廃墟観光の際には事前にリサーチし、マナーを守りましょう
ノスタルジックな雰囲気が漂う廃墟。近年では「軍艦島」が世界遺産に登録されるなど注目を集めています。懐かしさを感じるフォトジェニックなスポットもありますが、訪れる際にはいくつか注意することが必要です。廃墟には所有者がおり、無断で入ることは不法侵入に値することがあります。また、建物なども古く、崩れる危険性などがある場合もあるので、十分な注意を払う必要があります。物を壊したり、騒いだりするのはマナー違反です。廃墟に行ってみる際には必ず事前にリサーチし、マナーを守りながら見学しましょう。
【長崎県】長崎市
軍艦島(ぐんかんじま)
1890年から石炭の発掘が開始され、1974年の閉山まで日本の近代化を支えてきた端島炭鉱。小さな島ながら最盛期には労働者とその家族5,000人以上が暮らしていました。閉山後は無人島となりましたが、病院や学校、神社、映画館など当時の建物は今も残されたまま。長崎からの上陸クルーズを行っているツアー会社に申し込めば、間近で見学可能です。2015年には世界文化遺産に登録されたことで注目度はますます高まっています。
【宮城県】大崎市
化女沼(けじょぬま)レジャーランド
仙台の不動産経営者が地元を活性化させようと1979年に開園した遊園地。バブル崩壊のレジャー不振などによって入場者が減少し、2001年に閉園しました。しかし「化女沼を一大観光地にしたい」という夢を受け継いでくれる人が現れるまで撤去しないという方針。観覧車などの遊具がそのまま残されているほか、園内は元作業員などによって定期的に清掃も行われているそうです。無許可での立ち入りは禁止ですが、不定期で見学ツアーが開催されることもあります。
【和歌山県】和歌山市
友ヶ島(ともがしま)
和歌山の紀淡海峡に浮かぶ無人島。ここには戦時に使われていた日本軍の砲台がたくさん残されているほか、レンガ造りの建物に植物が絡まり、幻想的な風景を生み出しています。その様子がまるで「天空の城ラピュタ」の世界と話題を集め、廃墟マニアだけでなくアニメファンの観光客も多く集めています。一部を除いてほとんどの建物が自由に見学可能。RPGのような感覚で探検してみては。加太港からフェリーでアクセス可能です。
【福岡県】糟屋郡志免町
志免鉱業所竪坑櫓(しめこうぎょうしょたてこうやぐら)
戦時下に日本海軍が石炭を確保するために開いた志免炭鉱の遺構。当時としては近代的な技術を使った鉄筋コンクリート造で、地上高さ47.65mにおよぶ巨大なタワーは存在感抜群です。地下には竪坑が430mまで伸びているとか。もちろん中には入れませんが、現在周囲は公園として整備されており、迫力ある姿をすぐ近くで眺めることができます。
【神奈川県】横須賀市
猿島(さるしま)
猿島は東京湾で唯一の無人島。かつては海軍の砲台が置かれた要塞の島でした。現在は猿島公園として遊歩道が整備され、自由に散策が可能(入園料:大人200円、小・中学生100円)。砲台に併せて建設されたトンネルや兵舎、弾薬庫などが残されており、当時の様子を偲ぶことができます。横須賀の三笠桟橋から船で約10分とアクセスも便利。東京から約1時間で行けるお手軽廃墟スポットとして人気を集めています。
【秋田県】鹿角市
尾去沢鉱山(おさりざわこうざん)
歴史は古く、約1,300年前から採掘が行われ、東大寺の大仏にも使われたという伝説が残るほど。1978年に閉山するまで銅や金などの鉱物が採掘され、東洋最大級の鉱山と謳われるほどになりました。1978年に閉山した後は、産業遺産としてテーマパークのように保存されており、ガイドツアーを申し込めば選鉱場跡や製錬場跡などを間近で見学可能。坑道内には人形で当時の作業員たちの様子を再現しています。
【新潟県】佐渡市
北沢浮遊選鉱場跡(きたざわふゆうせんこうばあと)
佐渡金山に付帯する施設で、金銀の浮遊選鉱法の実用化に世界で初めて成功。その処理能力の高さから「東洋一の浮遊選鉱場」といわれた近代遺産です。コンクリートの骨組みだけが残り、中は立入禁止ですが、外から眺めるだけでもそのスケール感に圧倒されます。イベント会場としても利用されることもあり、観光シーズンの夜間はライトアップも行われ、とても幻想的な景色を楽しむことができます。