360度の大パノラマで札幌の緑あふれる自然と都会的な街並を眺めることができる札幌・藻岩山(もいわやま)。夜景のビュースポットとして有名ですが、札幌の緑あふれる自然と街のコントラストを楽しめる日中に訪れるのも人気です。しかも、藻岩山まで行く道中は、札幌名物の路面電車に乗ることができるから、お子様連れの家族旅行にもぴったりです。
藻岩山ってどんなところ?
画像提供/札幌もいわ山ロープウェイ
札幌市中心部から車で約20分という好アクセスな立地にある標高531mの藻岩山。市街地に隣接していながらも、国の天然記念物に指定されている原生林が広がる、日本でも珍しい山です。山頂からは360度の大パノラマ
で札幌の街並みと自然を眺めることができ、昼夜問わず多くの観光客で賑わっています。
藻岩山の山頂に行く途中には、北海道土産が豊富に揃うお土産ショップがあり、山頂には素晴らしい景色も眺められるレストランやプラネタリウムなどもあり、見どころもたくさんあります。
札幌中心部から藻岩山へのアクセス方法
藻岩山へは、路面電車(市電)、バス、車で向かうことができて便利です。今回は、札幌名物でもある路面電車で向かいます。
路面電車の「西4丁目」停留所から乗車
札幌の繁華街から藻岩山へ行くには、地下鉄大通駅のすぐ近くにある路面電車停留所「西4丁目」から乗ります。路面電車は環状運転していて、「内回り」と「外回り」があります。どちらに乗っても目的地に到着しますが、場所によっては遠回りになってしまうこともありますので、注意が必要です。藻岩山の最寄りの停留所「ロープウェイ入口」へ向かうには、「内回り」に乗車します。
「内回り」と「外回り」で停留所の場所が若干異なり、「西4丁目」の内回りの停留所は、札幌駅とすすきの駅を結ぶ札幌駅前通沿いにあります。
路面電車がやってきたら、正面の電光掲示板の「内回り」の表示を確認するようにしましょう。
「西4丁目」から「ロープウェイ入口」までの所要時間は約20分、料金はどこまで乗っても大人200円、子ども(小学生以下)100円です。日中は7〜8分置きに運行しているので、あまり待つことなく乗れるのもうれしいですね。
車窓から札幌の街並みや行き交う人々を眺めながら進んでいきます。進行方向には毎年数多くのスキージャンプの大会が開催される「大倉山ジャンプ競技場」が見えるので、ぜひチェックしてみてください。
「ロープウェイ入口」で下車、無料シャトルバスへ
窓の外に広がる街並みを眺めていたら、あっという間に「ロープウェイ入口」の停留所に到着!ここから藻岩山まで向かいます。
ちなみに帰りに「ロープウェイ入口」から「西4丁目」まで戻る際は、来たときと反対側の車線にある「外回り」の停留所から路面電車に乗る方が近道です。
「ロープウェイ入口」から藻岩山のロープウェイ乗り場まで歩いて約8分と近いですが、「ロープウェイ入口」の停留所のすぐ近くから無料のシャトルバスが出ていますので、ぜひ利用しましょう。
路面電車を降りると、停留所には無料シャトルバス乗り場の案内図があります。
交差点を渡ってすぐ、徒歩1分ほどの場所にシャトルバス乗り場があります。バスは10:15から21:15まで、15分間隔で運行しているので、路面電車と同様にこちらもあまり待つことなく乗車できますよ。
藻岩山ロープウェイ乗り場に到着!まずは「もいわ中腹駅」へ
約5分で藻岩山のロープウェイ乗り場に到着。ここからロープウェイに乗って「もいわ中腹駅」へ向かい、ミニケーブルカー「もーりすカー」に乗り換えて、展望台のある「もいわ山頂駅」を目指します。
ロープウェイ乗り場のある「もいわ山麓駅」は地上4階建ての駅舎で、建物内はすべてバリアフリー対応。1階からエレベーターに乗り、ロープウェイ乗り場のある4階まで向かいます。
こちらがロープウェイの乗車券売り場です。料金は、ロープウェイともーりすカーの往復セット料金が大人1,700円、子ども(小学生以下)850円です。
乗車券を購入したら、ロープウェイがくるまでこちらで待ちます。ロープウェイは15分間隔で運行しています。混雑時は行列ができることもありますので、時間に余裕を持っていきましょう。
いざ、ゴンドラに乗り込みます。2011年にもいわ山関連施設がリニューアルされた際、このロープウェイのゴンドラも大きなガラス面が特徴の最新型へ変更となりました。
もいわ中腹駅までは距離が1,200m、乗車時間は約5分です。時速18kmで動くゴンドラは思っていたよりも速く、目の前に一気に広がる札幌の街並みに思わず歓声が。天気がよければ、遠くには石狩湾が一望できます。
ゴンドラは天井近くから足元までガラスのため、まるで空中散歩をしているような不思議な気分になりますよ。
ゴンドラ内は基本的に立って乗るスタイルですが、イスも完備されているので、小さなお子様やご高齢者の方も安心です。
ガイドさんによる札幌の街並みや藻岩山についての説明を聞きながら眼下に広がる札幌の街並みに酔いしれていると、約5分の空中散歩はあっという間に終了し、もいわ中腹駅に到着です。
「もいわ中腹駅」には充実のお土産ショップが
駅舎の中に入ると、エゾリスをモチーフにした藻岩山のマスコットキャラクター「もーりす」がお出迎えしてくれます。小さいお子様なら一緒に写真を撮ってみてもいいかも!
