる京都随一の絶景紅葉「東福寺」 時期により通天橋からの撮影は禁止に。この風景は心に刻んで

光明院を出て右に進むと、間もなく東福寺の六波羅門が見えてきます。広い境内は、まず通天橋からめぐりましょう。

室町時代に、画僧の明兆(みんちょう)が絵の褒美として「修行の妨げになる桜の木」をバッサリ切り倒すことを望んだ結果、カエデが植えられたというエピソードが伝わる東福寺。通天橋から境内を眺めると、湧き立つ紅葉は息をのむ美しさです。

 

洗玉澗は紅葉が舞い散る頃が美しい

通天橋の下に広がるのは、約2000本もの紅葉が茂る洗玉澗(せんぎょくかん)。石段を降りてこの谷を散策することもできます。降り積もったばかりの美しい散り紅葉が見られる早朝は感動ものですよ。

東福寺を去る前に渡るもう1本の橋が臥雲橋(がうんきょう)。真紅の雲に浮かぶ通天橋が映えるスポットです。ここもシーズン中は撮影ができないので、目と心にしっかり焼き付けておきましょう。

 

 

美麗神の吉祥天が宿る紅葉「勝林寺」

美麗神の吉祥天が宿る紅葉「勝林寺」 かつては祇園の舞妓さんがお参りする姿も見られた吉祥紅葉

臥雲橋から北に約5分歩くと、東福寺塔頭の勝林寺に着きます。

東福寺の群生する紅葉とは対照的に、こちらは1本の紅葉を愛でるスタイル。本尊の毘沙門天の妻である吉祥天が宿るという「吉祥紅葉」です。その瑞々しい朱の色味、秋空に向かいのびやかに枝葉を伸ばす姿は、見ているだけで幸せな気分になれます。美人祈願や縁結びのご利益もあるそうですよ。

 

花は週2回(12~3月は週1回)入れ替えられる

また花手水も勝林寺の魅力のひとつ。この季節は菊など秋の花がボリューミーに浮かびます。カラフルで立体的な手水にはファンも多くリピーターが続出。ほぼ毎日できる座禅や写経などの体験と組み合わせて訪れるのもよさそうです。

 

 

錦に包まれた雅な御座所庭園「御寺 泉涌寺」

錦に包まれた雅な御座所庭園「御寺 泉涌寺」 御座所庭園の気品ある紅葉に歓声が上がることも

勝林寺からは住宅地の間を縫うように東へ徒歩約10分。泉涌寺の大門が迎えてくれます。

皇室の菩提寺であり、今なお皇族の方がお参りに来られるという格式高い寺院です。その際に休憩所として使われるのが御座所。その庭園は秋になると、紅、朱、黄と錦に染まり雅な空気に包まれます。

 

錦の散り紅葉は秘密にしておきたい美景

また、早もみじの名所でもある御座所庭園。例年11月10日過ぎから色付き始めるので、初秋の京都を旅するなら、ぜひ立ち寄ってください。さらに、散り紅葉の美しさにも注目。色とりどりの葉がそのまま苔庭に舞い落ち、大地を錦に染めます。

 

 

100年の時を刻んだ古い町家でデリプレートを「喫茶と菓子 Tile’s」

100年の時を刻んだ古い町家でデリプレートを「喫茶と菓子 Tile’s」 「自家製酵母パンのデリプレート」 1,250円と「本日のブレンドコーヒー」500円

紅葉さんぽの途中でひと息つける隠れ家カフェ「喫茶と菓子 Tile’s」は、勝林寺にも泉湧寺にも近い最高のロケーションです。

日によって内容が変わる「自家製酵母パンのデリプレート」は、自家製のルヴァン種酵母と国産小麦を使い、低温でじっくりと発酵させて焼き上げたパンが自慢。この日の石臼挽き全粒粉カンパーニュとフォカッチャは、独特のむっちり感があり、食べ応えも十分です。彩り鮮やかに盛り合わされたサラダにウィンナー、じゃがいもと玉ねぎのポタージュもボリュームたっぷりですね。

 

自然光が差し込む明るい町家。テーブル間もゆったりしていてくつろげる

カフェは、築100年の町家を、職人さんたちが昔の面影を生かして和モダンな雰囲気に改装した素敵な空間。苔が美しい小さな坪庭が目を楽しませてくれます。

自家焙煎のコーヒーをはじめ、紅茶や自家製梅シロップソーダなどのドリンクも充実。スコーンやクッキーなどの焼き菓子もあり、ランチだけでなくティータイムにもよさそうです。

 

 

懐かしくて新しい落ち着く喫茶店「Cafe January」

懐かしくて新しい落ち着く喫茶店「Cafe January」 「あんバターフレンチトースト」1,000円

もうひとつの町家カフェは、JRと京阪の東福寺駅から徒歩3分。珈琲豆を扱う京都の名店で修業した店主の挽きたて淹れたてのコーヒーが味わえます。

人気メニューのフレンチトーストは、ふんわりしっとり甘過ぎず、添えられたバニラアイスがとろけて美味。生クリームも濃厚でまるでチーズのよう。東福寺や泉涌寺の広い境内を散策した後なら、ペロリと食べられそうです。

 

築約100年の町家にはテーブル席だけでなく、靴を脱いでゆったりできるお座敷席も。4名までのグループ限定なので、静かな落ち着いた時を過ごせます。

また、サンドイッチやカレーなど昔ながらの喫茶メニューに加え、モーニングメニューが5種もあるので、朝ごはんを食べてから紅葉さんぽに出かけるのにも最適です。

 

この秋に東福寺を訪れるなら、その周辺の紅葉スポットにもぜひ足を運んでみましょう。新たな京都の秋が発見できるかもしれません。

 

 

文:戸塚 江里子(らくたび)

 

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