京都・丹後半島の海辺で暮らすように泊まる「HOTEL HOLIDAY HOME」

HOTEL HOLIDAY HOME

京都府北部、丹後半島の西側に位置する久美浜(くみはま)。海と山に囲まれたロケーションで、穏やかな久美浜湾には京都府選定文化的景観に指定された牡蠣棚の風景が広がります。そんな自然豊かな地にあるのが、「everyday classic」をコンセプトに全国に展開するアパレル・雑貨ショップ「Bshop(ビショップ)」の系列ホテル「HOTEL HOLIDAY HOME」。イギリスの湖水地方のような季節の花や木々が息吹くおよそ6,000坪の敷地にたった6室だけの、「暮らすように、泊まる」が叶うホテルです。このホテルの詳細、滞在記を紹介します。

 

自然に包まれて、「HOME」のようにくつろげる「HOTEL HOLIDAY HOME」

HOTEL HOLIDAY HOME

久美浜の「HOTEL HOLIDAY HOME」までは、大阪市内や京都市内から車で2時間30分ほど、電車では京都丹後鉄道・久美浜駅やかぶと山駅からホテルまで送迎サービスでアクセスできます。

HOTEL HOLIDAY HOME

ホテルに到着すると、まるでイギリスの湖水地方のような景色が待っていました。あえて自然を生かしたような庭は、「雑木林を作るならこの人」と言われる造園職人・金子文治氏によるもの。ホテルの裏手にあるかぶと山に自生している樹木を確認した上で、そこに似合う木々や山野草、花々をあしらった、匠だからこそなせる世界が広がっています。

HOTEL HOLIDAY HOME

さっそく、木のぬくもりあふれるレセプション棟でチェックイン。冬には暖炉が温かく迎えてくれ、大きな窓からは雑木林を眺められます。棚には京都に関する本や雑誌が並び、自由に借りて読むことも。ほっと落ち着く空間に、一瞬にして日常を忘れます。

HOTEL HOLIDAY HOME

客室は、広大な敷地に、それぞれ趣が異なるヴィラが6室点在しています。各客室をつなぐのはこんな小道。緑の木々や小さな花々を愛でながら、思い切り深呼吸したくなります。

建物の設計・施工は、数寄屋造りを得意とし、御所や迎賓館、永平寺(福井県)などの木工事や改修工事に携わる安井杢(やすいもく)工務店。「日本家屋の職人集団がこのイギリスの田舎のような空間を?」と思ったものの、西洋のディテールもエッセンスとして組み込み、この建物全体がひとつの数寄屋造りになっているのだそう。

 

薪ストーブのあるメゾネットタイプの客室「スーペリア・スイート」

HOTEL HOLIDAY HOME

6室のなかでいちばん広いのが、緑の中に白い壁がまぶしい2階建てメゾネットタイプの客室「スーペリア・スイート」。広さ106平米、6名まで宿泊できます。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

中に入ると、開放的な吹き抜けの空間が。北欧風のシンプルモダンで、心も体ものびのびできる居心地のよさは、「ここに住みたい!」と思わせるものがあります。実際、この建物を元にマイホームをつくった人もいるそう。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

この部屋には薪ストーブがあり、薪をくべた香ばしい香りが室内に広がり、冬ならではの風情を感じさせます。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

テーブルにはこんなお茶のセットもスタンバイ。ホテルオリジナルブレンドのコーヒーのほか、宇治茶の老舗「丸久小山園」の煎茶とほうじ茶、150年の歴史を誇るフランスを代表するプレミアム ティー メゾン「KUSMI TEA(クスミティー)」の紅茶。そして、カップやティーポットは、用の美を追求する島根県出雲市にある窯元「出西窯(しゅっさいがま)」のもの。

このホテルでは、使用するもの、提供するものすべてが、「暮らすように、泊まる」「日々の暮らしの中に加えてほしいモノをそろえる」ことに徹しているとのこと。室内にあるもの一つひとつに、時を超えて、人々の暮らしの中で長く親しまれるもの=「everyday classic」という「Bshop」のコンセプトに通ずるこだわりが感じられます。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

そして、ベッドルームは2つあり、ひとつは1階に。ウッディな空間と清潔感あふれるベッドリネンに、安らぎのひとときを過ごせそうです。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