もいわ中腹駅に降りると、北海道ならではのお土産が揃うショップ「もいもいのお店」の売り場が目の前に広がります。
藻岩山マスコットキャラクター「もーりす」のお菓子もいっぱい!かわいらしい「もーりすプリントクッキー」(660円)や北海道バターをたっぷり使った「もーりすバター飴」(650円)など、ここでしか手に入らない藻岩山限定アイテムが豊富に揃います。
「もーりすソックス」(540円)や文房具、コップなど、もーりすオリジナルグッズもラインナップ。
もーりすがプリントされたTシャツは、小さなお子様用の90cmから大人用まで揃っているので、家族みんなで旅の記念にお揃いTシャツを購入するのもおすすめです。
もちろん、北海道の定番土産であるお菓子や食品も充実しているので、見ているだけでも楽しい気分に。ついつい長居してしまいます。
もいもいのお店
- 営業時間
- 夏季(4~11月)10:30〜21:30、冬季(12~3月)11:00〜21:30
なお、もいわ山各施設のパブリックスペースはすべてバリアフリー対応しています。すべての建物にオストメイト対応の多目的トイレ「だれでもトイレ」が設置されており、オムツ替えスペースも完備。赤ちゃん連れの方も安心して利用できますよ。
ミニケーブルカー「もーりすカー」でいよいよ山頂へ!
藻岩山の山頂へ向かうには、もいわ中腹駅からミニケーブルカー「もーりすカー」に乗車します。15分間隔で運行し、こちらの乗り場で待つとスタッフの方が案内してくれます。
画像提供/札幌もいわ山ロープウェイ
もーりすカーは2両編成で運行する森林体験型のミニケーブルカー。時速は12.6kmで、ロープウェイよりも少しのんびりと走ります。まるで森の中を駆け抜けるような感覚を楽しめますよ。
天井にはマスコットキャラクターのもーりすが!
約2分で「もいわ山頂駅」に到着。
山頂駅は地上2階建の駅舎で、1階から展望台のある屋上までエレベーターで向かうことができます。
藻岩山の山頂から望む絶景
画像提供/札幌もいわ山ロープウェイ
山頂に到着したら、さっそく展望台へ。目の前に広がるのは、札幌の街並みを見渡せる360度の大パノラマ!札幌のさわやかな風を全身で感じながら絶景を見下ろす体験は、たまらない開放感をもたらしてくれるものです。
天気が良ければ、雄大な石狩平野や石狩湾などを見渡すこともできます。展望台の各所に、その位置からなにが見えるかを記載した案内ボードもあるので、見比べながら探してみるのも面白いですよ。
また、冬は札幌が真っ白い雪に包まれた銀世界となり、また違った景色を楽しむことができます。
藻岩山は、プロポーズにふさわしいロマンティックなスポットとして2012年に「恋人の聖地」に選定されました。
こちらの山頂展望台にある「幸せの鐘」は記念撮影のスポットとしても人気。鐘のまわりの手すりには永遠の愛を誓い合う「愛の南京錠」をとりつけることができます。もちろん、ご家族で南京錠に記念のメッセージを書いて取り付けるのもOK!「愛の南京錠」はもいわ中腹駅にある「もいもいのお店」で1,000円で購入できますよ。
もいわ山頂駅の駅舎2階には、プラネタリウムクリエーターによって生み出された直径約6mのドームが広がるスーパープラネタリウムを観覧できる「スターホール」があります。料金は大人700円、子ども(中学生以下)400円で、上映時間は約20分。なお、「愛の南京錠」は、こちらのスターホール入口でも販売しています。
絶景を眺めながら札幌グルメも堪能
画像提供/札幌もいわ山ロープウェイ
山頂には全面ガラス張りの展望レストラン「THE JEWELS(ザ・ジュエルズ)」も。約270度の絶景に囲まれた中で、カジュアルフレンチを楽しめます。
