国内外から大勢の観光客が訪れる京都市で、市内を走る公共交通の混雑緩和を図るため、全国初となる観光客特化型の路線バス「観光特急バス」が2024年6月1日から導入されます。
土・日・休日限定の運行で、京都駅から清水寺や祇園、銀閣寺などの主要観光スポットのみに停車する、観光客にうれしい特急路線です。
観光客向けに運行される、人気の東山エリア直行バス
アフターコロナや円安などによるインバウンド客の急増を受け、国内の人気観光地では近年、過度な混雑の解消や観光客のマナー向上といったオーバーツーリズム(観光公害)対策が急務になっています。
国内屈指の人気観光地である京都でも、路線バスが慢性的に混雑し、地元住民の生活に影響が出るなど、課題に挙げられていました。
京都市バスが6月より新たに導入する「観光特急バス」は、京都駅と人気の東山エリアを結ぶ直行路線で、愛称は「楽洛ライン」。市民と観光客が利用する路線をすみ分ける目的で、土・日・休日に運行されます。
観光客向けの車両には前面に「観光特急」と表示されるほか、「EX100」「EX101」といった専用の系統番号を表示。
1回の運賃は通常路線の約2倍と割高ですが、観光に便利な「地下鉄・バス1日券」などがあれば、追加料金なしで乗車できるため、自由に乗り降りしながらスムーズに京都市内を巡れます。(地元住民の乗車を想定しないことから、定期券や回数券などは利用対象外)
▼参考記事
観光地そばだけに停まる「観光特化型」路線バス
「観光特急バス」の特徴のひとつは、停留所を有名観光地の最寄りに絞っている点です。
京都駅~五条坂(清水寺)・祇園・銀閣寺前を周遊する「EX100号系統」は1日24本、京都駅〜五条坂(清水寺)間だけを往復する「EX101号系統」は1日16本が運行されます。観光地以外の停留所には停車せず、京都駅から五条坂(清水寺)までは約10分、祇園までは約13分、銀閣寺前までは約24分で到着します。
また、特に多くの乗車が予想される午前中は、2系統合わせて約7〜8分ごとに京都駅を出発するダイヤが組まれているので、観光客にとっては「すぐに乗れてスムーズに目的地へ行ける」便利な路線になりそうです。
「楽洛ライン」はこのほか、銀閣寺と金閣寺などを結ぶ区間急行(102号系統)や、主要観光地以外も停車する観光客向けルート(105号、106号系統)、嵐山と金閣寺などを結ぶ急行(109号系統/秋の繁忙期・GWのみ運行)も新たに設けられます。
観光の利便性アップとともに、市民の日常の足でもある路線バスの混雑緩和が期待される「観光特急バス」。京都の旅を快適に楽しむため、訪れた際はぜひ利用してみてください。
京都市バス「観光特急バス」
- 運行開始日
- 2024年6月1日
- 運行日
- 土・日・休日、お盆(8月14〜16日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
- 運行系統
- 【EX100号系統】京都駅前 〜 五条坂(清水寺) 〜 清水道(帰りのみ)〜 祇園 〜 岡崎公園 美術館・平安神宮前 〜 銀閣寺前 24回運行/日
【EX101号系統】京都駅前 〜 五条坂(清水寺) 16回運行/日 - 運賃
- おとな 500円、こども(小学生) 250円
【地下鉄・バス1日券】おとな 1,100円、こども 550円 - 詳細
- 「京都市バス・地下鉄ガイド」観光特急バス
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