もうひとつの2階のベッドルームがこちら。吹き抜けの2階部分にあり、隠れ家のような雰囲気があります。窓からは庭の緑も見渡せて、とても快適。

リネンはベルギーの「リベコ」のものを全室に使っています。ピュアリネンのほどよいシャキッとした肌ざわりが心地よく、心落ち着く場所でありたい、ホテルというより「HOME」でありたいという思いを感じました。

HOTEL HOLIDAY HOME アメニティ

ルームウェアはブルーのストライプがおしゃれ。男性用は上下セパレート、女性用はワンピースになっています。あまりの着心地のよさに思わずほしくなってしまいました。これは併設する「Bshop KUMIHAMA」でも購入できます。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

この「スーペリア・スイート」でぜひ注目してほしいのが、2階ベッドルームから続くテラスです。芝生の向こうには、久美浜湾の景色が! 穏やかな海を眺める特等席があるのは、全館通してもこの客室だけです。鳥のさえずりに包まれながら、穏やかな久美浜湾を眺めていると、日々の疲れがほろりとほどけていきます。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

バスルームは1階に。白を基調に、ウッドをアクセントにしたシンプルなデザイン。窓からの緑が彩りを添え、昼間はとても明るい印象です。夜はあたたかなライトの光に包まれて、癒しのバスタイムが叶います。

HOTEL HOLIDAY HOME アメニティ

バスアメニティは、オーストラリアのメルボルンで誕生した「GROWN ALCHEMIST(グロウン・アルケミスト)」。科学の力とオーガニックコスメの信頼性と安全性をあわせもったハイブリッドなコスメで、クレンジングから、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ボディクリームまで統一されています。ローズやラベンダーなどの華やかな香りもたまりません。これも気に入れば「Bshop KUMIHAMA」でも購入可能です。

 

より湖水地方を感じさせるカントリー調の客室「デラックス・スイート」

HOTEL HOLIDAY HOME

まさにイギリスの湖水地方にあるような石造りの建物に、思わず「海外にいるみたい!」と興奮してしまったのが、このホテルで2番目に広い客室「デラックス・スイート」。102平米で、4名まで宿泊可能です。この建物も数寄屋造りの技術が使われていることに驚きます。

HOTEL HOLIDAY HOME

隣には、イギリス・コッツウォルズから運んできたハニーストーンをホテルのスタッフみんなで組み上げて造ったというストーンハウスが立ち、「ここはイギリス?フランス?」と思わずうなってしまうほど。テラスに出ると、庭の奥にこんな教会のような石の建物が見え、海外に来た気分になります。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

内観は、少し灯りを落としたクラシカルな雰囲気。木の梁が重厚感満点のリビングルームには、アンティークの家具が見事に溶け込み、本当に素敵! 泊まる人を優しく包んでくれる隠れ家的なムードがたまりません。また、手前のソファに座ると、海と夕陽を見ることもできます。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

ベッドルームもまたしかり。灯りは控えめで、とても落ち着いた雰囲気です。フランスベッドのマットレスに身を委ね、ベッドサイドの灯りを頼りに、静かに本を読んだり音楽を聴いたり……。自分自身とより深く向き合える、そんな空間です。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

バスルームは窓が大きく、緑を望みます。こんな安らぐおしゃれなシチュエーションなら、ゆっくりと徹底的に、普段やらないスキンケアやボディケアをやりたくなります。

 

プライベートテラスでティータイムを楽しみたい「スタンダード・スイート」

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

3番目に広い、61平米、3名まで宿泊可能な「スタンダード・スイート」の客室は、ゆったりとしたリビングに北欧のソファとアームチェアを備えた大人な雰囲気が魅力です。白壁にブルーの窓モールも北欧の邸宅を思わせます。

窓辺にもソファがあり、緑を眺めるのにぴったり。あえて何もしない時間を楽しむ休日が叶いそうです。もうひとつ、ぜひおすすめしたいのが、テラスでのティータイム。目の前を通る人がいないプライベート空間で、通り抜ける風、木々の葉音、森の香りを感じながら、温かいコーヒーを飲むなんて最高の贅沢です。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

ベッドルームも隠れ家感満点。「デラックス・スイート」以外は、自然素材の組み合わせで得られるこの上ない睡眠にこだわったベッドブランド「TEAM7」のベッドを採用しています。木のしなりが生み出すナチュラルな弾力! まさに最高の寝心地で、ここでもモノ選びへのこだわりを感じました。

 

ワンルームタイプで使い勝手のよい「スタンダード・ツイン」

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

ベッドルームとリビングがひとつになったワンルームタイプの「スタンダード・ツイン」は、46平米で2名まで宿泊できます。天窓から自然光が差し込む三角屋根がかわいいお部屋です。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