ランチはプレートランチやパスタ、ピラフといった豊富なメニューが揃う中で、注目なのが札幌名物のスープカレー!「北海道名物 ザンギ(鶏の唐揚げ)スープカレー」(1,300円・税別)は、北海道のご当地グルメでもある大きなザンギが3個も入ったうれしいボリュームのひと品です。12歳以下限定の「お子様パスタ(オレンジジュース付)」(700円・税別)といったキッズメニューや子どもイスも揃っているので、お子様連れも安心して利用できます。
食後は「北海道産牛乳アイスクリーム」(500円・税別)を。展望台の眺めにも引けを取らない素晴らしい絶景を眺めながら、デザートをゆっくり味わうのも贅沢なひととき。
レストランを利用するなら、断然予約がおすすめです!週末などは予約で埋まってしまう場合もありますので、予定が決まったら早めに予約をしましょう。
また、レストラン横にはテイクアウトコーナーもあるので、こちらで軽食を購入するのもおすすめです。
ベーコンとチーズを焼き上げた「じゃが棒」(500円)や「プレッツェル」(450円)など、サクッと食べられるフードメニューが揃います。テイクアウトコーナーの横には、専用のイートインスペースもありますよ。
レストラン「THE JEWELS」
- 住所
- 北海道札幌市南区北ノ沢1956番地先藻岩山山頂
- 電話番号
- 011-513-0531
- 営業時間
- 営業時間 夏季11:30〜21:00(LO20:00)、冬季12:00〜21:00(LO20:00)
※15:30〜17:00はクローズ(テイクアウトは営業)
- 定休日
- 施設の営業に準ずる(整備点検による2週間程度の休業日あり)
暗くなれば日本新三大夜景も!
画像提供/札幌もいわ山ロープウェイ
時間があれば日の入りを待って、「日本新三大夜景」にも選ばれたロマンティックな夜景をぜひ鑑賞しましょう!眼下にはオレンジ色に灯る街灯や繁華街のネオンなど、まるで色とりどりの宝石のように輝く街並みが広がります。
札幌の街並みとともに自然も満喫できる藻岩山は、市内中心部から路面電車と無料シャトルバスを利用して30分程度で行ける場所。全館バリアフリーなうえ、食事やお土産ショップなども充実しているので、ファミリーでの札幌観光旅行にぴったりです。
今回はロープウェイともーりすカーを利用して山頂へ向かう方法をご紹介しましたが、藻岩山は登山道もあるため歩いて向かうことも可能です。小さなお子様も楽しめる登山道もあるので、小動物や植物など藻岩山の自然にふれながらハイキングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
札幌 もいわ山ロープウェイ
- 住所
- 北海道札幌市中央区伏見5丁目3-7
- ロープウェイ運行時間
- 4月〜11月10:30〜22:00(上り最終21:30)
12月〜3月11:00〜22:00(上り最終21:30)
年末年始は特別営業(要問合せ)
- 定休日
- 悪天候時、整備点検のため2週間程度休業あり(要問合せ)
- 料金
- ロープウェイ+もーりすカー(往復)大人1,700円・小学生以下850円、
ロープウェイ(往復)大人1,100円・小学生以下550円
もーりすカー(往復)大人600円・小学生以下300円 - チケット
- もいわ山ロープウェイ+ミニケーブルカー 乗車Eチケット(引換券)の購入はこちら
- アクセス
- (市電で)
市電停留所「西4丁目」から内回り線で約20分、市電停留所「ロープウェイ入口」下車。無料シャトルバスで約5分
(車で)
JR札幌駅から約20分
- 駐車場
- 無料(もいわ中腹駅に約80台、もいわ山麓駅に約120台)
取材・撮影・文/佐々木理恵
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