窓からは木々の緑に加え、林越しに久美浜湾の水面のキラキラとした煌めきを見ることができます。テラスに出ると、自然の風が頬を伝い、さわやかなことこの上なし! 窓辺に並ぶソファも、体をすっぽり包んでくれて座り心地抜群です。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

リビングとドアで隔てられたキッチンもまた隠れ家感が。出西窯の「出西ブルー」と呼ばれるカップが白い壁に映えます。

HOTEL HOLIDAY HOME 客室

バスルームには、麻混のタオルがたっぷり用意されていました。これも併設の「Bshop KUMIHAMA」で購入できます。

 

地元の野菜や魚介がたっぷり! 夕食はガラス張りの空間で

HOTEL HOLIDAY HOME レストラン

お待ちかねの夕食は、レセプション棟に併設されたレストラン「Reception Garden」でいただきます。全面ガラス張りの建物からは煌々と灯りがあふれ、まるで灯台のよう。外から眺めてもとても美しい風景が広がります。

HOTEL HOLIDAY HOME レストラン

店内に入ると、窓の外には夜の木々がこんもりと浮かび上がり、林の中のレストランのムードが極まります。

料理は季節ごとに変わりますが、ここ、京丹後は海の幸も山の幸も豊富。地元の味覚を存分に楽しめるコース料理をいただけます。私たちが訪れた秋は、久美浜産のワタリガニがサラダやリゾットとして登場。冬になると、日本海で獲れたカニやブリ、久美浜名物のカキが並びます。ほか、春は山菜や旬の果実、夏は鮮魚のアクアパッツァ、岩ガキなど、1年中、いつ訪れても丹後の旬を味わえます。

 

HOTEL HOLIDAY HOME ディナー

写真は、秋のコース1皿目の一例。ワタリガニの鮮やかな赤とぶどうの緑に目を奪われる「久美浜産渡りガニとぶどうのサラダ仕立て」。手作りのレモンドレッシングでマリネしたカニ身はあっさりとした味わいで、久美浜産のピオーネやシャインマスカットとも相性抜群です。

HOTEL HOLIDAY HOME ディナー

続いての前菜の盛り合わせは、ニジマスのカルパッチョ、イチジクと生ハム、新興梨とブリーチーズの3品。特においしかったのが、梨とチーズ。上にのったクルミのカリッとした歯ごたえ、梨のジューシーな甘味とチーズの塩味が濃厚に絡みあって絶品でした。

HOTEL HOLIDAY HOME ディナー

「久美浜産渡りガニのリゾット」は、ハマグリのダシがしっかり染み込んだ深みのある味わいでした。チャイブのあしらいも美しい!

HOTEL HOLIDAY HOME ディナー

メインのひとつ、「地魚のポワレ フンギソース」。この日の魚はスズキ。外はカリッと、中はふっくらと仕上げたスズキに、赤ワインで煮たポルチーニが旨味と豊かな風味を添えています。肉厚の白身もほくほくで大満足!

HOTEL HOLIDAY HOME ディナー

続いてのメインは「黒毛和牛サーロインのローストビーフ」。これも絶品! ローストビーフといえば薄いものを想像しますが、こちらでは肉厚にカット。しかも、ソースはかかっておらず、オリジナルのハーブ塩やマスタードを付けていただくのです。食感はとてもやわらかく、程よい脂身と赤身の旨味がしっかり感じられます。

付け合わせのドライトマトと一緒に食べるのもおすすめと教えてもらい、試してみると、ドライトマトの甘味と肉の旨味を塩が引き出し、これもまた口福でした。

HOTEL HOLIDAY HOME ディナー

デザートには栗のプリンが。エスプレッソのキャラメルソースがかかったプリンは、なめらかな口あたりがたまりません。上には1粒の栗、中には大きめにカットした栗がたっぷりと入っていて食べ応え満点です。

食後の飲み物はコーヒーやカプチーノ、紅茶、オレンジジュースなど12種類から選べるという充実ぶり。地元の旬の食材を使ってとても丁寧に作られた料理は、ここで暮らしているかのような体験ができる「おもてなし」でした。

ちなみに、春はイチゴ、夏はメロンや桃、秋は栗やぶどう、イチジク、冬はゴボウなどの野菜を使ったデザートが登場するそう。日中のカフェタイムには、これらを使ったパフェも人気。宿泊しなくても、カフェやランチにレストランだけ利用することも可能です。

Reception Garden

営業時間
11:30~21:00 (無休)
LUNCH
11:30~15:00 L.O.
CAFE
11:30~18:00
DINNER
18:00~21:00(20:00 L.O.)

 

朝食は焼きたてパンと新鮮な野菜&フルーツを存分に!

HOTEL HOLIDAY HOME レストラン

自然に包まれてよく眠ったら、朝からおなかがグーグー鳴りだしました。さっそく朝食をとりに、再びレストラン「Reception Garden」へ。夜とは違い、朝は窓の外の緑がよりくっきりと迫ってきます。

HOTEL HOLIDAY HOME 朝食
※パン・フルーツは2人分です

朝食メニューは、地元で採れた新鮮な野菜やフルーツ、焼きたてのパン、ヨーグルトやグラノーラなど、テーブルがいっぱいになるほどの品数でボリューム満点。パンはバゲット、朝食でしか出合えないクロワッサン、クルミのパン、全粒粉のパンと4種類。それに、自家製のイチゴジャムやハーブ入りのバターなどが添えられます。

メインのプレートも彩り豊か。ココット、グリルした根菜や茹で野菜、豆など体に優しいものが盛りだくさんです。ソーセージは、丹後半島の宮津市に工房を構える人気店「自家製工房 t.ファーム」のもの。朝からフレッシュな野菜やフルーツをたっぷりチャージして、体がすっきり目覚める朝食でした。

 

山頂からは絶景が! 朝食後はかぶと山にプチ登山

このホテルがあるのは、山陰海岸国立公園の中。すぐ裏手には標高191.7m、20分程度で登れるかぶと山があり、山頂には展望台も。これは絶景狩り&朝の散歩ができるのでは?と、朝食後に登ってみました。

かぶと山

登山道が整備されているので、気軽に登ることができます。

かぶと山展望台

山頂の「かぶと山山頂展望台」に到着! 京都府産の杉を使ったウッドデッキが設置されています。

かぶと山展望台

ウッドデッキからはこんな景色がどんと広がります! 日本海と久美浜湾を砂州が隔てる地形が天橋立に似ていることからその名が付いた「小天橋(しょうてんきょう)」まで一望できます。

HOTEL HOLIDAY HOME

山登りはちょっと…という人におすすめしたいのが、ホテルのすぐ裏手にあるテラス。ここからも遠くに小天橋を見ることができます。ホテルの敷地の一部なので、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

Bshopでショッピングしたりランチしたり。チェックアウト後もまだまだ楽しめる!

楽しい時間はあっという間に過ぎていきます。もうチェックアウトの時間。とはいえ、その後も存分に楽しめるのがこのホテルのよいところ。ホテルの目の前の海辺をゆっくり散策したり、ホテル内のレストランでランチをしてから帰るのもおすすめです。

Bshop 久美浜

レストランの横にある「Bshop KUMIHAMA」ものぞいて行きましょう。「HOTEL HOLIDAY HOME」で慌ただしい日常をリセットした後に選んだアイテムは、自分への最高のお土産となるはずです。

客室で使用されている雑貨やアメニティのほか、注目は、タイムレスで機能的な雑貨を扱うロンドン発の「LABOUR AND WAIT(レイバー・アンド・ウエイト)」の商品。末永く暮らしに寄り添う良質なアイテムを世界中から集めて紹介しているセレクトショップだけに、ほかではなかなか見かけないものと出合えるかもしれません。

 


HOTEL HOLIDAY HOME

自然あふれるヨーロッパの片田舎のような空間で、自分をリセットするのにぴったりな「HOTEL HOLIDAY HOME」。観光スポットを慌ただしく巡る旅ではなく、ここに暮らすように滞在する大人な旅のステイ先のひとつに、ぜひこのホテルを加えてください。何も予定を決めていなくても、満たしてくれる自然と時がここにはあります。

 

HOTEL HOLIDAY HOME

住所
京都府京丹後市久美浜町向磯2575
アクセス
[電車]京都丹後鉄道「久美浜」駅から車で約10分、「かぶと山」駅から車で約5分(無料送迎あり)
[車]山陰近畿自動車道「京丹後大宮」ICから約40分、北近畿豊岡自動車道「但馬空港」ICから約40分
駐車場
無料(予約不要)
チェックイン
15:00(最終チェックイン18:00)
チェックアウト
11:00

撮影:大林博之 取材・文:田村のりこ

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